気が付けばルビコン3   作:ぶーく・ぶくぶく

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ほのぼの日常パート終えて話を進めようとすると筆が進まない。


仕様変更のお知らせ

 

 

あの後、今度はレッドガン基地を尋ねた俺とエアは、ベイラム縛りアセンでのフロイトとの対戦データを売り込み。ミシガンにウォルターからの言伝を伝えた。

 

んで、イグアスたちに会っていこうと彼らの訓練が終わるのを食堂で飯を食べながら待っている。

 

レッドガンの食堂は中華食堂っぽい。

食堂のおばちゃんはミシガンたちと同年代っぽい。初代大豊娘娘だったとの噂もある女傑だ。

なんでも、唯一ミシガン総長を叱り飛ばせる人らしい。

 

「なんだいなんだい、この細っこい子は、そんなんじゃここではやってけないよ!」

 

食事を受け取りにいったら、早速エアが絡まれた。

大盛チャーハン。エアの義体の体形でこの量は無理だろうと言う盛り。

大食いタレントじゃないんだから。

 

「すみません。私は全身義体なので、これほどの量は必要ありません」

「…そうなのかい?そいつはすまなかったね」

「その分は俺が貰おう」

 

もうよそっちゃったしね。

死んでた機能もコーラルを浴びた時にコーラルが補填してくれたおかげで治ってるし。

健康な成人男子なら食える!

 

「ほー男だねぇ。なら、特別にくれてやるよ!一粒も残すんじゃないよ!」

 

俺の言葉に食堂のババアはニヤリと笑うと更に大盛にしてくれた。

こ、こんくらい、く、食えるし、余裕だし。

 

 

「こいつはオマケだよ!持ってきな!」

 

 

更に餃子。

 

うっぷ。

が、がんばるぞい。

 

 

/*/

 

 

「よっ!」

 

食堂へやってきたイグアスたちに指2本で砕けた敬礼をしてやると予想通りイグアスが噛みついてきた。

 

「手前ぇなんでいるんだ!」

「G13レイヴン!迅速な依頼達成ご苦労だった」

 

こちらを労ってくれるレッドは良い子だなぁ。

 

「ところで、隣の美人さんは誰だ?」

 

ヴォルタの問いに、すっとエアは立ち上がる。

…ちょっと、エアさん?

 

「レイヴンの妻。エアです」

 

渾身のドヤ顔だった。

自己紹介できるのが嬉しくて楽しいらしい。

 

「ほーやるじゃねぇか、G13」

「貴様、妻帯者だったのか」

 

まーいいけどさ。

 

「子供もいます」と写真を見せて、その場の人たちの表情が疑問符になるまでがセット。

で、五花海、ヴォルタ、イグアス、レッドの4人だが。

 

五花海は「なるほど、それは確かにお子さんです。可愛いですね」と元詐欺師らしく話術でそつなく対応した。

ヴォルタとレッドは「お…おう」と満面の笑みのエアを前に、引き気味に返事をした。

 

イグアスは案の定。

 

「AIじゃねぇか!」

 

と、突っ込んだ。

五花海、ヴォルタ、レッドがあちゃーとそれぞれ額を抑えたり、天を仰いだりしている。

エアは意に介さず。

 

 

「ですが、貴方より強いですよ」

 

 

イグアスに言ってのけた。

 

「上等だぁッ!やってやる!」

「飯の後でねー。先に飯食べなよ。おばちゃんこっち見てるよ」

 

俺の声に厨房の方を向く全員の視線の先には、腕組みした食堂のババアの姿があった。

 

 

「あんたらボサッとしてないで、とっとと食っちまいな!次の奴らが来きちまうだろ!!」

 

 

/*/

 

 

 

「パイルバンカー?バカになるからパルスブレードの方が…」

「誰がバカだ!?」

「だって、チャージパイル当てる事しか考えなくなるよ」

 

パイルバンカーはねぇ強いんだよ。

強いから、チャージパイル当てるに血眼になるんだよ。

 

