五条悟からは逃げられない!   作:創作好き

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終わらなかった・・・ちゃんとしたものを書こうとすればするほど話が膨らんで全然終わらない・・・本当は回想を一話で終わらせるはずだったのに、滅茶苦茶アイデア湧きまくって止まらない!

遅くなり申し訳ございませんでしたあ!回想まだ終わりません!

戦闘シーンは楽しめると思うので許してください!!(土下座)


さいごまで わたしとおどりましょう

禪院誠は考える。今自身が置かれている状況を解決する方法を。

目の前には情報と違う一級相当の呪霊と自分達を囲う低級呪霊の群れ。そして後ろには一般人が1人。状況はあまり芳しくない。一級とこの数の呪霊を同時に相手取るには領域を使わなければ厳しく、領域を使えば少女の命は危険に晒される。

 

自分の領域は呪力が無ければ影に沈む性質を持つ。故に、呪霊や呪術師が弱るとそのまま影に飲まれて死ぬ。何なら自分の養分になる。だから、自分が少女を抱えていればその問題は解決するが、その場合一級呪霊の相手が厄介だった。領域と言ってもこれはあくまで対五条悟に編み出したもの。実はまだ領域内全域での必中とバフが完成していなかった。

 

そんな燃費が悪い不完全の領域を展開しながら一般人を抱えつつ、一級呪霊を相手取って勝利するビジョンが誠には見えなかった。勿論、自分と一級呪霊のみを領域に入れることは可能だ。そうすれば勝つことはできるだろう。領域外にいる少女と呪霊達の事を考慮しなければ。残念ながら、領域を展開しながら領域外で式神を維持できないことは確認済みだった。

 

少年期の彼は、その年を考えれば間違いなく強者だ。だが、五条悟のように無敵でもなければ、当時の禪院甚爾のように呪具さえあれば無双するほどの強さも持ち合わせていない。彼はまだ、一級に手を伸ばせる程の実力を有していない。

 

到底一級の上澄みである直毘人や冥冥には敵わない。今五条悟に勝つことができているのは、最も厄介な無下限を破れるかつ、五条悟のフィジカルが未だ成長途中であるからである。いずれ、誠は置いて行かれる。そのことを最も理解しているのは当時の誠自身だった。

 

(この娘を守りながらこいつらを全員倒すとなると、式神達にこの娘を任せて、俺が一級(こいつ)と一騎打ちがベスト。式神無しで一級を祓えるかどうかは考えない。必ず祓う。それが今、この娘が生き残る唯一の方法だ。気合入れろ!)

 

彼は実現不可能なことは行わない。最低限身の程を弁えているから。仮に、八乙女が助ける前に死んでいたとしても、彼はしょうがないと割り切る。死んだ者は蘇らないから。

だが、まだ生きているのならば話は別だ。彼は苦しいことも、死ぬことも拒むが、自分が心からやりたくない事は死んでもやらない。故に、彼は八乙女を死んでも見捨てない。同類と感じた彼女を見捨てることは、あの頃のまこと(じぶん)を見捨てることと同義だから。

 

歪な心。不安定な精神。そして、それらをまとめるように一本の強い我が突き刺さっている。それこそが、彼を彼たらしめるもの。それは、彼にとって命より大事なものだった。それがあるから、勝ち目がなくとも五条悟に挑んだ。それがあるせいで、彼は今死地にいる。

 

呼吸を整え、脳内で二体の式神に指示を送る。命令は単純明快、少女の護衛。

口角を上げ、一級呪霊を見る。一級呪霊は訝しむ表情をしたのを見て、誠は走り出した。

 

誠が動き出したのと同時に呪霊達が動き出す。それぞれが己と最も近い獲物へと駆けだした。

 

誠に近寄る一体の低級呪霊を殴り倒し、続けて襲い掛かった呪霊の体当たりを躱しながら足を引っ掛けて転ばす。横からダイブしてきた呪霊の腹を殴って吹っ飛ばすことで後方の呪霊達ごと吹っ飛ばし、先程転んだ呪霊の背中を踏みつぶす。狂気を孕んだ笑みをしながら呪霊を祓う姿はまさに悪魔そのもの。八乙女はそれを怖いと思いながらも、誠から目を離せなかった。彼の表情に違和感があったから。

