あーくないつ   作:上殻 点景

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ウチのスカルシュレッター君は、心の強さ3割増しです。
決して、原作の性格を覚えていなかったわけではない(たぶん)


3話

 龍門 採掘場 周囲 

 

 感染者に対する扱い。

 チェルノボーグ、龍門と見てきて、彼女は何を感じるのだろうか。

 そのようなことを、思いながら、彼女の横に立つ。

 

 「これより、スカルシュレッター追跡作戦を行います」

 

 アーミヤの号令が全体に響き渡る。

 

 「周囲を警戒しつつ、奥に進む。それで、大丈夫ですかドクター?」

 

 アーミヤの呼びかけに、黒いフード越しに、頷くことで返答とする。

 

 目覚めてから、早数週間。このテラの大地にようやく馴染んできたとはいえ、

記憶を失った自分は、まだ知らないことばかり。

 

 しいて言えば、自分にできることは、味方を指揮して、敵を殲滅することのみ。

 そんな自分に、何かを救うことなんてできるんだろうか。

 

 「ではドクター、後の指揮はお願いします」

 

 だが、彼女の眼はそんな私を許してくれそうにはない。

 

 今日も、龍門の空は曇ってる。

 

 ◇◆◇

 

 龍門 採掘場 

 

 周囲には、レユニオンの人員が多く配置されており、スカルシュレッターの捕捉は困難を極めた。

 また、場所は採掘場とだけあって、隠れる場所が多く不意打ちにも気を付けなければならない。

 

 「クルーズは高台からドローンを頼む。アーミヤは、付近の警護を任せる」

 「こーこーだーよー」

 「分かりました」

 

 高台に、周囲が見渡せるオペレーターを配置しつつ、周囲には警戒を密とする。

 

 時間は有限であり、長引けば長引くほどオペレーターの命を危険にさらす。

 

 どうにも、背筋に伝わる、冷たい汗を感じながらも、一手、一手進めていく。

 

 「次ッ!正面にグム。横からメランサがカバー」

 「位置についたよ!」

 「了解しました」

 

 タブレットを操作しつつ、無線に指示を飛ばす声にも力が入る。

 どうにか、レユニオンの軍勢を捌いているが、それもギリギリである。

 

 質では、勝っているモノの、数では負けている。

 このままいけば、物量で負けてしまうのではないか

 そんな予感めいたものまで浮かんでくる始末......

 

 「だがな、見つけたぞ、スカルシュレッター」

 

 ロドスのドローンが映し出すは、

 数体の敵、そして黒いフード。

 

 向こうの視線はこちらを射抜いており、

 あと数秒もすれば、奴の武器からの砲撃がくるに違いない。

 

 未だ龍門の空は曇っている。

 

 

 ◇◆◇

 

 龍門 採掘場

 

 「スカルシュレッター!数時間前に、ミーシャが連れ去らしいぞ」

 「なんだと......Wは何をやっていたんだ」

 

 あの傭兵は、子守の一つもできないのか。

 そんな、焦燥がスカルシュレッターを駆け巡る。

 

 「それが、ロドスの兵士と交戦していた――――」

 「――――言い訳は、聞きたくないな。だがちょうどいい、これから嫌でもロドスと戦うこととなる、その戦いに勝利し、奴らのボスと交換すればいいだけの話」

 

 頭だけの数では、こちらの方が勝っている。

 それに、感染者としての覚悟が違う。我々はあの地獄を耐え抜いた者たちだ。

 貧弱な世迷いごとを掲げ、感染者をたぶらかすような奴らに負けるはずがない。

 

 そう自負しながら、奥歯をかみしめた。

 

 「俺たちは、全てを取り返す、感染者の人権も、土地もそして姉さんもッ」

 

 

 ――――――そんな出来事を思い返しながら、目線の先に写る敵を見る。

 

 ウサギ耳の少女、そしてフードを被った得体のしれない男

 

 こちらの戦力は、先の戦闘で消耗しきっていた。

 だがそれは向こうも同じ、前線には疲弊したロドスの人員が見える。

 

 「これから先は俺が出る」

 

 そう同胞たちに言い渡すと、私はグレネードランチャーを手に取った。 

 

 「なっ、スカルシュレッター、アンタが出る必要は――――」

 「前線に出ない幹部など置物にすぎん。我々の未来は我々でつかみ取る。それがレユニオンだ」

 

 長年連れ添った同胞に止められるが、それを制止し言葉を紡ぐ。

 戦場はギリギリに見えるが、それは数で押しているからに過ぎない。

 

