五条悟からは逃げられない!   作:創作好き

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20日に日間9位になりました!ありがとうございます!!


失意を包んだ布団

や、皆。久しいね。忘れたのかい?禪院誠だよ。通称禪院モブA。

 

今日は皆さんに報告したいことがあります。

それはなんと!あの五条悟を、俺が!倒しました!!

 

・・・俺なんかやっちゃいました?(自覚アリ&現実逃避)

 

いや違うんすよ、何が違うのか聞かれるとわからないけど違うんすよ。ちょっとこう、五条悟の人を人と見ないあの目にイラっときてヤっちゃたけど違うんすよ。

 

あの時の俺は五条悟をボコボコにできればそれでよかったし、五条家当主の俺を若干馬鹿にした視線に気づいていたから後で煽りまくれてスッキリできたからやりたいことは全部できたのよ。

 

でもさあ、全く望んでない結果も付いてきちゃったんだよ。

 

そう、あれは五条家当主を煽りまくり、直後に疲れで気絶した俺が車の中で目覚めた時の事・・・

 

 

 

 

「んぅ・・・」

 

「ん、起きたか」

 

体が揺れていることに気づき、倦怠感と共に目が覚めた。隣の席には爺さんがいた。なんで寝起きにおっさんを見なきゃならんのだ。こういうのは美少女が定番だろう?

 

「・・・爺さんか・・・てあれ、なんで車?」

 

ここでようやく状況を把握する。揺れの正体は車に乗っていて、その車が走っているから。自分の体を見るとシートベルトがしてあった。寝ている間に爺さんがつけてくれたのだろうか?

 

「覚えてらんのか?お前が・・・ぶふっ!くっく、あの当主をっふふ、煽り倒した後、気絶したんだぞ。・・・ふぅ、今思い出しても腹が痛い。どうしてくれる」

 

「・・・知らねえよそんなこと。俺は悪くねえ」

 

なんか爺さんがツボに入っていたが、この時の俺はいわゆる賢者タイムだったのでテンションが滅茶苦茶低かった。でも、気絶か。体の状態を確かめるために腕や足を軽く動かしてみるが、あちこち痛いだけで骨が折れている様子はない。まあ折れてたら流石に包帯とか巻き付けてくれてるか。・・・巻き付けてくれるよな?

 

「にしても、よくあの五条悟に五体満足で勝利できたな。勝つつもりと言った時は正直期待していなかったんだがな」

 

「たまたま領域展開と黒閃が使えたのと、あいつがわざわざ俺の土俵に乗ってくれたからだよ。最初から勝つつもりで戦われていたら、勝ち目なんて無かったさ」

 

自嘲気味にそう言い捨てる。そうだ、五条悟は六眼で俺の呪力量から領域展開の残り時間を把握していたはずだ。その上であいつは逃げずに真っ向から俺とぶつかった。

これは実質、手を抜かれたのも同然だ。勝った直後は嬉しかったし、ちょっと楽しかったけど、冷静に考えると所詮あいつの手のひらの上だったと実感する。やっぱつえーわあいつ。強者(本物)はやっぱり違ったわ。

 

「そんな悲観的になるな。例え偶然でも領域展開を習得し、黒閃を使い、全力の六眼と無下限呪術の抱き合わせを倒したのだぞ?これを誇らずに何を誇る。・・・いや誇らない理由がないだろ。黒閃はともかく、後2つはもっと喜ぶべきだ。逆に何だったらいいんだ」

 

「えっと、世界平和?」

 

「お主の性格でそれはないだろ・・・」

 

失礼な。俺にだって世界の平和を願う気持ちはあるんだぞ。まあ人間なんて醜い生き物だから、争いのない世界なんてまずありえないんだけどな。

 

「まあ、今日はゆっくり休め。帰ったらすぐに宴会だからな」

 

「秒で矛盾することを言わないでくれる?」

 

宴会始まっちゃたら休めねえだろうが。俺は寝てえんだよ。

 

「というかなんで宴会するんだよ・・・」

 

呆れて溜息を吐きながら、外の景色を眺めた。

 

「何でって、五条悟撃破記念と、次期当主がお主に確定したことをサプライズで発表するためだが?」

 

「あっそ。勝手にやってr・・・おい今なんて言った?」

 

今日もお空きれい・・・と思っていたら聞き捨てならない言葉を聞き取り、首を180度回転させる。

 

「五条悟撃破記念」

 

「そ・の・あ・と!!」

 

「次期当主の方か。それならそうと早く言え」

 

声を荒げながら言葉を促す姿を楽しんでいるのか、わざとらしくそういった。というか聞き間違いじゃなかった。なんでそうなるんだよ、あんたの息子いるだろ、そっち選べよ。

 

「禪院家の次期当主候補はお主と直哉だというのはわかっているな」

 

俺の不服そうな顔の答えとして、問いかけてきたので取り敢えず頷く。直哉というのは爺さん、直毘人の息子で、こいつの術式は爺さんと同じ術式、投射呪法を持っている。そして投射呪法は十種影法術と同じく相伝の術式だ。つまり禪院家の中での勝ち組というわけだ。

 

「前から直哉がお主に返り討ちにされているのを見ていて、まあ次期当主はお主だろうなとは思っていたんだが・・・」

 

「誠に遺憾ながらな」

 

先程の爺さんの言動を見てわかるように、爺さんは俺が当主になりたくないことを知っている。ある日急に「お前当主になりたくないだろ」と言われて反射的に「え、うん」て言っちゃったら笑いながら酒飲んでどっか行ったんだよ。それ以降その話題に触れてこないんだけどな。

