お久しぶりです。書く時間ができたので投稿です。
これからは頑張って週一・・・できるといいなあ。
五条悟にとって、禪院誠は唯一無二の親友である。この世の人間が花か虫にしか見えなかった幼少期の彼にとって、禪院誠だけは同じ人間・・・人間?
(俺を人間の基準として考えるとあいつ人間じゃないんだよな。宇宙人?)
・・・少なからず、花と虫ではない何かとして見ることができた。彼にとって禪院誠の存在はそれほど大きかった。禪院誠が離れようとしても絶対に離すつもりはなく、2人の間に何人たりとも割り込む余地もないと考えていた。
故に、こうなる。
「おい、誰だよお前」
親友の部屋に見知らぬ女がいた。五条はすぐに警戒態勢に入った。あの人見知りboyの誠が僅か一週間で友人を作ることは不可能。よって、目の前の女は親友の部屋に勝手に入り込んだ不審者と断定した。
「・・・あなたこそ、誰よ。ここは
手に取っていた漫画をテーブルに置き、五条悟に相対するのは八乙女玲子。誠がコンビニに行っている間、誠が実家から持ってきた漫画借りてくつろいでいたところ、見知らぬ高身長白髪蒼眼の男が背中に大剣らしきものを背負いながらハイテンションで入室してきたため、一気に警戒レベルを引き上げた。
ここに、互いを不審者と認識する呪術師達の図が完成した。
「ここが誠の部屋なら合ってるよ。何せ、俺は誠に会いに来たからな」
「へえ、そんな物騒なものを背負って
ここで五条は、先程から気になっていたことを口にする。
「お前さっきから誠君誠君って、随分気安く下の名前で呼ぶじゃねえか。嫌がってないかあいつ?」
親友が付き合いの短い相手に下の名前で呼ばれることをあまり好んでいないことを、五条は遠回し伝える。が・・・
「問題ないわ。彼から許可は貰っているし」
「は?」
先日、野生の直哉が飛び出してきたこともあって、他の禪院家の者と混ざらないようにと下の名前で呼ぶことを許可されていた。なお、八乙女も下の名前で呼ぶよう言ったが即座に却下された。
「あら、そんなにおかしい?
五条悟に会心の一撃。少し離れた間に、コミュ障の親友に新しい友達が出来たという事実が襲い掛かる。
「・・・あいつが言ったのかよ」
「え?」
「誠が、お前を友達だと!本当に言ったのかよ!!」
「それは・・・」
現在2人は漫画を貸し合うほど仲は良いが、誠が八乙女に言ったのは、これから仲間としてよろしくといった文言のみで直接友達だと明言したわけではない。なお、これは誠も「友達って言って良いのかな・・・仲間だけど友達じゃないって言われたらちょっときついな・・・」と弱腰のため、2人の関係性については言及していない。面倒くさい2人であった。
「は!じゃあお前は友達になったと思い込んでる勘違い野郎ってわけだ!お笑い草だな!」
八乙女玲子に会心の一撃。友達作りが下手な人間に「その人、友達じゃないんじゃないの?」とは言ってはいけない。本人が一番自信がないから。
「・・・なら、あなたは誠君のなんだっていうの」
ダメージを引きずりつつも、今度は五条に問いかけた。
「そんなもん決まってる。親友だ!」
「・・・」
「なんだよその顔は」
「いや、ちょっと無理があるなと・・・」
「・・・なんだぁ、てめえ」
五条、キレた!!