 

後方では玉犬二体が八乙女を狙う呪霊を嚙みちぎり、引き裂いていた。呪霊達は負けじと向かって行くが、二級呪霊を無傷で祓えるこの二体に三級以下の呪霊達では力不足であった。

 

だがこれしきでは呪霊達は止まらない。食ろうてやろうと誠達に襲い掛かる。

 

大型呪霊がその巨体を活かし誠にのしかかる。だが、誠は敢えてその呪霊へと飛び上がり、拳一つで呪霊の体を貫通して前へと進む。空中の誠を襲おうと飛び掛かった呪霊を踏み台にし、そのまま玉に乗ったピエロの一級呪霊へと殴りかかった。

 

「っ!!」

 

拳が届くギリギリで、ピエロの腹からナイフのようなものが飛び出した。体を捻らせることでナイフを回避し、その勢いで回し蹴りを頭へと叩きつけた。が、ピエロは吹っ飛ばず、あらぬ方向を見た頭とすぐさま目が合い、足を掴まれ地面へと叩きつけられた。

 

受け身を取り、着地場所付近の呪霊を蹴り祓いながら誠は考える。

 

(蹴りの軸は合ってたのに手ごたえが無かった。特別硬いわけでもなければHPが高いって訳でもない。となると、特定の場所じゃないとダメージが入らないとかか?頭を潰すのがセオリーだが、人間の頭の位置と呪霊の頭の位置は一致するとは限らないからな)

 

なぜかダジャレを言った気がするが、誠はそれ以上考えないことにした。

口角を上げ、再びピエロへと駆けだす。行く手を数体の低級呪霊が襲い掛かるが難なく祓い飛ばす。それを見ていたピエロが、今度はお手玉のような何かを投げつけてきた。それらは投げられた瞬間火を纏い、魔球となって襲い掛かる。

 

それらを誠は難なく躱すが、魔球が当たった地面は見事に凹んでいた。下手に当たったら骨が犠牲になるであろうことが予想でき、躱しながら今度はピエロが乗っている玉へと近づいた。いい加減ピエロを玉の上から引きずり下ろすために、この巨大玉を叩き割ると決めた。腕に呪力を込め、玉へと叩きつけようとして、目の前から玉が消えた。

 

「チッ!」

 

顔を上げると、巨大な玉が勢いよく落下してきていた。横へと飛び出して緊急回避をすると、先程まで誠がいた場所の周りごとクレーターになっていた。

 

「あー、成程。そういうことね。どうりで手ごたえが無いわけだ」

 

誠は主にピエロに向けていた意識をボールへと向ける。それに気づいたピエロの一級呪霊改め、赤と黄の縞模様の巨大なボールが割れ、圧縮していたその肉体を元に戻していく。それは、ボールなどではない。ボールに擬態していたのは、まるでモンスターハンターに登場するティガレックスとフルフルを足したような肉体を持った、赤と黄の縞模様の怪獣だった。その不気味な姿を見て、少女の小さな悲鳴が聞こえた。

 

「■■■■!!」

 

その雄たけびは、生得領域を大きく揺らした。今ここに、この領域の王が姿を現した。

 

(マジでヤバいなアレ。体丸めてる時でもあの速度だから、今から更に速くなるのか。キッツ)

 

飛び道具を投げるだけの弱い術式だと思っていたが、実態はゴリゴリの肉弾戦メインなことに小さく舌打ちをする。呪術廻戦において、最も大事なのはゴリラ力なのをよく知っているからだ。能力バトルものなのになんでだよ、と内心溜息を吐きながら誠は構える。

 

八乙女と距離が離れていることを確認すると、全身に呪力を纏い始めた。

一級呪霊は自身の背中に乗っているピエロから魔球を発射、誠へと炎の球が殺到する。だが誠は、今度は避けずに真っすぐ一級呪霊へと向かった。

 

— 拡張術式 影針 —

 

