休載のエルフ   作:葬送のフリーレン、ニワカ

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 勇者ヒンメルの死から●年後。

 

 中央諸国のどこか。

 

 

「うん、ここはいつ来てもあまり変わらないね」

 

「フリーレン様はこの辺りによく来られるのですか?」

 

「幼馴染の墓があるんだ」

 

「……それは……」

 

「フェルン、少し寄り道してもいいかな」

 

「……行きましょう」

 

 二人はある程度踏みならされた、森の傍道に入っ行った。

 

 しばらくすると、二人は大理石で作られた石碑がポツンと立っている場所に辿り着いた。

 

「これは、随分と立派なお墓ですね……」

 

「あいつは古今色んな人間に慕われていたからね。ほら、定期的に掃除をした跡がある。これはあいつの作品のファンがやったんじゃ無いかな」

 

「ファン……ですか?」

 

「あいつは、作家だったんだ」

 

「作家……」

 

「フェルンも聞いた事くらいはあるんじゃ無いかな。例えば、指●物語、ハリー・●ッター、デ●トラクエスト、ダレ●シャン、デ●ナータ、ゲ●戦記、HUNTE●×HUNTER、精霊の●り人、鹿●王、ハウル●動く城、桃太●、カチカ●山、因幡●白兎、ワ●ピース、ドラゴ●ボール、ブラックジャッ●、シャーロッ●ホームズ、ジョジョの奇妙●冒険、●生門、七人●侍、用●棒、トラ●ガン、攻殻機●隊、カウボーイビパッ●、ガンダ●、宇宙戦艦ヤマ●、ムーミ●、ハンサ●学園、女●山脈、千●万化、源●物語、平●物語、金●郎、ゴールデ●カムイ、でんじゃらす●ーさん、トリ●、魁●塾、聖闘●星矢、北斗●拳」

 

「フリーレン様」

 

「ゼルダ●伝説、魔●少女、東●、綱殻●レギオス、ソードアートオ●ライン、キノ●旅、ヴィンラン●サガ、ギルガメッシ●議事録、オーディ●の叙事詩、風の谷●ナウシカ、ファイナルファンタジ●、聖●物語、ドラゴ●クエスト、ダイの●冒険、ドン・キホー●、アーサー●伝説、スタ●ウォーズ、ロードス●戦記、ファイヤーエンブレ●、ベルセル●、ブッ●、アラビア●ナイト」

 

「フリーレン様!!!」

 

「うわっ!」

 

「もう分かりました。少しは知ってました」

 

「脅かさなくてもいいじゃ無いか……」

 

「……すごい人だったんですね」

 

「無視した」

 

「すごい人だったんですね。どんな人だったんですか?」

 

「昔はもっと素直で可愛かったのに……」

 

「どんな人だったんですか」

 

「……そうだな。一言で表すなら、カスだな」

 

「かす?」

 

「そう、カス」

 

「それって、知らないうちに部屋に落ちてたり、食べ残しだったり、性格が悪い人に向かって使う悪口的な、カスのことですか」

 

「あいつはカスでクズだよ」

 

「えぇ……」

 

「あいつを知ってるエルフは全員、あいつのことを人類の最底辺って思ってるよ」

 

「ええぇ……」

 

「フェルン、さっき言った作品の中で読んだ事がある本はあるかな?」

 

「……はい、ハリー●ッターはハイター様の書斎にあったので」

 

「それでいうと、ハリーがヴォルデモート卿と対決する時があるでしょ」

 

「ありましたね」

 

「ハリー●ッターは当時連載だったんだけど、決着がつく前に休載したんだ」

 

「雑誌掲載だったんですね……けど休載なんてよくある事じゃ無いですか」

 

「200年」

 

「200年?」

 

「休載の期間だよ」

 

「続けるよ。あいつは本を作る事ができる魔法を持っていてね。私でも出来ない高度な魔法だよ。それを使ってあいつは1ヶ月に一回のペースで雑誌を売っていたんだ」

 

「最初は主要な街道の側に掘立小屋を建てて、通行人に押し売りしてたらしいけど、あいつには物語を作る才能があってね。飛ぶ様に売れ始めたんだ。掘立小屋は立派な家屋になって周りには街ができたくらいにね」

 

「実際あいつの雑誌は面白くて、私も月一で買っていたんだ。けど売れ行きが好調になってきた途端に奴の狂った行いが始まったんだ」

 

「物語が佳境に差し掛かり続きが物凄く気になるところで、人間の寿命を遥かに超える休載をするんだ。他の雑誌の掲載物はそのままにしておいてね」

 

「他の掲載物もそれはそれは面白かったし為になった。けどそれは雑誌を買わせ続けさせる罠だったんだ。休載の途中でも他の物語が載せられる。そしてそれも休載する」

 

「あいつがそれを始めた時の人間のなんと哀れなことか、続きが気になっている物語の終わりを見る事なく怨嗟の声をあげながら死んでいったよ」

 

「もちろん私もあいつに抗議しにいったんだ。そうしたらあいつなんて言ったと思う」

 

「『フリーレン、君は幼馴染で同じエルフだから特別に教えてあげるよ。僕が休載をするのは僕が人が苦しむ姿が大好きだからだ……苦しみ悶え怨嗟の声をあげながら死んでゆく様は正直、ぼっk』」

 

「フリーレン様!」

 

「……ありがとうフェルン」

 

「フリーレン様……とりあえず横になって下さい」

 

「そうするよ」

 

「そうして下さい」

 

「……そうしてあいつと疎遠になって結構経ってから」

 

「フリーレン様」

 

「言わせてくれ……」

 

「フリーレン様……」

 

「突然あいつが死んだという情報が入ってきたんだ」

 

「自殺だったそうだ、休載を沢山残しての」

 

「墓まで自分で作ってね」

 

「私は……」

 

「フリーレン様!!」

 

「……」

 

「……フリーレン様このお墓壊しませんか?」

 

「……したいのは山々だけど、あいつは癪な事に私より高度な魔法を軽々と使う大魔法使いだよ」

 

「もしかして、フリーレン様がよくここにくるのって……」

 

「そういう事だよ」

 

「……」

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