五条悟からは逃げられない!   作:創作好き

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呪術廻戦完結、お疲れ様でした。・・・楽しかったな。

納得いかなくて何度も書き直してたら、原作終わっちゃった・・・
でも書きます。


呪術壊宣

 

五条side

 

 

実家の庭の景色を、座りながら眺める。頭がフワフワする。不思議な感覚だが、不快ではない。俺はボーっとしながら、庭の池を眺め続けていた。そこに何かあったような気がしたからだ。でも、池には金魚以外何もいないし来なかった。

暇だった。それに家の中は窮屈だった。だから何も考えず、誰にも言わず家から抜け出した。

 

低い視点で、花達の流れに合わせて街をぶらつく。面白そうなものはまだない。少しずつ視点が高くなっていくのを感じていたら、どういうわけか新宿にたどり着いた。おかしい、何で東京にいるのだろうか。

 

ま、いっか。今度は新宿で適当にぶらつく。何か面白いものはないか探して、中々見つからなくて諦めそうになった時、人ごみの中に世界一面白い奴を見つけた。

 

何故か既視感があった。

 

「まこと―、飯行かね?」

 

違和感を無視し、いつもの調子で前を歩いていたそいつに声をかける。けれど、そいつは振り返らない。ムッとした俺は、再度声をかける。

 

「おい聞こえてんのか?飯行こうぜ。・・・おい何で無視すんだよ」

 

それでも誠は振り返らない。それどころか、歩く速度が速まった。頭に来た俺は、誠に追いついて肩を掴む。

 

「おい、いい加減に」

 

「邪魔だ」

 

振り向くことすらせず発せられたそれは、今まで聞いたことが無い程重く、冷たい言葉だった。あまりの衝撃に力が抜け、誠は俺の手を振りほどいて前へと進む。

 

「待てよ・・・!」

 

一瞬呆然としていたが、我に返った俺は誠に追いつこうと走り出した。でも、いつまで経っても追いつけない。それどころか、一歩一歩踏み出して歩く誠に距離を離されていく。それでも俺は走るのを止めない。少しずつ置いて行かれるイメージ。

 

「待てっつってんだろ!」

 

走って、走って、走って。ここでようやく誠は足を止め、振り向いてくれた。

 

「はは、やっと・・・」

 

こっちを見たか。そう続けようとして、言葉が出なかった。誠の眼が、あまりにも冷たかったから。絶対、そんな眼で視られたくない眼をしていたから。

 

「悟」

 

誠の手が俺の方にかざされる。それはまるで、照準でも合わせるかのような仕草で。

 

「ずっとお前が邪魔でしょうがなかった」

 

その直後、一瞬の浮遊感と共に景色が変わっていた。俺は空を見上げていたのだ。立ち上がろうとして、足に力が入らない事に気が付く。それどころか、腰から下の感覚がないのだ。何が何だかわからず、腕で上半身を起こそうとして全て理解した。

 

下半身が切断され、俺は■.5■となっていた。

 

「な、あ・・・!」

 

「じゃあな」

 

誠は俺を置いて前に進んでいく、置いて行こうとする()()。俺の中はどす黒い感情でいっぱいになった。

 

「待てよ」

 

「・・・なに?」

 

低くなった俺の声に、そいつが不機嫌そうに振り向いた。

 

「お前、誰だよ」

 

そいつの顔が驚愕に染まって、次に憎悪へと塗り替えられた。

 

「ああ、本当に気色悪い。死ねばいいのに」

 

そいつの顔が、変形していく。変形が終わると、青髪の継ぎはぎ顔になった。知らない顔だ。

 

「気色悪い?お前のやった事に比べればそんなことないだろ」

 

あいつの真似をするな。あいつを馬鹿にするな。反吐が出る。あいつは邪魔になったなら傷つけない、ただ置いていく。馬鹿にするな・・・ふざけるな!

