※2023/10/18
タグに「アンチ・ヘイト」を追加いたしました。
読者様から色々とお声をいただき、本作品において読者への配慮としてあるべきだというお言葉をいただきました。
そういった内容が少なくても含まれるのであれば手をつけなかった等。
読者様への配慮ができていなかった事を申し訳なく思います。
ボンドルド達が広間に入ると複製体達もお互い構えた。双方が同一存在同士の戦いになる。
『「
ボンドルドが全力で放つ
事前に分かりきっていたことだが、これも必要な作業だった。これからは一手一手詰め将棋の如く、検証し、詰めていく作業――仮説の証明。ボンドルドとフリーレンが最も得意とする分野だ。
遠距離は、無意味と判断したボンドルドは近接戦闘に移行する。獣化した肉体。そのツメは鋼すら引き裂く。双方のツメ同士がぶつかり合い、金属音が響く。
「素晴らしい。強度も肉体スペックも同じ。これほどの魔法が世に存在していたとは。貴方が魔王でなくて本当に良かった」
素晴らしい物は素直に称賛する。
それが一流の仕事。敵であろうと味方であろうと、それは変わらない。相手に礼儀を尽くす。
ミシミシとボンドルドの骨が軋む。複製体の攻撃を防ぐ度に、骨にダメージが蓄積される。だが、複製体にはその様子がない。こういう所だけは模写しないというズルが行われている。
複製体は、痛みを感じない為、同一存在に勝つのが難しい。
ボンドルドが顔面を相手に密接させる。ゼロ距離での魔法反応を確認するためだ
『「
これも同じ威力、同じタイミングで対応される。魔法が相殺されたことで、周囲に埃が舞った。舞い上がった埃が双方に死角を作る。ボンドルドは、間髪入れずに右腕が軋むほどの力を入れて複製体にレバーブローを叩き込む。
ドゴンと、トラックが壁に衝突したような音が広間に響く。ボンドルドが本気で殴るとドラゴンですらよろめく。研鑽を積んだボンドルドの肉体は仕上がっていた。
「おやおやおや、ここまで同じ行動をするとは。ですが、拳はこれで砕きました」
拳から白い骨が見える。無論、複製体とて同じ状況だ。だが、相手は痛みを感じない。これではボンドルドが一つ不利になる。
だからこそ、次の実験。
「その模倣技術。女神様まで騙せるのでしょうか。私の方は完治しました。―――おやおやおやおや、私と行動パターンがずれてしまっていますよ」
ビデオの逆再生レベルで、ボンドルドの右拳が復元される。魔力に物を言わせた方法であり、ゼンゼの献身にボンドルドは感謝した。
この時、
この事が命運を分けるキッカケになった。
複製体は、それ自体が独立した存在ではない。AIを積んだ機械とは違い
一度に多数の複製体。それも演算に負荷が掛かるほど少しずつだが行動にタイムラグが発生する。ほんの僅かだが、魔族スレイヤーである二人からすれば十分だ。
「女神の三槍」
広間の床を抉る特大の魔法の槍が複製体に襲い掛かる。相手の弱点が分かればソコを詰める。戦いとしての常識。複製体ボンドルドの腕を浅く削った。その様子に、堅いと自分の事ながらボンドルドは感心する。
現状では、少しずつだが押し負けると判断した複製体ボンドルド。距離をあけて身に余るほどの魔力を溜め始めた。
「じっくり詰めたかったのですが、そういう判断をしましたか」
ボンドルドの背後ではフリーレン同士が戦っている。
コピーされた時点の情報だけで判断するならば、その対応は間違っていない。女神様の魔法を使用した分だけ魔力量に差が出ているはずだからだ。
回避すれば、フリーレンたちも巻き込んで死ぬ。
「実に合理的な判断。自分の命を計算に入れないで良いのだから。本当に感謝します、ゼンゼさん。貴方が居なければアウラさんを使い潰しても危なかった」
ボンドルドも対抗して魔力チャージを始めた。
相手より少し上回る程度で良い。だからこそ、先ほど手に入れたカートリッジから使い捨てる。限界まで魔力を搾り取ったら、スポンと使用済みスロットが床に落ちる。ゴプゴプと血が流れていた。
『「火葬砲」』
ルールすら上書きする魔法同士の衝突。双方、込められているのは大魔族一人分以上。そんな威力がぶつかり合う。徐々に広がる火葬砲同士の消滅範囲。この狭い広間の何処に逃げ場があるのか。巻き込まれそうになっているフリーレンとしては、ちょっと待てと言いたくなるレベル。
だが、フリーレンは安全地帯を理解していた。
ボンドルドの背中を守るように陣取る。複製体フリーレンもその場を手に入れたかったが、あいにくと位置が悪かった。
「この場所は、一人専用だ。ゾルトラーク」
フリーレンが自身の複製体に極太のゾルトラークを継続照射する。双方魔力が尽きるまでの根比べ。不幸なことに、複製体フリーレンの場所は、火葬砲の消滅範囲内。徐々に広がる光に飲まれて行き、消滅する。
床に落ちているカートリッジにフリーレンが気が付き、拾い上げ火葬砲の消滅範囲に投げ込んだ。
「実に、実に楽しい一時でした。貴方を研究できない事が残念ですが、お別れです」
遂に、複製体ボンドルドの魔力が切れる。その瞬間、全てを飲み込む火葬砲の光が広場を含めた
一瞬だけ最深部をみたフリーレン。消し飛ぶ宝箱や魔道書があった事を彼女は忘れない。
………
……
…
背後を守っていたプルシュカ達。途中で複製体達が消えた事から、障害が取り除かれたと理解する。プルシュカが先頭をきって、お宝一番乗りと嬉しそうにしている。その微笑ましいプルシュカの笑みが現場を見て消え去った。
広間が一部を残して最深部もろとも消し飛んでいた。これは比喩ではなく、文字通り綺麗に消滅している。その凄まじい光景をみた受験生達は、化け物がどういったレベルの存在なのかを理解する。
「パパ、プルシュカの宝箱とかお宝がないよ」
「ボンドルドが消し飛ばしてた。私の魔道書も一緒に」
先ほどまで、力を合わせて戦っていた仲間に裏切られるボンドルド。フリーレンの魔道書の恨みは恐ろしいと知る事になった。
では、また数日後に!!
不在になる前にキリが良いところまで投稿出来て良かったです。
ゼーリエさんとのご対面まであと少し。
ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。
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過去編(1000年前、初代ボンドルド)
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過去編(人類防衛ライン戦)
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過去編(50数年前、居候フリーレン)
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閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
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閑話(プルシュカと女神の魔法)
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バカか、全部やれ