五条悟からは逃げられない!   作:創作好き

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お気に入りが4000突破!?ありがとうございます!!
そして評価をしてくださった方々、ありがとうございます!!
誤字報告もすごく助かっています!!ありがとうございます!!

この作品に宿儺のすの字も出てないのに主人公を宿儺と同一視したり宿儺との対面を待ち望んでいる方が多くいらっしゃったのが驚きです。(主人公は宿儺との関係性ゼロなんだけどなあ・・・)
高専一年生の話はやる予定ですが、宿儺を出すと原作崩壊するのでちょっと悩んでます。困ったときは・・・アンケートかな?

今回は誰視点の話にしようか悩んでいたら時間が無くなり、いつもより短いです。


月が汚いと言えばよかった

五条悟side

 

瞼が重く感じながらも、ゆっくりと目覚める。見えたのはよく見慣れた寝室の天井。

 

「あ・・・?」

 

考えが纏まらない。どうして寝ていたのかもわからず、鈍った思考で状況を確認しようと起き上がろうとした。

 

痛み。

 

体を起き上がらせる、ただそれだけの動きのはずなのに、体に痛みが走った。特に頭が痛い。そうやって頭に意識が向いたら、何か違和感を覚えた。手で頭を触ってみた。違和感の正体は包帯だった。なぜ?なぜそんなものが俺に巻かれているんだ?

 

体全体の痛み、頭に巻かれた包帯、つまり怪我をしたわけだ。俺が?でもなんで・・・

 

ゆっくりと、眠る前のこと思い出そうとして・・・

 

『アッハッハッハ!!』

 

「・・・あ」

 

思い出した。最後に聞いたのはあの嗤い声。その正体はアイツだ。そして俺をここまでコテンパンにしたのもアイツだ。寝ぼけていた思考は一気に加速して動き出し、自身を傷つけた存在の姿を明瞭に思い出させた。

 

そして俺は飛び上がり、時計を確認した。時間だけ見るのなら、会議はまだ終わっていないはず。俺は部屋から飛び出した。部屋の周りには護衛がいたらしく、俺を呼び止める声がしたが全て無視した。そんなものより優先すべきものがある。

 

飛び出して、たどり着いたのは会議の間。俺達が戦った場所。でもここにはあいつはいなかった。でもちょうど、俺がアイツを吹っ飛ばした時に壊れた襖を直している奴がいたからそいつに聞こう。

 

「悟様、ご無事だったのですね・・・!体の方はいかが・・・」

 

「なあ、禪院家の子供は今どこにいる?」

 

俺が近づいてきたことに気づいたそいつの言葉を待たず、俺は好敵手の場所を尋ねた。

するとそいつは苦々しそうに答えた。

 

「あの禪院家の子供ですね・・・。あいつは悟様と戦った後、ご当主様に失礼なことを言って倒れたらしく、そのまま禪院家の当主と共に帰ったそうです」

 

「そうか」

 

成程、禪院家にいるのか。じゃ、目的地は決まったな。俺は踵を返すと、玄関に向かった。

 

「悟、起きたのか」

 

下駄を履こうとすると、親父が話しかけてきた。・・・なぜだろうか、朝に顔を見た時より顔色があからさまに悪い。魂でも抜かれたかのようだ。

 

「どこに行くんだ?」

 

「禪院家」

 

「!?ダメだ、今日は安静に・・・」

 

何故か必死になって止め始めた。鬱陶しいので構わず出かけようとするが、せめて自分と一緒に行ってくれ、と必死になって行ってくる。珍しく俺に訴えかけてくることと、無視すると後が面倒な気がしたため、仕方がなく準備ができるまで待ってやることにした。

 

あまりにも待ち遠しい。早くアイツに会いたい。たしか、昔の人間は待ち遠し過ぎて一日千秋、なんて言葉を作ったとかなんとか。

んなわけねえだろとは思っていたが、成程。今なら理解できる。この待ち時間は確かにきつい。

 

さて、ただ待っているだけども暇だ。なら、最初になんて話しかけるか考えようか。到着する時間的にこんばんは?いや、なんか違うな。しっくりこない。

 

そうだな、アイツも疲れている上に怪我をしているだろうし、ここは・・・

 

 

 

 

誠side

 

ゲッソリとした顔で廊下を1人歩く。ついさっきまで宴の会場にいたのだ。つまり何をしていたのか。そう、次期当主の発表だよクソが。そして今は宴の途中で抜け出してきたってわけ。

遅い時間帯に1人で出歩くのは危険だと思われるだろうが、ここは大丈夫だ。理由?俺を支持する奴らの勢力圏内だからだ。

 

さて、勢力云々に触れたので、せっかくだから現時点での禪院家の勢力図を説明しよう。

 

