普通(人間パラメータMAX)な人間とあべこべな幻想郷 作:苺豆大福
「………う……ん…」
重い瞼を薄っすらと開ける。長い間閉じていた瞳には、小さな灯りでさえ眩しく感じる、どうやら自分は何処かに運ばれているみたいだ。運んでいるのは咲夜か小悪魔のどちらか……すると近くから小悪魔の声が聞こえてきたので、運んでいるのは咲夜か。それに抱かれている感じからお姫様抱っこ、こちらに負担にならない様にしてくれているのだろう
(咲夜ったら…いつもなら背中に背負って運ぶのに……)
珍しいと考えていると、段々と意識もはっきりとしてくる。咲夜だと思っていた人物、彼女にしては身長が高く、身体も柔らかいと言うより固いしがっしりしている……まるで男の人に抱えられているみたいだ……
(…まぁ、抱かれた事なんて無し、ここに男なんて来ないわよ…)
そんな事を考えながらも、自分を運んでいる人物を見てみると
(………は?)
自分の目を疑った…男が…それもかなりの美形の男が自分を運んでいた。かなり身体が密着している為、彼の体温と匂いを感じてしまう。
(これは……夢?そうよ…夢よ!……夢なら…)
もう一度目を閉じ、彼の胸元に顔を寄せる。これは夢……夢なのだからこれくらい許されるだろう……
(パチュリーの野郎……ありゃ寝たフリだな?)
一方、後を付いてきた魔理沙、その様子を離れた所で見ていて、寝たフリをしているパチュリーに気付いた様子。見失わない様に気をつけながら尾行を再開しようとした時、背後から肩を叩かれて振り返るとそこには咲夜がいた
「やっぱりいた……またパチュリー様の本を盗んだんですか?」
「盗んでないぜ?私はただ死ぬまで借りているだけだ。ってそんな事どうでもいい…どうして紅魔館に男がいるんだよ?‥‥まさか、何処からか拉致って来たのか?!」
「人聞きの悪い事言わないでよ……歩きながら説明するから着いてらっしゃい」
これまでの経緯を順を追って魔理沙に説明する、無論先日の頭ポンポン事件も話そうか悩んだが辞めておこう……何故か知らないが話してはいけない、話せば面倒事になる、そう思ったからだ
「つまり……あれか?アイツは私達の事を……か、可愛いとか綺麗とか……思ってるのか?」
「そう言う事。じゃなきゃ、ここに働きに来る訳ないでしょ?」
信じられない…そんな顔を浮かべる魔理沙。分かるわ、私もそう思ったから…と共感する咲夜。話しているうちにパチュリーの寝室に着く、ドアをノックして中に入る。そこには濡れタオルでパチュリーの首元を拭く透、顔を真っ赤にしながら寝たフリをしているパチュリー、それをガン見し鼻息を荒げ手元のスケッチブックに透をスケッチしている小悪魔。描いているスケッチは……見ない方がいいだろう……かなりアブないスケッチだ
「透様……後は私が……」
「あっ…咲夜さん。分かりました、お願いします。後厨房借りても良いですか?妖精達にご褒美のクッキーを焼かないと」
「ええ、大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」と笑顔で伝え、部屋を後にする透。足音が遠ざかるのを確認し、寝たフリをしているパチュリーに声を掛ける
「……もう大丈夫ですよ、パチュリー様」
「はっ!……はぁ…はぁ………さ、咲夜!か…かかか彼…一体何……何処から連れ去ってきたの?!」
「パチュリー様もですか……落ち着いて下さい。1から説明しますから……」
〜メイド説明中〜
「そ……そう、そう言う事ね……完全に理解したわ」
「(本当に分かっているのかしら?)それでは私はこれで…何かありましたらお呼び下さい」
そう言い残し、部屋を後にする咲夜。すると魔理沙がパチュリーに詰め寄ってくる
「そ……それで!どうだったんだよ!」
「どうって……何が……」
「焦ったいな!男にお姫様抱っこされて、しまいには看病まで!ど……どうだった?」
「……まるで麻薬よ…彼の匂い、ずっと嗅いでると段々気持ちがフワフワしてきて…まるで夢の中。でも濡れタオルの冷たさで引き戻されるの。これは現実なんだって…それと…彼の指先…とっても気持ち良かった…あのままだったら私…」
「そ……そんなに…」
パチュリーの体験を聞き、顔が真っ赤になる魔理沙。すると、一心不乱にスケッチを描いていた小悪魔がより一層、描くスピードが上がっていく
そんな当の本人はと言うと
「〜〜〜♪」
呑気に鼻歌を歌いながら厨房へ向かっていた、そんな彼の後ろを着いていく人影が一人
「…………」
フランちゃんの吸血シーンやその他
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書いて?……書け!
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そこに原稿があるじゃぁないか?書け