メーテルリンク先輩とペイター先輩の指揮する回収班によって、フロイト共々アーキバス基地へ連行された俺だった。
AC2機のレコーダはエアによって改竄されていたのだが、戦闘を監視していたメーテルリンクとペイターのACにはフロイトとの会話がばっちり記録されていたwww
特にペイター先輩の機体は、スウィンバーンが設計に口出しした索敵強化型の頭部だけあって…言い訳しようもなく…鮮明に記録が撮られていた。
エアも気が付いていなかったから改竄しようもないし、そもそも二人の記憶は改竄できない。
で、
武装解除の上でスネイルの前に、俺は引き出されている。
対スネイル…AC戦なら勝てるんだけどなぁ。
多分、生身のスペックはスネイルの方が上だよね。
最新型に更新し続けてるんだし。最高のメンテナンスも受けられるんだもの。
…い、幾らスネイルが最新型強化人間とは言え、ドルマヤン(マスター・ルビコン)に手解き受けた俺に腕力で勝てると思うなよ!?
いやいやいや。
スネイルの前にわざわざ引き出されたって事は問答無用で『死ね』と言う事ではない筈。
だが、執務机に座ったまま、こちらを見上げるスネイルの視線は眼鏡の奥でも理解る程に絶対零度だ。
「…フロイトにも困りましたね。仮ナンバーを発行したとは言え、部外者それもレッドガンと懇意にしている駄犬に…」
「はい!Sir, yes, sir!絶対誰にもしゃべりません!だから帰して下さい!」
結構真面目に敬礼までしたのだが、スネイルは眼鏡を押し上げながら、冷たい視線と口調で続ける。
「無責任な傭兵の言う事など信じられるわけがないでしょう?そもそも金になる情報を貴方が何処にも売らないわけがない」
あ、はい。
ソウデスネ。
独立傭兵だから金になるものは情報でもなんでも――何なら依頼対象の部品でも売っぱらいますね。
良く理解ってらっしゃる。
「貴方の経歴を確認するとレッドガンの依頼を受けた後に、解放戦線に買収されてレッドガンを攻撃している前科がある」
眼鏡に薄っすらと何か映ってるのが見える。
眼鏡型のウェアラブルデバイスなのだろう。
あーそれは、その――俺が憑依する前の話なんでノーカンになりませんかね。
「――解放戦線からの依頼を受け、第七隊長抹殺に向かうも第七隊長に買収され、依頼を放棄した件もありますね」
すみません。
ホンの出来心だったんです。
許してください。
スネイルの眼鏡が冷たく光る。
「その都度、違約金を払う姿勢から金には忠実な性根が見て取れます。――金の介在しない仕事は(フロイトのように)絶対に無責任なものになります」
金に忠実…普段なら誉め言葉にならないだろう。
だが、今この場では…
スネイルが言葉を続ける。
「『金を払う』とは仕事に責任を負わせる事。
『金を貰う』とは仕事に責任を追う事。
駄犬…貴方は、金を貰う意味を弁えているようだ」
セーフ?
セーフですか!?
スネイルは一旦、視線を目の前の端末へ落とす。
軽く操作すると視線を再びこちらへ向ける。
「…口止め料金です。確認しなさい。
フロイトの件…それ以上の金額であれば仕方ありません。――が、売った先は報告するように」
「――まったく上の連中はこんな駄犬を…」
上って、アーキバス本社の役員とかに俺の戦闘情報渡ってるのか…スネイル真面目だから報告ちゃんと上げてるのか。
アーキバスは本社との通信を改竄されてないのかな。
もう上から最終的には俺の事を捕まえて再教育しろとかも言われてるのか?
だから、IXナンバー寄越したとか?
