「やっぱり紗夜ちゃんだ、久しぶり」
「お久しぶりね、輝君」
小学生以来に幼馴染の輝君と再会した。
「元気にしてた?」
「それなりには……」
私は素っ気なく返事をする。
「そう言えば、日菜ちゃん元気?」
「!?」
彼の口から妹の名前が出た。聞きたくないのに……!
「昔は引っ張られたり、お化け屋敷へ三人で一緒に入ったからなぁ」
「……」
やめて、聞きたくないのに……!
「と言っても、聞くまでもなく元気だよね。昔は3人で仲良く……」
「日菜の名前を出さないで!」
「!?」
私は彼に向って大声で怒鳴る。
「どうして私の前で日菜の名前を出すの! いつも私の前で誰もが日菜の名前を出して……ウンザリなのよ!」
「さ、紗夜ちゃん……?」
「はっ……!?」
私……怒りに任せて……!?
「ご、ごめんなさい……!」
「あ、紗夜ちゃん!?」
こんな失態を見せてしまった私は彼の目の前には居られず、走り去る。
――――
「……はぁ」
家に帰って自分の部屋で溜息を出す。
彼に……輝君に酷いことを言ってしまい、罪悪感に悩まされる。
折角……久しぶりに再会したのに。
「お姉ちゃ~ん!」
「日菜、勝手に入って来ないでと何回言ったら分かるの!?」
「あ、ゴメン……」
今更だけど、またしても日菜がノックせずに入るので怒ってしまう私。
「それで、何の用なの? 早くしなさい」
「今日ね、久しぶりに輝君に会ったんだよ!」
「!?」
日菜にも会ったって言うの……!?
「それでね、輝君ってば前よりイケメンになってて、るんっ♪ってなっちゃった!」
「……るさい……」
「今度は一緒にお茶をしようと思ってるんだ~! お姉ちゃんも……」
「うるさい!!!」
「!?」
これ以上は聞きたくない!
「毎回うるさいのよ! 特に用がないなら出て行って!」
「でも、お姉ちゃん……」
「いいから出て行って! ウンザリなのよ!!」
「……!?」
いい加減に黙って! これ以上、私を怒らせないで!!
「うぅ……ごめんねお姉ちゃん」
「謝らなくていいから、出て行って!!」
「……」
私は頭の血管が切れそうなくらいに叫ぶと、日菜は落ち込みながら部屋を出た。
「はぁ……はぁ……」
私はまたやってしまった……!
「どうしていつも、こんな想いばかりしないと……いけないのよ……!」
誰か、助けて……!
そんな私の想いは誰にも届かない……。
――――
「はぁ……」
昼食を済ませて外出した私。特に行くところはなく、商店街を歩いている。
「輝君に、謝るべきかしら……?」
昨日の輝君に怒鳴ってしまったことを後悔してる私は、彼の家に行って謝罪をするか迷っている。
「あら、あそこに居るのは……輝君?」
「う~ん……」
偶然にも輝君を見かける。でも、彼は何か悩んでる様子だった。
「ここだよな……待ち合わせ場所」
(待ち合わせ……?)
相手は誰なのだろうか? 私はコッソリ隠れながら彼を見る。
「まさか……輝君に彼女、そんなわけ無いわよね……?」
長年、会ってない間に輝君に彼女……正直に言えば想像したくもない。そうであって欲しいと願うばかりだ……。
「お~い! 輝く~ん!」
「あ、日菜ちゃん!」
「え……? 日菜……!?」
輝君が待ち合わせてたのは……日菜だって言うの!?
「待った~?」
「アイドルが一般人と会って、大丈夫?」
「大丈夫だって! 今日は大事な話があるんだからさ!」
(大事な話……!?)
日菜が輝君に大事な話……!?
「大事な話って……何さ?」
「んっとね~! ……欲しいの!」
「……は?」
(え……!?)
日菜が言い出した言葉に輝君も、隠れて見ている私も動揺したわ……。
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