気が付けばルビコン3   作:ぶーく・ぶくぶく

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駄犬呼ばわりは止めて貰おう。



チャプター3
あて先はスネイルで


 

 

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しばらくぶりだね、ウォルター。中々元気そうじゃないか。

新しい強化人間…621か。随分と愉快な奴だね。

 

621が何かしたのか?

 

うちに殴りこんで来て、うちの連中とパーティをやって、技研の遺産をぶっ飛ばして、カーゴランチャーで中央氷原に素っ飛んで行ったよ。

 

 

それとビジターからの頼まれものだ。友人だと言っていたが…いやいや、中々元気なビジターじゃないか。

 

おい、これは…

 

どう使うのかまでは、私が関知するところじゃないね。

 

…俺は、どうすれば。

 

さぁね。

 

さて、ここからは真面目な話だ。ビジターから連絡があった。コーラルに関する技研の論文なんかも含んだ大量のデータを保管したいからストレージを貸してくれとさ。データは私らも自由に閲覧して良いそうだ。

 

コーラルに関するデータだと。

 

ああ、ルビコン3の傭兵支援システム。オールマインドからハッキングして来たそうだ。ビジターと一緒にいるコーラル変異波形がね。

 

変異波形だと!621は無事なのか!?

 

落ち着きなよ。通信してきた感じでは…問題なさそう…と言うか、キャンプを楽しんでいる様子だったよ。

 

俺は急いで中央氷原へ渡る。連絡は追ってする。

 

 

…ビジターあんたは笑える奴だよ。

 

 

/*/

 

 

小遣い稼ぎに失敗して戻ってきたイグアスが機体構成を見直したいと言い出した事、ミシガンは密かな喜びを覚えた。

ヴォルタとのコンビでは一人前になってきたが、逆にそれが足枷となって単機での火力不足に気づけていなかった。

 

 

「右肩の4連装ミサイルを6連装に交換だ。

 左肩のシールドを2連装グレネード(ソングバード)。左腕のSMGをパルスブレードに…いや!パイルバンカーだ!何が難しいだ!やってやる!やってやるぜ!」

 

「おい、シールド無しで攻撃受けたらどうするんだ」

「ACは機動兵器なんだろうが、全部避けてやるよ」

 

「俺が臆病なエリート気取りだなんて言わせねぇ」

 

転換訓練だ!とメンバーを巻き込んで、これまでに無い勢いで訓練に臨んでいる。

座学への取り組みもこれまでにない気迫だ。

 

G13に刺激を与える筈が、G5が刺激を受けたようだ。

 

 

(役立たずも役立たずなりに役立つ事が証明されたな。

 ふざけた遠足だったが、結果は悪くない。)

 

 

しかし、イグアスは知らなかった。

 

 

621はまだマニュアルエイム・バズーカを残している事を。

 

 

 

/*/ その頃の621

 

 

ウォルターが渡ってくるまで、調査ドローン設置と使えそうな拠点調査の日々だ。

 

今の所は先行調査している少数の活動のみなのか封鎖機構の姿も見ない。

おかげで昼はドローン設置と地点調査。夜はキャンプと悠々とした生活を送っている。

 

そんなある日。使えそうな拠点を見つけて調査していると、同じく調査活動をしていると思われるAC単機の接近が検知された。

撃ち合いにならないと良いと思いつつ、どこの勢力とバッティングしたかも報告しようかと接近を待っているとやってきたのは…。

 

ベイラムとアーキバスのパーツをミックスした機体構成。暗い青で染まったACは独立傭兵のようだが、それは違う。

識別名、ロックスミス。

 

オールマインドのアリーナ1位だった男、フロイトの機体だ。

 

身体の慣らしも兼ねて、グリッド086前にアリーナは全クリ済なのだ。

 

 

「…そこのAC。見覚えがあるぞ」

 

 

ロックスミスから通信が入る。

 

なくて良いです。

 

やっぱりかー。アリーナ1位だったのが、急に順位落ちたら確認するよねぇ。

 

 

「お前とはやってみたいと思っていたんだ。さぁ、やろうか」

 

 

判断が早い!

 

気に入らないとかありがちな感情は一切なく。ただ対戦を楽しみにしていた感情だけが見える。

 

 

「…折角の拠点が使えなくなるから、せめて外でやりません?」

 

「やれるなら何処でも良いぞ」

 

「こっちは独立傭兵なんで、出来れば弾代も出ない戦闘はしたくないのですが…」

 

 

せめてシミュレーションで…と提案するが、流石はアーキバス付き。

 

 

「スネイルに請求しろ」

 

即答かよ。

 

 

仕方ないので、2~3割の損傷したら終わりと言う事で実戦となった。

ここでやっちゃったら、チャティは生き残れるかな。

 

 

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戦闘開始。

お互い様子を見ながら距離を詰めていく。

 

武装が違うので有効射程はロックスミスの方が長い。

 

まずはレーザードローン。

お互い6機のドローンを射出する。フロイトのドローンは射出後、こちらを目指して飛んでくる。

こちらのドローンはエアによる制御でフロイトのドローンを撃墜し、さらに飛翔。ロックスミスを包囲する。

 

「その動き…個別にドローンを制御しているのか」

 

驚きはしたようだが、それが機動に現れることもなくドローンの攻撃を躱しながら前へ出てくる。

けん制のライフル。こちらは重ショットガン2丁。

 

ロックスミスは全距離対応のアセンなので、秀でた火力は無い。

引くのか?それとも押してくるのか?

