五条悟からは逃げられない!   作:創作好き

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久しぶりの赫回。二回目がこんなに時間が掛かるとは・・・


赫 おにぎりと水まんじゅう、セットにサイダー

『禪院家の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。誠です。

私が高専に通って一週間が経ちました。新しい友達はまだできていません。私は嫌われているようです。悲しいね。

 

具体的にどう嫌われているかというと、朝声をかけると警戒心Maxの顔をされたり、頑張ってお昼に誘うとすぐ断られたり、同じ任務の時は距離を取られます。嫌われているというより怖がられています。扱いが猛獣とかそんな感じです。俺は熊か。

 

今では悟だけが話し相手ですが、悟の方も新しい友達が出来そうにありません。クラスメイトとめっちゃ仲悪いです。俺は仲よくしろと言っているのですが、「お前を悪く言う奴とどう仲よくすればいいんだよ」と言われました。逆の立場だと同じことをする自信しかないので反論できません。助けてください。』

 

高専東京校寮の自室にて、手紙風愚痴ノートを書き終えた俺はそれを引き出しにしまうと、ベッドに身を放り投げた。どうしよう、悟とサマーオイルが仲よくならない。

 

 

 

 

東京校に入学した俺と悟だったが、入学初日で悟と夏油は喧嘩をしてしまった。俺と先生で喧嘩両成敗を行い、その場は仲直りさせたが、それは形だけで今も仲は悪い。理由は夏油が俺への認識を変えていないから。

 

ざっくり言うと夏油基準だと俺は悪、そんな奴と仲良くできるか!らしい。早めに誤解を解きたかったが、夏油が羅列した俺の数々の所業が全て覆しようのない事実だったため、何も言い返せなかった。今になって自分の所業が返ってくるとは思わなんだ。自業自得とはこのことを言う。

で、夏油がそんな感じだから悟も夏油を認める気がゼロ。目と目が合ったら喧嘩しそうになる始末だ。ポ〇モンかよ。

 

うーん、ほんとにどうしよう。これが二次創作に出てくるオリキャラなら夏油にパーフェクトコミュニケーションを発揮して速攻で仲良くなるんだろうけど・・・前世でも友達は1人しかいないぼっち手前の俺では無理だった。

 

さてさてさーて、そんなこんなでベッドの上で悩んでいると、時計が予定の時間に迫りつつあることに気が付いた。俺は一度溜息をつくと、ゆっくり立ち上がって高専の外を目指すのだった。

 

 

 

 

「お、おはよう」

 

「・・・ああ、おはよう」

 

高専の外で待機していた車の横で待っていてくれた夏油に挨拶をする。反応は素っ気ないが、ちゃんと返してくれるだけましだと思おう。今日は夏油君と一緒に任務です!帰りたい。

 

夏油は悟と真正面からやり合えるくらいには強い。正直俺が同行する必要なくね?とは思うのだが、今の彼はまだ四級術師だ。何でかって?呪術規定で最初は皆4級なんだよ。乙骨みたいな例外を除いて。俺と悟はガキの頃から呪霊を狩っていたから今は特別一級だけど。

 

んで、三級以下の術師は他の術師とペアで任務にあたるのが普通だ。そして今回、夏油には二級相当の呪霊を1人で倒してもらう。勿論俺は見てるだけ。俺必要なくね?とは思うが、規定だから仕方ないのと、まあ念のためだ。今回の任務は夏油をサクッと二級術師に昇格させるのが目的だ。呪術界は晩年人手不足だから、()は強い術師はさっさと昇級させたいらしい。

 

子供に負担を負わせるなよと思いつつ、俺達は車に乗り込んだ。無用とは思うが、ちょっと心配なので声をかけてみる。

 

「調子はどう?いけそうか?」

 

「問題ない。そもそも、私の実力なら二級の呪霊を調伏無しで取り込める。この任務も規定だから私に回されただけだ。それとも君は、遠回しに二級を取り込めない未熟者と言いたいのかい?」

 

ものすっごい言葉に棘があるんだけど!?