 

んで、直哉を返り討ちにしてるって話なんだが、師匠に教えを乞うようになってから襲ってくるようになったんだよ。理由はわかりきってる。原作ではこの直哉、通称ドブカスは師匠のことが大好きなんだよ。

「なんでお前がとうじくんのそばにいんねん!」という感じで襲い掛かってきて、毎度のごとく返り討ちにしてるってわけ。んでついでに毎度心を折るようにしてるんだけど、それがビックリ!次の日にはフェニックスのごとく蘇ってまた襲ってくるんだよ。

ドブカスの性格は嫌いだが、その師匠への愛と強さへの貪欲さに関しては認めてやっている。

 

それで本題に戻るけど、そんな感じで俺と直哉には今の時点で実力差がある。まああいつの年は一つ下だし、術式も強いから将来的には実力を抜かされる可能性はある。というか抜かしてほしいのだ。禪院家は一応実力主義。このままだと俺が次期当主一直線なので、ドブカスを鍛えるためにボコボコにしていたというわけだ。

心を折ってどうする?それはまあ、あいつも俺の命狙ってきてるからおあいこということで・・・

 

んで、今更ドブカスをボコしているのがどうしたというんだ?

 

「今日、五条悟を倒しただろう?」

 

「え?うん」

 

「だからだ」

 

「何が!?!?」

 

いやほんとになんでだよ。話が飛び過ぎてデカい声出ちゃったじゃん。

 

「いや、流石に呪術界最強にいずれなるであろう男を倒したのが次期当主候補の男で、そいつが当主になりませんは通らんだろう」

 

「いやだから、相手は手を抜いてて・・・!」

 

「儂が見ていた限り、どう見ても全力だったぞ?それにもう宴の準備をするよう連絡した」

 

「クソがっ!!」

 

このじじい、意地でも俺を次期当主にするつもりだ!外堀を埋めに来てる!

まずい。まずいまずいまずい!!俺の立案していた【ドブカス押し付けよう!】作戦がっ!こ、このままでは爺さんが殺された後、俺が当主になって、真希ちゃんに殺される!!

真希ちゃんを返り討ちにすればいい?馬鹿言え!覚醒真希ちゃんは師匠並みに強くなるんだぞ!どうやったら勝てるのか教えてほしいくらいだ。クソがっ!

嫌だぁ、禪院家ってだけで殺されたくないぃ。今度こそ俺は幸せになって老衰するって決めてるんだぁ!

 

「い、いや、何度も言ってる通り当主になるつもりなんてサラサラなくて・・・」

 

「それで本当にいいのかぁ?」

 

な、なんだ。どうしてニヤニヤしてる。すっげえ嫌な予感がするから聞きたくないけど、聞かないという選択肢がないため恐る恐る問う。

 

「ど、どういう意味だよ」

 

「なぁに。これは簡単な予測だがな。お主は五条悟を倒した。これがどういう過程であれ、事実は変わらない。そしてこの噂は広まるだろう。するとどうなると思う?」

 

「もったいぶらずに早く言えよ」

 

聞きたくねえ・・・と思いながらも続きを促す。

 

「六眼と無下限呪術の抱き合わせを1人で倒した子供。呪詛師達はそんな子供が成長し切る前に、どうすると思う?」

 

「・・・あ」

 

理解した。理解してしまった。そうだよ五条悟懸賞金掛かってんじゃん。そんでそれ倒しちゃったじゃん俺。俺も呪詛師だったら警戒するよ。そんでもって俺子供だから、大抵の奴は今のうちに殺しに来るよね。

・・・やばくね?

 

「それだけではない。他の御三家や上層部もお前を危険視して命を狙うだろうな。そんな中、当主にならなかった場合、誰がお主を守ってくれるんだろうなぁ?」

 

「あ、あ・・・ああ・・・!!」

 

やばいどころじゃない。状況が既に詰んでる!?当主になったら将来真希ちゃんに殺され、当主にならなかったら色んな奴が俺を殺しに来る!

・・・これ、だめな奴だ。

 

「いやだああああああああああ!!!!」

 

車内で俺の絶叫が響き、耳が痛いはずの爺さんの顔は、それはもう満足そうだった。

 

 

 

 

と、いうわけで失意の中にいて布団に包まれている俺です。俺の人生は終わりです。

部屋の外は宴会の準備をしているからかどったんばったんしている。

 

どうしてこうなったんだろう。天井のシミを眺めながら考える。

・・・五条悟を倒したからですね。それしかない。

 

いやだって、舐められっぱなしは俺の精神衛生上悪いし、譲れないものだったから喧嘩自体はしょうがなかった。じゃあ何がいけなかったか。五条悟が負けたからだ。

 

「そうか、つまり、全てあいつのせいだということか・・・!」

 

「1人でぶつぶつ何いっとんねん」

 

襖が開く音がして、そんなことを言ってくるのは誰だと思って体を転がすと、正体がわかった。

 

「あ、ドブカス」

 

「いてこますぞ」

 

そんな絶望の中、俺の部屋に入ってきたのは爺さんの息子、禪院直哉(ショタ)であった。

 

 




直哉君やっと出せたぜ!他の禪院家の皆も出してあげたいな!

感想頂けるとめっちゃ嬉しいです。ください。足舐めます、誠が。
後、気が向けばいいので、高評価を頂けるとモチベーションが滅茶苦茶上がるのでください・・・(震え声)
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