黎明のフリーレン   作:新グロモント

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三連休だったのでふと思いついた即興ネタ。


閑話:魔法学校①

 友達100人を目標に頑張るエルフのプルシュカ。残念な事に、彼女の友達は現時点ではゼーリエだけだ。そこで彼女は、何故友達が増えないのかを考えて結論に至る。世間一般では、友達が増えるタイミングというのは、幼馴染みや学友である事が多い。この問題を一気に解決するのは後者であると、理解する。

 

 それからのプルシュカの行動は、早かった。

 

 この世界では、魔法学校が存在している。魔法使いを目指す者の大半は、ここの卒業生である事が多い。知識が集まる場所であり、同じ目標を持つ者達と切磋琢磨できる環境と言うのは育ち盛りの子供達にとっては良い環境だ。

 

 プルシュカは、早々にフリーレンとボンドルドに学校に通いたいと相談を持ちかける。その言葉に、フリーレンは衝撃を受けてしまう。

 

「魔法学校は、全寮制だ。六年間()プルシュカと離ればなれになるなんて嫌だ。それに、学校に行っても学ぶ事なんて無いよ。私が全部教えてあげるから」

 

「ママ、プルシュカはお友達を作りに行くの!! それに、魔法学校だって何か役に立つ知識があるかもしれないじゃない~。ねぇ、良いでしょう。プルシュカも学生生活をやってみたいの」

 

 フリーレンとボンドルドという大魔法使いの専属講師を持つプルシュカが魔法学校で学べる事など無いに等しい。プルシュカの現時点のレベルで言えば、講師陣達がプルシュカに教えを請うレベルだ。

 

「フリーレンさん、可愛い子には旅をさせろと言うではありませんか。人格形成において、友人というのは大事な物です。イドフロントに引き籠もっていては、世間知らずになってしまう可能性もあります。魔法学校も長期休暇はあるらしいので、その際は実家に帰省する事を前提に許してあげましょう」

 

「流石、パパ!! 話が分かる~。ママもプルシュカにばかり甘えてたら駄目だよ。ほら、プルシュカがいない時にさ……弟か妹なんて欲しいなって」

 

 最近、フェルン達の子供と遊ぶにつれて弟妹が欲しくなったプルシュカ。つまり、プルシュカが魔法学校に通っている内に頑張れという事だ。これには、フリーレンも迷う……子育てというトラウマが彼女にはあった。だが、プルシュカみたいな良い子を一から育てたいという母性もあった。

 

………

……

 

 結局、魔法以外の事でフリーレンがプルシュカに勝てる事は無く、折れた。そして、プルシュカの魔法学校入学が確定した。無論、目に入れても可愛い我が子に良からぬ虫が付かないように各々(・・)が独断で準備を進めている事などプルシュカは知るよしも無かった。

 

 

◇◇◇◇

 

 一度見た魔法を模倣する事に関しては天才的なフリーレン。過去に一級魔法使い試験で、試験会場に一度も来ないでリモート受験した魔法使いを思い出した。

 

 彼女は、娘の事が心配だったので自分も魔法学校に通う事を決意する。だが、流石にフリーレンとして通う事はプルシュカが許さないだろうと分かっている。そこで、質量のある分身に変身魔法を使う事でこれを実現させた。

 

『アーニャ完璧。これなら、プルシュカにもばれない』

 

 プルシュカと同じ新入生アーニャが誕生した瞬間だった。

 

 

◇◇◇◇

 

 魔法学校……思春期の男女が集まる場所だ。つまり、可愛い我が子に変な虫が付く事など許せないボンドルド。勿論、娘の前では理解ある父親像を演じているが彼も親バカの部類だった。

 

 イドフロントで保護している魔族の肉体、オレオールで託されたアウラの魂の破片、アンブラハンズ♀の母体を利用して生み出した人造魔族第一号。絶対命令権をボンドルドが持つ。

 

『で、オイラはプルシュカの面倒を見れば良いんだな。全く、親バカも過ぎるぜ』

 

「頼みましたよアウラさん……いいえ、今はナナチでしたね。失礼しました。娘の成長を貴方の目を通じてしっかりと観察させてください」

 

 人造魔族第一号――正確に言えばアウラ魂型人造魔族第一号。アウラの記憶と魂の命令を継承した新個体。人類と魔族の共存を可能とした新たな魔族だ。

 

 プルシュカと同じ新入生ナナチが誕生した瞬間だった。

 

◇◇◇◇

 

 大陸魔法協会の一室にて、ゼーリエは束の間の休息を満喫していた。プルシュカからの手紙を片手に、優雅に紅茶を嗜む。だが、毎度毎度手紙の内容に驚かされる。

 

 今回の手紙には、魔法学校入学の情報があった。友達100人を目指すため、魔法学校に入学……今まで、友達の地位を独占していたゼーリエであったが、それが減ってしまう。

 

「……確か、大陸魔法協会の広報誌に、魔法学校の性の乱れについて言及された記事があったな」

 

 魔法使いの地位を利用して、女性を食い物にしたり……卒業と同時に結婚、在学中に子供を産んだなど数十年でチラホラある問題だ。ゼーリエの時間感覚で言えば、毎日そのような問題が起きているに等しい。

 

 人知を超越した魔力を持つゼーリエは、分身を作っても魔力を抑えても身元がばれる。色々考えた末にボンドルドが過去に居候していた時に残していった人形の事を思い出した。暇を持て余して、色々な機能を搭載した人間そっくりな人形。それに、意識を転写する魔法を使えば…。

 

 プルシュカと同じ新入生レグが誕生した瞬間だった。

 

 




魔法学校があるのに、そこら辺の話がフリーレンってないよね?
※作者は、単行本派なのでサンデーで掲載済みでしたらごめんなさい。

新入生達は、可能な限り中の人繋がり……だけど、ボンドルドさんだけは、思いつかなかったので代理を送り込みました。


続く?続かないは、評判次第のご予定です。

もしくは、第二子ネタも考え中。
プルシュカが魔王なので対として勇者にしようかなと思っています。
ヘイロー持ちの勇者「光よ!」
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