なんかこの夏油、原作の頃より子供っぽいというか何と言うか・・・いや、全国的にも高1でこれは十分大人っぽいが、原作の頃と比べると成熟し切ってない印象を持つのだ。まあつい最近まで中学生だったわけだし、そんなものか。

 

「なんだその微笑ましいものを見る目は」

 

どうやら顔に出ていたらしい。俺は何でもないと答えると、影から今週のジ〇ンプを取り出し、それと同時に車が出発した。すると夏油がチラチラとこちらを見てきた。

 

「おい、何チラチラ見てんだよ」

 

「別に、見てはない」

 

そんなに見たけりゃ見せてやるよ(震え声)」

 

そう言ってジャンプを押し付け、俺は今週のサ〇デーを影から取り出した。あっ・・・(察し)。今の反応からして、こいつ今のネタ知ってるな?俺に隠し事は通用しないぜ!

 

おい窓の人、鏡越しにこっちを見るんじゃない。あんたは運転しろ。後でジャンプもサ〇デーも貸してやるから。そう言ったら喜んでいた。堕ちたな(確信)。

因みに、夏油も楽しそうにジャ〇プを読んでいた。やはりジャ〇プ・・・ジャ〇プは全てを解決する・・・!

 

 

 

 

時は流れ、俺達はある古びた神社に繋がる階段の前に着いた。何でもつい最近窓の一人が、呪霊がこの神社に入っていくのを見かけたらしい。呪霊はこういった人気のない場所に湧くものだ。入っていったというのが少し気になるが、まあ大丈夫だろう。それよりもだ。

 

「なあ、夏油。階段上るの面倒だから、鵺に乗っていかないか?」

 

「君の式神は1人乗りで精いっぱいだろう。二人乗りは危ない」

 

「いや、式神の大きさはある程度変えられるからその辺は大丈夫」

 

「君の術式はほんと便利だな・・・それでも私は乗らない。今回は全て自分の力で任務に取り組むことに意味がある。乗るなら君1人で先に行ってくれ」

 

空中ランデブーに誘うも断られてしまう。こんな感じで俺は友好的に接しているのだが、中々心を開いてくれない。そんなんだから悟は夏油に怒るし、関わろうとし続ける俺にも不満を言い続けられている。いやだって、悟と夏油の親友√が完全に潰れているのは俺のせいだし、何とかして仲を取り持ちたいんだよ。

 

「あ」

 

ここで一つ奇策を思いつく。

 

「どうした?」

 

「Hey 夏油♪お前に勝負を仕掛けるぜ、チェケラ!」

 

「悪いことは言わない。病院に行く事を勧める、頭の」

 

サマーオイルboyに何か言われているが、そんなの関係ねえ!このまま見切り発車だからこのまま押し切る!

 

「今からどっちが先に呪力無しで階段を登りきるか、競争しよう!」

 

「急にテンション上げてきて怖いな君。断るよ。今から呪霊を祓うというのに、そんな緊張感の無い事を・・・」

 

「ああ、負けるのが怖いのか」

 

ピクッと、夏油のこめかみが動いた。

 

「まあそうだよなぁ、普段態度を悪くしてる相手に真正面から負けたら、いよいよ面目が丸潰れだもんなぁ、しょうがないしょうがない」

 

俺は「あーあ、残念だ」と言いながら両手を頭の後ろに組み、後ろを向いた。

 

「・・・いいだろう。その勝負、乗った」

 

背後で夏油が勝負に乗ると聞いて、口角が少し上がる。計画通り。

無理にテンション上げてよかったぜ。

 

作戦はこうだ。勝負することでいい感じに仲を深めよう作戦だ!中身がないって?そりゃそうだ。割とヤケクソ気味に立てた作戦だからな!そろそろ手段を選んでいられん。それにこういうのってうまくいくと相場が言ってる。ジ◯ンプは正しいのだ!

 

「そうかそうか、よしやろう。負けた方は一週間パシリでどうよ」

 

「面白い。こき使ってやるから覚悟しろ」

 

夏油の了承を受け、俺は影から財布を取り出し一円玉を出した。そしてポイと財布を自分の影に落とす。

 

「このコインが落ちた時がスタートの合図だ」

 

夏油が頷くのを見て、俺達は走り出す態勢に入る。そして、俺は一円玉を弾いた。

 

一円玉が階段に落ちた瞬間、俺達は走り出した。最初の速さは拮抗している。格闘技が得意なだけあって、基礎的な運動はばっちりだな!だがな夏油よ、俺が普段誰を相手に勝負していると思う?

