黎明のフリーレン   作:新グロモント

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24:大人の対応

 北側諸国城塞都市ハイス。

 

 束の間の休息をする事になったフリーレン一行。徐々に、人間の時間感覚が理解できてきたフリーレンは、滞在期間を一週間程度に抑えた。温泉がある街にしては、非常に滞在時間が短く誰もが喜んだ。

 

 フリーレンは、プルシュカと一緒に毎日温泉に入りに行っている。ボンドルドが後で話を聞くと広い温泉でプルシュカが泳いでいる事が分かり、それとなく注意する事になった。

 

 ボンドルドは、これからの旅に備えた準備、第二のイドフロント建設、アンブラハンズ達の配置など色々とやる事が多かった。今後に備えて、万が一も無いように動かなければならない。

 

 色々と準備を終えた所に、シュタルクが助けを求めてボンドルドの元にやってきた。その場には、温泉から戻ってきたフリーレンとプルシュカもおり一緒に話を聞くことになる。近隣のカフェでお茶を飲みつつシュタルクからの状況報告がされた。

 

 シュタルクがフェルンをデートに誘った。つまり、それだけの事だ。本人が冗談でいったのだが、フェルンの反応から既に冗談でしたとか言える雰囲気ではないとの事。

 

「どう思う?やっぱ怒ってんのかな…。俺、どうなっちゃうんだ」

 

「シュタルク。誰に相談しているか分かっているの?」

 

 どちらの意味で自信満々なのか、ボンドルドにはサッパリ理解できなかった。

 

「私は、お姉さんだからね。乙女心もバッチリよ」

 

「はぁ~なの。シュタルク、クソボケのフリーレンお姉ちゃんがこう言う場面で役に立つはずないでしょ。ここは、お姉さんのプルシュカに任せなさい」

 

 プルシュカから見て、フリーレンの恋愛経験値は、子供にも劣ると女性の本能で言っていた。そもそも、フェルンがシュタルクに対して淡い恋心を抱いている事を気が付かない人に任せるには荷が重い。

 

「二人とも落ち着いてください。大事な事を確認しますよ、シュタルクさん。貴方は、フェルンさんとデートがしたいのですか?したくないのですか?」

 

「やっぱり無しと言える雰囲気じゃないからね…だから、フェルンが好きな場所とか聞きたくて」

 

 拳に力を入れて、ボンドルドはシュタルクの回答を待っていた。状況を考えて、フェルンがシュタルクからの誘いを喜んで受けたのは明白だった。

 

「及第点です。行きたくないとか言ったら、本気で殴っておりました。フェルンさんの好みならばフリーレンさんが詳しいでしょう。ですが、デートコースを全て人任せにするのはお勧めしません。貴方らしい所も混ぜたデートコースを計画する事をお勧めします」

 

「でも、ボンドルドは私の好きな場所に連れてってくれるよね?」

 

「お互い研究者肌ですから、行き先が被るだけです」

 

 その日の夜、フェルンがシュタルクからデートに誘われたと相談を受けるフリーレン。その様子に、プルシュカは、早く付き合えば良いのにと心の中で思っていた。

 

 

 フリーレンPTで最年少組のデート実施日。

 

 その成果を見守るべく、彼女達をつける怪しい影が三つあった。無駄に極まった隠密技術。魔力の残滓すら感知できないレベルにして、音すら立てずに後をつける。

 

「パパ、フェルンお姉ちゃん達があそこでソフトクリームを食べたから、私も食べたい」

 

「ボンドルド、あの店はバニラ味が絶品らしい」

 

「分かりました。彼女達が次のポイントに移ったら食べながら追いかけましょう」

 

 子供達のデートを監視する親子といった構図になりつつある。

 

 ある意味ダブルデートだった。ただ、花より団子であるボンドルドチームは、色気がない。それにしても、人のデートを覗いて何が楽しいのかとボンドルドは疑問に思っていた。だが、そのおかげもあって今があるとボンドルドは、発案者のプルシュカに感謝した。

 

「フリーレンさんもプルシュカもアイスで口元が汚れていますよ」

 

 ボンドルドがハンカチを取り出して、二人の口元を綺麗にする。彼は、手が掛かる子供が二人に増えたと思う。

 

 いくつかのお店を回っていったシュタルク達。途中で武器屋に入るなど、シュタルクらしいお店のチョイスをしている事にボンドルドは安心し、尾行するのを止める。仲間であっても最低限のプライバシーは守られるべきだと。

 

 夕方に温泉前集合となっており、それまでの時間はフリーレン、ボンドルド、プルシュカの三人で行動する事になる。ここでトラブルが発生する。

 

「魔法店だ」

 

「服飾店にいくの」

 

 双方自分が行きたい場所を譲らない。分かれて自由行動にするという手はあるが、この場で提案できるほどボンドルドに勇気は無い。どちらを選んでももめる。順番にお店を回るにしても後回しにされた方が気分が悪くなる。

 

 ご機嫌取りならフリーレンの方が楽だと考えたボンドルド。

 

「ここに"スイカの種の数を割らずに判定できる魔法"があります。もし、プルシュカの方を優先してくれるのでしたら……」

 

「プルシュカ、大人は子供を優先する者だ。私のような、聞き分けの良い大人になるんだよ」

 

 嬉しそうにボンドルドの手から魔法を奪うフリーレン。誰も不幸にならない手をしっかりと用意している、これが大人である。

 

 そんな気が利く大人であるボンドルドは、高級宿に二人部屋を用意してあげていた。デート前日に純粋なシュタルクにその事を教えて、万が一帰りが遅くてもこちらで何とかしますと大人の対応をしていた。

 

 だが、その意味が理解できなかったシュタルク。おかげで、高級宿が使われる事は無かった。あろう事か、フェルンにその意味を聞いたところ、シュタルクの顔が魔法で見るも無惨になる。

 

 翌日、ボンドルドはフェルンから「……シュタルク様の教育が先です。本当にお願いします」と小声で誰にも聞かれないようにお願いされた。

 

ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。

  • 過去編(1000年前、初代ボンドルド)
  • 過去編(人類防衛ライン戦)
  • 過去編(50数年前、居候フリーレン)
  • 閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
  • 閑話(プルシュカと女神の魔法)
  • バカか、全部やれ
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