「ああ、確かに最近のイグアスはバカみてぇにチャージパイル当てる事しかしてねぇな」

「…そんなにか?」

 

ヴォルタに言われて初めて気が付いたと言う風のイグアス。

気がついてなかったのか。

 

「パイルバンカーは…ねぇ。まぁ、当たれば相手は死ぬから」

 

病みつきになるよね。

 

「それより、本社に言ってくれよ!なんでジマーマン(重ショットガン)の炸薬減らしたの!」

「ああん?ショットガンだぁ」

 

イグアスは兎も角、ヴォルタも重ショットガン使ってるだろ!

 

「使用感に変化が無い範囲で仕様変更とか案内きてましたね」

 

レッドが案内が着ていたと思い出したように言う。

そーかぁ?けっこう使用感違うぞー。

 

「1割強も炸薬減らされたら大分違うぞ」

「へっザマァねぇぜ」

 

いちいち絡んでくるイグアス。流石である。

 

「メンテナンス不足が原因の装弾不良クレームが多くて対策したらしいな」

ヴォルタの言葉にがっくりと肩を落とす。

 

「クソ、これだから独立傭兵は…」

「手前も独立傭兵だろうが」

 

イグアス、うるさい。

 

「レッドー。変更前の在庫なーい?プレ値で買うからさー」

ダメ元でレッドに絡む。レッドの答えはとても建設的だった。

 

「それほど使いたいならハンドロードしたらどうだ?」

「ハンドロード(自作)か、その手があったな。…機材買うか」

 

オールマインドに注文しとこ。

端末を弄りだした俺に五花海が声を掛けてくる。

 

「ベイラム純正もありますよ」

「え?売ってくれるの?」

 

ジマーマンの弾は専用大型ショットシェルだから、汎用品の機材で出来るか心配だった。

純正品を買えるなら、それに越した事はない。

 

「一般販売品ですよ…そうですね。私から買うのであれば色を付けましょう」

「買う買う」

 

元詐欺師の五花海だが、ゲームではミシガンが戦死するまでレッドガンに残り続けた事から義理堅い男では?との評価もある。

こーゆータイプとは仲よく出来るなら、仲よくなっておくのが良さそうだと思っていたのだ。

 

言われた口座に振り込んでおく。

 

んで、食事が終わった後、腹ごなしにエンキドゥとイグアスの対戦がシミュレーションルームで行われた。

対戦内容を外部モニターで、ヴォルタとレッドが眺めている。

 

 

「イグアス先輩、ボコボコですね」

「ボコボコだな」

 

 

エンキドゥの構成は俺と同じダブル重ショットガンにパルスブレード。

ACS負荷限界にならずとも隙があれば、パルスブレードを差し込んでくるエンキドゥ。

まだチャージパイルに意識が向きすぎてるイグアスでは割と一方的になる。

 

それでも、以前の武装構成よりも追い込めている。

 

「だいぶ強くなったじゃん」

「…手前ッ!また上から」

 

そう聞こえるように言ったからね。

 

「せっかく強化人間なんだから、リミッター外しなよ。素人間と違って、10G以上掛かっても戦闘機動できるんだから」

「…なん…だ、と…」

 

ヴェスパーは強化人間部隊だけど、レッドガンは違うっぽいなーと思っていたのだが、実際そうだった。

未強化でヴェスパーのナンバー付きと同等と見られているレッドガンのナンバー持ちは凄い。そりゃナンバー人数少ないわけだ。

 

「はい。これ設定ね。実機でも試してみ」

 

あと、シミュレータに俺のデータ入れて置くよ。

ついでに素人間代表フロイトのデータも入れとくね。

 

「おい、人んちのに勝手に…フロイト!?」

「ヴェスパーのか!?イグアス、ちょっと代われ!」

 

あ、ヴォルタに引き摺りだされてる。

 

 

/*/

 

 

グリット086に到着。

ウォルターと617、620と合流した。

 

