五条悟からは逃げられない!   作:創作好き

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お気に入りが2000を突破しました!!
そして感想と高評価をこんなに沢山…みんなあったけえよぉ。
本当にありがとうございます!!
それと、無言低評価が辛くなったので、せめて理由が知りたくて評価に文字制限をつけました。ご不便をお掛けしますが、品質向上のためご協力お願い致します。

24日に日間8位になりました!皆さんありがとうございます!

後、一話目から匂わせていた主人公のクズ臭に気づき始めた人がちらそらいて嬉しかったです。今回は顕著です。



ドブ色デイズ

よお、久しぶりぃ。元気してたか?『正ッ解!!』禪院誠だ!通称禪院モブA。

 

今俺は、布団の中からドブカスこと禪院直哉を見上げてるいるんだ!因みに直哉のことは心の中でドブカスと呼ぶようにしている。だってクズだもん。直哉なんて贅沢な名だね。お前の名前はドブカスだよ!

それでドブカスが俺の元に来るときは、基本的に俺の命を獲りに来る時か、師匠に会いに来るときなんだが、今日は俺の方に用があるらしい。

でもおかしいな。俺が寝てる時って一応師匠が見張ってくれてるんだけどな。だから直哉が来たら追い返すはず。今の俺呪力カツカツだし。見張ってくれてる理由?俺って家族からも命狙われてるから、師匠いないとわりと死にかねないんだよね!クソが。

 

「安心せい、とうじくんに誓って手は出さへんよ」

 

「・・・ああ、そういうこと」

 

今の一言で理解した。この師匠大好き人間は俺に手を出さない代わりに俺の部屋の入室を許可されたのか。確かに師匠との約束なら絶対破らないもんなコイツ。いやでも師匠、せめて部屋の主に訊ねてから通して欲しかったなぁ。

 

「なんや、とうじくんのマネか?きっしょいなぁ」

 

「いやぁ、長く一緒にいるとクセとか移るんだよ。長く一緒にいると」

 

このドブカス、師匠の息子として産まれた恵と、師匠と同じフィジカルギフテッド持ちである真希ちゃんに嫉妬するほど師匠狂いなきしょい男だ。なのでこうやって普段から一緒にいるアピールをすると・・・お、こめかみがピクピクしはじめた。下から見上げてるから顔がよく見える。

うーんいい眺め。

 

「・・・ちっ、とうじくんに感謝せいよ」

 

「いつもしてるっつーの」

 

わなわなするも、溜息を吐いて心を落ち着かせるドブカス。

因みに師匠は今の会話が全て聞こえている。耳良いからね師匠。やべ、今更ちょっと恥ずかしくなってきたわ。

 

「んで、寝込みを襲いに来たんじゃなけりゃ何しに来たんだよ」

 

恥ずかしさを消し去るため、話しかけて思考を切り替える。

すると先程とは打って変わり、口をくぐもらせながら喋り出した。

 

「・・・五条悟に勝ったって、本当なんか?」

 

「まぐれだけどね」

 

それを聞いて、ドブカスは俯いた。俺は溜息を吐くと、ゆっくり話す。

 

「あのなぁ、俺が真っ向からアレと戦って勝てると思うか?手を抜かれたんだよ」

 

「・・・その程度で倒せるんなら、誰も苦労せんわ」

 

拗ねるようにそう答える。こいつあれか。俺が五条悟に勝ったことで、さらに俺とドブカスの実力が離れたと思ってんのか。馬鹿かコイツ。

 

「馬鹿かコイツ」

 

「おいちょい待ちいや、今何でけなしたん?」

 

やべ、声に出てた。まあいいや。重要なのはここからだ。

 

「あのなあ、元から俺達の実力差はかなり離れてることはわかりきっていただろう?」

 

「え、なに?けなしたとおもたらここでさらに傷跡抉りにくるん?えぐくない?」

 

「この後塩も塗るんだから少し黙ってろよ」

 

「人の心とかないんか?」

 

ない。そんなもん母親の腹に置いてきた。

まあ取り敢えず、今の応答で俺の予想は当たっていることがわかった。ふくれっ面になっているドブカスだが、どうやら今回の件はそこそこ堪えたらしい。

 

「あのなぁ、確かに実力は大事だけど、現段階で自信を無くすのは早いし、今更だろ?俺が一体何度お前を叩きのめし、精神的にいたぶり、そして何度お前が蘇ったことか」

 