 現状、すでに多くの同胞が戦闘不能になっており、このまま続けたところで 

 兵の質で劣っている我々が負けるのは必須。

 

 それに、何よりこんなところで同胞たちを失うわけにはいかない。

 

 撃鉄を上げ、ランチャーを構える。

 

 「これより、ロドス本陣を叩く。後に、続けッ!」

 

 盛大な爆炎が、彼の登場の合図となった。

 

 ◇◆◇

 

 「来たか、スカルシュレッター......」

 

 彼の登場は、レユニオン側の士気を向上させる結果となった。

 おかげで、五分だった前線が押されている。

 

 前線の突破は時間の問題だ。

 

 だが、それなら――――

 

 「アーミヤ、これから直接スカルシュレッターを叩きにかかる。君を危険にさらすが許してほしい」

 

 ――――こちらとしても、好都合だ。

 

 彼女は、周囲を警戒しつつ小さく頷くことで了解をしてくれた。

 だが、その瞳には迷いがあるのが分かる。

 

 同じ感染者。なぜ戦っているのか、どうして分かり合えないのか――――

 おそらくは、そんなところであろう。

 

 彼女はとしては、彼を救いたい。故に、今回は作戦は追跡戦なのであろう。

 

 ――――だが、これは戦争だ。

 

 大小、形は、どうであれ、ロドスとレユニオンは殺し合いをしている。

 

 ――――人は人を殺すことでしか前に進めない。

 

 それが、殺人機械としてしか頭を働かせれない私の結論であった。

 

 ああ、すまない。

 こんなクソッタレな私を許してくれ。

  

 ◇◆◇

 

 龍門 

 

 爆音、剣戟、アーツ、後悔、願い、様々な音色が飛び交う戦場で

 

 数多の、同胞の屍を踏み越えて、遂に――――

 

 「見つけたぞ、ロドスッ!」

 

 ――――スカルシュレッターは本陣にたどり着いた。

 

 

 やはり、ロドス本陣の守りは手薄。

 金髪の盾女とアーツを使える甘ったれ少女、それにモブとフードが2人。

 ここにいない戦力は、おおよそ同胞たちの迎撃に充てているのであろう。

 

 こちらの戦力は、自分一人

 

 「だが、それで十分ッ!」

 

 地面を蹴り飛ばし、最速で少女に詰め寄る。

 だがそれは、直線状に割り込んできた、盾女に防がれる

 

 「クソッタレッ!」

 「悪いが、ここを通すわけにはいかない。この二アールの名に誓ってな」

 

 この女、やはり硬い。ロドスのトップを守護するものだけはある。

 

 だが、ここまでは予測通り。

 正直、いきなりボスが取れるとは思っていない。

 

 故に、この一手――――

 

 腰にホルダーした、ランチャーの撃鉄を引く

 

 ――――狙いはこの戦場を作り出したフード

 

 「ッドクター!」

 

 甘ったれ少女が俺の狙いに気づいたようだがもう遅い。

 

 「「これで、チェックメイト」だ!」

 

 その瞬間――――

 

 ――――ああ

 

 なぜ、俺の体は動かない

 なぜ、俺の体から血が出ている

 どうして、あのフード野郎が生きている

 

 「よくやった、エクシア」

 

 そんな、声が聞こえる。

 

 あのクソフード野郎、自身を囮にして俺を狙撃したのか

 

 完全に自分が狙われる前提で、俺の動きが止まるまで待った。

 

 おいおい、なんだそれは。馬鹿だろ、普通

 

 体が、クソ痛ぇ

 手に上手く力も入らねぇし、

 足も血だらけだ

 

 ああ、だがそれが――――

 

 『ああ、アレックス、あなただけは――――逃げてッ!』

 

 ――――俺の止まる理由にはならねぇよなぁ

 

 ◇◆◇

 

 龍門 採掘場 

 

 撃破したスカルシュレッター目に生気が戻るまで数秒

 

 それは、読み切ったと思った自分が油断するには十分な時間だった。

 

 腰にホルダーしていた、武装を手に取り、アーミヤに突貫するまで僅か2秒

 いくら二アールでも、私の奇策のせいで動揺してしまいとっさの判断ができないのは仕方ない。

 

 目の前に、死が迫るアーミヤをどうにかできるのは、アーミヤのみ

 ああ、すまない。また君に、死の責任を押し付けてしまうのか

 

 そんな、考えがふと頭をよぎる。

 

 見上げた、空は暗く雲く苦しく感じた。

 

 だが、その空は――――

 

 決して、

 

 決して、

 

 ――――曇ってなどは、いなかった

 

 

 「委細承知ッ!」

 