ラミーに泣きつかれました。

 

黄金像アセンは高機動過ぎてラミーには扱えなかった模様。

素人間だしね。

機体構成が全部変わったら直ぐに扱えないのも仕方なし。

 

それでも頑張った様子は見て取れる。

 

アンテナ頭が曲がってらぁ。

グリットウォーカーの上昇推力で天井にぶつけたんだね。

 

腕はバショウのままで良いよね。

頭も丈夫なバショウにして、脚は2C-3000 WRECKERに戻そうか。

 

RaDの2C-3000 WRECKER良いよね。

特につま先が頑丈で蹴りまくっても歪まないところが最高。

 

武装は6連ミサイルに単装式実弾ショットガン”花の16歳”×2、精神の拠り所であるチェーンソーも戻してあげよう。

 

ウェポンハンガーなんて使ったことない?

 

大丈夫。無意識に操作できるまで特訓してあげる。

 

どうして、こんなにしてくれるのか?だって。

そりゃ君が気に入ったからだよ。

 

さぁ、始めようか。

 

コーラルが抜けて、泣いたり笑ったり出来なくなっても、シミュレーションは終わらないよ。

 

 

/*/

 

 

ラミーの特訓を始める前、俺はカーラに詰められていた。

にこやかにしているが、眼が笑っていないカーラ。

 

流石はRaDの頭目。本気の時はめちゃくちゃ怖ぇ。

 

 

「で、ビジター。誰がクソババァだって?」

 

 

よし、これが終わったらラミーを特訓してやろう。

思わず現実逃避する。

 

「すまない、ビジター。当該の発言ログはハンドラー・ウォルターから提出を受けている」

 

室内用義体「らっどん」に入っているチャティからの残念なお知らせ。

 

「ウォルタァァァ!なにしてくれちゃってんのぉぉぉ!」

「…621、すまん。カーラにはAC部品などで幾度も世話になったのだ」

 

初期機体とか全身RaD製品だもんねぇ。

カーラにはハウンズお世話になってるものねぇ。

 

ウォルターに吠えたからか、617と620がウォルターを守るようにさっと前に出る。

 

ちゃうねん。

先輩違うねん。

 

「621。ハンドラーに危害を加えるのは、許さない」

 

銀細工のように繊細な二人の赤い瞳に睨まれる。

ごす…ウォルターが全てな先輩たちには、こんなじゃれ合いも冗談では済ませられない。

 

「ち、違うよ。617先輩」

「お姉さん」

「…え?」

「621。私は貴方のお姉さん」

 

あれー。

 

「あ、はい。617姉さん」

「よろしい」

 

620も自分の方をアピールしいる。

 

「ん」

「あ、はい。620お姉ちゃん」

 

シリアスどこ逝った。

カーラ、なに腹抱えて笑ってんの。

 

 

「ビジター。あんたは笑える奴だ」

 

 

それでそっちが?とエアに視線を送る。

 

「始めまして、カーラ。私はルビコニアンのエア…コーラル変異波形です」

 

「コーラル変異波形…あんたは自分がどうして発生したのか理解っているのかい?」

「わかりません。気が付いたら、私はあそこにいました」

 

エアの返事にカーラは笑えない…と言った沈痛な表情をした。

 

「コーラルには接触した生命体とネットワークを繋いで知覚を拡大させる性質がある。それによって人間の意識がコーラルに飲み込まれ散逸するが、特定の条件下でネットワークが再構成される場合がある」

 

「…それは」

 

「そう。恐らく…あんたは、何らかの実験で犠牲になった人間の意識を基礎に構築されている」

 

封鎖機構も、ウォッチポイントでやることやっていたって事さ。

 

「私が…人間…?」

「勘違いさせたら悪いが、あくまで人間の意識がベースになってるってだけだ。実験に使われた人間とあんたに何の関係もない」

 

あんたはあんたさ。

 

そう言い切ったのはカーラの優しさだろうか。

 

 

 





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