「嫉妬で遂に頭がおかしくなったか?悪いな、俺と誠はガキの頃からの付き合いだ。てめえとは関係の深さが段違いなんだよ!それでもまだ何かいうか?ああ?」
「いや、だって彼基本的に事なかれ主義というか刺激よりも日向ぼっこする方が好きだからあなたみたいな刺激物の擬人化みたいな人と関わるのは好きではないだろうしどっちかというと物静かで包容力がある人の方が好きだと思うのそれにあなたその逆で子供っぽいし喧嘩っ早いしその様子からして面倒ごと持ってくる感じだから彼に厄介に思われてそうだから流石に親友は誇張じゃないかしら」
五条、戦慄する・・・
めっちゃ早口の上に的外れとは思えない程の誠への解像度で引いていた。一週間の付き合いでこれはもはや恐怖でしかなかった。そして五条は八乙女が早口で喋っている間に見せた眼を知っている。あれはそう、誠を狂信している一部の禪院家の眼と同じであった。
それもそのはず。十にも満たない年で脳破壊を受け、それを長い時をかけて熟成させたのが八乙女である。幼い頃の誠との会話から誠という人間の考察をし、ここ一週間でその解像度を一気に引き上げたのだ。そして、ここまで解像度を上げていることが誠本人にバレると距離を置かれる可能性が高いと考えているため、八乙女はそれを隠していた。どうしてこうなるまで放置した。
「で?結局あなたは何処の誰なのかしら?いい加減答えてくれる?」
「イカレ女に名乗る名前はねえよ、自称友人A」
「自称親友が何を言っているのかしら?」
空気が冷えていく誠の寮室。不審者を前に、誠の数少ない友人達がとった行動とは・・・
「「・・・殺す」」
色んなもの(誠の私物)が舞った。
先手は八乙女。手刀を刀に見立て術式を手に纏わせ、五/条にすべく手刀を振るう。五条はそれとほぼ同時に無下限呪術を発動。抜刀は五条に届くことは無かった。
八乙女はすぐさま流れるように回し蹴りを放つもそれも届かず、五条の嘲笑が見えるだけであった。
「次はこっちの番」
五条の右ストレートが迫るも勘で軌道を読み取り、躱して距離を取る八乙女。そんな八乙女を追撃すべく五条は足元にあったちゃぶ台を投げて視界を潰しつつ接近し、ちゃぶ台を破壊した八乙女に蒼を発動。そしてそれも勘
(攻撃が当たらないのは何故?防御系の術式・・・いや、そもそも触った感触がない。届かないようにされてる。となると、概念系の術式かしら)
(見た感じ風を操る術式だけど、攻撃がやけに読まれてるな。術式による予知のようなものか?)
((面倒だ・・・!!))
両者ともに攻撃は当たらず。故に、2人はどう攻撃を当てるか考え・・・
「なに、やってるんだ・・・?」
ゲームオーバーとなった。
五条悟が真の最強になるのは覚醒後である。だがそれでも、覚醒前の五条も特級相当の相手でなければ話にならない程の実力だ。そんな五条を負かせるものは今のところ1人だけだ。そんな人物も、「勝てると言ってもそこそこ負け越してるからな・・・」とよくこぼす。それ程までに五条悟は強いのだ。
だが、五条悟が真正面から戦っても勝てない
「何でこんなことになっている・・・?」
ここで、現在の状況を確認しよう。
3人がいる場所は禪院誠の寮室である。故に、誠の私物が置かれている。そして先ほどの戦闘によって部屋はそこそこ酷いことになっていた。
棚は壊れたちゃぶ台が突き刺さって中の食器は壊滅、本棚も風の影響吹き飛び、一部はもう読めないくらい切り刻まれている。何なら蒼の影響で床に穴も空いているし、実家から持ってきていたお気に入りのガ〇プラ3つ全てが巻き込まれていたため、もう見る影もない。
「・・・」
「いや、あのな誠、これはちょっと訳があってだな・・・」
「そ、そうなの。決して態とでは・・・」
今更事の重大さに気づいた2人だが、既に遅かった。
何か、切れてはいけない糸が切れる音がした。
「・・・ふひ」
「あ、やべ」
高専一帯に呪力の嵐が巻き起こる。高専に残っていた者の多くは驚き、状況を確認しようと武器を持って外に出ようとしたが、誰の呪力か気づいて時にそっと高専から離れた。誰もがヤバい奴に近づきたくなかったのである。学園長を除いて。
そしてそんな状況の中、五条は覚悟を決め、八乙女は諦めた。
「ねえ、これ私達死ぬんじゃない?」
