黎明のフリーレン   作:新グロモント

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03:脳が壊れる

 中央諸国ブレット地方。

 

 そこには、フリーレンの嘗ての仲間であるドワーフのアイゼンが住んでいる。直線ルートでくれば、あまり時間は掛からないのだが想像の五倍は時間が掛かってしまった。

 

 これも全て、フリーレンの時間感覚がなさ過ぎるという一点に限る。道中での人助けは確かに素晴らしい行為だ。勇者ヒンメルなら行ったという固定文句で海岸掃除などを行った結果がこれだ。

 

 大事な事だが、人間であるフェルンの寿命は長くて80年程度だ。その為、ボンドルドは旅路の中でその事をよくよくフリーレンに伝えた。ボンドルドという人間は、例外中の例外。それを基準に人間を考えるのは、間違っている。

 

 当然、寿命基準がドワーフでもダメだ。

 

 そんな熱心なボンドルドからの人間という種族に関する常識講座を受けたフリーレンの成長は今後に期待するしか無い。

 

 今、フリーレン一行がアイゼン宅でもてなしを受けている。

 

「まさか、お前が弟子を取るとはな。それに、黎明卿ボンドルドとエルフの子供」

 

「あれから色々あってね。ボンドルドとは、前にも伝えたけど腐れ縁。で、アイゼンは何か手伝って欲しい事とかってある?」

 

 真面目な話をしている最中、プルシュカは目を輝かせていた。これも全て、ボンドルドが聞かせた架空の物語が原因である。トコトコとアイゼンに歩み寄る。

 

「ねぇねぇ!! 藍染(アイゼン)おじさんって、アレができるんでしょ!? 見せて見せて。パパが聞かせてくれた物語で、完全催眠の魔法が使えるって聞いたよ。凄いよね、アレってどんな仕組みなの」

 

「凄いね、アイゼン。そんな魔法が使えるなんて私も知らなかったよ」

 

 何を言っているんだというアイゼンの顔は、一生忘れることは無いだろうと誰しもが思った。その誤解を解くために大変な労力を費やしたのは言うまでも無い。子供の夢を一つ壊してしまったのだ。

 

 プルシュカは、いつかやってみたかった。【一体いつから錯覚してた?】という強者プレイを。その為、ボンドルドからある一つの提案がなされた。一級魔法使いになれば、その可能性が開けると。

 

………

……

 

 それからは、大魔法使いフランメの手記を探す事になった。アイゼンは、フリーレンとヒンメルを可哀相だと思っている。特に、フリーレンのエルフ感覚が原因で有り、それが今まさに改善されつつある。その手助けを出来ればと思った。

 

 友情とは実に素晴らしい。

 

 数日探索した結果、フェルンが大魔法使いフランメの住居を発見する。

 

「フリーレン様、大樹も遺跡も強力な結界で守られていて……」

 

 1000年経過しても、その結界効力が健在であるのは常軌を逸している。どのような者でも風化する。それが覆せない事実である。それを防ぐほどの大魔力と技術。これほどまでに精錬された結界を構築できるのは、片手で足りる。

 

 フリーレンによって、封印が解除された。

 

 1000年ぶりの帰宅となり、部屋の中にある手記にはフリーレンが望む事がかかれたページが開かれている。そして、本棚にもう一冊残されている手記があった。本は、クソ弟子へとかかれたタイトルになっていた。

 

 その本をみて、ボンドルドが一言言う。

 

「どうやら、あちらの本もフリーレンさん宛みたいですよ」

 

「……いや、クソ弟子へって書いてあるじゃん。私へは、コッチの本でしょ。アッチは、ボンドルド宛」

 

 ボンドルドは、過去の行いを振り返った。自らがクソ弟子と言われるような事をしただろうかと。対人能力がゴミだったフリーレンに代わり、色々と師の世話をしていたはずだと自負している。

 

 勿論、身も心もボンドルドとなるべく、魔族を使った様々な研究をしたのは認める。その手伝いも師であるフランメ、師の師である存在からもアドバイスを貰うなどした。結果的に、ボンドルドはそこからオリジナル魔法を開発し、今現在まで生きている。

 

「これらのフランメの手記…本物なのでしょうか?」

 

「本物だよ」

 

