アイゼンの弟子であるシュタルクを仲間にすべく、中央諸国リーゲル渓谷まで足を運んできたフリーレン一行。道中で、死者の幻影を見せる悪質な魔物を討伐したり、ドラゴンが居たのでちょっかいを出すイベントが発生したが逃げ切る事に成功する。
近隣の街でシュタルクの事を確認すると、ご老人が案内してくれて両者の対面がなされた。旅路に同行する代わりにドラゴン退治を手伝って欲しいという事になる。その結果、実は対魔物との実戦経験が0という事が露見してしまうシュタルク。
だが、フリーレンやボンドルドは実戦経験から彼が強い事を理解した。しかし、フェルンは見抜けなかった。そして、まるでゴミを見るかのような目で言い放つ。
「フリーレン様、ボンドルド様、こいつは駄目です。他を当たりましょう」
「いいや、こいつは竜と戦える。出来るはずだ」
「それには同意します。恐らく、近接戦闘においては、私を上回ります。彼ほどの実力者を他で調達するのは現実的ではありません」
フリーレンとボンドルドが共に褒める。
シュタルクも褒められて悪い気分ではなかった。だが、それが気にくわない女性が二人居る。フェルンとプルシュカだ。
「ヘタレね。プルシュカの方が強いんだからね」
「そうですよ、こんなヘタレ居なくても大丈夫ですって」
意気投合するフェルンとプルシュカ。最近では、本当に姉妹のように仲が良い。フェルンにとって手が掛かる大きな子供みたいな師匠だったフリーレンが自立をしたのだ。よって、フリーレンの代わりにプルシュカのお世話を焼き始めた。これにより、間接的にフリーレンとの関わりも増えるという一石二鳥の美しき姿だ。
「酷い、俺が何をしたっていうんだよ」
「駄目ですよ、プルシュカ。シュタルクさんを悪く言っては。これから、長い旅路を一緒に行くのです。仲よくしてください。はい、仲直りの握手」
「はーい、パパ。えっと、私プルシュカって言うの。これからよろしくねシュタルク」
「そこはせめてお兄さんくらいつけろよ!」
「いやよ、だって私の方が年上だもん。お兄さんと呼んで欲しいなら、フリーレンお姉ちゃんやフェルンお姉ちゃんくらいの包容力を身につけてから言ってね」
首を傾げるフェルン。師であるフリーレンに包容力なんてあっただろうか。彼女の記憶では世話をした記憶ばかりであり、包容力という言葉の欠片も見当たらなかった。
「と、年上!! 一体いくつなんだよ、嘘つくなよ」
「今年で53歳よ」
エルフの常識、世間の非常識という事を理解したシュタルク。彼は、この時見た目で人を判断してはいけないと理解した。
………
……
…
紅鏡竜戦において、シュタルクが前衛として注意をひく。一撃を加えた後に仲間からの総攻撃で対象を鎮圧するという方法が多数決で可決される。多少なりとも前衛を張れるボンドルドも前に出るべきだという意見も合ったが、ボンドルドがシュタルクなら大丈夫だと太鼓判を押す。締めには褒め殺しで、シュタルクをその気にさせた。
まんまと口車に乗せられたシュタルクを遠くに眺めつつ、フリーレン、フェルン、ボンドルド、プルシュカの皆が言いたい放題だ。
「チョロイ」
「チョロイですね」
「彼の今後が心配です」
「チョロ過ぎ」
人が良すぎるのも問題だという良いサンプル例となるシュタルク。ただ、こう言う人材もPTには必要である。ムードメーカー的な存在は、長旅において重要なポジション。それに、ボンドルドとしても最低一人は同性が欲しかった所だ。
シュタルクが紅鏡竜と戦いを始めた。
初手を防ぎ、全力の一撃を叩き込む!! その素晴らしい腕力から繰り出された一撃は堅い竜の鱗や頭蓋骨を易々と貫通した。深々と突き刺さる斧に気が付かないシュタルクは、援護射撃の要請をする。
「今だ!!撃ちまくれ!!……おぃ、なんで撃たねぇ!?言われたとおりやっただろう!?一人で戦えってか!? ふざけんな、クソババァ!! やっぱり、お前も師匠と同じ――」
「もう死んでるよ」
フリーレンのその一言でシュタルクも我に返る。確かに、一撃加えた竜が崩壊を始めた。それに今気が付き驚く。まさか、本当に竜を討伐してしまうとはと。
「それにしても、フリーレンさんにクソババァとはね。年相応に扱われるのは何世紀ぶりでしょうか。プルシュカは良い子ですから、貴方の事をそのように呼ぶ事はありません」
「ボンドルドも一言余計だよ」
フリーレンは、紅鏡竜の討伐に対してシュタルクに慰労の言葉を伝える。そして、竜が集めた大量のお宝の山へと足を運んだ。だが、何処の誰に似たのか分からないプルシュカも宝に弱かった。
「「宝の山だ。うひょーー」」
エルフの二人が全く同じ行動をしており、それを背中から見守るフェルン。手の掛かる子供が増えたのではないかと思ってしまった。
「フリーレンお姉ちゃん、見て見てこの水晶!! 遠くを見通せるみたいだよ」
「目の付け所がいいね。だけど、この宝の山で一番価値があるのはどれだか分かるかい?」
「魔道書!!」
求める答えを返してきたプルシュカの頭を撫でるフリーレン。
頭を撫でられ満足げな顔をするプルシュカ。
このままでは、プルシュカまでフリーレン化するのではないかと不安に思うフェルン。
素晴らしいと感動の言葉を漏らすボンドルド。
このPTで本当にやっていけるのだろうかと先の不安を感じるシュタルク。