魔球は誠に当たる直前に全て破壊され、誠は無傷で突き進む。飛び道具では埒が明かない事を察した一級呪霊は、その巨大な腕に纏わせた呪力を、腕を振るうことで斬撃として飛ばす。当たれば致命傷になるだろう。だがそんな大振りの一撃に当たる誠ではない。横に回避し、そのまま進んだ。それがミスだと気づかずに。

 

「黒ッ!!」

 

気づいた時には既に遅い。誠が避けた一撃はそのまま真っすぐ飛んでいき、玉犬・黒を一撃で破壊した。そして式神の破壊に動揺して式神へと視線を動かした瞬間、一級呪霊が凄まじいスピードで襲い掛かってきていた。

 

「しまっ・・・」

 

丸太より大きな腕が薙ぎ払われた。影の針が誠を守るように腕に刺さっていったが、それで止まるわけもなく誠は薙ぎ払われた。直前に呪力で全身を覆ったが、壁に叩きつけられた時に受け身を取れず、衝撃をもろに食らって壁にめり込む。

 

意識はギリギリで手放していないため玉犬・白が崩れることは無かったが、今の一撃でダメージを負った。それでも、誠は気合で手印を結んだ。

 

「鵺!」

 

誠の影から仮面をつけた怪鳥が飛び出す。玉犬・黒がいなくなったのをチャンスと思い八乙女に近づいた呪霊達を電撃で蹴散らした。そして誠が壁から降りた直後、誠は咄嗟にかがむ。それとほぼ同時に一級呪霊の腕が誠の頭があった場所を通り過ぎ、壁の穴が広がった。一級呪霊はもう片方の腕で今度こそ潰そうと下を見るが、誠が見えない。

 

「チェストォ!」

 

一級呪霊の横腹(・・)に拳がめり込む。そしてその一撃に応じるように一級呪霊は全身を駒のように一回転させ、近くに寄ってきていた低級呪霊ごと周りを吹っ飛ばした。が、次に目視した誠は無傷だった。

 

(っぶねー、あの巨体でなんて動きしやがる!完全にティ〇レックスじゃねえか!!動き読んで影に潜らなきゃ危なかった。それにあの肉体、打撃が全然効かない。まさに筋肉ダルマだな。攻撃は俺じゃなくて、式神達に任せた方がいいかもしれない)

 

その場合、少女の護衛を自分が行いつつ、式神の指示を並行して行わなければならないが、自分が頭を全開で回せばいいだけだと気合を入れ直した。口角が更に上がった。

 

「玉犬、鵺!」

 

二体を呼んでそちらへと駆けだす。それを一級呪霊は見逃さない。足に力を籠め飛び出そうとした時に全身に電撃が走る。これで倒れはしないが体は止まってしまった。立ち位置は、壁に寄りかかる八乙女を背後に誠が低級呪霊の群れを相手取り、式神二体が一級呪霊に立ちはだかる。

 

「■■■■!!」

 

二度目の咆哮。それを真正面から受けつつも、二体は退かない。

先手は鵺。電撃を一級呪霊へと浴びせるが、二度目は怯まない。来るとわかっているなら、身構えてさえいれば問題ないと言いたげな表情をする一級呪霊。だが、すぐさま左腕に走る小さな痛みに声を漏らす。そこには玉犬・白につけられた小さな掻き傷があった。

 

腕で玉犬を叩き潰そうとするも、接触する前に影に潜られてクレーターが増えるだけに終わる。そして何かが背中に当たった感触と同時に先程よりも強い電撃が全身を駆け巡り、再び硬直する。鵺の体当たりによる電撃を食らったのだ。

 

「畳みかけろ!!」

 

主の指示に従い、鵺は背中に何度も体当たりを行い強力な電撃を。鵺の体当たりをするタイムラグに合わせ、対を成す玉犬・黒の敵を取ろうと覇気を纏わせながら玉犬・白が腹を切り裂く。攻撃を受け続けた一級呪霊は、いい加減にしろと言わんばかりに体を駒のように回転させながら、背中のピエロからナイフのようなものと魔球を巻き散らかした。

 