 フェルンが尤もな疑問を質問した。フランメの手記は、ほぼ偽物しか存在しない。なぜなら、師がこの手の手記を残すような性格ではないからだ。寧ろ、師に代わりそれっぽく代筆した記憶がボンドルドにはあった。それが世に出回っている、一番出来がよい偽物と言われている。

 

「フリーレンは、フランメの一番弟子だ。ボンドルドはフリーレンの弟弟子ときいたから、二番弟子にあたる」

 

 アイゼンの発言で、フェルンはボンドルドは改めて本当に人間なのかと疑いを持つ。だが、魔法という超常があるかぎり、決して不可能ではない。長寿の種族もいるし、ハーフという線もある。

 

「本当に、懐かしいですね。あの頃に比べたら、フリーレンさんも本当に成長されました。………中身だけは」

 

「でも、大魔法使いフランメ様って魔法史に出てくる大昔の英雄ですよね……」

 

 フェルンの勉強の成果が出てきている。

 

 事実、大昔といって過言で無い。だからこそ、ボンドルドはこの世界の異常性に疑問が深まる。1000年経っても文明が発達しない。文明が発展しないなら自ら進めるしか無いと科学方面に力を入れ始めた経緯がある。

 

 フリーレンは、師であるフランメからの情報で死者と対話ができる大陸北部エンデ……現魔王城がある地を目指す事になる。これにはフェルンも賛同する。恩師であるハイターとの対話が可能だという事だ。

 

 こうして、フリーレン一行が歩みを始めた。

 

 これには、ボンドルドもニッコリだ。魔王城に眠る数々の遺産、居るであろう魔族達を保護(意味深)してあげなければならない。絶滅危惧種は大事に繁殖させなければいけないから、愛の伝道師としては当然の行動だ。

 

 なにより、膨大な魔力を秘めた魔族、死ににくい特性があるお陰で色々と便利という事実。ボンドルドが背負っているカートリッジが僅かに反応する。

 

………

……

 

 それから、アイゼンと分かれて行動をする事になった。別れ際にアイゼンがボンドルドに近寄る。

 

「ヒンメルは、フリーレンに恋心を抱いていた」

 

「存じております。話の流れからして、少なからずその事に対してフリーレンさんも気が付いたが、どのように対応すべきか分からなかった。そのまま、ヒンメル様は、天寿を全うしたという流れでしょう」

 

 余程の特殊性癖でも無い限り、エルフの女性は男性にモテる。ボンドルドの記憶の限りでは、男女ともに不細工は存在していない。世界に愛された種族だと言い換えても良いほどだ。

 

「ヒンメルと対峙するときだけで構わない。プルシュカをその時だけ、見えない場所においてやってくれ。そうしなければ、奴の脳が壊れる」

 

「プルシュカの出自について、当たりを付けましたか。娘の出自については、私からアイゼン様に教えることはありません。ですが、フリーレンさんがヒンメル様と対峙した時に、プルシュカを見せないという努力は致しましょう」

 

「それでいい、代わりに俺に出来る事があれば引き受けよう」

 

「でしたら、この旅路に同行して障害を一緒に排除していただけませんか。純粋な前衛が不足しております」

 

 この先、数多の障害があるだろうとボンドルドは考えている。無論、全てをなぎ払う予定で居るが、限界という物がある。世界にはボンドルドより強い者もいる。そういった連中に対処するには、袋だたきにするかメタを張って一方的に殺し尽くすに限る。その為にも物理特化タイプの人材は必要だ。

 

「言った手前、快諾したいが……俺は年老いた。代わりに俺の弟子を紹介する。実力は俺が保証する」

 

「分かりました。旅の帰りには、土産話を持ち帰りますので楽しみにしていてください」

 

 それから少ない言葉を交わしたボンドルドとアイゼン。最後に、ドワーフ保護のため、是非イドフロントに一度立ち寄って欲しいと伝えたボンドルド。今やドワーフも数を減らしている絶滅危惧種だ。種の保存は必要である。

ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。

  • 過去編(1000年前、初代ボンドルド)
  • 過去編(人類防衛ライン戦)
  • 過去編(50数年前、居候フリーレン)
  • 閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
  • 閑話(プルシュカと女神の魔法)
  • バカか、全部やれ
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