みんなー、久しいねぇ。禪院誠だよ。通称禪院モブA。
今俺は今世紀最大のピンチを迎えている。五条悟に話しかけられちゃった♪
その上会話が続行してるぞ♪クソがっ!
お、オオおち落ち着け!まだ試合は終わってない、ここから巻き返すぜ!具体的にはいい感じに興味を失ってもらう。やり方?わかんねえからアドリブだよ。
「ジャ〇プってなんだ?」
「知らないの!?」
ここでまさかのアクシデント。五条悟、ジャ〇プを知らない。うっそだろお前、今(2023年参照)一番有名なジャ〇プキャラクターお前だろ、多分。
「・・・知らなきゃ悪いかよ」
あ、やばい。明らかに不機嫌な顔になった。だがここで奇策を思いつく。俺は全力でゴマをすりに行くぜ!そうすればきっと五条悟内の俺の評価が話しかける価値がある奴から所詮花か虫程度の奴か、になるはず!俺の脳細胞がトップギアだぜ!
「その、違いましてねぇ、えっと、ざっくり言うと、ジャ〇プていうのは色んな漫画の作品を集めた雑誌なんです。今度読んでみたらどうですか・・・?」
決まった。この如何にも小物感溢れる名演技!見ろあの蒼い瞳を!どこか残念そうな感情が混ざっているぜ!
計 画 通 り ☆
「ふーん、あっそ。じゃあ何か面白いの教えろよ」
「うーん、無難なのだと、ド〇ゴンボールとかですかねえ」
「どら〇んぼーる?変な名前。つまんなそう」
「は?」
今こいつなんつった?世代じゃない俺ですら好きなドラゴ〇ボールを、つまんなそうといったのか?ジャ〇プを知らない時点で大して外の娯楽に触れてないのはわかる。わかるが、だからといって、言って良いことと悪いことがあるだろ。
「何?何か文句でもあんの?」
ケラケラと笑いながら語り掛けてくる最強。わかっている。これは挑発だと。
五条悟はクズだ。だから俺に話しかけてきたのも暇つぶしにするとかの理由だろし、俺が怒ればそれを見て楽しむだろう。
だがなあ、てめえは超えちゃいけねえラインを土足で超えた。だから・・・
俺は笑顔を作り、そして優し気に喋り出す。
「ううん、平気。まあ所詮は世間知らずのボンボンだから、そんなこと言っちゃうのもしょうがないよね。ここは僕が大人にならないとね。ごめんね、君が世間知らずだってことを考えてなく。ごめんごめん」
クッソ煽ることにした。
煽りの内容は至極簡単、お前なんも知らないガキだもんな、大人である俺が謝っておくよごめんごめん、である。
おうおう、こめかみがピクピクしてるね~可愛いねぇ~
「は?何、喧嘩売ってんの?」
「まさか。そんな大人げないことしないよ。それに僕は謝ってるんだよ。どうしてそう思ったんだい?理解に苦しむな」
やれやれ、という風に手で表現する。
はは、ざまあみろ!五条の怒りのボルテージがMaxだぜ!
・・・やばくね?
「・・・ぶっ殺す」
あ、やばい。手をコキコキ言わせながら近づいてくる。
「すぐ暴力に訴えてくるとか原始人かよ!恥ずかしくねえのか!」
「てめえはその原始人に殺されるんだよ原始人以下!」
冗談じゃねえ、最強となんか戦えるか、逃げさせてもらう!俺はとにかくダッシュで逃げることにした。
「なんだぁ、逃げんのか!」
走って追いかけてくんな!笑顔が怖い!?
だが甘かったな!こちとら師匠との特訓で身体能力と体力には自信があるだぜ!
すると最強、右腕をこちらに向けて・・・あ
「術式順転 蒼」
「ほぎゃあああああ!?!?」
あぶねえ!!俺がいた地面が丸々ッと削れてるんですが!?咄嗟に飛びのいてなかったら死んでた!?死んでたよね!?
もう殺気がやばい!クズ共やドブカスとじゃレベルが違う!!
