黎明のフリーレン   作:新グロモント

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30:教育

 北上を続けるフリーレン一行。

 

 その道中で、勇者ヒンメルの軌跡が多く見つかる。勇者ヒンメルは、未来でフリーレンが一人にならないように色々と手を尽くしていた。各地に銅像が残っているのもその一つ。その過程で、過去の旅路で失われた勇者ヒンメルの自伝が見つかる。

 

「パパとどっちが凄いか、プルシュカが決めてあげる」

 

 自伝には、旅路の出来事や決め台詞などが書かれていた。勇者ヒンメル本人が書いた物であり、忖度などされていない文章だから、それが楽しいかは本人と仲間しか分からない。プルシュカには、良く理解が出来ない物だった。

 

「決めるまでもなく勇者ヒンメルさんですよ。私は、七崩賢を討伐しておりませんし魔王討伐にも参加しておりません。私利私欲の為、人類防衛ラインの底上げに参加しただけです」

 

「本当だよね。魔王討伐は結局手伝ってくれなかった。それどころか、一度も顔を見せに来なかった」

 

 無理を言うフリーレン。この広い世界で特定個人と出会う事がどれだけ難しい事か。当時の状況からアンブラハンズを率いて最前線にいたボンドルドの場所を見つける方が早かった。腐れ縁が近くにいるなら挨拶にきても良かったのではないかとボンドルドは思っていた。

 

「むぅ~。じゃあ、パパは大魔族を何人くらい倒したの?」

 

「8人です。全員が将軍を名乗っていた記憶があります。ただ、七崩賢と比べれば一歩も二歩も劣る魔族でした」

 

 人類と魔族の存亡を賭けた戦争。一部の強者が敵の英傑を狩る構図は、魔族も人間も変わらなかった。人間の方が数が多い分、死んだ英傑の数は数倍に上る。

 

「フリーレン様、ボンドルド様の戦果ってどの程度凄い事なんですか?」

 

「魔王軍との大戦において、三番目だと言われているよ。一番目が、魔王を討伐した勇者PT、二番目が一人で魔王幹部を半壊させた南の勇者。三番目が、人類防衛ラインを押し上げたボンドルド」

 

 人の記憶など80年もすれば薄れる。だが、人の記憶に残っているのは多くの人間と関わり手助けをした勇者ヒンメルPT。

 

「昔は凄い人がいっぱいいたのね。プルシュカもパパみたいに有名になれるかな?」

 

「えぇ、貴方は必ず大成します。親としてひいき目なしに見ても、貴方の才能は素晴らしいものです」

 

 フリーレンがプルシュカをナデナデしていた。

 

「ナデナデしないの。フリーレンお姉ちゃん。プルシュカ、子供じゃないんだから」

 

「プルシュカは、大成するよ。私も保証する」

 

 勇者PTの魔法使いフリーレンが大成すると保証する。プルシュカは、何だかんだでフリーレンの実力を認めており、尊敬もしている。将来的に、自分の名声が母の耳に届けられると今からやる気を出していた。

 

 そんな尊いやり取りをしているが、シュタルクが一人で鳥形の魔物の殲滅を頑張っている真っ最中だ。トーア大渓谷の橋超えを邪魔する魔物で、その依頼をフリーレンの知人ドワーフから受けていた。

 

「ねぇ、なんで俺だけ戦ってるの!? もっと、ゾルトラーク撃ってよ。ソコからでも届くだろう」

 

「「「「魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)」」」」

 

 魔法使い達による、一般攻撃魔法が雨のように降り注ぐ。シュタルクは、仲間を信頼しており降り注ぐ一般攻撃魔法の雨の中で戦い続けていた。頼れる前衛とは、彼のような存在だ。

 

………

……

 

 野営地にて、男性テントで寝ているシュタルクはボンドルドから与えられた本を読んでいた。本といっても、魔道書でなく図説入りの初心者向けの本。多感な少女少年のピンクな物語……俗に言うエロ本を与えられていた。

 

 フェルンからもシュタルクの教育を任された身としては、前回のデートで何が駄目だったのか自ら答えを出して欲しいと思っていた。

 

「なぁ、ボンドルドさん。俺って、バカなのかな」

 

「バカです。しかし、それが貴方の良い所です。女性に恥をかかせないように、学ぶ事です。女性は、そういった事は永遠に覚えています。下手に頭が良いと採算が悪いと思う人もおりますが、貴方にはそれがありません。少し勉強すれば、フェルンさんをエスコートできます」

 

 前回のデートでは、最後にへまをしたシュタルク。高級宿の意味を今になって知り、己の馬鹿さ加減を痛感していた。

 

「……そっか。フェルンは、俺の事を嫌いになってないかな」

 

「それはありえません。ですが、決して軽い気持ちでは手を出したら駄目です。火遊びしたら死にます」

 

 ボンドルドは、フェルンが重い女だと理解していた。重いだけでなく、面倒くさい性格をしている事もこの旅路で理解していた。

 

 そして、シュタルクも存外面倒くさい性格をしていると今初めて理解するボンドルド。今後、フェルンとシュタルクの双方から恋愛相談を受けつつ、二人の仲が円滑に進むように細心の注意を払いながら地雷撤去をしなければいけない。

 

 ボンドルドは女性側のテントで年上エルフ二人が、フェルンの情緒をしっかりと育成してくれている事を願っていた。しかし、ボンドルドの願いは、女神様の力を超えている。

 

ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。

  • 過去編(1000年前、初代ボンドルド)
  • 過去編(人類防衛ライン戦)
  • 過去編(50数年前、居候フリーレン)
  • 閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
  • 閑話(プルシュカと女神の魔法)
  • バカか、全部やれ
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