黎明のフリーレン   作:新グロモント

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感想返しが出来ないうちに次話投稿で申し訳ない。
ご好評頂いたので、追加投稿!!


閑話:魔法学校②

 プルシュカは、周りに合わせられる子供だった。魔法学校に入学してくる生徒達のレベルは、お世辞にも高くは無い。だからこそ、彼女は自身に枷を付けた。最低限の一般攻撃魔法と非殺傷魔法だけにしようと。筆記試験においても悪目立ちしないように、上位10%に入るレベルでセーブする。

 

 その為、学校内の模擬戦では、相手を殺さないようにプルシュカが開発した以下の非殺傷魔法が使われる。下手な魔法では、力加減を間違えば殺しかねないからだ。

 

 "相手を痛風にする魔法"

 "相手をインフルエンザにする魔法"

 "相手をノロウイルスに感染させる魔法"

 "相手を尿路結石症にする魔法"

 "相手を統合失調症にする魔法"

 "相手を糖尿病にする魔法"

 "相手を白内障にする魔法"

 

 これらの魔法……恐ろしい事に遅効性の魔法であった。やられた相手は原因不明の体調不良。超一流の僧侶が献身的な治療を行えば回復するだろうが、長い療養が必要になる。

 

 コレを防げる教師や生徒がどれほど居るだろうか。

 

 その一人がナナチであった。流石は、500年以上生きた大魔族の知識を継ぐ新たな魔族。プルシュカが使う呪いより酷い魔法に恐怖する。これが、人類と魔王との戦争時代ならば、七崩賢の地位に就くことも出来るレベルだと思っていた。

 

『オィオィ、ヤベーーってレベルじゃねーよ。同時発病とか死んだ方がマシだぞ。なぁ、バカなのか、バカなんだよな。おぃ、見てるかボンドルド。娘の成長を感じるシーンとかじゃないからな』

 

 友達100人作りたい子供が何をやらかしているんだとナナチは言いたかった。これでは、友達が出来るどころか悪名が広がりかねない。そうなれば、プルシュカのお守りで魔法学校に入学したナナチの立場が無くなる。

 

 仕事を全う出来ない場合、どのような末路が待っているか。それを理解出来ないほどナナチは愚鈍ではなかった。地獄すら生ぬるい日々……アウラと呼ばれていた数十年前の記憶が今でも鮮明にフラッシュバックしてしまった。

 

 それからのナナチの行動は、早かった。プルシュカと模擬戦を行った者達と接触し、体調不良の兆しがあれば必死に介護をした。薬草を煎じたり、下の世話をしたり、親身に寄り添い言葉を掛けて励ましたり、女神様の解呪魔法や回復魔法(・・・・・・・・・・・・・)を唱えたりと。その素晴らしい行いのお陰で、ナナチは入学して僅か半年で友達を100人作ってしまう。

 

 その友達の中には、プルシュカも含まれている。

 

 

◇◇◇

 

 フリーレンの5%のリソースが使われている分身アーニャ。その実力と能力は、リソース通りに制限を掛けていた。今回の一件がバレた場合のリスクを考えて、成績は下の中辺りを推移して目立たない落ちこぼれ生徒を演じる作戦だ。

 

 この作戦は、彼女にしてみれば中々良かった。遠くから娘を見る事で客観視出来るメリットがある。

 

 しかし、この分身……一つのデメリットがある。それは、フリーレン本体が感じた感覚が分身にも100%フィードバックされる事だ。そのお陰で、夜な夜な妙な声で苦しむアーニャ。時には、授業中にも。奇病に思われた彼女は孤立してしまった。

 

 そして、数年後には突如講義中に「う、産まれる~」と叫ぶ大事件まで発展する。魔法学校の生徒の性の乱れを象徴する事件として長い時間語り継がれる事になる。当然、その事はゼーリエの耳にまで届き、HENTAIばかり集まる学校など廃校にしてやると一時期話題となる。

 

「ねぇ、アーニャちゃん。プルシュカは、大人だから理解はあるけど……そういう大人のプレイは人が居ない場所でやった方が良いよ。常識の無い変な子だと思われているからね」

 

「ちょっと待って、それ勘違い。アーニャ悪くない。子供の身体に大人の物を入れてくる悪い大人がいけない」

 

 流石のプルシュカもこの言い訳に白い目を見せた。

 

 世の中、色々なタイプの変態がいる事は彼女も知っていたがレベルが違う人も居るんだと理解する。世界は広い。人も多い……人の数だけ性癖があるんだと理解した。

 

 優しいプルシュカは、友達100人の内に彼女も混ぜようと慈悲の心を芽生えさせる。性癖で人を差別するのは良くないと。

 

 

◇◇◇

 

 フリーレンのような下手な失敗はしていないゼーリエが操作する人形レグ。彼の正体に気が付いた者は、ナナチの目を通じてその姿を見たボンドルドを除いていなかった。

 

 魔法学校での成績は、中の中をキープ。実技においても、平凡極まる成績。完璧な偽装。交友関係も少ないながらあり、数人程度の仲の良いグループに紛れ込むなど社交性を見せていた。

 

 だが、ある日に教師から保健室に届け物をして欲しいと言われて、保健室で出会ってしまった。

 

 一級魔法使いにして、ゼーリエが知る中でもやべー奴の上位にランクインする女性――メトーデ。本日付で彼女が、魔法学校の臨時保険医として雇われてきた。寧ろ、彼女は自らを売り込んで来たという方が正しい。

 

「ねぇ、貴方……プルシュカという可愛いエルフの女の子を知らないかしら」

 

 レグとして初めて会ったメトーデの第一声がコレだ。プルシュカに近寄る悪い虫筆頭は、こいつではないかと本気で考え始めた。

 

 そもそも、お前には遙か遠いエンデ地方で数年は帰ってこれない任務を任せていたのに、なんでここに居るんだと言いたくなるレグ。更には、数ある魔法学校の内、プルシュカがいるここに居るんだ。

 

 その情報収集能力の高さに、レグは彼女の危険度を二段階上げた。

 

「あぁ、知ってる。エルフの子なんて一人しか学校にいないからな」

 

「一人ね~……二人(・・)ですよね。ゼーリエ様」

 

 レグという人形の肉体越しでもメトーデには、その後ろにいるゼーリエの姿が見えていた。これが、愛。

 

 これには、思わずゼーリエも本音が出てしまった。

 

「キッショなんで分かるんだよ」

 

「分かりますよ……で、その身体は()いてますよね」

 

 全身に悪寒が走ったレグの本体であるゼーリエ。ボンドルドとは別次元の狂人だと理解する。今後は、弟子を取るにしても人格面もしっかりとチェックしようと思ったゼーリエだった。

 

 その日から、レグが一級魔法使いメトーデから逃げる光景が魔法学校の風物詩にもなる。その結果、プルシュカは自分への被害が減ると考えてレグとメトーデをくっつける大作戦を計画するなど楽しい学校生活が待っていた。

 




ナナチには、アンブラハンズが母体となっているので女神様の魔法への適正があります。

魔法学校……サツマホグワーツ的な場所か、ゼロの使い魔的な場所か、なろう的な場所か、どうしようかな。普通の学校的場所もありだよね。原作でそこら辺が公開されないかな。

授業参観や体育祭など学校らしいイベントでもやるかな。

三連休は来週もあるからね。
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