洞窟内でありながらも鵺はその機動力を活かし、一部被弾しながらも多くを躱し、玉犬・白は影となってその場から姿を消したため当たることは無かった。

 

大蛇(オロチ)

 

一級呪霊の回転が止まった瞬間、誠の影から下級呪霊達をすり潰しながら巨大な蛇が一級呪霊の首に噛みついた。苦しそうにもがくも、誠の呪力が一気に注ぎ込まれて強化された大蛇に投げ飛ばされる。そこに間髪入れず電撃が放出される。その衝撃に天井が崩れ、一級呪霊を押しつぶす。

 

「すごい・・・」

 

恐ろしい怪物を圧倒する姿を見て、言葉が漏れる。ニュースでは決して流れることはない、人知を超えた戦い。それが今、自分の目の前で行われていることに未だ実感が湧かずとも、すごい経験をしていることだけは理解していた。

 

なお、この程度ならば五条悟とのガチ喧嘩においてはしょっちゅうやる。誠が使うのは領域展開か領域展延、回避と目くらましに式神を少々使う程度だが、五条悟は周りの被害お構いなしに蒼を使うため、悟との喧嘩はいつも命懸けだったことを甚爾に告白している。

 

(これで、終わり・・・)

 

八乙女は安堵する。確かに少年は強かったと。自分を庇いながらでも問題なかったと。先程まで考えていた、自分がいることでの敗北など杞憂でしかなかったと。

となるともう何も問題ないだろう。あの一級呪霊(かいぶつ)と違い、残った下級呪霊(かいぶつ)を彼は素手で倒せることは何度も見た。後は彼が残りを倒し、私が帰って全てぐちゃぐちゃにしてしまえば全て終わる。そう考えた。

 

「・・・マジか」

 

「え?」

 

瓦礫の山が動き出す。そこにいたのは、体のあちこちに傷がありながらも未だ倒れる気配がない一体の呪霊の姿があった。

 

「なんで・・・」

 

「■■■■■■■■!!!!」

 

怒りの咆哮。それが生得領域を大きく揺らす。

 

(呪霊に化学兵器が通用すると仮定した場合、一級呪霊は戦車があっても心細いという程の強さ。成程、これが一級。・・・いや、原作で登場してる一級相当のバッタの呪霊より強くね?)

 

誠の考察は正しい。今彼が目の前にしているのは、一級の中でも上位に相当する呪霊。その上、最高火力が自身の打撃である誠には相性が悪い相手であった。なお、原作キャラの七海や冥冥、直毘人に東堂などの一級術師ならば問題なく祓える。

十種影法術は確かに強力な術式だ。だが、彼はその全てを調伏し終えていない。貫牛を調伏していれば話は変わっていたかもしれないが、ここでは無意味な話だ。

 

誠が一級呪霊のタフさに戦々恐々していると、一級呪霊の黄の部分が全て赤くなり、全身が赤くなる。背中に乗っていたピエロも赤い服装のピエロとなった。

 

(第二形態?いや、違う。これは成長だ!俺との戦闘で死を感じ、さらに強くなりやがった!それは敵側がやっちゃいけない奴だろ!?)

 

ピエロの周りにナイフに燃える玉、そして赤い玉が出現する。誠はすぐさま式神二体を仕舞い、全身を呪力で覆って防御を固めつつ、影針を展開。真正面から迎え撃つ。

 

そして、爆撃が始まった。

 

ナイフや魔球は先程よりも速く飛んでくるが、全て影針によって弾かれるため問題は無かった。問題は、新しく追加された赤い玉。それは影針が触れた瞬間、爆発した。一つ一つの威力はそこまで高くはない。呪力で全身を覆えば、無傷で防げる。その程度の威力。だが、数が多すぎた。小さな爆弾が絶え間なく誠の体を揺らす。躱すのは問題ない。だが、後ろには少女がいた。故に、誠は動けない。爆風によって影針と呪力の防御が削られていき、ナイフと魔球が誠に掠り始めた。

 

