黎明のフリーレン   作:新グロモント

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14:ムチムチ

 想定外の化け物クラスが現れない限り、一級魔法使いの一次試験を突破出来る程度には鍛えられていたフェルンとプルシュカ。共に、制限時間内に目標を達成した。

 

 スタート地点には、合格したメンバーが揃っている。

 

「パパ!! プルシュカね、いっぱい頑張って沢山倒したんだよ」

 

「よく頑張りましたね。ですが、それは一人の力だけではありません。仲間の活躍を忘れてはいけませんよ。デンケン殿、リヒター殿、プルシュカの面倒を見てくれた事に感謝を致します。娘が加わったのが、貴方達のような良識ある人達のPTで良かった」

 

 ボンドルドは、試験でのプルシュカの報告を聞き面倒を見てくれた第13PTのメンバーに深くお礼を述べた。北側諸国の歴史に名を残す英雄から頭を下げられてお礼を言われる。これだけで土産話として十分な程だ。

 

 この時初めて、プルシュカがボンドルドの娘と知る者達も多い。

 

「別に構わんよ。儂にとっても良い経験だった。久しぶりに、子供の純粋さを味わった。あのような子供を守るのが我々大人の仕事だ」

 

「良い子なのは認める。だが、俺より年上って嘘だろう。脳がバグる」

 

 デンケンもリヒターもプルシュカの良い所をしっかりと評価する。

 

「第二試験は三日後。詳細は追って通達する。以上だ。解散。」

 

 試験官の解散の合図で皆が街へと戻る。野宿で疲れた体を癒やして、三日後の二次試験に挑む。

 

………

……

 

 一日ぶりに宿に帰ると、シュタルクが堕落の限りを尽くしていた事実がフェルンにばれる。そのお陰で、ご機嫌取りに皆で外食に行くことになった。

 

「ちょっと高いけど前にヒンメル達と来たときにいい店を見つけたんだよね」

 

「それ、80年以上前のことだろ。まだあんのかよ……?」

 

 シュタルクの正論パンチに、ボンドルドも同意した。80年という歳月は、人間にとって長い。残っていたとすれば、歴史ある名店になっている。

 

「ほら、まだあったでしょ」

 

「ご飯!ご飯!今日は、フリーレンお姉ちゃんの奢りでしょ?プルシュカもデザート頼んで良いよね?」

 

 フリーレンが、なぜかボンドルドの方をみる。旅路での路銀は、ボンドルドのポケットマネーから出す事が多い。弟子のご機嫌取りは、師が出すのが当たり前だ。

 

 だから、ボンドルドもごちそうさまですと伝えてお店に入った。すれ違い時に、誰にも見えないように金貨数枚をフリーレンに渡しており、これで最低限の立場や見栄を守れる。お金の重要性をもっと理解して欲しいと常々思うボンドルドであった。

 

「よーし、食い貯めるぞ」

 

「凄い量だな」

 

「フリーレン様ってたまにこういうことしますよね」

 

 分厚いステーキを何枚も食べるフリーレン。

 

 人並み以上に食べるボンドルドでもステーキだけで何枚も食べるフリーレンに度肝を抜かれる。あれだけ食べて、あのスタイルを維持している。どういう肉体をしている。

 

 お菓子だけで凄まじい量を食べるフェルンも同様におかしい。その結果、最近顔に丸みが出てきたとボンドルドは思った。それを伝えるべきか黙っておくべきか迷っている。

 

「プルシュカにもお肉分けてあげる。あーーーん」

 

「あーーーん。美味しい!! じゃあ、プルシュカのピーマンをあげるね」

 

 肉と野菜の等価交換を実行しようとする錬金術師プルシュカが誕生してしまう。

 

 フリーレンも自分の皿に積まれるピーマンを普通に受け入れる。それで良いのかと思うボンドルド。フリーレンとしては、過去にも同じようなことをした仲間が居たと懐かしむ。

 

「野菜も食べないと太るよ」

 

 フリーレンのその一言に、プルシュカで無くフェルンが反応する。それに呼応して、プルシュカが残酷な一言を放つ。悪意0で言い放つ最強の言葉は、人の心を抉る。

 

「確かに、フェルンお姉ちゃんって最近ムチムチしてきたよね。フリーレンお姉ちゃんが野菜も食べないと駄目だって」

 

「ふ、太くない。なんで、同じものを食べていてフリーレン様はそんなにホッソリしているんですか」

 

 スプーンを落とすほどの衝撃を受けたフェルン。

 

 女性として、最近ウエスト周りが気になり出す年頃。魔法使いという職業柄どうしても運動不足になるのは仕方が無い。

 

「別に太くないって。きっと、フリーレンを背負って歩くことが多いから鍛えられたんだろう」

 

「シュタルクさん、死んだら骨くらいは拾ってあげます。後、皆様勘違いされておりますが、フェルンさんは年相応です。そもそも、種族が違うフリーレンさんと比較するのが間違いなんです。エルフは、どんなに食べても太らない特殊な細胞を持っています。だから、同じものを食べても成長しにくいんです。そう言う、メリットとデメリットを抱えて成り立っています」

 

 でたらめ知識を披露するボンドルド。

 

 エルフに特別な細胞など、調べていないから分からないのが真実だ。だが、この場を乗り切るため敢えて、それっぽい理由を作り上げた。成長速度が犠牲になるが、太らないという謎細胞を持つ生物としてエルフがいると。

 

「エルフって、そんな細胞があるんだ。確かに、太ったエルフは居なかった。今度フェルンの心配を解消する民間魔法を探しておくよ。ボンドルドは何か良い魔法持ってないの?」

 

「"胸の脂肪を魔力に変換する魔法"とかならありますが、お勧めしません。胸だけ痩せますよ」

 

 ダイエットとは、地道な努力の結晶だ。この民間魔法を作った者も楽してダイエットを考えた結果だ。背に腹は変えられないレベルの魔法。これを使う勇気のある女性魔法使いはほぼ居ない。

 

ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。

  • 過去編(1000年前、初代ボンドルド)
  • 過去編(人類防衛ライン戦)
  • 過去編(50数年前、居候フリーレン)
  • 閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
  • 閑話(プルシュカと女神の魔法)
  • バカか、全部やれ
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