「何度聞いても所業が畜生過ぎるんよ。悪魔か君は」

 

殺しに来てるのをその程度で済ましてんだから寧ろ感謝しろよ。それに今いいこと言っているんだから、黙って聞いて欲しいもんだ。

 

「というか、それだけじゃないから落ち込んでんねん」

 

それだけじゃない?まあ確かに、コイツの今までのことを考えると、今実力が離れていてもいつか必ず追いつくの精神でひた走るし、わざわざ俺の元に来ないか。

 

「じゃあ一体何を気にしてるんだよ。あ、今更性格はどうにもならないと思うぞ?」

 

「はっ倒されたいんか?」

 

怒気を込めてそういうも、俺のへらへらした態度を見て怒るのが馬鹿らしくなったのか、溜息を吐いて力が抜いた。

因みに未だドブカス立っていて、俺は寝転がっているので絵面的におもしろい。

 

「・・・親父、次期当主を君にするんやろ?」

 

ボソッと、意外な言葉が飛び出した。

 

・・・驚いた。爺さんはサプライズで言うと言っていたから、まだ誰にも言っていないはず。いや、もしかしたら最初から気づいていたのかもしれない。爺さんはさっき、当主には俺がなるのではと言っていた。つまりドブカスは、爺さんが自分を選ぶ気があまりないと前々から気づいていて、今回の件でそれを確定させると考えたのか。

 

「・・・正解。不本意ながらね」

 

「そういうとおもたわ」

 

そう言って力を抜くように、胡坐をかいて座り出した。その表情は、何処か憑き物が落ちたような顔をしていた。

 

「・・・薄々気づいていたんよ、親父は俺じゃなく君を選ぶって」

 

「それは、どうして?」

 

いつもと違ってしおらしいドブカスに戸惑いながらも、茶化すのは趣味が悪いなと思い、からかわずドブカスの心情を探ることにした。正直何を考えているのかよくわからない。

 

「わかるよ。考えるまであらへん。君を見る親父の目は、他の人間を見る目とは全く違うんやから。親父はなぁ、君に期待してんねん。それが一体何を期待してるかまではわからんけど、とにかくそうやねん」

 

そうだろうか?あれは期待してるというより実験動物がどう足掻くかを観察して楽しむマッドサイエンティストの目だと思うんだけど。

 

「でもそんなことはどうでもええねん。親父のことなんか関係なく当主になるつもりやったもん」

 

「おいじゃあ今の爺さんの(くだり)いらねえじゃねえか。さっさと本題言え」

 

「君、少しは人の気持ちを考えた方がええよ?」

 

ドブカスに諭されたんだけど。腹立つ~。

またもドブカスは溜息を吐くと、また語り出す。

 

「俺は、強くなりたかったんよ。とうじくんくらい圧倒的に」

 

それは知ってる。原作では幼いころ、呪力を持っていない師匠の存在を知り、どんな情けない顔をしているのか気になるというクソみたいな理由で見に行って、その圧倒的な強さに脳を焼かれていたからな。

 

「そして悟くんはとうじくんと同じあっち側の人間やのは前々から知ってたんよ。御三家の集まりで何度も顔合わせとるからな」

 

原作だとそんな話なかったけど、五条悟をあっち側の人間と扱っていたから、まあ面識はあるだろうな。年も一つしか違わないし。

 

「そんで君は今日、悟くん、あっち側の人間を倒した」

 

「えっと、すまん。もうちょいわかりやすく」

 

そこでどうして俺がアレに勝ったことがこいつの落ち込む理由になるのか、いまいちわからなかった。普段のコイツなら、それがどうした!ていう感じで襲い掛かってくるから。

 

「・・・誠くんって、本当に人の心がないんやね」

 

「無くて悪かったな」

 

嫌味なんぞ言わずにいい加減理由を言え理由を。

 

「まあええわ。俺はね、誠くん。君を認めたくなかったんよ」

 

「今更じゃね・・・?」

 

俺の言葉に黙って聞けと言わんばかりに睨みつけてきた。

あ、今師匠が噴き出してた!絶対そうだ!でもドブカスは聞こえなかったのかそのまま続けた。哀れな奴・・・

 

