学生が大好きな長期休暇。その一つである夏休みがやってきた。プルシュカは、約束通り長期休暇の際には、必ず帰省をする。だが、今回は特別な帰省となる。
魔法学校は、全寮制で基本的に二人部屋。同じ部屋となった者達が、卒業までの間に仲よく過ごす事になる。プルシュカの同室は、リコという一般入学組の生徒だ。探究心と好奇心と行動力の塊のような子供。思考回路は、ボンドルド寄りであった事もありプルシュカのリコに対する評価は非常に高い。
今回のプルシュカの帰省に、友達であるリコが付いてくる。リコは、孤児であったが魔法の才能が認められた為、奨学金制度を利用して入学している。その為、長期休暇でも帰省先がなくプルシュカが誘いを掛けた。
「ねぇ、プルシュカ。本当に私なんかが一緒に帰省に付き合っても良いの? ご両親に悪いんじゃ無い?」
「何度も言っているけど問題無いわ。パパとママにも既にお手紙を出して是非連れてきなさいって言ってた。これで連れていかなかったら、プルシュカが怒られちゃうわよ」
コレに関しては、本当である。同室である為、プルシュカの面倒を色々とみて貰っておりそのお礼がしたいのはボンドルドもフリーレンも同じ気持ちだ。プルシュカも自活できるが、頼れる人が居る場合はそこら辺の管理が甘くなる。
「ありがとう!! 楽しみだな~。まさか、プルシュカ以外の伝説のエルフに会えるなんて。ねぇねぇ、プルシュカのお父さんとお母さんって何て言うの?」
これまで、自称何処にでもいる平凡な一般エルフとして友達作りに励んできた。見方次第では嘘では無い。ボンドルドは、元村人A。フリーレンも元村人A。つまり、平凡な家の子供といっても差し支えが無い。
ただし……村人が魔王を討伐した経験や英雄と讃えられている事を除けば。
そのおかげで、魔法史の講義においてフリーレンとボンドルドの名前はしっかりと載っていた。それどころか、テスト問題にされるレベル。
今までも学校でその話題は沢山出てきた。だが、そのどれも全て上手に躱してきていた。父親がボンドルド、母親がフリーレンなどが知れ渡っては学校生活に支障がでると思ったからだ。無論、プルシュカは両親の事が大好きだが、こればかりは別問題だ。
だが、実家に一緒に帰省すると決めたときからプルシュカは、リコには全てを打ち明けようと思っている。ばれるのが遅いか早いかだけの差だ。こう言う場合、早めに話した方が被害が小さい事を彼女は母親から学んでいる。
「パパは、ボンドルド。ママは、フリーレンって言うのよ………隠しててごめんね。ほら、これ言うと、人によったら引いちゃうかなって思って。でも、リコは友達だから隠し事はしたくなかったの」
「プルシュカ……ごめん。知ってた。ほら、一応形式美として聞いておかないといけないかなって。魔法学校の子達でも一部は知っているんじゃないかな」
プルシュカの告白は、既に相手が知っている情報だった。
それもそのはず、プルシュカは大陸魔法協会の広報誌に載ったことが有る。そのプレミア号を手にした事がある者ならば、プルシュカの正体を知っていても不思議では無かった。
「人が勇気を出して告白したのに、リコの意地悪」
「ごめんごめん。でも、プルシュカが自分で言うことに意味があると思うんだ。だって、その方がスッキリするでしょ。私は、そんな事でプルシュカの友達を止めたりなんてしないわ」
キャワキャワと尊いやり取りがされており、遠目で監視するナナチが安堵した。ナナチという謎生命体のお陰で思ったよりプルシュカに注目が集まらず良い隠れ蓑になっている。
「でも、そうなるとプルシュカっておばあちゃんなんだよね」
「リコ、私をおばあちゃん扱いしたね。マイナス一点。三点溜まると私が泣き叫んで、パパとママとゼーリエママを召喚してその地域が滅びるからね」