このイかれたメンバーの常識を保つことが出来るのは、フェルンとシュタルクしかいない。それもあり、苦労人の両者は旅路の中で少しずつ距離を縮める。
そして、試される魔道書による新魔法。この度、竜の巣から回収されたのは、「服が透けて見える魔法」である。使い方次第では、戦闘において優位に立てる。弱点などが体に表れている魔族もいる。
本来の使い方は、エロ目的だ。その開発者も、それが目的であったのは明白だ。お陰で、この手の魔法は厳重に管理されている。
この魔法を回収したのがフリーレンPTで良かったと言えよう。
当然のことだが、この手の魔法がボンドルドの手に渡ることは無かった。男性であるから当然と言えば当然だ。魔法を使ったテストをするのがフェルンである。その結果がどうなるかフリーレンも楽しみにしている。
「どう?透けて見える?」
「見えますが………」
フェルンが、フリーレンとプルシュカを見比べる。何処を見比べたまでは分からないが、素直な感想を言ってしまう。
「ちっさ」
「おぃ、弟子。今どこを比べてちっさって言った」
そして、興味本位でボンドルドとシュタルクを見比べる。何処を見比べたまでは分からないが、素直な感想を言ってしまう。
「ぷ、ちっさ」
「ちっさくねーよ!!」
その言葉に、勝ち誇った様子のボンドルドとプルシュカ。本当によいムードメーカーが加わったとボンドルドは思うばかりであった。旅には、こういうギャグキャラも必要である。
その後、フリーレン一行は城塞都市ヴァールを通過して、北側諸国へと足を踏み入れた。そこは、嘗てボンドルドが対魔族戦において英雄とまで称される戦果を残した古巣である。
………
……
…
道中、魔族についての講義を行うボンドルド。彼ほど、魔族に精通した存在はいない。
「フリーレンさんには不要かも知れませんが、魔族という種族について少し教えておきましょう。我々人とは相容れない存在です。穏健派的な者達も居たりするらしいですが……そういった連中ですら人の心が分かっておりません。」
「はい!パパ。じゃあ、魔族にであったらどうすれば良いの?」
実に良い質問だと思うフリーレン。ボンドルドの代わりにその答えを言ってしまう。
「見つけ次第、殺すんだよ。アイツラは、人類を全滅させる為なら姑息な手段も使う。過去に、【お母さん】なんて言葉を巧みに使って命乞いをした魔族がいた。同情心に訴えられた結果、村長夫妻が死亡する悲惨な事件もあった。」
「フリーレン様、魔族の見分け方はあるんでしょうか。私は、今まで魔族をみたことがありません」
「俺は、昔一度見た事が有る。師匠からも魔族がどんな連中かは聞いた事があるけど……」
遠目では人間に見えなくもない魔族。だが、判断出来ないかといえばそうでは無い。ある意味自己主張の強い連中だからこそ、大事な所を隠していない。
「私が知る限り魔族の方達は、頭に角を生やしております。それを目印にすればよいでしょう。少なくとも、角がある人類っぽい存在を見かけたら、無意識にゾルトラークが打てるくらいになれば問題ありません」
「分かってるね、ボンドルド。………でも、ボンドルドは魔族保護にも力を入れていたよね。実際の所はどうなの?一度、聞いてみたかったんだよね」
北側諸国の英雄という立場をフル活用して、絶滅危惧種の保護をしているのは間違いない。だからこそ、魔族もしっかりと保護している。
「昔一度お伝えした内容の繰り返しになりますが……藁にもすがる思いという言葉があります。魔族達は、人に似ております。そんな連中が本気で町中に隠れたら目も当てられません。ならば、一つくらい公共の窓口を残しておくべきです。危険な者は、一箇所に集めた方が何かと都合が良い。今や常識に左右されない新しいアプローチが試されるべきだと考えます」
「相変わらずやり方が酷い。だから、ゲス外道って言われる。勿論、私の場合は褒め言葉だよ」
話の途中でボンドルドがカートリッジに触ると、魔族を集める意味をフリーレンは正しく理解した。実に効率的なやり方だと。探して焼却するのではなく、向こうから来て貰うという作戦であった。
ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。
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過去編(1000年前、初代ボンドルド)
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過去編(人類防衛ライン戦)
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過去編(50数年前、居候フリーレン)
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閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
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閑話(プルシュカと女神の魔法)
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バカか、全部やれ