 

「やった事?・・・あー、別に俺は何もやってないよ?これはいわば、君が作りだしたシミュレーションだから」 

 

「は?」

 

「んー、何て言えばいいかな。この夢は、もし俺が君の夢に出てきたら何をするか、君が想像し、君が作り出したんだよ」

 

何を言っているか理解できなかった。いや、言っていることはわかる。要するに、俺はこいつに攻撃されているのではなく、これはただの妄想なのだと。だが、納得できない。何故なら俺は、こいつを知らない。

 

「そうだね。俺とお前は出会ってすらいない。それじゃあ何で君が俺を知っているか。理由は二つ」

 

俺の内心を見透かす見知らぬそいつは、指を二本立てて少し楽しそうに話し出す。

 

「1つ目の要因は、世界の穴が傍にあるから。2つ目は、お前の六眼が変質しているから」

 

「穴?変質?一体何を・・・」

 

「ふーん、何気づいてないふりしてるんだ。でも薄々気づいているんだろう?このままだとお前も彼も死ぬことに」

 

彼。こいつが言っている彼とは誰の事か。

 

「・・・めんどくせえ、今ここで全部吐け」

 

「やだね。教えるのは好きだけどお前が相手なら別だ」

 

頭に来た俺は、無理やりにでも口を割らせるべく立ち上がった。流石夢の中、力を込めれば案外何とかなるらしい。景色もいつの間にか新宿じゃなくて真っ白な空間だ。もう何が何だかさっぱりだ。でも、やることは決まってる。

 

「取り敢えず、生首にでもすれば話す気になるか?」

 

「へえ・・・そんな体で俺を生首に、ねえ?」

 

そんな体とはなんだ。そう言おうとして、そいつの視線が俺の下半身に向いていること気づく。一体何だと言うんだ、そう思いつつ実はさっきから気になっていたため下を見た。

 

俺の腰からビ■ラ■■ッ■が生えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「~~~~~~~~!!!」

 

声にならない声と共に起き上がる。荒い呼吸を整えながら、俺は布団をめくって足に触れる。どうやら、本当にただの夢だったらしい。夢は夢でも、悪夢だったが。

 

俺が起きた場所は京都校の寮、その余った内の一室だった。あれが夢であったことに安堵した。

 

「んで、何でお前らがいんだよ・・・」

 

「いや、その・・・」

 

「ねえ・・・?」

 

そこには、後ろに何か隠し持った親友と、水が入ったバケツを抱えるイカレ女がいた。

 

「あのな?悟が中々起きないなぁって話をして、そしたら八乙女が寝起きドッキリしたらどうかって・・・」

 

「ちょっと誠君、なに私に罪を擦り付けようとしてるの。提案はしたけれど、実行に移そうとノリノリだったのはあなたでしょ」

 

「実行してませんー、踏みとどまってまーす」

 

俺を置いて言い争い始めた馬鹿2人。なるほど、寝起きドッキリしようした矢先、俺がうなされていることに気づいてどうするか悩んでいたら俺が飛び起きたってところか。なるほどなるほど。

 

「お前ら、覚悟はいいか。俺はできてる」

 

「すんませんでした」

 

手印を向けた俺に速攻で頭を下げる馬鹿1号。2号は鼻を鳴らしてそっぽ向いた。この(あま)・・・!

 

と、ここで誠が今も後ろに隠し持っている物が気になった。

 

「なあ、それなんだ?」

 

「ん?ああ、これ?」

 

誠が()()を見せようとした時、世界がスローモーションのようにゆっくりになった。

 

人は極限状態になった時、ゾーンに入るという。これがそうなのだろうと理解した。ならなぜ急にゾーンに入ったのか。それは、誠が隠し持っていたなにかで命の危機を感じたからだ。

 

何なのかはわからない。思い出したく(知りたく)もない。俺はスローモーションの世界で必死になって体を動かそうとした。

 

(何故だ俺の体!なぜ動かない!)

 

まるで金縛りにあったかのように体が言うことを聞かない。後に脳はゾーンに入っていたものの、体がそれに追いついていなかったと分かるが、この時は混乱していたため分からなかった。

 

そしてそれは俺の前に突き出された。()()()、とあるピン芸人の小道具として愛用された。さらに月日が経ち、某人気漫画に登場して読者に強烈な印象を植え付けたその楽器の名は・・・!

 

「ハンバーグ!!なーんt」

 

誠の言葉を遮るように、今度こそ俺は絶叫した。

 

 

 

 

誠side

 

「ビwブwラwスwラップwwwか、かはw下半しブフォw!!」

 

「や、八乙女wそ、そこまでにwww」

 

「む、むりw朝ごはwwもどsゴホッゴホッ!!」

 

「・・・」

 

朝食を食べる手を止め、笑い死にかけている俺達を悟はゴミを見るかのような目で見ていた。それでも笑いは止まらない。というか無理である。

 

悟に寝起きドッキリを仕掛けようとして失敗した俺達だったが、ビブラスラップを見せた途端、悟が発狂。場は混沌と化した。悟を落ち着かせ、予め用意していた朝食を食べながら悟から話を聞いていた。何でも、夢の中で下半身が・・・駄目だ、笑うな。だが、しかし・・・!

