黎明のフリーレン   作:新グロモント

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閑話:フェルンへの教育

 フリーレンに連れられて、公園のベンチに座るフェルン。

 

 フリーレンは、超一流の魔法使い。実際の歴史を知る貴重な存在。人類の上澄みの上澄みであり、彼女に勝てる存在なんて両手で足りる。でも、ポンコツの分野もある事をフェルンは知っている。

 

 ボンドルドの配慮で、二人っきりで過ごす事になるであろう夜に関して大事なことがあるんだろうと彼女は考えていた。旅を続けるPT内部でそう言うことをするのだから、配慮すべき事はある。

 

「フェルンは、シュタルクの事が好きでしょ?」

 

「いきなり直球で来ますね、フリーレン様」

 

「大事な事だ。人間の寿命は短い。フェルンとシュタルクも結婚適齢期っていうんだっけ?そう言う年齢だ。だから、ボンドルドと相談して一肌脱ごうって決めたんだ。こう見えて、経験豊富なんだよ」

 

「本当に、本当に当てにして良いんですよね」

 

 むふーというドヤ顔をするフリーレン。

 

 弟子に頼られる師匠。フリーレンは、魔法以外で頼られる事が殆ど無い。フェルンが幼い頃ならば、旅支度など色々と頼るべき事はあった。今では、旅路の準備はフェルンとボンドルドが全てやっており頼りになっていない。

 

 だが、フェルンはフリーレンの言葉を全面的に信じていない。

 

 師匠であるフリーレンが、ドヤ顔をする時は、大体失敗する時だと。そして、フリーレンが自慢げに知識を披露する。

 

「フェルン。良く聞くんだ……キスしても子供は出来ないんだ。コウノトリが運んでくるとか嘘だからね」

 

「……えぇ!?」

 

 いつになく真剣な顔をして伝えられた言葉に、フェルンは混乱する。一瞬、聞き間違ったのかとすら思っていた。その為、魔族ではそういう増殖方法なのか。それとも、エルフはそうやって増えるのかとすら考える始末。

 

「フェルンが驚くのも無理は無い。後、キャベツ畑で子供が取れるって事もないんだよ」

 

「………フリーレン様。いったい、何処の世界の話をされているんでしょうか。プルシュカちゃんの事もあったので、一応期待はしていたんですよ。ためになる話が聞けるかもって」

 

 コウノトリの次にキャベツ畑のネタが出てきた時点で、フェルンは見切りを付けた。

 

 フェルンは、信じられなかった。今のご時世、そのような話をして信じる子供すらいない。確かに、親から子へ、女友達から、書物などからといった夜の性活方面の知識入手先は山ほど有る。

 

 だから、そんな話がフリーレンから出てきた時点で彼女は、ボンドルドが本当に苦労していたんだろうなと同情した。その知識レベルのフリーレンと子供を作った事に今でも驚きを隠せない。

 

「フェルンが思ったより耳年増でお姉さんは悲しいよ。もしかして、フェルンってプルシュカの事、気が付いてる?」

 

「何年一緒に旅をしていると思うんですか、言動とかもソックリですから出会ってすぐに察しました。でも、プルシュカちゃんの育児放棄をして、私の面倒を見てどうするんですか……ちゃんと、向き合わないと駄目です。わかりましたね」

 

「はい。これでも頑張っているんだよ。でも、今更、どんな顔をして話せば良いか踏ん切りが……」

 

 いつの間にか、説教される立場になるフリーレン。

 

 私生活と私性活では、役に立たない認定されてしまうフリーレン。

 

「じゃあ、もう行きますよ」

 

「そっか、"防音魔法"とかも用意してたんだけどな…いらないか」

 

 掌をくるりと翻すフェルン。

 

「それは必要でございます、フリーレン様。他には何かございますか?」

 

「衣服を溶かす魔法薬とか」

 

 段々と頼りになる師匠だなと認識を改め始めたフェルン。彼女も存外現金な魔法使いだった。

 

「それも必要でございますフリーレン様。他にもございますか?」

 

「"ベッドの振動を抑制する魔法"とか」

 

 多少頼りになる師匠フリーレンから大分頼りになるフリーレンへと評価が上がった。最初から、こういう話をして欲しかったとフェルンは思っていた。後で、どういった場面を想定した魔法なのかも詳しく聞いておこうと思っている。

 

「とても必要でございますフリーレン様。他に隠している事はございますか?あったら、怒りますよ」

 

「後は、民間魔法で"避妊魔法"とか、"相手がして欲しい叡智な事が分かる魔法"とかあるけど……必要?」

 

 勇者PTの魔法使いは、伊達じゃ無かった事を思い知らされたフェルン。尊敬できる師である事を改めて認識した。

 

「全て必要でございます。やはり、フリーレン様は頼りになります。ところで、ご参考までにボンドルド様とどういった事をやられたのか詳しく話して貰えませんか」

 

「いいけど、ボンドルドがいうには普通の事とか言ってたよ」

 

 無知な事を良いことに、とんでもない事をあれよこれよとやっていた事がフェルンにばれてしまった。だが、フェルンは、平然と「へぇ、普通ですよ普通です」と、遠い目をしていた。そして、色々と覚悟を決める。今、そんなことをやっていた男がシュタルクを教育しているのだから…。

 

「……洗濯の魔法はあるから何とかなる。でも、防臭の魔法も欲しいかも知れません」

 

「それもあるよ。民間魔法は、なぜかその手の魔法が多いんだよ」

 

「フリーレン様!! 今ほど頼りになると思ったことはありません」

 

「むふ~。お姉さんだと分かったようだね。これからは、頼りになるお姉さんに何でも相談するんだよ」

 

 フェルンは、夜の性活で困った事が有れば相談しようと決める。身近にこれほどまでに頼りになる大人が居たとは思わなかった。人を見た目で判断するのは良くない事だと身を以て実感した。

 

 そして、民間魔法が性活にも密着した魔法だとも理解する。便利さと叡智を求めた皆が魔法を開発していた。それは紛れもない事実だ。叡智が絡む事で開発される魔法は、人類を大いに発展させた。

 

 何処の世界でも人類は変わらない。

 

 




次はシュタルクへの教育。
いくつか閑話を挟んで、オレオールかなって思っています。

閑話で考えているのが
・助走を付けて殴りにくるゼーリエママ様
・フリーレン一行を見送ったアイゼンの心境
・ミリアルデがプルシュカと出会う?
・イドフロントに来たクラフト

とかだと思っています。

最後だからまたアンケートなども考えております。
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