それは兎も角、帰ったらヴェスパーIXのエンブレム(勝手に)作ろうっと。
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無事?スネイルから解放されて、自前の大型輸送ヘリでオールマインドの共同ドックまでやってきた。
機体がドルマヤン戦でバラバラになってしまったので、グリッド086に取りに行きたいのだが、それまでの自衛用機体を組む為だ。
何故かシュナイダーのメカニックも何人かついてきている。
高機動(空力)な機体を組めとの無言の圧力を感じる。
共同ドックには真・レイヴン改めリンクスが残って機体を組んでいた。
キングとシャルトルーズはザイレム掌握の為にRaDの主力と出張中だ。
小柄な身体をぴっちりパイロットスーツに包み込み、ジャンパーを上に着こんでいる。
エアも義体で同じカッコだし、シャルトルーズも似たような恰好だし…と思ったけど、俺も同じような恰好だった。
リンクスは乗機ナイトフォールが撃墜されたが、それがフルチューンのワンオフ機状態だったので修理が出来ない(部品の用意に時間が掛かる)。
なので、既存のパーツで組み直す事にし、ザイレム探索護衛に同行しないでオールマインドの共用ドックで機体を用意しているそうだ。
その機体は頭・胴がアルバ。エルカノから実働データ提供と引き換えに提供された実証試験品。
ここから実証試験のデータを取って、解放者ルートでのオルトゥスに繋がるのか。
脚はアーキバスの第二世代傑作VP-422
腕は近接フリーク呪いのAA-J-123 BASHO
武器はフルオートマシンガンMG-014 LUDLOWを両手持ち、右肩に小型3連双対ミサイル
左肩ハンガーにパイルバンカー。
カラーリングはホワイト?
雪原迷彩でもするのかな?
「機体名どうしようかな。やっぱり、ホワイト・グリントかな」
「4の機体だっけ?パイルバンカー装備してるんだ」
「4の方はレーザーブレードだね。私はフォーアンサーの方が好きだよ」
「あ、そう言えば貴方、コア背部に大きくせり出したブースターユニットついてるパーツ持ってるじゃない。寄越しなさいよ」
「なんで、知ってるの?」
「エアちゃんが教えてくれたけど?」
頭を抱える。
「なに?なんか不味いの?」
「…この段階では持ってない筈のパーツなんだ」
「ふーん。じゃ、修理できない感じ?」
「多分、RaDなら修理は出来るんじゃないかな。あと、オールマインドが探してる筈」
「は――バッカじゃないの?そんな重要なパーツをよりにもよってオールマインドの共同ドックに置いてるわけ?」
リンクスは眼を丸く見開いて驚いた後、息継ぎ無しの罵倒をしてくれた。
大きく丸く見開いた目は名前の通り猫のようだ。
美人の罵倒はご褒美です。もっと言って!
内心をおくびにも出さず、神妙に答える俺。
「気が付いたら、もう置いてあったから…」
「なるほどね」
呆れの溜息をつくリンクス。
そこから一転、ころころと表情を変える。
「あ…ところでレイヴン。貴方のエアちゃん。あっちで白とピンクの可愛らしいACを組んでたけど、良いの?」
言われて、慌てて向かった共同ドックの先で俺が見たものは!