第一勢力 誠を祭り上げようの会!通称諸悪の根源。某ソシャゲのヒロインではない。

彼らの目的はただ一つ。俺を次期当主にすること。こいつらがいなければ俺は次期当主候補になっていなかったと思う。本人たちは俺の為を思ってやっているんだろうけど、まじで迷惑だからやめてほしい。

あ、爺さんは別ね。あの人はほぼ嫌がらせみたいなもんだから。いつかあの髭燃やしてやる。

 

諸悪の根源のメンバーは原作にいるネームドだと蘭太くらいだが、他には躯倶留隊面々(術式を持ってない男児)や呪力が少ない者、術式が相伝で無かったりする者や女中の多く、それに若い世代、おまけに上層部に繋がりのある老害もいたりと、規模だけならば勢力図一だ!世界が俺を殺しにきているとしか考えられないんだが・・・

 

どうしてこんなに人が多いかだって?老害以外は知らん。なんか勝手に慕ってきた。

老害は今より小さいころ、才能マシマシだったから可愛がられているのを利用して懐に入って手駒にした。大抵のことは聞いてくれるから便利だ。

因みに爺さんは一応中立のはずなのだが、片足このメンバーに入っている。マジ止めろ。

 

第二勢力 禪院家の風習を守ろうの会!通称ミカン。腐ったミカンの臭いがする。

準一級以上の実力者を集めた呪術師軍団、炳を中心としたクズどもの集団だ。何か知らんが、俺が禪院家を壊す危険分子だなんだ言ってくる頭おかしい奴らだ。まあ、ご存じの通り原作時点での炳のメンバーの内二人が諸悪の根源に行って三人しかいないから多分負ける。もっと頑張れよ・・・。

 

そして第三勢力 そんなことより菓子を食べたいの会!通称菓子。和菓子美味しいよね。

俺と師匠、後さっきドブカスが入った最強勢力だ!師匠1人いればいいと言ってはいけない。目的は1つ。俺以外に当主を継がせることだ。師匠、これに関しては本当にどうでもよさそうだから、手伝ってくれるといいなあ・・・。

 

禪院家では、諸悪の根源、ミカン、菓子の三つに分かれ、混沌を極めていた。

 

これが今のお家事情ってわけ。もう嫌になる。

さて、こんなカオスの中、どうしてドブカスを鼓舞したか。それにはまず、俺が死ぬ条件について確認しなければならない。

 

まず現在。爺さんが言った通り今次期当主になっておかないと俺の周辺強化がされない恐れがある。次期当主候補はいつの時代も命を狙われる嫌な立場だが、俺が五条悟を倒してしまった為、禪院家以外からも命を狙われるようになるだろう。

つまり、しっかり身を固めないと命がいくつあっても足りないのだ。なのでここで次期当主にならないという手段は実質ない。

 

そして原作。長くなるのですごく短縮して説明するが、原作での渋谷事変以降に真希ちゃん真依ちゃんが帰郷して真希ちゃん覚醒。禪院家皆殺しだおらあ!する。つまり俺の事認知していた場合俺のことも草根かき分け殺しに来るのだ。怖いね。

 

当初の予定では、早い段階で呪術師として金を貯め、原作開始前から姿をくらませていれば足をつけず逃げ切れるのではないかと考えていたのだ。でも当主になれば動きにくくなり、逃げ切る難易度は高くなるだろう。だからドブカス鍛えていた。

 

だがもう当主にならざるを得ない。ならどうするか?ここで俺はあることに気づく。

あ、原作開始前に当主じゃなきゃいいんだ。

肝心なのは原作開始前に追手を振り切って逃げきること。実力が一級以上なら呪詛師なんて師匠以外怖くなんてない!なので原作開始前にドブカスを俺より強くし、その実力を他の面々に見せつけることで、ドブカスが当主に相応しいんだ!ムーブをかます。だから人間の体で覚醒してねドブカス?

 

ふ、なんて完璧な作戦だ。つまりあれだ、今までとやることは大して変わらない。勝ったなガハハ。

 

そんな勝ちムーブを手にした俺は、呑気に諸悪の根源勢力の廊下を歩く。空を見上げると、綺麗な満月が一つ。おお、何とも風情があるじゃないか。

 

「月が綺麗だ・・・」

 

「そうだな。こんな日は、団子が食べたいよな」

 

おお、共感してくれるか。そうだよ、団子と茶を用意して、のんびり過ごしたい。そうだ、せっかくだし今からでも月見をしよう。共感してくれたこいつも誘って・・・

 

「よう」

 

「・・・」

 

誘おうとして、振り向いてしまった。そこにいたのは、さっき見た顔だった。

白い髪、蒼い瞳、整った顔立ち。頭に包帯を巻いていながらも、絶世の美少年にして最強である五条悟がいた。

 

「久しぶり、元気してたか?」

 

・・・なんでいるの?

 

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