 空から、落ちてきたサムライの一閃により、

 

 その勝負の決着が落とされた。

 

 

 

 ◇◆◇

 

 龍門 採掘場

 

 いやー、嫌な予感がして、急いで前線に来たらアーミヤちゃんがピンチだった件について

 ちょっと警備ガバガバ過ぎないですか。

 

 このムサシちゃんが間に合わないと完全にアーミヤちゃんケガしてましたよ、まったく

 

 「ロドスのサムライッ!」

 「生憎、恨まれる理由はあれども、殺す理由はないのでおとなしく投降してちょうだい」

 

 勢いで、武器を持っていた腕を一刀両断してしまったけど、大丈夫かしら。

 明らかに、ヤバい血の量出てるし、早く治療してもらいたいんだけど

 

 「断るッ!俺はレユニオンだ、故にロドスに降る理由はないッ!」

 「ふーん、そうかしら」

 

 なら、搦め手と行きましょう。せっかく、回収したミーシャちゃんもいますし、親切に彼女が姉ということを教えてくれた爆弾魔ちゃんもいたので

 

 「なら、これはどうかしら。レッド、ミーシャは起きてる?」

 

 『ちょうど、今起きたとこ』

 『ここは、どこ......あなたはさっきの』

 

 「なっ、その声はミーシャの――――」

 「そういうこと、分かったら降伏してくれるかしら?それとも彼女がどうなってもいいのカナー?」

 「クッソたれ、ロクな死に方、を、し――――」

 

 そういうと、彼はその場に倒れこんだ。

 まあ、おそらく限界だったのね。

 私が切るまでもなく、気合で動いていたようだし。

 

 「救護班、早くッ!」

 

 アーミヤちゃんの、悲痛な声が届く。

 まあ、何はともあれ彼が生きている確率は神のみぞ知るというところであろう。

 

 まあ、何はともあれハッピーエンドということで――――

 

 「――――あと、ムサシさんにはお話があります」

 「ひょっ?」

 

 余りの恐ろしさに乙女らしからぬ声が出てしまった。

 あれれぇ、アーミヤちゃん、なんか黒いアーツ纏ってませんか?

 

 いや、それ人に向けていいようなものじゃないと

 いや、ほんと死んじゃうから

 紙装甲のムサシちゃんじゃ、耐えれないからッ!

 

 ◇◆◇

 

 ムサシとアーミヤのお説教を見ていると、誰か来たようだ。

 

 「君は、近衛局の――――」

 「チェンで問題ない。それよりも、今回遅れてすまなかったな」

 

 どうやら、近衛局の隊長が直々に詫びにきたようだ。

 

 「いや、問題はない。こちらも、貴殿との協力関係の上で今回は自由にさせてもらっている節がある」

 「そういっていただけるとは有り難い。本来なら、トップにいうべきなのだが......」

 

 そう言って、アーミヤの方を見るがどうやらまだムサシと話し合いをしているようだ。

 なんなら、ドス黒いオーラ纏っているし、本当に今あれを解禁していいのか気になるところである。

 なんにせよ、あの中に話しに行く気には、私もなれなかった。

 

 「すまない、うちのムサシがやらかしてな。しばし、待っていてくれ」

 「ムサシ......?」

 

 チェンは、どうやらムサシの名に引っ掛かりを覚えているようだ。

 まあ、確かにテラではあまり見ない発音のような気もするし

 

 「もしや、そのムサシというのは、刀を持って、銀髪で、奇妙な服装しているか?」

 「普段の姿は知らないが、刀を持って銀髪ではあるな」

 

 あいにく、ムサシの普段着までは知らない。彼女は、いつもロドスの職員の服装を着ており、その姿は刀を持った予備隊員と変わらない。

 

 「そうか、情報提供感謝する。疲れているのに、このようなことを聞いてすまない」

 「いや......特に問題は――――どうやら終わったようだ」

 

 ふと目をやると、そこにはこってり絞られたのか。死に絶え絶えなムサシと、まだ、ドス黒いオーラが見えるアーミヤがいた。

 

 「ドクター、何か御用ですか?」

 「ああ、アーミヤ、チェンの方が君に用があると」

 

 おかしい。

 なぜか、アーミヤの声を聴くと無性に仕事をしないといけない気持ちになる......いったい何故だ。

 そんなくだらないことを考えていると

 

 「まずは、今回の作戦に遅れた非礼を詫びさせてもらう。すまない」

 「いやいや、いいんですよ。私たちがいそいで追っていたのもありますし」

 

 そう言っているチェンの姿は、あの傲慢に感じた最初のころとは違うものであった。

 

