100万人の犠牲を払わずに世界を救う麦わらの一味 作:キラトマト
「説明が終わってこられましたか勇者様。それでは……この半径20mの円の外から真ん中の木の束を両断してください」
彼の名はカンティル。勇者達を除く傭兵たちの実質のリーダー的立ち位置となっており、唯一のオーク討伐経験者である。
「ん〜?」
「ダイオークの身長は30m前後……拳の長さは約20m。直撃すれば人は即死します。この木の束程度破壊できないようではオークに接近しても傷一つつけることはできません」
「俺には効かねぇけどな。ゴムだから!」
「まぁ……勇者さま方は別として……」
「ゴムゴムの
「一刀流……獅子歌歌!!」
「
「
「
全員見事にオークを模した木の模型を破壊し、合格となった。
ゾロの剣技はともかく、他の勇者の人知を逸した攻撃方法にあんぐりと開けた口が閉まらないカンティル。
「んんッ!! 流石です勇者様……これなら一騎当千の活躍を期待できそうですね」
島民たちはそれだけで歓喜の声を上げる。力のない民などいつも無責任なものである。
「これならオーク共なんて一捻りだ!」
「やってやれ勇者様!!」
「オーク共をぶっ殺せ!!」
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その夜、麦わらの一味達は鍛冶屋のカジーヤの宅に泊めてもらっていた。そんな中、カンティルがやってきたのだ。
「お〜カンティル! お前も食うか? うめェぞ〜サンジの飯は」
突然だが、今この島には食材となるものが少ない。特にオークのせいで喪われた人手が手痛く、そのせいで田畑の半数以上が荒地となっていた。しかしそれをものともせずに最高の料理を作り上げるのがサンジという男である。素潜りで採った魚と貝殻を出汁にすまし汁を、そして貝と豆、根菜を使ったチャーハン風炒り豆で全ての栄養素を満たしたのだ。
閑話休題、カンティルが来たのには理由があった。
「私は私の国で指揮をした3度の大きな戦いで全て負けた。この傭兵の中にはその敗戦国の元兵士もいる。将校だった私より、その彼の方が辛い経験をしただろう」
「で? なんでそんな話を俺たちに」
ゾロが問いかける。
「知っておいて欲しくてな……これから共に戦う仲間に」
「ふ〜ん。まぁなんでもいいけどよ、一緒に食べようぜ! 人数は多い方がいいしな!! ニシシ」
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「傭兵は全部で10人ね……」
「へい! そうだべ! ただ、そのうち5人は『勇者』っていう奴らだぁ。オラはよぐ知らねんど死んでもよぐ生き返るらしいがら気ぃつけてくだせぇ」
「よく報告してくれたわ……村人に見つからないように帰りなさいね?」
「へい! ダイオーククイーン様!!」
オーククイーンは、中に50万体がいるとは思えない空いた部屋で、内通者と会話していたのであった……。