 

あ、八乙女が椅子から転げ落ちた。

 

「てめえら笑いすぎだろ!」

 

「いや、発狂した理由聞いたらこうなるだろ。・・・ふふっ」

 

「・・・!!チッ」

 

笑いが止まらない俺達を見て、機嫌が最低値を叩きだす悟。それを見てさらに笑う八乙女。八乙女、お前・・・

 

「えげつねえな・・・」

 

「自分は悪くないような態度、止めてもらえる?」

 

「わあ!急に冷静になるな!情緒どうなってんだこええな」

 

(誠君に言われたくないわ)

(お前が言うな)

 

八乙女と悟が一瞬何か言いたげだったが、それを飲み込んで冷静に答えてきた。

 

「そもそも、あんな内容聞かされたら誰でも笑うでしょう。寧ろ私が怒りたい気持ちよ。これからの人生、ビブ・・・あの楽器を見たら笑い転げるようになってしまうのよ。どうしてくれるのよ」

 

そういうので、俺は無言で影から例の楽器を取り出して見せた。それを見た瞬間、再び椅子から転げ落ちた。

 

「誠、今すぐそれをしまえ。もしくは壊させろ」

 

「ア、ハイ」

 

圧が強かったため、悟に手渡すと例の楽器は圧縮され球体となった。

 

「ふふ、体の一部がアレになったら、死んだ方がマシな気分になるでしょうね」

 

「イカレ女・・・表ぇ出ろ」

 

「悪いけれどそれは無理。さっきから膝が笑っていて・・・」

 

「悟ステイ!落ち着け!」

 

「そこをどけ誠!そいつ殺せねえ!」

 

その後、悟を宥めるのに苦労したとだけ言っておこう。

 

 

 

 

 

 

朝食を終えた俺と悟と八乙女、そして金剛は教室に呼び出され、担任から任務の説明を受けていた。

 

「今回の任務は、とある呪霊の捜索だ」

 

「捜索〜?祓うじゃなく?」

 

不機嫌そうに悟が問いかける。捜索ということは・・・原作の橋の呪霊タイプだろうか。

 

呪霊は基本的に、発生した場所に留まる性質がある。だから訪れた人間を襲うのが一般的だが、遅延型も中にはいる。何かしらの条件を達した人間を数か月、場合によっては数年後に遠くから呪い殺すタイプだ。このタイプは見つけるのが困難で、被害が出やすくて厄介だ。

 

ま、本体は大抵弱いから、見つけさえすればどうにでもなるんだが・・・

 

「東京を中心に呪術師と呪詛師を狙って襲っていたと目される呪霊が、先日京都にて目撃された。既に一級呪術師が3人殉職している」

 

「ちょっと待ってください、東京から京都に?そんな長距離を移動する呪霊がいるんですか?」

 

「高専としても、初めてのケースだ。故に、その呪霊を特級指定することを今朝がた決定した」

 

え、なんだそいつ。明らかに厄ネタの香りがするんだけど。嫌な予感がビンビンする俺は、先生に質問することにした。

 

「因みに先生、その呪霊の特徴ってわかってますか?」

 

「分かっていることは人型、四本腕、そして人間の言葉を話すことができるらしい。はっきりいってお前達には荷が重いと思うが、一刻も早くその呪霊を払う必要がある。呪霊もしくは住処を発見次第その場から離れ、連絡をするように」

 

人型、言葉を話すか・・・ハイ確定、相手は恐らく自然呪霊相当です!いやいくら何でも早すぎじゃね?まだ原作時系列的に懐玉すら始まっていないんですがねえ!?どうなってんの!?ねえどうなってんの!?