 今回の一件を通じて彼女のロドスに対する見方が変わったのか、

 やはり、チェンもあのドス黒アーミヤには恐れを感じたのか、

 

 できれば前者で願いたい。

 

 「いやいや、アーミヤちゃん。今回大将を捕縛したのは私たちです。もっと誇っていきましょう。そして、がめつくアレやこれやを要求しましょう!」

 「人が話しているときになんだ貴様は......まて、貴様がムサシか?」

 

 むむ、まためんどくさい予感が、

 私のドクターアンテナにビビッときた気がする。

 

 「応ッとも!このロドスに咲く、美少女剣士ちゃんといえば、このムサシちゃんのことですよ」

 「そうか、――――――とりあえず貴様には龍門で手配書が出ている。ホシグマ連れてけ」

 

 「「「???」」」

 

 そうして、我々が何かを口を出す間もなく、ムサシは近衛局に連れ去られていった。

 

 その空は、今日も青い

 

 

 ◇◆◇

 

 『てなことがありまして』

 『そうか、相変わらず君は何をやっているんだ』

 

 通信機越しから、ため息が聞こえる

 現在、近衛局の車両で絶賛ドナドナされ中のムサシちゃんは、

 隊長ちゃんをあの手この手で言いくるめ、どうにか連絡することだけ許してもらったのである。もちろん、監視付きでだけどネ。

 

 『まあ、今回の一件で君はよくやった方だ。大地の芽吹いた種はその環境に耐えながら成長していく。だがそれが良かれ悪かれ、自然と淘汰されていくものが出てくる。私は、あくまで環境を整え記録していくしかできない。そういう点で、君は......いやこれは不要だな。なにはともあれよくやってくれた』

 『ZZZ......』

 

 レユニオンが1人、レユニオンが2人、レユニオンが3人......

 

 『ムサシ、君はもしかして寝てないか?』

 『全員切り殺してしまえば――――ハッ、もちろん寝てませんよ。ケルシー先生ッ!』

 『そうか、ならばよい』

 

 ひょー、危なかったです。

 相変わらず、ケルシー先生は話が長すぎます。なんで、普通に話してたら、急に例え話から、テラの歴史について語りだすんですかねぇ。

 前回、ノイルホーンが寝て、Mon3trにしばかれているところを見ましたからね。

 おちおち、このおばあちゃんの前では寝落ちもできません。

 

 『ところで、私の私兵を勝手に使った挙句、患者を持って帰った件だが』

 『ああー、ケルシー先生どうやら砂嵐のせいで電波が悪いようで、回線が、が、が』

 

 いそいで、通信機の電源を切る。

 危なかった、私がレッドを嘘の命令とご飯で釣ったことがバレたら、またお仕置きされてしまう。まあ、ケルシーおばあちゃんなら、帰ってきたら忙しさのあまり、きっとこの件を忘れているでしょう。

 

 後ろの近衛局の面々の視線が痛いですが気にしません。

 ムサシちゃんは強い子なのです。

 

 ◇◆◇

 

 ロドス 艦内

 

 「全く、この晴天で電波が悪くなるわけがないだろうが」

 

 そうあきれた声をこぼさずにはいられなかった。

 チェルノボーグといい、今回といい彼女は十分に頑張ってくれた。

 

 個人的には、Aceを救ってくれただけでも賞賛に値するのだが――――

 

 傷も癒えぬまま、本艦を飛び出し、龍門で戦っていると聞いたときは呆れてモノも言えなかった。正直、医者の立場から言わせると、Mon3trで無理やり連れ帰ってベットに括り付けたいものだが。

 

 まあ、それが彼女が望んでいるモノならばとも思ってしまう。

 

 「少しは、こちらの心配も気にしてほしいものだ」

 

 そう呟きながら、ケルシーは手元に用意した

 ムサシの減給書類にサインをした。




 作者です。ここまで、作品を読んでいただきありがとうございます。
 今回も、軽くまとめようとしたら意味わからない展開になっているのは許してほしいですネ。作者の頭の中でのスカルシュレッター君が、日本兵に食べられているのが悪いです。
 さて、私語となのですがイネスとかいう、えちえちなお姉さんがピックされた今日皆様はいかがお過ごしでしょうか。作者は、黒いエッチなお姉さんをくださいと、よ星神様にお願いしたら、40連でチューバイが2人も来ました。黒いエッチなお姉さんだけど、職分が違うッ!
 皆様は良きガチャライフを送れますようお祈りしときます。
 あと、前回も感想くれたお方、あざます。作者が、次の話を書く原動力になってます。
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