キャラ崩壊していても許してください。
プルシュカの元に届く、ゼーリエからの手紙。動物のイラストが描かれた可愛らしい便箋が使われており、プルシュカに対しての気遣いがよく分かる物だ。
「可愛い便箋!! ゼーリエお姉ちゃんからのお手紙だ」
その手紙を見たフリーレンがこの世の終わりのような顔をしている。だが、ゼーリエの私生活を知るボンドルドとしては、不思議な事では無かった。初代ボンドルド以降は、代替わりの度に幾度かお世話になった身だ。
ゼーリエは色々と出来る人だが、代わりにやる人がいればやらないタイプ。当時世話をしていたボンドルドに対して、料理の味付けなど色々と文句を言うが全て食べてくれる。そんなタイプの人だ。
一度懐に入れば、優しいというクソ面倒なタイプ。
ゼーリエは神話の時代から生きる大魔法使いだが、プルシュカにとってはお友達だ。自分から街で声を掛けてきてくれた。一緒に買い物に付き合ってくれた。選んだ服を着てくれた。などなど、プルシュカがお友達判定するには十分だ。
「むふー。プルシュカのお友達。友達100人出来るかな~」
プルシュカが嬉しそうに手紙を読み始めた。
【
プルシュカへ
敬え、様を付けろと何度も言わせるな。
行く先々でどうして、そこまで問題が起こせる。人間の時間感覚では分からないが、エルフの時間感覚で言えば、その頻度で問題が起こるのは呪われているレベルだ。なんで、遠くに居る私がそんな事を言わないといけない。
それと、黄金郷についても絶対に問題を起こすな。いいか。お前等の尻ぬぐいを誰がすると思っている。黄金郷のマハトは、死ぬまで閉じ込めておけば良い。問題があれば、私が潰す。子供の仕事は遊ぶ事だ。危ない事は大人に任せろ。
つまらない話はここまでにして、ボンドルドの事を教えてやる。奴は、自分の事はあまり話さないだろう? 一時期私の家に居候をしていた事がある。その時に、おねしょした回数は、5回だ。人様の家でおねしょをした奴の顔は今でも笑い物だぞ。しかも、悪びれもせずに"おねしょを乾かす魔法"を私に使わせようとしたあたり図太い奴だった。
他にも、トイレに紙がないとか言い出して、"切れの良い大便が出て、紙が要らなくなる魔法"を作ってやった。そんな憎らしいガキが、今では人間最古の大魔法使いだ。
プルシュカは、その大魔法使いの娘だ。だから、焦るな。私が大成すると保証してやる。
最後に、気が付いていると思うが、私はお前の母親を知っている。だが、母親もクソ面倒くさい奴だから教えない。お前の旅路が終わるまでに見つからなければ、私が直々に殴って目覚めさせてやる。
次の手紙は必ず"様"をつけろ。
】
プルシュカは、ゼーリエの要望通り様付けで手紙を書くことにする。ゼーリエお姉ちゃん様と。その手紙を見た、ゼーリエはプルシュカがボンドルドの娘である事を再認識する。奴も絶対にコレをやると。
ある日の夜。
女性陣が寝るテントにて、フリーレンがプルシュカに話しかけた。内容は、ゼーリエからの手紙が気になって、睡眠不足になりそうだったからだ。ゼーリエとフリーレンの会話の回数は、ボンドルドの何十分の一程度。同族同性のエルフだというのに、何故か仲が悪い。
「うーーーん、どうしても知りたい?フリーレンお姉ちゃん」
「どーーしても、知りたい。あのゼーリエが手紙を書くなんて今でも信じられないよ」
それについて、横で寝ているフェルンも同意していた。少ししか話していないが、人を寄せ付けるような性格ではなかったと。
「えぇ~、ゼーリエお姉ちゃんはいい人だよ。だって、パパの昔話とか教えてくれたよ。ゼーリエお姉ちゃんの家に居候していたとか、おねしょしたとか、"切れの良い大便が出て、紙が要らなくなる魔法"を作ってあげたとか」
「なにその話、初めて聞いたんだけど。ボンドルドがゼーリエの所に居候?なんで?」
フリーレンが一時期見かけない期間があったと思いだした。修行が辛くて逃げたと思ったが、ゼーリエの所に居たのかと納得する。その頃から変な仮面を付け始めたなと過去を懐かしむ。
「知らない。パパもお漏らししてたんだ……ヨシ」
「ヨシ!! じゃない、プルシュカ。寝る前には、必ずトイレに行け。私は、許さないからな」
「そうですよ、プルシュカちゃん。外は暗いから付き添ってあげますから」
テントの外は寒い、一度寝袋に身を包んだら外には出たくない心境になる。既に、母親代わりになりつつあるフェルン。その様子に危機感を覚えないエルフがいる。もし、この場にゼーリエがいたら、助走を付けて殴っていただろう。
文通編はお終いです。
本作品の今後の展開について、アンケートのご協力のお願い。どんな話で続けようか、読者様のご希望を窺えればと思っています。
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女神の石碑編normal ※週刊誌+独自
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女神の石碑編another(原作世界線)