全身技研製のACエフェメラ一式!コーラルライフル、コーラルミサイル、コーラルシールド、コーラル光波ブレード。
絶句。
「え、エア!エフェメラは不味いですよ!」
「どうしてですか?」
不思議そうに小首を傾げるのは、2Bっぽい見た目の義体に入っているエア。
銀色のショートボブが揺れ、赤い瞳をぱちくりさせている。
身体を使っての感情表現が上手になってきている。
いや、ま…共用ドッグの場所を喰ってる俺のパーツ在庫はオールマインドも把握してるから今更だけどさ。
「無人機ですから、何かあればレイヴンの盾にする事も出来ますよ」
「ぎ、技研の部品は替えが効かないものも多いから、俺の盾にするなら量産品にして…」
「コーラルジェネレータは私の増殖分を渡して、カーラに作らせれば良いですから使っても良いですよね」
「はい」
「では、頭部はレイヴンとお揃いが良いです。
胴体はレイヴンが使っていたCC-2000 ORBITER にしましょう。
腕部もレイヴンが使っていたAC-2000 TOOL ARM にしましょう。
脚部は…あ、これ可愛いですね。 VP-422 にしましょう」
機体
VP-44D
CC-2000 ORBITER
AC-2000 TOOL ARM
VP-422
武装
44-142 KRSV
HI-32:BU-TT/A
VP-60LT
VP-60LT
内装
ALULA/21E
VE-21A
IB-CO3G:NGI 000
「なんでマルチENライフルを?」
「オールマインドが傑作です!と強く薦めてくるので…レイヴンは実弾系が多いのでカバーできるかと思いました」
通常射撃のプラズマは弾速早くて連射も効くから強力ではある。
2段階チャージも、それに応じたライフルの変形機構もロマン溢れる良い武器だ。
ただ…44-142 KRSVチャージ一発8,000COAMなんだよなぁ――火をつけろ。燃え残った(※報酬も含む)全てに。
俺は弾薬費が安いのもあって、実弾と近接武器を好んでる面もある。
44-142 KRSVはなぁ。チャージ一発8,000COAM。それだけあれば1ミッションくらい余裕で修理、弾薬費を賄えると思ってしまう。
なんなら、パンチと近接武器で弾薬無し、ノーミスで報酬総取りプレイとかやってた俺である。
「そっか。ありがとう、エア」
実はいつの間にかオマちゃんと仲良しに?…それはないか。
コーラルジェネレータは運用に癖があるけど、大丈夫かな。
みんな新しい機体を組んでいるが、俺の新しいACはジェネレータがRaD(オーバーシアー)製になる都合、グリッド086まで引き取りに行かないといけない。
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折角なのでスウィンバーンの機体も、組み直しプランを立てて部品をRaD工場(旧BAWS第二工廠)へ送る手配をする。
脚部をシュナイダーから提供された軽4脚LAMMERGEIER/42Fに交換。
胴はエルカノから提された試験品のアルバ胴。こちらの実戦使用のレポート提出もスウィンバーンにやって貰おう。
頭部は折角なので、本人が設計に口出ししたVE-44B。
盾はイニシャル・ガード出来るなら、全部避けられるのと同義なので、強化人間の反射神経を存分に活かして貰う為にも取り外す。
怖いなら全部避けろ!君なら出来る!
スウィンバーンは4脚使ってるのにホバーを余り使わない。グレネード発射時に脚が止まっていた。
4脚の強味を活かす為に両手にメリニットの小型バズーカ。これで大砲ぶっぱしても脚が止まらない。
…個人的にはアサルトブースト中も撃てる重ショットガンの方が良いとは思う。
左肩にレーザーダガーを乗せて、近接フリーク呪いの腕AA-J-123 BASHO。どうせ、バズーカは交互に撃つから射撃反動適性の低さは影響が少ない。
ハンドミサイル分は右肩に3連プラズマミサイル。
そして、解放戦線には強いAC乗りがいないので、皆の希望の一番星(ヴェスパー)になれるように主人公っぽくトリコロールカラー。
図面を送ったら…私が乗るのか?
一寸派手じゃないか?と、嫌そうだった。
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RaD工場(旧BAWS第二工廠)の警備に派遣されてるラミーには、ヘビーマシンガン・アタッシュと変更武装を幾つか送っておく。
あとはRaDのグリット086留守番組みから、ジャンカー・コヨーテスがRaD工場(旧BAWS第二工廠)襲撃に人集めてるようだと連絡があったので、オールマインドに依頼を出して独立傭兵を募集しておこう。
ん?
なんか、出入口が騒がしい。
行方不明者が帰還したようだ。
モンキー・ゴード、トーマス・カーク?
汚染市街で撃墜されて、ライセンス漁ったけどウォルターにいらないされた人たちじゃん。
生きてたんだ。
解放戦線にも見つかるわけにいかないから、二人でサバイバルしながら徒歩で帰ってきたのか。
二人とも失機者かぁ。
借金して機体を仕入れるとか出来ないだろうし、再起は無理だろうな。
ボロボロの二人にスーツ姿のケイト・マークソンがパンフレットを渡して、何か説明している。
ちょっと耳を澄ましてみる。
え?