「俺は君を否定したかった。俺より才能があって、とうじくんを師匠と呼んで周りをうろつきながらも強くなっていく君を、否定せずにはいられんかった。でも今日、君は俺程度では否定できないところまで行ってしもうた。俺はね、誠くん。君を差し置いて当主になる自信をついさっきなくしてしもうたんよ」

 

「・・・」

 

絶句。ドブカスから信じられない言葉を聞いて絶句してしまった。

誰だコイツ。実は中にメロンパン入ってるんじゃないだろうか?額に目を凝らして見てみるが、縫い目は無かった。

 

となると今のが直哉という人間の本心ということになる。見た感じ嘘をついたようには全く見えない。だが、原作での直哉という人物は結構自惚れているような感じだった。じゃあなに?まさか俺、こんなところで原作ブレイクしてたの?うっそだろおい。ドブカスが知らぬ間に丸くなってんだけど。どうしてこうなった?

 

でもそれでいいのではないか?ここで挫折したと考えれば、将来真希ちゃん達を虐めることがなくな・・・るわけないか。虐めていたのは師匠関連だから丸くなっても虐めそう。そんで殺されそう。

 

まあ取り敢えず今の俺には都合がいいのかもしれない。少なからず今は身を守るためにも当主にならざるをえないから、俺の命を狙うやつが一人減ったと考えよう。でもそれだと結局真希ちゃんに殺されるんだよなあ。うーん、この。

 

・・・は!?そうだ、こうすれば、全てを解決できる!最初からこうすればよかったんだ!!

 

「直哉、立て」

 

そう言いながら、俺は体に鞭をうって立ち上がる。

ドブカスが不思議そうにこちらを見るが、俺は手を差し伸べることで自然にドブカスを立たせることができた。そして・・・

 

「歯ぁ食いしばれぇ!!」

 

「ぶぎゅっ!?!?」

 

そして俺は、目の前の情けない顔を思い切りぶん殴った。

 

その勢いは凄まじく、ドブカスは襖をぶち破って師匠の横を通り過ぎた。

 

「おい、一体どうし・・・」

 

今の会話を聞いていた師匠が訳を聞こうとするが、それを手で制する。肝心のドブカスだが、殴られた額を抑えて困惑と恐怖を交えた表情をしていた。喝を入れるにはやりすぎなような気もするが、こいつも俺のことを何度も殺しに来てるのでセーフだ。

 

「お前の意志はその程度かよ」

 

ビクッとドブカスの体が跳ねる。

 

「お前がしたかったことはなんだ、言ってみろ!!」

 

「・・・俺は、とうじくんみたいに、あっち側に・・・」

 

「ならうじうじしている暇なんてねえだろ!!」

 

ドブカスはその言葉にハッとした顔になり、師匠は「何言ってんだコイツ」と言いたげな顔になった。

 

「まだ10にも満たない年で何悟ったようなこと言ってんだ!馬鹿かてめえは!てめえの目的はあっち側に行くこと!なら今届かなくても最後に追い抜けばいいだろ!!」

 

俺は指をビシッと天に向けて指刺し、吠える。

 

「お前は!最速の呪術師になるんだ!雑音なんか踏みつぶし、なんもかんもぶち抜いて、禪院誠なんてただの早熟だった、禪院直哉こそが禪院家の当主だと周りに認めさせて見せろ!お前が禪院家の柱になるんだ!!」

 

「・・・俺にできるんやろか」

 

俺は、俺から目を離さないドブカスに歩み寄り、膝を着いてドブカスの肩に手を置いた。

 

「お前が言うあっち側の人間が認めてやる。誇れ、お前は強い」

 

その言葉に、ドブカスの目から大きな雫がボロボロと溢れ出す。

 

「・・・なんやこれは?」

 

泣き止む気配がないドブカスを、俺は優しく抱きしめた。

そしてドブカスは、俺の胸の中で声を上げて泣き出した。

 

口角が大きくつり上がった。

 

 

 

後に、伏黒甚爾は語る。

 

「弱ったところに甘言を囁やいてるあの姿を見たときはコイツ悪魔の生まれ変わりか?とは思った。ま、あながち間違いじゃなかったけどな」

 

彼は当時の禪院の悪魔について、そう語った。

 

 




今期アニメのしょ◯たんのOPを聞き、直哉が実質弟弟子ではないかというコメントを見て今回のサブタイトルを思いついて話を書いてしまった…後悔はしてない。
後主人公がクズムーブかますのは同じクズ相手だけです。(重要)
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