1話目、ノリで書いたんで短めです。
ヒロインについては、ヤオモモ固定で行こうと思っています。
新門という家系は、超常黎明期以前は火之迦具土大神を祭る「秋葉山本宮秋葉神社」の宮司を務めてきた古い名家だった。
一族の血を引くものは漏れなく炎熱系個性を発現しており、黎明期以降は代々優秀なヒーローを排出していて今も昔も名家として知られる一族。
そんな一族の中でも傑出した才能の持ち主として持て囃されていた男がいた。
──最高峰の『発火』個性。
──最高峰の『熱操作』個性。
その2つの複合型個性『煉合』を有する男、それが新門紅丸。
これは新門紅丸が最強のヒーローになるまでの物語。
◆
「おっ! 紅ちゃん、今日は雄英の推薦入試なんだって? ほら、コレ持ってきな!」
「…いつも言ってんだろ、余計な気遣いはいいってよ」
「いいから、いいから!」
「……ありがとな」
八百屋の店主から渡された林檎を受け取る。紅丸は軽く頭を下げ、さっそく林檎にかぶりついた。小気味の良い音を響かせながら咀嚼して味わうと、その美味さに思わず目を細める。
「あぁっ!やっと見つけましたわ、紅丸さん!」
紅丸が林檎を食べていると、背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。振り返ると、そこにはセーラー服を着た少女が立っている。彼女は紅丸を見つけると嬉しそうに駆け寄ってくる。
黒髪をポニーテールにした美しい気品を感じさせる美しい少女。彼女の名前は八百万百。個性は創造…自身の肉体からあらゆる無生物を造り出すことができる。
有名な資産家である八百万家の息女であり、そばに居る新門紅丸とは幼馴染にして許嫁である……。共に古い名家の家柄で交流があり、お互い仲の良い両親が許嫁として取り決めを行ったのだ。
「おう、百」
「もう! 今日は雄英の推薦入試日だって言ってましたわよね? そんな大事な日にどうして商店街にいるんですの!?」
「悪ぃな。ちょっと用事があってよ」
紅丸は悪びれた様子もなく答えると、八百屋の店主に軽く頭を下げて、八百万と一緒に歩き出した。彼女は頬を膨らませながらも隣を歩く紅丸を見て微笑む。その笑顔は美しく可憐で、見る者全てを魅了するようだった。しかし、紅丸はそんな彼女の笑顔を見ても表情を変えない。
「…百」
「なんですの?」
「お前、また胸がでかくなってねェか?」
「……ッ!?!?」
突然の言葉に八百万は動揺する。しかし、そこは流石と言うべきかすぐに冷静さを取り戻して咳払いをする。そしてジト目で紅丸を睨んだ。
「もう! そんなんだからデリカシーがないと言われるのですわ!!」
「別に興味ねェよ」
「だったら、なんでそんなこと言うんですの!?」
「そりゃ……デケェと目のやり場に困るだろ」
紅丸は真顔で答える。八百万は顔を真っ赤にしながら叫んだ。
「私は別に困りませんわ!!」
そんなやり取りをしながら二人は歩いていく。そして商店街を抜けたところで八百万が立ち止まって振り向いた。その表情は真剣そのもので、紅丸も思わず足を止める。
「紅丸さん、今日は大事な日ですわよね?」
「……ああ」
「でしたら、こんな所で油を売ってないで早く行きますわよ!」
そう言って八百万は背を向けて歩き出す。その後ろ姿を見つめながら紅丸は呟いた。
「……あァ、そうだな」
紅丸は八百万の後を追って歩き出す。目指す場所は同じ、雄英高校ヒーロー科だ。
◆
『今日は俺のライヴにようこそー!!ヘイ、エヴィバディセイヘイ!!』
「う、耳が痛いですわ」
「るっせぇ、テンション高ェな……」
試験会場となる施設の前で二人は思わず呟いた。
『ボイスヒーロー』プレゼント・マイク。プロヒーローにして雄英の教師でもある彼は、テンション高く受験生に語りかける。しかし、それが逆に緊張を煽っている気がしてならない二人であった。
だが、そんなことを気にする素振りも見せずに紅丸は欠伸をしているし、八百万は耳を押さえながらも冷静な表情をしていている。
推薦入試の試験内容は簡単、障害物などもあるコースで競い合うレース。最も早い6名が合格となる。
「それでは、スタートォ!!」
ヤオモモってダメ男製造機っぽさを感じてしまうんだよなあ……