一級魔法使い試験に向けて、フリーレンとボンドルドは育成計画を練る。死人が出ることが普通の一級魔法使い試験、特権に目がくらんで死んでしまっては意味が無い。
「試験内容は、試験官次第。ですが、私達には数の利があります。トーナメント戦以外においては、お互いに協力して試験に挑みましょう」
「それまでは、フェルンとプルシュカに想定される範囲でみっちり修行しようか」
フリーレンとボンドルドからの個人指導。その価値が分かる魔法使いから見たら千金にも当たる時間だ。防御に重点を置くフリーレン、攻撃に重点をおくボンドルド。双方からの指導でフェルンも遂にゾルトラークを上回る攻撃力を持つ
その試し打ちをしてるフェルン。
だが、威力こそ高いが使い勝手が悪いと思う。この魔法だったら、ゾルトラークを速射した方が殲滅力があるとすら考えた。
「そうだろうね。フェルンが使っている
「それはどういうことですか、フリーレン様」
同じ魔法であっても使い手次第。出来るという確固たる意思が魔法を強くする。それを現実に反映させる。矛と盾のように矛盾がある場合、イメージする力が高い者が勝つ。
「ボンドルドが使う
「ルールを上書きする。それが出来て、初めて私と同じレベルの
「じゃあ、やっぱりパパの魔法が最強って事ね。フリーレンお姉ちゃんから教わった
これにはフリーレンが異議を唱える。
自信を持って教えた自慢の攻撃魔法が、弟弟子の魔法より劣ると言われたのだ。魔法のスペシャリストとして許せない事態。
「プルシュカは、座学で何を聞いてたの。消費魔力も多くて直線しか攻撃できない魔法より、広範囲殲滅できる私の魔法の方が優れている。それに、プルシュカの魔法はボンドルドの劣化版。私が気合いを入れれば防御魔法で防げる」
「でも、パパの魔法は防げないじゃん」
似たもの同士が口論を始めた。これもいつもの流れだ。そして、お腹が空いた頃にフェルンがご飯を持ってきてその場を収めるという。本当に育児は大変だ。
………
……
…
一級魔法使い選抜試験の会場。
そこには各地より集まった将来有望な魔法使い達が揃っている。命がけの試験に挑んでも一級魔法使いになりたいと考える者達だ。だが、その中に場違いな人物が一人混ざる。
北側諸国の英雄である黎明卿ボンドルド。
この地においても彼のネームバリューは高い。魔力量が異常であり、その場にいる試験監督含めても彼には届かない。スーパーフライ級のボクシングの試合にヘビー級ボクサーが紛れている感じだ。
今年の受験生を観察している試験監督すら、言葉に困る。
「黎明卿ボンドルドの参戦か。反則でしょ。今から試験内容見直した方がいいんじゃない。それか、試験監督特権で免除でも許されるんじゃない」
「魔力だけが魔法使いの強さじゃない。組み合わせ次第では、落ちる可能性もある。他の受験生だって期待できる」
目の付け所が良い試験官達は、他にも焦点を当てていた。
最年少で三級試験をトップ合格したフェルン。
熟練の老魔法使いのような魔力をしているフリーレン。
史上最年少のエルフ幼女であるプルシュカ。
その他、各地方で名がしれた魔法使い。
そして、今回の選抜試験内容が公開される。
「パーティー戦だ。総勢57名。三人一組のパーティーに分かれ試験を受けてもらう」
全員の腕に数字が書かれたリングが現れた。各々がその番号に書かれた仲間を探す。癖の強い魔法使いで即席PTなど難儀な選抜試験となる。
ボンドルドは、この組み分けを少し不安に思った。フェルンやプルシュカの対人能力ならば最低限どんなPTでもやっていけるだろう。しかし、フリーレンの場合はどうだろうか。
気になったボンドルドは、パーティーメンバーを探すついでに、全員がどのようなPTに加わる事になったのか確認して回る。女性だけの第2PTにフリーレン。殺す力が特化している第4PTにフェルン。平均年齢が高いおじさんだらけの第13PTにプルシュカ。
何とかなりそうだと一安心したボンドルド。第17PTにボンドルド。彼は仲間を見つけて挨拶をした。
「お初にお目に掛かります、私は五級魔法使いのボンドルド」
「儂はエーデル」
「ブライです」
ボンドルドのPTメンバーは彼を見ると顔が引きつる。なんでこいつが参戦しているんだと。そもそも五級魔法使いってなんだと。これが五級魔法使いなら魔族など今頃消滅しているわと。
「おやおやおや、そんなに畏まらなくても結構です。我々は、これから同じ試験を受ける仲間なのですから。短い時間ですが、お互いに親交を深めましょう」
「じゃあ、お伺いしても……いいや、聞いてもよい?黎明卿ボンドルド様ですよね?なんで、この試験に?」
エーデルがなんでお前がこの試験にいるんだよと、突っ込んだ質問をした。その問いは、この場に居る者達も知りたかった。全員がさり気なく聞き耳を立てる。
「少し欲しい魔法があったのと仲間から無資格の闇魔法使いと言われたからです。どうにもこのご時世、北上するには一級魔法使いの資格がある方が便利と言うではありませんか。ならば、この機会にと思ったまでです」
生死がかかっている一級魔法使い試験への志望動機としては、薄い。無論、これはフリーレン一行にも言える。この程度の覚悟で、この試験に挑むなど巫山戯ているのかと言われてしまうほどだ。
聞き耳を立てていた連中は、そんな理由で三年に一度の試験に出てくるなよと本気で思っていた。試験を受ける大半の者からパーティー戦で脱落して欲しいと切実に願われる。
ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。
-
過去編(1000年前、初代ボンドルド)
-
過去編(人類防衛ライン戦)
-
過去編(50数年前、居候フリーレン)
-
閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
-
閑話(プルシュカと女神の魔法)
-
バカか、全部やれ