 

「うおおおおおおお!!」

 

「!!」

 

俺は一気に追い込みをかける。伊達に師匠やドブカス、悟といった原作最速トップ3と戦ってねえんだよ!速さは強さだ!

このまま距離を離して・・・!

 

「ま、だだあー――――!!」

 

ここで夏油も追い込みをかけてきて俺に並んできた。コイツ、出来る!俺達はそのまま並走していると、頂上が見えてきた。神社の直線は思ってたより短い。大ケヤキを超え第4コーナーへ(そんなものはない)。これでラストだ。

もうこれで、全部終わってもいい。

 

「禪院家当主を無礼(なめ)るなよ」

 

俺は最後のギアを上げた。この勝負、絶対に勝つ!!

 

「絶対は、私だぁ!!」

 

夏油が俺を追いかける!速い速い!再び並んだ!だが俺は諦めない!粘る粘る、依然としてゼンインマコトーが先頭!だがゲトウスグルーが再び並ぶ並ぶ!残り10メートル!一着は・・・

 

 

 

 

「■■■■!!!」

 

 

 

 

「虹龍だあああああ!?!?!?!?」

 

勝ったのは白き竜、虹龍でした。Ha?

 

俺達は咄嗟に呪力で身を守ると、虹龍の体当たりくらって後ろに吹っ飛んだ。幸いどちらも受け身を取ったため目立った外傷はない。それよりも、まさか今回の呪霊が虹龍だとは思わなんだ。原作にてちょっとの出番しかなかったあの虹龍が、今目の前に!でも、どう見ても二級には見えないんだけど。そこんとこどうなんだ?

 

「Heyゲトウ!あれは二級?」

 

「・・・先程から調伏しようとしているが、無理の様だ。だとすると、最低でも準一級はある」

 

準一級。呪霊に現代兵器が通用すると仮定すると、戦車でも心細い程の強さ。何をどう間違えたらこれを二級と思うんだとか、調査不足にも程があるとか、色々思うことはあるが、それより目の前の呪霊だ。相手は準一級以上。夏油でもいきなりそれと戦うのは・・・

 

「よかった。流石に二級じゃあ一瞬で終わってしまうからね。久しぶりに楽しめそうだよ」

 

あ、大丈夫そうですね。むしろやる気満々だわ。

 

「それじゃ、俺は手を出さない方がいいか?」

 

「ああ。手筈通りに」

 

「オッケー」

 

俺は邪魔にならないよう、鵺を呼び出して飛び乗りそのまま飛翔する。さて、観戦としゃれこみますか。実はジュースとポップコーン持ってきてるんだよねー。おっと虹龍選手、段々と俺に近づいてきて・・・!

 

「イグ〇イトパス、廻」

 

俺は下から昇ってきた虹龍を迎え撃つべく鵺から飛び降り、捩じるように張りてで夏油の方へと吹っ飛ばした。何で俺の方来るんだよ。そのまま俺は寺の前に着地した。すると、あるものが目に付く。

 

「・・・これって」

 

食い散らかされた呪霊がそこかしこに散乱していた。成程、窓の人が見たのはこの中の一体というわけだ。そしてそんな呪霊達を食ってたのがさっきの虹龍と。でもなんでこんなに多くの呪霊が集まっていたんだ?

 

「■■■■!!」

 

原因を考えていたら、虹龍が階段を上がってきた。そして続くように夏油が現れ、飛び蹴りをかます。虹龍は地面に叩きつけられるがピンピンしている。原作の夏油が言っていたように、最高硬度を持っているのは伊達ではないらしい。さてと。

 

「それではこれから実況はこの私、禪院誠と!」

 

「解説の禪院誠がお送りします」

 

俺は影分身を作り出し、1人で2人実況をすることにした。この夢の対戦を見逃す手はねえ!俺は雰囲気でこの呪術界を生きている。原因を考えるのもポップコーンを食べるのも、また今度だ。

 

「誠さん。この試合、どう見ますか?」

 

「そうですねえ。呪霊は最高硬度を持つあの虹龍。釈魂刀のような硬さを無視する呪具や術式でなければ対処は難しいです」

 

「成程。では夏油選手が不利だと?」

 

