人類で辿り着いた者がほぼ居ない前人未踏の未開の地……
そこに新たな来訪者が訪れる。生きた人間が来る事は何世紀ぶりの快挙であろうか。辿り着いたのはフリーレン一行。
「やっと、着いたね……それにしても、思ったより近代的な場所じゃない」
『そりゃそうだろ、定期的に来るクソ弟子が色々と変えちまったのさ』
フリーレンが声をする方を振り向く。そこには、1000年近く前に老衰で亡くなった師の姿があった。年老いて死んでもその気迫は薄れていない。まるで、今でも生きているようにすら感じられる。
「フランメ……元気にしてた?」
『
人類魔法の開祖であるフランメ。
1000年振りの再会だというのに、フランメは何も変わっていなかった。それも当然、ボンドルドが定期的に来るので外界の情報は更新され続けている。世界情勢やフリーレンの近状などは、本人より詳しいレベルだった。
特に、マハト戦で死んだボンドルドが居る為、本当に直近の情報が共有されている。
「フランメ
『問題ないさ。この場所は、少し特別だ。会うべき人の所に呼ばれているだけさ。その二人の事は、知っているよ。今頃はハイターと会っている。後で、フリーレンも会いに行ってやれ。世話になったんだろう。………フリーレン、よく魔王を討伐した。お前は私の誇りだ』
フランメは、フリーレンを抱きしめた。感じるはずのない暖かみを……感じていた。本当に感じていた。触感も匂いも感じている。流石におかしいだろうとフリーレンも思う。
「おやおやおや、悲しいですねフランメ様。私も居るというのにまるで居ないように扱うとは。可愛い二番弟子にお言葉は頂けないのですか」
『クソ弟子もよく頑張った。流石に、知らないと思うが……ここには初代から全員揃って居るぞ。喜べ、お前の死後は確実に天国入りだ。で、そちらの子は紹介してくれるんだろうな』
「あぁ、そうだった。フランメ、紹介するね。私とボンドルドの娘のプルシュカだ。可愛いだろう、良いだろう、あげないんだからね。ほら、プルシュカ、獣化するんだ。フランメにも少しだけお裾分けしてあげるよ」
「あの人類史に名前があるフランメ…おば……お姉ちゃん!!すごーーいすごーーい魔法使いなんでしょ。ゴホン、ママとパパの娘のプルシュカです。フランメお姉ちゃん、ママとパパを色々助けてくれてありがとうございます」
フランメに撫で回されるプルシュカ。
その状況にボンドルドもおかしいと思った。なぜ、物理現象が伴う。明らかに、プルシュカに触れている。匂いも嗅がれている。死人なのに嗅覚もあるのかと。
フリーレンとボンドルドの大魔法使い二人の見解は、魔力が無く行動制限がされているだけの人間ではないかと仮定する。これが、女神様が作り上げたオレオールだというのならば、天地創造も与太話では無い。
同じ事を魔法で実現しようにも原理も全く分からなかった。
『いい子だ、プルシュカ。だから、クソ弟子から昇格してやるよボンドルド。お前達は、私の誇りだ。……で、一つだけ聞きたいんだが何でプルシュカが魔王装備を付けている?』
「フランメ
「親バカに目覚めたフリーレンさんのせいです。最高な物を娘にプレゼントしたかったそうで……許してあげてください。最近まで、色々あったので」
育児放棄して、名前も付けずに捨てて、再度出会うまで忘れてましたのトリプルコンボから今の関係になった。フランメでも激怒案件だ。子供は宝だというのに、それを捨てるなど昔も今も駄目な典型。
『人様の家庭事情に踏み込むような事はしない。それに、フリーレンをぶん殴るのは、私より適任がいるからな。プルシュカ……お前は、なかなかの才能がある。私が直々に結界魔法を教えてやろう。今の中央諸国あたりにある結界は未だに健在と聞いた』
「やったーー。フランメお姉ちゃん大好き。ママでも使えない魔法をプルシュカが覚えたら、最強なんだから」
フランメも孫娘が出来たようで気分が良かった。
生涯で二人だけ取った弟子。その弟子同士の子供が死後1000年して紹介されたんだ。内心嬉しくてたまらない。彼女にしてみれば、ボンドルドが1000年越しに恋が成就して安堵している。頑張る男の子を応援する気概は持ち合わせて居る。
「フランメ
『ふふふ、可愛いこと言うようになったじゃないか。どうしようか……そうだな、フランメお姉さんと言ったら教えてやるよ。今ある結界のメンテナンスも必要になるだろう。あれば、お前等の地位は安泰だ』
フランメが残した結界は、今の人類ではメンテも出来ない。形ある物は何時かは壊れる。それが修理できる存在になれば、フリーレン達を脅かす人類はいなくなる。フリーレンならば、それを改良して対魔族では無く対人類用の結界も作れる。イドフロントに良からぬ輩が近付くのも防げるという事だ。
「私もお姉さんとお呼びしましょうか。フランメ様」
『嫌だよ。可愛い弟子に呼ばれるから嬉しいんじゃ無いか。ボンドルド……お前は、様じゃなく
ボンドルドは、フランメに幻覚魔法を掛ける。1000年前のフランメが全盛期であった美しい頃の姿を映し出した。どうせなら、絵面が美しい方が良いと思った判断だ。
「フランメお姉さんって、とっても美人さんだったんだ」
「プルシュカ、ママの方が美人だろう。それに、いい年してフランメお姉さんとか恥ずかしくないの」
「どうですか、フランメ
『全く、お前達親子は揃いも揃って一言多い奴らだな』
弟子達とその娘を締めあげるフランメ。年を取っても体育会系である彼女。その懐かしいアームロックにフリーレンもボンドルドも涙がこぼれそうになった。
………
……
…
『で、この後は誰に会いに行くんだ?面会の予約を入れてやるぞ』
「なんか、夢も無い場所だ。面会が予約制って……どうなってるのここ?」
オレオールにいる英雄達は、行けば会えるという物ではなかった。相手の都合もある。無駄に現実的な場所だった事にフリーレンも驚く。
『フリーレン。私達死者だってプライベートはあるんだ。衣食住を維持する為には色々やる事があるんだよ。歴代のボンドルド達が少しずつ意識改革を進めていった結果さ。今では、個人番号制も導入されて人数把握もしっかりされている。仕事だってある』
「そうでしたか。では、後ほどプルシュカを連れて自分達に挨拶に行ってきます。多分、お待ちしているでしょうから」
「えへへ、パパが沢山いるんだ。プルシュカ、皆からお小遣いもらっちゃうぞ~」
「私もプルシュカと一緒に付いて行くよ。ボンドルドには世話になったからね。ちゃんと皆にお礼を言いたいんだ。伝えたい事もある。プルシュカの事も私から紹介したいんだ」
オレオールにいるボンドルド達は、今を生きるボンドルドより先に"愛している"という言葉が伝えられる。そして、娘のプルシュカの事もちゃんと紹介しており、その姿は母親であった。
同じ途を歩んでくれてありがとう。その言葉を聞けたボンドルド達は、今までの人生が報われたと感じ涙を流していた。
フランメ→ハイター→アウラ?→ヒンメルと予定しております。
あと少しだーーー!!
正直やりきった感が既に出てきた。
閑話でゼーリエママ様、アイゼンも予定しております。