傭兵支援セール?
あれ冗談じゃなかったんだ!?
第四世代型強化人間手術を受ければ、その後の追跡調査に協力するだけでAC購入ローンが組めます?
古のACだと、ある程度の回数撃墜されると借金のカタに強化人間に改造されるって聞いた事あるけど、そんな感じ?
オールマインド。スッラを失ってる筈だし、もうオキーフにも裏切られてるのか?
イグアスには粉を掛けて口説いてる最中だろうし、Cパルス変異波形と交信できる人間を確保する為に形振り構ってないのか。
二人とも悩んでるな。
頑張ってくれ。
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最後にグリッド086に行くまでの仮の機体を組んでおこう。
前にテスト依頼受けたエルカノとRaDの機体だけど、新兵用には使い難いと思うんだよね。
安く丈夫に組むならBAWSでしょ!
両腕:MA-T-222 KYORAI(BAWS製ナパーム弾ランチャー)
右肩:BML-G2/P03MLT-06(6連ミサイル)
左肩:HI-32: BU-TT/A
頭:HC-2000 FINDER EYE
胴:CC-2000 ORBITER
腕:AA-J-123 BASHO
脚:AL-J-121 BASHO
ブースタ:AB-J-137 KIKAKU
FCS:FCS-G2/P05
ジェネレータ:AG-J-098 JOSO
(初期装備は同ジャンルの最安値で計算)
こんな感じ。
多分、90万COAMくらい。
エルカノのパーツを新兵に回すのは無理があるんだよなぁ。
それとも強化人間を秘匿してるのかな。
点より面で攻めるナパーム弾ランチャーの方が新兵向きだと思う。
野戦での運用が主だろうし。
状況に合わせてMA-J-200 RANSETSU-RF に持ち替えたり、接近戦が出来ないなら両肩ミサイルにすれば良いけど、大丈夫かな。
グリッド086に行くまでの俺の戦闘データ喰わせたCOM搭載して、グリッド086からフラットウェルに送っておこう。
後日…新兵を乗せたら、近接ブーストのGに耐えられない者が続出と報告があった。
…それでシュナイダー製の高機動AC使わせようとしてたんかい!と出掛かったが耐えた。エライ!
あとエルカノの製品も使って欲しいと要望があったので、頭部をEL-TH-10 FIRMEZA(+12万COMAくらい)に変更。
地元企業との付き合いは大事なんだね。のけ者良くないって事らしい。
新兵の気絶対策にブースタをKIKAKUから、RaDのBC-0600 12345に変更。
近接推力がKIKAKUの6割くらいまで落ちたので近接攻撃しても気絶する新兵がいなくなったようだ。
現実でもF1ドライバーとか戦闘機乗りは超エリートだから、人材不足の解放戦線では機体性能を引き出すより、新兵に合わせる方を優先せざるを得ないだろう。…じゃーなんでシュナイダー製AC(以下略
そう言えば、ツィイーについてアーシルから依頼が来てた。
えーと、『新型とパイロットスーツを手に入れてから、ツィイーの腕がどんどん上がってて野生のヘリアンサス狩りとか誰もついていけなくなったので、金に糸目を付けないので機体の生存性を上げて欲しい』か。
やっぱり、適性はあるんだねぇ。
パイロットスーツ着て、耐G性能が上がったから、ブースト使いこなせるようになったのが大きいのかな。
素人間なのが惜しまれる。
折角のバショー腕だ…ドルマヤンに特訓を頼んでおこう。
アセンは――うーん、頭BASHOにして耐久性アップ、コア(胴)を大豊の天槍にして、拡張機能でパルスアーマー入れるくらいかなぁ。
天槍の生存性能は、何回も撃墜されて死んでないラミーで実証済みだから安心安全…多分。
折角、ドルマヤンに特訓を頼むんだし、KIKAKUブースタとパルスブレードも送ってやろう。
三か月後…そこには元気に野生のヘリアンサスにキックをかますツィイーちゃんの姿が!