天を仰ぎ、片手で顔を覆いながら高笑いしている誠を見て、五条に言葉をかける八乙女。幼い頃に見た誠の姿と同じと判断し、「私もあの時の呪霊と同じ末路になるんだなあ」と、諦観していた。
「いや、10分経てばアイツの体が無限の呪力に耐えられなくなるから、10分間猛攻から逃げ切れば勝ちだ。俺は逃げないけど」
「・・・どうして?」
「あの状態の誠に、タイマンでまだ勝ったことないんだよ。なら戦う以外の選択肢はねえよ」
「あれに勝とうとするのが間違、勝ったの!?」
「3人がかりで耐久戦してな」
五条、甚爾、直哉のドリームマッチで、伏黒恵版領域展開の中を生き残った。唯一の勝利例である。直哉曰く、「ウスノロとか言われて先回りされるし、悟君は2発で膝着くしでヤバかったわ。甚爾君も空中ジャンプしながら殴りまくってたのに全然ピンピンシとるしビームも撃ってくるし完全に孫〇飯やわあれ。こっちの気分は自爆前のセ〇」とのこと。
「邪魔だからすっこんでろ。気が散る」
「・・・頭きた。私も戦う」
「へえ、それまたどうして?」
「プライド以外に何があるのよ」
五条はその回答に満足し、2人の術師が並び立つ。己がプライドと命を守るために。
その後、嵐神がレシーブされたり、五条が更に打ち返した嵐神によって楽巌寺が巻き添えを食らったり、戦いを止めるべく金剛が参戦したり、五条と八乙女が合体技を編み出すなどあったが、結果がわかっている戦いをこれ以上話すことはないため、内容は割愛する。
楽巌寺が目を覚ました時には、五条と八乙女が植えられていたという。
とある一室のアパートに、頭に縫い目がある女が入室する。その部屋には本や娯楽のための道具が多くあったが、生きるために必要な冷蔵庫などの食料関連の物は無かった。そして部屋の真ん中で本を読んでいる者が一体。黒髪に継ぎはぎ顔の男がいた。
「やあ真人。実験は進んでいるかな?」
「おひさ。今のところ滞りなく。いい感じに成長しているよ。逃がした被検体の方も最近は呪術師を食べるようになってからは成長速度が飛躍的に上がってる。お陰でデータ取り放題さ」
「あの劣化宿儺か。ちゃんと結果が出ているなら、宿儺の指を提供したかいがあったよ」
女は真人と呼ばれる男、否。呪霊の研究がうまく進んでいることに内心喜ぶ。何故ならそれは、真人の成長が順調ということだからだ。
「それで今日は何の用?もしかして、この前言ってた強い呪術師が死んで、その死体が手に入りそうとか?」
「いや、そっちはまだ。私が来たのは禪院誠の新しいデータが手に入ったからだ」
「マコトの!?へいけんじゃく、プリーズプリーズ!」
喜色の表情を浮かべ、早く資料を渡せと女、羂索を急かす。
「はいはい、これ資料ね。今回も面白かったよ?片腕を失ったと思ったら血で着色したプラスチックで義手を作って五条悟相手に無双し始めるんだもん。笑っちゃうよねー」
「遂に薬でもやったか?」
羂索の言っていることの半分もわからなかったため、思わず聞き返す。羂索曰く、領域を肉体と仮定してその内部にあったプラスチックを失った腕に集め、呪力で形を変え呪力で固めたのではないか、という答えが返ってきた。
だが何故プラスチックで作ったのかはわからなかったらしい。
「にしても本当に面白いよね、禪院誠は。君との縛りが無かったら、全力で調べ倒していたよ」
「そうすると思ったから結んだんだよ。邪魔されたらたまったもんじゃないからね」
そう言って持っていた本を置いて立ち上がった。渡された資料を片手に玄関に向かう。
「いつもの場所かい?」
「ああ。これを読みながら実験の続きをするよ。資料ありがとね」
資料をひらひらと振りながら真人は立ち去る。1人残ったけんじゃくは怪しく笑う。
「ああ、この時代は面白い。呪術師も、呪霊も!」
新たなる混沌が生まれようとしていた。
本当は戦闘シーンもいれる予定だったんですけど、内容がボー〇ボみたいになりそうだったので丸々カットしました。戦闘シーンは本筋に必要ではないですし。
誰も五条が「光輪冷菓発起旋毛自来也双式ノ丸!!」っていいながら合体技ぶつけるシーンに興味ないでしょ、と思ったので。
ということで次回は久しぶりの赫です。東京校です。2.3話くらいでまとめられるといいなあと思っています。