 

「おい大丈夫か誠、顔色悪いぞ」

 

「だだだ大丈夫だ、ももも問題ない」

 

「絶対問題がある反応ね・・・」

 

自然呪霊。原作では虎杖が宿儺の指を取り込むよりも前に発生していた特級呪霊達。呪霊の中でも上澄みの中の上澄みの存在であり、死滅回遊編・・・過去の強い術師とか呪霊がバンバン出てくる魔境でもバリバリ戦えると予想される実力がある。

 

それほど強いし、何より漏瑚(自然呪霊最強)を除いた三体の呪霊には伸びしろがあったのだ。恐ろしいなんてもんじゃない。自然呪霊相当となると高確率で領域を使うので、今の悟だと負ける可能性すらある。

 

この呪霊、領域が効かないもしくは押し勝てる師匠か俺でなければ多分ヤバい。

つまりだ。この案件、俺が対処しないとまずいね。あはは!クソが。

 

「先生!ししy・・・伏黒甚爾一級術師は来られるでしょうか!」

 

「ああ、その人な。一応連絡してあるけど、今別件で海外に行ってる」

 

「what the f○ck」

 

「いやほんとにどうした」

 

頭を抱える俺を心配そうに悟が声を掛けてくれるが、それどころじゃない。これマジでヤバい、もし相手が漏瑚や真人クラスだった場合、ちょっと勝てる気がしない。悟とタッグを組めば、何とかいけるか。・・・俺が足引っ張りそうでこえぇ。悟も落花の情とシン陰流の両方を習得してるけど、今の悟で漏瑚クラス倒せんのかな、わかんねえ・・・

まあ理想は『俺と複数の一級術師達で囲んでボコす』だよなこれ。

 

と、ここで金剛が手を挙げた。

 

「禪院や五条の二人がこの任務を任されるのはわかります。ですが、正直俺と八乙女さんはまだ四級です。実力不足だと思うのですが」

 

「今回の任務は戦闘ではなく捜索だ。何も祓えとはいえない」

 

祓えるにこしたことはないがな、と付け加える。無茶言うな。

 

「それでは各員、俺が決めたペアを組んでもらう」

 

口頭で、ペア発表が行われた。

 

 

 

 

 

ペア・・・ペアねえ。

まあ確かに、八乙女は最近術式を使って広範囲の感知ができるようになったし、俺には玉犬がいるからこの2人を分けようとするのはわかる。

そして戦力的に、一級術師である俺と悟を分けようするのもわかる。

 

でもさあ、そうなると必然的に・・・

 

「この辺りは、どうだ・・・?」

 

「あっちに弱めの呪霊がいるらしいよ・・・?」

 

「じゃあ、一応」

 

「おう・・・」

 

金剛とペアになる(こうなる)んですよ。き、気まずい・・・!

気まずい理由が100対0で俺にあるからなお気まずい。頑張って仲よくするとは言ったよ?でもタイマンはるのは違うだろ。前世含めて友達一桁の人間になんちゅう仕打ちだこんちきしょう!

 

「えっと、あっちはどうだ?」

 

「えーっと・・・ないかな。まあ移動する呪霊なんて十中八九特級だろうから、近くにいたら気づくはずだし、やっぱ長距離移動前提で車に乗りながらの方がいいかも」

 

「そうだな」

 

こんな感じで、業務的な会話しかできていない。そうして目的の呪霊は見つからず、雑魚呪霊を祓うだけで時間だけが過ぎていった。

 

そんなこんなでお昼時。腹が減っては何とやらだ。

 

「なあ、一旦飯にしないか?」

 

車から降りて辺りを捜索していた最中、俺は某有名なバーガーショップを指さした。

 

「仮にも今は任務中なんだけど・・・」

 

「任務中だからこそ、心身共に万全にしないと。何食べたい?あ、工藤さんも」

 

車を運転してくれている監督役の工藤さんにも聞く。この人は監督役の人の中でも珍しく俺の話を聞いてくれる無口な人だった。もっと早くあなたに会いたかったです。

金剛は少し悩むと、「照り焼き・・・」と答えてくれた。監督の工藤さんはフィッシュバーガーとのことで、俺はすぐに買いに行った。

 

「ほい」

 

俺は車に入ってポンと2人にバーガーセットを渡した。工藤さんは会釈をしてくれると、運転席で黙々と食べ始めた。

 

「・・・これくらいで懐柔されないからな」

 

「奢らねえよ・・・?」

 

「ちげえよ!?」

 

金剛が懐から財布を出そうとすると、「経費で落ちますよ」と工藤さんが教えてくれた。

 

「そうだったの・・・?」

 

「何であなたが知らないんですか」

 

「いや、教えてもらったことがないからとしか・・・」

 

「他の監督役から教わらなかったと?」

 

「だって、話しかけてもらうことなんてほとんどないし、話しかけても怯えられることがほとんどで・・・」

 

そう言うと、工藤さんは優しい目で俺を見た。止めて。そんな目で俺を見ないで。すると、隣から同じような視線を感じた。

 