「そうとは言い切れません。虹龍はぶっちゃけ硬くて空飛んでるだけで、それ以外の特徴はあまりありません。対して夏油選手の持ち味は呪霊操術による手数の多さ。きっと何かしら手段があるでしょう。多分、恐らく、きっと、メイビー」

 

「なるほど。おおっと夏油選手イカのような呪霊を発射!その様相はまるでゲー〇オブバビロンだぁ!」

 

「呪霊操術のメジャーな使い方ですね。低級呪霊による弾幕です。これはウザい」

 

「そのまま近づいて虹龍に取りついて・・・目つぶしだぁ!ヤリイカ呪霊を片手に左目を潰したぁ!」

 

「大抵の生き物は目が柔らかい。これは素晴らしい判断です。良い子は真似しないように。シャレになりません」

 

「虹龍暴れる!夏油選手、その勢いに振り落とされた!」

 

「いや、あれはわざとですね。綺麗に真上に跳んでいます」

 

「落下して・・・もう片方の眼も潰したぁ!これはえぐいぞぉ!」

 

「敵に対する容赦のなさ。親近感を覚えます」

 

「そしてまさか、黒閃だ!!・・・マジ?」

 

「すげえなアイツ。ノリノリじゃん。あーあ、せっかくの最高硬度が見る影もねえや」

 

「鱗が見事に粉砕してる・・・そのままそこにラッシュとは、えぐいな」

 

「ん?虹龍の首を抱きしめて、そのまま・・・」

 

「うおおおいグロイグロイ、グロすぎる!カメラ止めろぉ!!」

 

 

 

 

しばらくお待ちください

 

少年祈願中・・・

 

 

 

 

キング〇リムゾン!

 

「何と言うことでしょう。お茶の間には到底流せないあのグロの塊が、フ〇ミマで売ってるおにぎりのような、または水まんじゅうのような玉になったではありませんか」

 

「その謎のナレーションはやめてくれ」

 

あの後、普通に夏油がボコして調伏が完了した。まあ原作でも調伏してたし、勝って当たり前か。

 

そして夏油は呪霊玉を飲み込んだ。俺はいつものように影から小さいクーラーボックスを取り出し、更に中のサイダーを取り出した。

 

「ほい、お疲れさん」

 

「・・・ありがとう」

 

夏油はサイダーを飲み干していく。美味そうに飲むなコイツ。CMに出れそう。

 

「1つ、質問してもいいかい」

 

珍しく夏油から声をかけてきた。俺は頷くことで答える。

 

「君はどうして、任務の終わりに炭酸飲料を渡してくるんだ?」

 

『いつも』というのは、この一週間で三回は一緒に任務に行っているのだが、呪霊を飲み込むたびに炭酸飲料を渡しているのだ。仲良くなるために物で釣っているとも言う。

 

「どうしてって、そりゃお前、あんな不味そうなもん食った後は口の中さっぱりさせたいだろ?」

 

まあストレートに全てを言わず、けれど嘘をつかず話す。それを聞いて夏油の眼が見開いた。

 

「・・・気づいていたのかい?」

 

「何に?」

 

俺は敢えて知らないふりをした。知っていたら不自然だから。

 

「私が不味そうにあれを食べていたことに」

 

「いや全然。さっきも言ったろ、あんなもん食ってたら気分悪くなりそうだからって」

 

「そこまで言っていなかっただろ。・・・君は意外と、気が利くんだな」

 

「まあな」

 

夏油が少し微笑んだ。気づいてもらえたことが嬉しかったらしい。ならよかったよ、ほんと。きつい時に誰かに気を使ってもらえたかどうかで、気分は違うもんだ。

 

「どうやら私は、君について誤解していたらしい。・・・いや、違うな。既にわかってはいたんだ。ただ、最初の過ちを認めるのが嫌で、意固地になっていたんだ。すまなかった」

 

そう言って夏油は俺に頭を下げた。

 

「あー、いいよ。だから頭を上げてくれ。お前が言ってたことの大体は真実だから悪く思われるのはしょうがないし」

 

「そこは事実と異なっていて欲しかったな・・・」

 

俺達は目を合わせると、思わず噴き出した。そして俺は少し安心した。ちゃんと仲直りできてよかった。最後まで仲直りできないのは嫌だからな。

そして俺達は帰りにコンビニでスナック菓子を買って帰ったのだった。

 

 

 





次も赫!家入さんと絡ませたいな。
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