「へえ、やっぱ躱すのか」
「殺す気かお前は!?」
「だからそう言ってんだろ!!」
鬼ごっこ再開。今度は五条選手、足に呪力を込めだしました!こいつ何の躊躇もなく呪力も術式も使ってくるんだけど。これあれだね、子供の喧嘩じゃなくて呪術師同士の殺し合いになってる?(今更)
「せーのっ!」
そして一瞬の溜めの後、五条悟はかっとんできた。繰り出されるストレートをギリギリで躱す。普段から師匠のスピードに合わせてるから目で追えてるぜ!(勝てるとは言ってない)
後ろに跳躍して距離をとる。やばいどうしよう、勝てる気がしない。攻撃は躱せるけど、無下限バリアー突破できねえ~。領域展延どころか展開すらできないんですけど・・・
「さっきから逃げてばっかり。いい加減反撃してきたらどう?」
「うるせえ!無下限の突破できる手段なんざこちとら持ってねえんだよ!」
すると、五条悟の動きがピクリと止まった。そうして溜息を1つ吐いた。
その蒼の瞳には失望と諦めが映っている。そして、あいつらと同じ俺をゴミのように見ていた。
・・・イライラする。
「あっそ。もういいよお前、どっか行けよ」
そう言って、あっさりと背を向けてスタスタと歩いていく。急な手のひら返し。本当にただの気まぐれだったらしい。その背中は、隙だらけだ。
・・・いや待てよ俺。命拾いしたんだぞ、ならそれでいいじゃないか。
頭に過るのは、何処までもこちらを見下すクズども。数の利を使い、こちらを一方的に傷つけながら笑う姿を、今でも思い出す。そして、それが崩れた日の事も、覚えている。
口角が上がる。今から俺がやることは無謀も無謀、ただの自殺行為。でも、俺は・・・
俺は走り出した。そして足に呪力を流し込み、飛び上がる。音で気づいた五条悟は振り向き、少し驚いた顔をしていた。
「チェストオオオオオオ!!」
五条悟に向けてドロップキックを放つ。そして予想通りそれが届くことはない。だがその程度で諦める俺ではない。予め左手で手印を結んでおいた。
すると五条悟の陰から一匹の白い狼、玉犬が現れ襲い掛かる。
「・・・へえ、やる気になったんだ」
まあ、そちらも予想通り攻撃が通ることはない。俺と玉犬は後ろに跳んで距離を取る。
「ああ」
ああ、やべえ。めちゃくちゃ怖い。あの日もこんな感じだった。現状を変えようと頭を捻らせ、タイミングを見計らい、行動を起こしたあの日。俺はあいつら一人になるのを待って、後ろから襲った。
ま、数秒後にはそれも消えたけど。
冷や汗が止まらないのにニヤニヤが収まらない!そうさ、俺は楽しみでしょうがないんだ!お前のその表情が崩れるさまがっ!
「今からてめえを屈服させる!!」
今ここに、同じ時代に産まれた2つの才能が衝突した。
と、いうわけで絶賛ボコされ中の禪院誠です。今日は俺の命日だ!(やけくそ)
いやあ、やっぱり強いね五条悟。まるで歯が立たない。取り敢えず玉犬や鵺、蝦蟇を使って複数方面から同時攻撃とか試してみたんだけどてんでダメです。やっぱ無下限バリアーは領域展開ないと無理か~。
え?今何してるのかって?五条悟にぶん殴られて現在進行で吹っ飛び中です。そして五条家の襖にシュー・・・
ドゴン!と大きな音をたてて襖ごと俺が吹っ飛んだ。ガードしてこれとかどんだけ規格外なんだよ。
「痛って~」
「・・・誠。今度は何をやらかした」
「ん?ああ爺さんか」
目を開けると爺さんがあきれ顔が目に入った。どうやらさっきの会議場所に飛ばされたらしい。
「今五条悟と喧嘩中なんだ。止めないでね?」
「・・・死ぬ気か?」
「まさか。勝つ気だよ」
立ち上がって埃を払う。俺の返答を聞いた爺さんが急に笑い出した。きっしょ、無視して対策練ろう。
うーん、確か格闘にも順転蒼を合わせて打撃力上げてるんだっけか。ガードは無しだな、全部躱そう。
「そうか。なら思いっきりやってこい」
「え?あーうん」
ちゃんと聞いてなかったけどまあ応援してくれたんだろう。そんなもんいらんけど。
爺さんと無駄口を叩いていると、五条悟がこっちにきた。お目目キラッキラさせて歪んだ笑顔がチャーミングだね!ぐちゃぐちゃにしたい。
すると五条悟を止めるために五条家の当主が現れた。まあ、家を壊しながら暴れてるからな、止めようとするよな。五条悟は不機嫌そうな顔になって、今にも当主を殺しそうになってる。じゃ、今のうちに体の状態を確かめておこう。
「肩は・・・外れてねえな」
師匠のマネをしながら、軽くストレッチをして自分の体を確認する。これならまだまだ全力で戦える。さて、肝心の無下限バリアーをどうしようか。
とはいってももう領域展開しかないだろう。
領域展開。それは結界術の一種にして呪術戦の極致。そんなもん今の俺には到底使えない?
知るか。出来ないなら不必要なもん片っ端から省いて俺が使えるレベルにランクダウンさせるだけだ。
術者のステータス上昇、いらない。
術式の必中効果、欲しいけどもっと効果弱めて使いやすくできないかな?ぶっちゃけあいつを殴れればそれでいい。
領域展開は確か、生得術式を結界にして、その中にいるということは当たってるも同義、みたいな理由で術式に必中効果があったはず。ならそれを更に限定化させて結界を安定化させる。
やりたい事は全部決まった。後は実行するだけ。どうやらあっちも、丁度話し合いが終わったらしいし。
「待たせて悪かったな。周りがうるさくてさ」
「気にすんなクソガキ。お陰でぶっ飛ばし方が思い浮かんだから」
「へえ、まだ勝つ気でいたんだ。そのちっさい脳みそで何が思い浮かんだんだ?聞かせろよ」
「まあまあ慌てんな」
そう言って手印を結び、五条悟の目の色が変わった。
「今から見せてやる」
今からトブぜ?
「領域展開」
―
残り十秒で、
ふふ、実は結界術を駆使すれば無下限バリアー突破できると勘違いしてたぜ!
結果主人公超強化。一体どこ目指してんだろうコイツ・・・