って、なれば良いね。
/*/
自分のACの組み立ては設定すれば機械がやってくれる。
人間の整備員による最終チェックは別料金だ。
なので、頼む奴は少ない。
デッキのコンソールを前に組み立てを見ていると、オールマインドから通信が入った。
「独立傭兵 Rb-23 強化人間C4-621 レイヴン」
「毎回、長くない?」
呼びかけが毎回長いので、突っ込みを入れてみるがオールマインドには無視されてしまった。
「貴方のライセンスについて確認があります」
…拾ったライセンスで真・レイヴンじゃないの知ってるぞって、毎回、長い呼びかけで圧を掛けてるのに今更何を。
「俺はレイヴンで良いんだろ?」
「はい、前任者であるリンクスより譲渡の意思を確認しました。以後、ブランチに対する依頼は貴方へ出せば良いのでしょうか?」
真・レイヴン改めリンクスで登録番号取り直ししたし、仲良くお喋りもしていたから、俺をブランチの後継者と認識したのか。
「それで良いよ。…ところで、俺あちこちからコールサイン貰ってるけど独立傭兵で良いのか?自分では個人事業者のつもりだけど」
「一方に偏り、事実上の特定組織所属になっているなら問題ですが、貴方は見境なく敵対組織全てに対応しています。
しかし、BAWSの旧第二工廠のオーナーとなった貴方は個人ではなく、貴方自身をトップとして特定組織と見做すのが妥当ではないでしょうか?」
「独立傭兵として支援は出来ないって事?」
自分のパーツを他人に結構譲渡しているし、個人の活動を逸脱していると言われれば、まぁそうだな。
共用ドックに仕舞ってある大量のパーツをグリッド086にでも運び出さないと…と考え始める。
「はい。個人ではなく法人として契約して下さい」
…オールマインドに法人契約とかあるのか。
「傭兵団として契約って事?何か違いがあるの?」
思ってもみない事に面食らって、返事を返す。
「これまで通り、オールマインドとして支援は行いますが、同時にオールマインドの取引先として登録して下さい。
具体的には旧第二工廠での生産品(装備、弾薬、食料)の取引。正当な報酬は支払います。
また、旧第二工廠内に共用ドックを置かせて頂けるのであれば、整備スタッフを派遣します」
オールマインドも支援する傭兵や職員に食料とか供給しなきゃいけないのだから、食料生産も出来る勢力とは取引は必要か。
そう思っていると、視界が一瞬赤く染まり、エアの声が脳内に響く。
『…以前から工場にオールマインドからのハッキングが続いています。全て私とカーラで組んだ防壁で防いでいるので、内部からハッキングしたいのではないでしょうか?』
流石はエアとカーラ。
と、言うか。
オールマインドは、また生身の人間(カーラ)にハッキングで負けてるのか。
オンラインで太刀打ち出来ないから、物理的に近づいてスニーカー・ハッキングしようってのか。
(それ、オールマインドを中に入れても大丈夫なの?)
『問題ありません。オールマインド直通の回線が出来るので、逆にオールマインドの情報を集めるのに都合が良いです』
(サスエア!頼もしい!)
『システム解析や改竄には自信があります』
声色が一寸得意そう。
可愛い。
意識をオールマインドに戻し、返答する。
「共用ドックはありがたいけど、スペース的に隣接する形になるけど良いかな?」
「はい、構いません」
そう答えたオールマインドに釘を刺す。
「――ああ、でも、コーラルは…井戸が枯れつつあるから、近いうちに汲み上げられなくなるよ」
「…そうでしたか」
一瞬の間があった。
やっぱりコーラルの井戸を抑えたかったのかな。
「ですが、BAWSがコーラル井戸を隠し持っているとの情報は封鎖機構も察知している筈です。強制監査もあり得ます」
おっと、それは重要な情報だ。
「そっか。ありがとう、オールマインド。気を付けるよ」
ゲーム通りなら、カタフラクトとエクドロモイ2機の筈だけど…どうなるかな。