黎明のフリーレン   作:新グロモント

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07:闇魔法使い

 ネームド魔族であった断頭台のアウラの討伐により街は歓喜に満ちた。その立役者となったフリーレン一行の評価は爆上がりした。数日間のお祭り騒ぎで、皆の英気が戻る。

 

 フリーレンも趣味で集めている魔道書が手に入り満足。更には、今後の旅路のための路銀まで貰うことが出来た。

 

 いざ準備も整い次の街へと向かう。

 

 だが、世情に疎いフリーレン。道中を抜けるのに、一級魔法使いが居る事が推奨されていることをしる。そもそも、一級魔法使いとはなんぞやレベルのフリーレン。仲間から説明を受けて、管理された魔法使いの組合があると知る。無論、過去には同様の組織が何度もあったため、フリーレンとしてはまた管理組織が変わったのかという程度だ。

 

「なにその、一級魔法使いって?」

 

「フリーレン様は、知らないんですか?大陸魔法協会が認定する魔法使いの資格ですよ。私も旅立ちの時に聖都で取得しました。ほら、三級魔法使いの認定書」

 

 ボンドルドも実物は初めて見る認定書。

 

 そのような存在があるのは、噂でしっていたが興味すら無かった。長寿だと、こう言う情報に疎くなる。

 

「そういえば、なにかやってたっけ。今の資格ってそんななんだ。ボンドルドは何級?」

 

「フリーレンさんと同じく無資格です」

 

 これには、フェルンも少し驚いた。

 

 惰性的に生きているフリーレンならともかく、機敏そうなボンドルドまで無資格であった。だが、受けずしても二人の実力は大陸でも最上級である事は疑いようのない事実。

 

「フリーレン様とボンドルド様は、まさか無資格の闇魔法使いだったんですか?」

 

「闇医者みたいに言わないでよ。闇が似合うボンドルドならまだしも、私は違うからね。そうなると、この聖杖の証ももう使えないんでしょ」

 

「聖杖の証を知る者が今の時代でどれだけいるでしょうか。確か、この時期ですと一級魔法使いの認定が受けられるのが魔法都市オイサースト。今後色々と便利でしょうから、取得しておきましょう。特権もおいしいですから」

 

 フリーレンと同じ証を取り出したボンドルド。二人にとって、過去を懐かしむ事ができる数少ない品。

 

「特権?なにそれ、ボンドルド」

 

「試験に合格したらなんでも好きな魔法を貰えるんですよ。フリーレンさんの大嫌いな人から」

 

 凄く嫌な顔をするフリーレン。師の師の事が本当に嫌いだとよく分かる。だが、弟子の今後を考えれば、一級魔法使いの称号は便利と言うほか無かった。知名度もある資格であり、各地域で利用価値は計り知れない。

 

「パパ!! プルシュカ、試験受けたい。合格したら、プルシュカの大人になった姿を見せてあげるんだから」

 

「可愛いですね、プルシュカ。どうせ、道中にある街です。それに、ある方が便利な資格なのは間違いありません。シュタルクさんは、少し厳しいですが我々なら全員一級も夢ではないでしょう」

 

 ボンドルドの見立てでも全員それだけの実力があると考えている。

 

 なぜか、フリーレンに焦りが見える。プルシュカと自身の体を比べて、大丈夫大丈夫と小声で呟いていた。その呟く顔は、以前にフェルンへの誕生日プレゼントを悩むフリーレンと同レベルであった。

 

………

……

 

 北側諸国デッケ地方。

 

 ボンドルドは、雪山の中で久しぶりに野良エルフに出会った。山小屋へ避難したら、半裸の男性エルフがスクワットして体を温めている。

 

 山小屋にいち早く避難をしようとしたフリーレンとプルシュカの首根っこを掴み退室させるフェルン。常識人の彼女は、なぜこの状況を平然と受け入れるのかと悩まずにはいられなかった。

 

「フリーレン様、ボンドルド様、ここは駄目でございます。他を探しましょう」

 

「「えー、なんで?」」

 

 全く同じ反応をするエルフ二人。

 

「中に変態が居るからです」

 

「変態とは心外だな。……お前達、エルフか」

 

 ボンドルドも確かに半裸の変態というに相応しいと思った。

 

「皆さん、落ち着きましょう。今、我々がすべき事はこの冬を無事に過ごす事です。そうでしょう。えーーーと」

 

「クラフトだ。そちらは、ボンドルドだな。各地に銅像があったぞ」

 

 こう言うとき知名度が高いことは喜ばしいと思うボンドルド。無条件で相手の懐にはいれる。フリーレンも銅像が建つくらいに知名度はあるんだが、なぜか過去の人となりつつある。

 

 それから、何故か半年も小さな雪山で生活を送ることになった。

 

 信じられないことに6人中3人がエルフという。一生のうちに一度もエルフに会えないという人も多いのに、本当にエルフが絶滅危惧種かと疑いたくなる。

 

 ボンドルドも当初はある程度警戒していたがクラフトが善良だと分かり安心していた。無駄な詮索はしない。これが良い人の条件だ。恐らく、世界で最年少であるエルフのプルシュカに対しても普通に接してくれている。

 

「俺はこっちだ。フリーレン、プルシュカ。今生の別れとは思わん。何百年後かに、またな。俺はそれまでに出会えたエルフにプルシュカという最年少のエルフが居る事を伝えて回ろう。我々の種族は、まだ滅ばんと」

 

「クラフト殿。もし、旅路でイドフロント近くに来られた際は是非お立ち寄りください。私は、種の存続に力をいれており、何時でも歓迎いたしますよ」

 

 ボンドルドは、男性エルフが是が非でも欲しいと考えている。

 

 だからこそ、じっくりチャンスを狙う。時間はあるのだから、じっくり外堀を埋めていく予定だ。そして、この出会いに対して女神に感謝を述べた。

 




誤字脱字などご指摘本当にありがとうございます。

ネタが尽きてしまったので、どのようなお話を知りたいか読者様にお伺いできればと思っています。全て何話程度やるかも全く未定です。

  • 過去編(1000年前、初代ボンドルド)
  • 過去編(人類防衛ライン戦)
  • 過去編(50数年前、居候フリーレン)
  • 閑話(ゼーリエとプルシュカの文通)
  • 閑話(プルシュカと女神の魔法)
  • バカか、全部やれ
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