 

フロイトは、さらに詰めてきた。

 

こちらの得意距離に踏み込んでの戦闘をお望みらしい。

レーザードローンはエアがレーザードローンで撃ち落としてくれるので、弾幕はこちらが有利。

 

拡散バズーカがこちらを向く。

アラートは鳴らない。が、ここは撃ち込んでくるところだろう。

クィックブースト噴射。斜め前方へ機体を加速させる。

 

直後、拡散バズーカが発射され、機体後部を掠めていった。

 

神経接続しないで手動操作してるのにマニュアルエイムまで!?

ブラフ。

機体正面に誘いこんでの1発かもしれない。

 

けれど、マニュアルエイムがあると理解らせられたら、それを警戒し続けるしかない。

 

流石は戦闘狂。

 

そう思っていたら、フロイトから驚愕のセリフが飛び出す。

 

 

「AC本体の動きとドローンの動きが違うな。お前、複座なのか?」

 

 

『レイヴン!バレていますよ!』

(えぇ、ドローンの動きからでも分かるの!?)

 

確かにレーザードローンと本体の動きの癖は違うだろうけど、もう気が付くとか…流石です、ご友人。

 

 

「面白い。どうなっているのかは知らないが、複座を相手にするのは初めてだ」

 

 

拡散バズーカを前クィックブーストで避けた先は、ロックスミスのレーザーブレードの間合いだ。

ドンピシャのタイミングで横一文字にレーザーブレードが振るわれる。

 

それは俺も読んでいたよ!

 

フロイトのレーザーブレード回転切りをジャンプで回避。

それもただのジャンプではない。

ブースターを細かく制御し、伸身宙返りしながらロックスミスの頭上を飛び越える。

 

その頭上でバズーカを砲撃。反動で機体を捻り、伸身前宙ハーフでロックスミスの背後に着地。

 

 

着☆剣!

 

 

パルスブレードを一閃。

ロックスミスの拡散バズーカが切り払われ、パージされるのと同時に誘爆。

 

 

「嘘だろ…避けたぞ」

 

 

今のは必殺の間合いだった。

確実にコアを捕らえたハズなのに、フロイトはパルスブレードの軌道を読んで人間のように紙一重で避けて見せた。

 

 

「なるほど、そういう動きもあるのか。面白いな」

 

 

神経接続なしで、どうやってるんだ?

ごくり、と生身の方で唾を飲み込む。

 

血が沸騰する。高揚感が止まらない。

 

 

『レイヴン!』

 

 

ハッとなる。

コックピット内部で固定されて顔も動かせない(耐G対策)。

大きく深呼吸。

 

「…いやいや、今日のところは終わりにしましょう。拡散バズーカ分で手打ちにしましょう。こっちが死んだら弾代も請求できない」

 

戦闘狂に飲まれそうになった自分を誤魔化し、早口で捲し立てる。

 

「そうだったな。だが、お前も楽しんでるじゃないか。このまま、お前とやり合いたい。そういう気分だ」

 

まあ、見透かされてるよね。

 

「いやです。これ以上するならアサルトブーストでガン逃げする

 追ってきても絶対撃たない。戦わないで逃げ続ける」

 

こちらの方が足が速い。

アサルトブーストでガン逃げすれば逃げ切れる。

 

「…お前、本気だな。仕方ない。今日は引こう」

 

ほっ。

 

「それで再戦は何時にする?明日か?」

 

ここで迂闊に答えるとヤバイ。

玩具を前にワクワクしているのが、無線越しにも伝わってくる。

 

 

「今は長めの依頼遂行中だから…終わったら、連絡する…します」

 

「本当か?本当だな?」

 

「あ…うん、ホントダヨー」

 

 

すみません。連絡しないで有耶無耶にするつもりでした。

 

 

「これが俺の連絡先だ。お前の連絡先も寄越せ」

 

「あ、はい」

 

 

バレテーラ

 

 

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請求書 ヴェスパー第2隊長スネイル様


修理費:*****COAM
弾薬費:*****COAM


拡散バズーカの代金は別途ご請求ください。

           独立傭兵レイヴン


「フロイトは何処ですか!あのバカは何処に行きましたか!」
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