「ごめん。俺、お前のこと、少し誤解してたかもしれない」

 

「止めて。こんなことで誤解が解ける展開はすごくやだ。止めて。頼むから2人ともそんな目で見ないで・・・見るなぁ!!」

 

その後、2人の接し方がどこか優しく感じた。

・・・死にてぇ。

 

 

 

 

「さて、ここが今日最後の場所だな」

 

俺達が最後に来たのはとあるトンネル。ここは以前から幽霊スポットとして有名らしく、呪霊が来るならここのような人気のなく負のエネルギーが満ちている場所ではないか。そう工藤さんに言われて来てみた。

 

「町中で襲われたって話だったから町を探索してたけど、拠点にするなら確かにこういう場所だな。それで、式神の反応は?」

 

「呪霊はいるらしいけど、そんな強いにおいはしないだとよ」

 

「うーん、じゃあハズレか」

 

できるだけ早く居場所を見つけたかったが、見つからないものはしょうがない。念のためここの呪霊を祓ってもいいが任務外だと給料でないし、そもそもここにはめったに人もこないらしい。なら、また今度でいいだろう。

 

「じゃあ、帰る?」

 

「そうだな、もしかしたら八乙女さん達が見つけてるかもしれないし」

 

んー、諸悪の根源共に連絡して、探すの手伝ってもらおうかなあ。

 

 

 

 

 

 

【せっかく来てくださったのに、もうお帰りで?】

 

あ、これやばい。

 

俺は振り返らずにすぐ手印を結び、切り札を切った。

 

「領域展開」

 

【もう遅い】

 

 

                混沌影魔庭

 

             【【【彌虚葛籠 (かい)】】】

 

 

夕日が差していたトンネル前は、混沌の世界へと変わる。傍にいた金剛を除外し、周りの奴らをこの世界に閉じ込めた。この世界の中では、悟と師匠を除き俺は最強だ。だから、領域が押し負けることさえなければ今回も何とかなる。そう心のどこかでそう思っていた。

 

「オイオイオイ、冗談じゃねえぞ。1体って話はどこ行った・・・!」

 

今回は、本当にやばいかもしれない。

 

【さあ、調理を始めよう】

 

【戦いは数さ!】

 

【うっひょー!うっまそー!】

 

【素敵なパーティーにしよう】

 

【1人じゃないんだ】

 

5体の悪魔が獲物を囲う。

 

最 悪 な 目 に 遭 う 予 感 が す る。

 

 

 

 

五条side

 

「どうしてお前とペアなんだよ…」

 

「説明はもうされたでしょう?それに、それはこっちのセリフよ」

 

「ああ?」

 

「戦争、する?」

 

俺と八乙女はにらみ合い、そして無意味な行為だと判断して再び町中を歩きだした。

東京の術師や呪詛師が襲われたのは町中の人目が無い場所ということで、誠達とは別の町を探索しているが、残穢すら見つからない。さっきみたいな口喧嘩を繰り返しながら歩き続け、もう日が暮れ始めた。

そろそろ帰るか、そう言いかけた時だった。

 

「おい、どうした」

 

八乙女の足が止まった。振り返って顔を見ると、冷や汗をかいていた。

 

「ナニか、あっちからやばいのがくる」

 

八乙女が指を差した方をじっと見る。よくわからなかったため、もっとよく見る。すると、確かに何かやばそうなのがいた。

 

「・・・なんだあれ」

 

そしてそれは一瞬止まったかと思うと、一気に距離を縮めて、俺達の前にある建物の上にいた。

 

「えー、もう気づいたのー?しっかり呪力抑えてたのに。六眼を舐めてたわけじゃなかったんだけどぁ」

 

「てめえは・・・!」

 

頭が怒りに埋め尽くされる。忘れねえ、忘れるわけがねえ!!こいつは、今朝俺の夢に出たクソ野郎!!

 

「・・・ねえ、どうして彼、既に怒りMaxなの?」

 

「さあ・・・?」

 

まあいいか、そう言って水色の髪をした継ぎ接ぎ顔の青年は髪をかき上げる。

 

「僕の名前は真人。五条悟。君に用があるんだ」

 

「俺に用だぁ?」

 

「今から君を、全力で殴る」

 

この日こそ、俺達の運命の歯車が狂い始めた日だった。

 

 

 





想い人を考えながら作った人形 VS やべー奴
            &
嫉妬に駆られた前世からの刺客 VS やべー奴×2

勝手にやってろ、ファイ!!
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