大陸北部エンデ。
大陸の果てにあるその地は、
だが、誰しもが
魔王討伐後、50年が経過した時、新入りがそこにやってきた。
新入りは、辺りを見渡している。死んだはずなのに、全く知らない場所で目覚めてしまったのだ。困惑するのは、当然だ。だが、周りの者達は新入りを歓迎する。ここに来る者達は、皆英雄だ。新しい偉業を聞きたいし、世間の情報も聞きたかった。
『おやおやおやおや、久しぶりの新入りの方です。しかも、ご老体。さぞ、全盛期に偉業を成し遂げられたのでしょう。お名前をお伺いしても宜しいでしょうか?』
『ヒンメルじゃよ。それで、貴方は?』
『そういえば、まだ名乗っていませんでしたね。私は、ボンドルド。『黎明卿』と人は呼びます。恐らく貴方が産まれる1000年位前の古い存在です。身内からは初代と呼ばれていますので、気軽に初代と呼んでください』
ヒンメルは、死後の世界など信じていなかった。だが、それは確かに存在している。きっと、この事を知れば嘗ての仲間は喜ぶだろう。喜ぶエルフの姿を想像しつつ、ヒンメルは一つ気になる事があった。
嘗て、勇者PT時代に黎明卿ボンドルドの名は聞いた事がある。人類防衛ラインを底上げした英雄。彼が死んだという話は聞いたことがなかった。
『もしや、貴方はフリーレンが腐れ縁と言っていたボンドルドなのですかな』
『どうぞ、初代とお呼びください。ヒンメルさんがいうフリーレンという女性が……魔法が大好きな銀髪女性エルフであるなら、その通りです』
これには、ヒンメルも混乱する。死後の世界……自分と同じこの場にいる。そもそも、フリーレンとの腐れ縁だからエルフなのか、人間では1000年間も生きるなど出来ない。
『初代さんと呼ばせて貰います。なぜ、初代さんはここに』
『細かい事を気にしてはいけませんよ、ヒンメルさん。ここに集う者達は、偉業を達成した者達ばかりです。過去の経歴など、本人が話したければ話す。無闇に聞かないのが暗黙のルールです。折角ですので、共通の知り合いであるフリーレンさんの話でもしませんか』
少し悩んだヒンメル。だが、生前の事など不必要に聞かないという点については同意した。死んでまで気にする事ではない。
『えぇ、そうしましょう初代さん。僕は、こう見えて魔王を討伐した勇者PTです。フリーレンの破天荒な話を是非聞いて欲しい。あの魔道書キチなエルフのせいでどれだけ苦労したか』
『是非、お聞かせ下さい。時間は無限にあります』
聞き上手なボンドルドを前にヒンメルは気持ちよく勇者PTの旅路を教えてくれた。今までも沢山の人に聞かせた彼等の旅路。お互いに共通の知り合いがいると言う事で話は盛り上がる。
………
……
…
数日に渡り話し合いをしたヒンメルとボンドルド。
『僕達が魔王討伐をしている時に、初代さん達が戦線を支えてくれたお陰で助かりました』
『お気になさらずに、
魔王軍との戦い。その全てに人生を懸けた二人だと思っているヒンメル。
『そういえば、ヒンメルさんは魔王討伐後に結婚はされなかったのですか。魔王を討伐した勇者となれば、連日そういったお誘いは幾らでも有ったでしょう』
『懐かしいですな。有りましたよ……ですが、僕は生涯独身で孤独な身です。こう見えて身持ちは堅いんです。そういえば、初代さんの方は?』
勇者ヒンメルに対して、国は結婚を強要していた。その血を王族や貴族に取り入れるため、本当にあの手この手を尽くしている。場合によっては、食事に睡眠薬を入れるなんて当たり前だ。ハニトラだって毎日のようにあった。
『私には、沢山の子供が居ました。今もその血は続いております。もし、貴方が私の子供に会う事があったら、魔王討伐のお話を聞かせてあげて下さい。きっと、喜びますから』
『はっはっは、そうですね。会う機会があれば、必ず……そのお子さんのお名前は?』
『プルシュカ。夜明けの花という意味を持ちます』
『素敵な名前ですね。会う機会があれば、必ず』
ヒンメルは、ボンドルドと別れ天国を見て回る事にする。ボンドルドとの約束を果たす時はまだ遠いだろうと思っていた。
本作品の今後の展開について、アンケートのご協力のお願い。どんな話で続けようか、読者様のご希望を窺えればと思っています。
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女神の石碑編another(原作世界線)