プルシュカは、エルフ界隈では
………
……
…
個人での自治権が認められており、他国の法が通じない地域。このような地域は、普通犯罪者の根城になるのだが、誰も近寄る事は無かった。一歩でも踏み入れたら最後、表世界から姿を消すと言われている。
「すごーーーい!! あれが、噂に聞くイドフロントなんだよね。街が丸ごとプルシュカちゃんの実家なんだ」
「すごいでしょ。でも、私達だけじゃなくて暮らしている人は居るわよ。今だと、アイゼンおじさんとか、フェルンお姉ちゃんとか、シュタルクとかね」
魔王討伐を成し遂げた戦士のアイゼン。任務達成率99%以上を誇るゾルトラークの申し子のフェルン。今の時代、フェルンのネームバリューは高かった。彼女が一級魔法使いの試験官をした際には、何人もの受験生の心をへし折っていた。あの若さで恐ろしい練度……圧倒的な才覚の差を知る事になる。
それから、実家へと到着したプルシュカ。出迎えに来たボンドルドとフリーレン。二人に飛びつく彼女は、見た目通りの子供であった。
「おかえりなさい、プルシュカ。元気そうで何よりです」
「おかえり、プルシュカ。勉強も友達作りも頑張っているみたいだね、感心感心」
「えへへ。パパ~、ママ~………今日はお友達を連れてきたの!! リコこっちに来て」
緊張するリコ。
北側諸国の英雄ボンドルド、魔王を討伐した勇者PTの魔法使いフリーレン。両名とも歴史に名を残す生きる大英雄だ。その身に宿る魔力も人類が及ばない域にある事を彼女は肌で実感する。
「は、初めましてプルシュカのお友達のリコです。この度は、お招き頂きありがとうございます」
「コレはご丁寧に、プルシュカの父親のボンドルドです。どうぞ、ここをご実家だと思いお過ごし下さい」
「ふむ、いい子だね。プルシュカのママのフリーレンだよ。プルシュカは、リコを案内してあげて。ここは広いから初めてだと迷う」
ボンドルドは、プルシュカの友達リコをイドフロントに招き入れた。そして、ふと思ってしまう。ボンドルド、プルシュカ、リコ、レグ、ナナチ……まさか、この世界で勢揃い出来るとは度し難い世界だと。
「リコ、行こう!! プルシュカが案内してあげるんだから」
「まってよ~、プルシュカ」
友達を連れて、実家を案内する娘を見送る両親。フリーレンのお腹には、彼女の妹が居ることはまだ誰も知らない。
今後どんな話にしようかな。アンケートをしても最近は全部やるパターンがおおいので、ざっくりと考えているネタ話(案)はこんなラインナップ。
パターンA:
魔法学校の講義の中には国語的科目で最愛のアウラについての物語を読む事もあっていいよね。
アウラに恨みを持つ某伯爵「アウラを苦しめられるのならば、儂は何だってやる。その為に、人間との愛の物語を自ら執筆して広めたんだ。アウラには地獄すら生ぬるい。長生き出来るのは、嬉しいだろう……
と、アウラに会いたがっている人が魔法学校に…。
パターンB:
魔法学校で盗撮事件。女性生徒達の着替えを写真に撮って学内で売りさばく愚か者が…。その愚かしい行為の被害者の一人としてプルシュカがヒッグヒッグと泣く。
レグ「お前が犯人じゃないよな?」
狂信者「ありえません。私なら独占するにきまっているじゃないですか」
パターンC:
この世に生を受けた新しいエルフ。一段落して、愛娘を抱き上げたフリーレン。なぜか、ゼーリエもその場に集まっていた。
F「なんでいるの?これから、この子の名前を決めるんだけど」
ゼ「知っている。ここに三つのサイコロを同時に投げた際、絶対4と5と6を出す民間魔法がある。足りないか…親の時に必ず天和がでる民間魔法も付けてやる、卑しい奴め、トランプが透けて見える民間魔法も付けてやる」
ボ「二人ともネーミングセンスはないから、駄目です」