休載のエルフ 作:葬送のフリーレン、ニワカ
轟音と閃光が辺りに木霊する。
立派な墓の前に二人は立っていた。
「ダメだね」
「残念です」
フェルンは心底残念そうな様子を見せた
「今回は自信があったんだけど……さすがはゴミだ」
「伊達にフリーレン様と幼馴染というだけはありますね。カスですけど」
「そういえばヒンメル達をここに連れてきた事は無かったな」
「それは……正しい行いなのでは?」
「いや、魔法がダメなら物理ならどうかと考えてね」
「フリーレン様、なぜ連れてこなかったんですか?」
「コペルニクス的転回……」
「なんですかそれ?」
「……うん、戦士の仲間が出来たらまた来よう」
「……なるべく早くでお願いします。この墓が壊れる時には立ち会いたいですから」
「そうするよ」
二人はその場を後にした。
勇者ヒンメルの死から●年後
「フリーレン様、戦士仲間にしましたね。早くあのカスの墓に行きましょう」
「私がエルフだからかな? それは早計に感じるんだけれど」
「……? 墓? カス? え……何怖いんだけど……」
「シュタルク、カスと言うのは作家の……フリーレン様、なんて名前でしたっけ?」
「あまり口に出したく無いんだけどなぁ」
「名前も知らない奴の墓壊したく無いよ! そもそもなんで墓壊すの?! 倫理観どうなってるの? 作家?」
「フリーレン様お気持ちは痛い程分かります。しかしあのカスの墓を完膚なきまでに叩き潰す為です。説明してあげて下さい」
「仕方ない……一度しか言わないからしっかり聞いてね。準備はいいシュタルク?」
「あ、ああ。よくわからないけど、一応オッケーだぜ」
「……ミュルだ」
「あのカスってそんな名前だったんですね」
「ミュル……ミュル? ……もしかしてあのミュルか?」
「どの?」
「あのミュルだよ! デルトラ●エストとか、ドラゴ●クエストとか、ダイ●大冒険とか、俺が好きな物語全部ミュル作だぜ! ほらみろ御守りにダイ●大冒険の一巻を懐に忍ばせてるくらいだ! そんな御人の墓を壊すなんて俺には出来ない!」
「ッチ」
「え……今舌打ちした?」
「無知は罪であると本に書いてありましたが、まさかこれ程までとは……フリーレン様、この愚か者にあのカスの所業を聞かせてあげて下さい」
「言われなくともね」
「実は……カクカクシカジカモルマルシカク」
「ああっああ、嗚呼アア……」
シュタルクが肌色を真っ青にしとてつも無い恐怖に押し潰された様に倒れた。
「も、もし、もしもの話。俺がダイ●大冒険を掲載時期に読んでいたら……どうなっていたんだ」
「ダイと大魔王バーンとの戦いの時にざっと500年の休載があったね」
シュタルクが嗚咽を漏らし、その両眼から留まることのない大粒の涙をこぼし始めた。
「俺は怖い……」
フェルンがそっとシュタルクの背を摩り優しげな声で言う。
「その気持ち痛い程分かります。シュタルク様あのカスの墓を壊すのに協力して下さい」
「けど良いのかないくら墓に入ってるのが、休載で人間を絶望に陥れる人間のクズでも、死者の安寧を脅かすなんて……」
「大丈夫だよ。シュタルク」
「え?」
「ヒンメルでもそうする」
作者はシュタルクの事はアニメ第五話と、YouTube shortsでしか知りません。なのでシュタルクっぽい何かです。
それと休載のエルフの名前である『ミュル』は、ドイツ語でゴミという意味です。