たまらず誠は奥の手、円鹿を呼び出した。鹿のような式神が主人を守るように現れ、反転術式によって一級呪霊の攻撃を中和し、主人の傷を癒す。それでも爆撃は終わらない。

一級呪霊は彼らをあざ笑っている。自分を楽しませるおもちゃの分際で楯突き、己を傷付けた愚か者を徹底的に叩きのめすように。爆撃は続く。

 

「クソ・・・」

 

爆撃が止み、ニヤニヤとこちらを見る一級呪霊。先程の攻撃を防いだのは良いが、円鹿を呼び出したことで呪力が底を尽きかけていた。円鹿は式神の中でも、呼び出すのに特に呪力消費が激しい。確かに反転術式を使えるのは式神の中でも破格の性能だが、戦闘向きの式神ではない。故に、残った呪力と円鹿だけで一級呪霊を祓うことは困難であった。

 

そして、このまま円鹿の傍にいても負ける。嗤ってはいるが警戒しているらしく、こちらに近づいてこないが、円鹿が中和できるのは術式効果のみ。物理はその限りではない。確かに呪霊にとって反転術式は相性が悪いが相手は一級呪霊。殴りかかられれば消しきる前に呪霊の一撃が円鹿を吹き飛ばすだろう。

 

今、誠には二つの選択肢がある。

 

一つは、少女以外のこの場にいる全員を巻き込んで自爆(まこる)。確実に一級呪霊は祓えるが、確実に自分も死ぬ。生得領域は解けるはずなので少女は下級呪霊から逃げきれるかもしれない。

 

二つ目は一か八か、残った呪力で一級呪霊の頭に殴りかかり、黒閃を決める。黒閃ならば一級呪霊を祓える可能性があり、ハイになった状態ならば、影に仕舞っている呪具で残りの呪霊を祓えるであろう。

 

(はっきり言ってどちらも博打だ。じゃあ、答えは決まってる)

 

自身の影に仕舞っている、伏黒恵が使っていた物に似ている呪具を取り出し、円鹿の効果範囲外から笑顔(・・)で飛び出した。

 

(同じ博打なら、自分が最も求める結果に賭ける!俺は、死んでも勝つ!!)

 

迷いなく一級呪霊に向かって行く。そして再び爆撃が誠を襲う。その爆撃の雨の中を、ノーガードで突き進む。

 

(体は既に全快、ある程度なら無理も利く!影針もガードもいらない!集中しろ!イメージしろ!少し先の、自分が勝利する未来を!!)

 

誠は走る。致命傷になりうるものだけを弾く、もしくは躱し、残りは全て無視して突き進む。走りながら雑念を極限まで削り、最後の一撃に全てを賭ける。

 

弾幕を潜り抜け、遂に一級呪霊の腕のリーチに入る前に、一級呪霊が飛び掛かり、巨腕を振りかざす。後方に跳ぶことで回避し、追撃で振りかざそうとするもう片方の腕の軌跡を予測。その一撃をなぞるように跳んで躱しながら腕を切りつける。ピエロと同じくらいの高さになり、目が合った瞬間に呪具を投げ、ピエロの腹に呪具が突き刺さった。

 

そして、体が落ちていく。誠は自分以外の全てがゆっくりになっていくのを感じながら、拳を構えた。そして、一級呪霊と目が合った。

 

— 黒閃 —

 

黒い火花が散る。女神は彼に微笑んだ。巨体が小さな拳に吹っ飛ばされた。

 

八乙女は目に焼き付ける。その黒く美しい輝きと、一瞬だけ見えた、安堵した少年の顔を。

 

「ぜえ、ぜえ・・・」

 

誠は着地し、膝をついた。精魂を使い果たすギリギリだった。下級呪霊がどよめく。少女を食らうことは式神が許さず、呪力が尽きかけても未だ笑顔を崩さない悪魔のような少年。呪霊達の頭が倒れた今、もう勝ち目はない。

 

「おいおい・・・一体、何処に行こうというんだぁ、ああ?」

 

予備の呪具を取り出し、呪霊達に近づく。その姿は正に悪鬼。呪霊達は泣き叫び、八乙女は夢に出そうだと心から震えた。

 

 

 

しょうとくりょういきは まだとじない。

 

 

 

 

 





今際の際で 私と踊りましょう?
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