黎明のフリーレン   作:新グロモント

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39:新しき黄金郷

 黄金化された城塞都市ヴァイゼ。

 

 フリーレンが黄金化を解除出来る事を知ったデンケンは、対応を考える事になった。一度に街全体の黄金を解除したら騒動になる。数十年も時代に取り残された都市である為、国の管理下で少しずつの解除が望ましい。

 

 デンケンは、国を動かせる程の宮廷魔法使い。彼が居れば、事を進めるのは難しくない。準備などを含めて数週間は掛かるが、フリーレン達もマハト戦で疲れており良いタイミングだった。

 

 しかし、問題が生じる。

 

「すみません、フリーレンさん。もう一度、言って貰えませんか?」

 

万物を黄金に変える魔法(デイーアゴルゼ)を解析した結果、加工できる黄金を魔法で作れるようになった。不変特性まで辿り着けなかったのが残念」

 

 ボンドルドは、その場にいる全員を確認した。

 

 フェルン、シュタルク、プルシュカ。肩に大怪我をしたフェルンのお見舞いに来たタイミングでぶちまけられた爆弾発言。事の重大さに気が付いたフェルンの容態が悪化する。回復魔法で傷は癒えているが、流れ出た血は戻っていない。

 

 そこに血の気も引くような事をいうフリーレンが悪かった。

 

 フェルンが血の気が引いて顔が真っ青になっている。

 

「フリーレン様。なんて魔法を開発するんですか」

 

「仕方ないよ。だって、解析した副産物だったんだから、試しに作ったのがコレ。凄いでしょ」

 

 何食わぬ顔で重さ一キロはあるインゴットを見せたフリーレン。凄い魔法である事は間違いない。魔法の成果を純粋に自慢するフリーレン。だが、これはやってはいけない類いの魔法だ。

 

「なぁ、これってまずいんじゃね?」

 

「シュタルクさんの言うとおりです。外に漏れたら、フリーレンさんが魔王と同格の討伐対象になります。ゼーリエ様すら動きかねない案件です」

 

「うわー、フリーレンお姉ちゃん。出来るからってやって良いことと悪い事があるんだよ。はい、回収。他には作ってないよね?」

 

 プルシュカが回収したフリーレン製黄金をボンドルドが枢機に還す光(スパラグモス)で焼却した。フリーレン製黄金を調べれば、何かしらの手がかりが見つかり第三者も加工可能な黄金を生み出せるかもしれない。それは、許されない。

 

「作ってないけど、時間の問題だよ。今なら、黄金郷をじっくりと調べられる。現物と時間と労力が揃えば、私以外の誰かが同じのを開発するよ」

 

「フランメ様は、こうなる事も視野にいれて魔法を残してくれたのでしょうか。フェルンさん、シュタルクさん……精神魔法に対して防御が出来ていない貴方達は不安です。今見た事を忘れる魔法を受け入れてください」

 

 フリーレンの言う事は、正しい。人を魅了する黄金の山。この場所を巡って戦争すらあるだろう。

 

「ボンドルド様、お願いします。抱えるには、荷が重いです」

 

「おれも」

 

 一つ問題が片づいたら、新たな問題が発生する。黄金郷マハトを倒したと思ったら、新しき黄金郷フリーレンが誕生するとか冗談ではない。"数分間の記憶を消す魔法(オブリビエイト)"により、フリーレン製の黄金について二人の記憶を消し去ったボンドルド。

 

 フリーレンは、何もそこまでしないでもと思っているが、そこまでする案件だ。

 

「じゃあ、今すぐ黄金郷全体を解呪しないといけないわね。デンケンおじさんには、プルシュカが連絡してくる」

 

「頼みましたよ、プルシュカ。デンケン殿は、宮廷魔法使いになる程の優秀な人です。国家上層部の汚さをご存じですから、納得してくれます」

 

 混乱を避けるため徐々に解呪が良いと思ったが、黄金に目のくらんだ悪い連中が大量に押し寄せてくる方が問題だ。どちらがマシかといえば、今この場で全部解呪して混乱した方が幾分かマシ。

 

 その後、黄金化された地域が全て解呪された。半世紀ぶりに復活した城塞都市ヴァイゼであり、その混乱を収拾するため、デンケンが二徹する事になる。

 

………

……

 

 混乱の渦にいる城塞都市ヴァイゼ。

 

 50年前の悪行が明るみに出て、裁きを受ける事になる領主。そんな多方面の問題が発生する中、フリーレン一行は早々に立ち去ることにする。

 

 一級魔法使いレルネンからの依頼も達成し、黄金の解呪も終えた。これ以上残る意味は無かった。フリーレンが目指す地は、まだまだ遠い。いつまでも一箇所に足止めされるわけにはいかない。

 

 それなのに、フリーレンが大荷物を抱え込んできた。

 

「そうそう。暗黒竜の角を見つけたんだよ。もう手に入らないと思っていた貴重な材料だからね。かなり嬉しいかも」

 

「また無駄遣いしてる・・・」

 

 いつもの事だった。無駄遣いを怒る気力も無くなってきているフェルン。完全に諦めに入った母親ポジションだ。それも無理は無かった。半世紀ぶりに開店した魔法店から魔道書や魔道具などを大量購入しており、暗黒竜の角などその一つにすぎない。

 

 魔法店の商品は、ピンキリだとはいえ安いとはいえない。これだけの商品を購入したとなれば、合計金額は金貨数枚になる。

 

「フリーレンお姉ちゃん、まさか、使ってないよね?あの魔法」

 

「使ってない。私は、城塞都市ヴァイゼを救った英雄だよ。領主から貰った褒賞金で支払った」

 

 つまり、皆の路銀から支払いがされたと言う事だ。ボンドルドというATMがあるので、お金に不自由する事は少ないが、常識があったフェルンが返してきなさいと叱りつける。

 

 明日には旅立つ予定だというのに、鞄に入りきらない程の商品をどうするつもりだったのかボンドルドは疑問で仕方なかった。

ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。

  • 過去編(1000年前、初代ボンドルド)
  • 過去編(人類防衛ライン戦)
  • 過去編(50数年前、居候フリーレン)
  • 閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
  • 閑話(プルシュカと女神の魔法)
  • バカか、全部やれ
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