新門紅丸のヒーローアカデミア   作:キノピオ隊長

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紅ちゃんのコスチュームは江戸時代の火消しのような格好、要は原作(炎炎)通りの格好でいきます。

──クラス最高峰の激突……



『戦闘訓練 “1-A最強”』

 

 

「わーたーしーがー! 普通にドアから来たァ!」

 

入学二日目、午前中はプレゼント・マイクが担当する英語などの通常科目を終えた1-Aの生徒達は、ヒーロー科の生徒のみが受けることができるヒーローについて学ぶ授業を受ける。

 

【ヒーロー基礎学】

それはプロヒーローである教師たちから直接指導を受けることができるという貴重な時間であり、生徒たちは皆一様に真剣な表情を浮かべている。そんな中、教壇に立つオールマイトが口を開く。

 

「じゃあ、そろそろ始めようか有精卵共!! 戦闘訓練のお時間だ!!!」

 

(戦闘訓練か……普通の授業よか、おもしれェな)

 

 

 

 

 

 

 

(耐火性に最大限特化したコスチューム……悪くねェ)

 

各々が申請していたコスチュームに着替えて、これから行われるであろう授業への期待感が否応なしに高まるのを感じた。

 

そして、そんな生徒の様子を見たオールマイトは満足そうな表情を浮かべると説明を続けるのだった。

 

「HAHAHA!! 今回は屋内で2対2で行うペア戦を行ってもらう」

 

「基礎訓練もなしに?」

 

「その基礎を知るための実践さ!ただし、相手がブッ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」

 

その言葉に疑問を覚えた生徒が質問をするが、それに対し答えを返す。その内容を聞いて、全員が納得すると同時に再び緊張感が走ったような表情になった。

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ブッとばしてもいいんスか」

「相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」

「チームとはどういう風に別けるのでしょうか!?」

 

(………うるせェ)

 

「んん~聖徳太子ィ!」

 

そんな彼らの様子を楽しそうに眺めながら、オールマイトは答える。

 

「状況設定は敵がアジトに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理しようとしている!ヒーローは制限時間内に敵を捕まえるか、核兵器を回収すること。敵は制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえること。コンビ及び対戦相手はクジで決めよう!」

 

そう言って、どこから取り出したのか巨大な箱を取り出してみせるオールマイト。その中には数十本の棒が入っていた。

 

「適当なのですか!?」

 

「……プロになりァ、知らねェヒーローとその場で組むこともあんだろ」

 

「そうか!先を見据えた計らい……失礼致しました!」

 

飯田は思わずといった様子で声を上げる。それに対して、呆れたような表情で返す紅丸だったが、そんな彼の言葉に納得した様子を見せる飯田だった。

 

そして、そのままの流れでくじ引きが行われ、結果は以下の通りとなった。

 

Aチーム:緑谷・麗日

Bチーム:轟・障子

Cチーム:八百万・峰田

Dチーム:飯田・爆豪

Eチーム:青山・芦戸

Fチーム:尾白・口田

Gチーム:耳郎・上鳴

Hチーム:蛙吹・常闇

Iチーム:新門・葉隠

Jチーム:切島・瀬呂

 

 

 

 

 

「私、葉隠透!よろしくね!」

 

「おう……新門紅丸だ」

 

握手を求めてくる葉隠に対して、ぶっきらぼうな態度で対応をする紅丸。そんな態度に気を悪くすることもなく彼女は穏やかな雰囲気のまま隣にいた。

 

「それでは最初の対戦は彼らだ!!」

 

モニターに映ったのA/Dチームの4人である。Aチームはビルの外で、Dチームは核の模型を持ち、ビル内で待機していた。

 

『屋内対人戦闘訓練スタート!!』

 

 

 

 

 

結果だけ言えば勝ったのは緑谷達のAチームだが……。

 

(真剣なのは悪くねェ……が、“訓練”っていう前提のあまえ有りきの勝ちだな)

 

簡潔に言えば、緑谷と爆豪の一体一の間に飯田と麗日の方で決着が着いた形だ。だが、核に対する安全などを度外視した戦法を用いての勝利である。

 

「まァ、根性はあるな……」

 

ポツリと呟くと思考を中断させるのだった。今はそれよりも優先すべきことがあるのだから……自分の出番である。

 

──B 轟&障子 VS I 新門&葉隠

 

 

 

 

 

 

 

「1番上でいいの? 核を中に隠した方が良くない?」

 

「ひらけた場所の方が、個性を使いやすだろ……作戦だのゴタゴタ考えるなんざ面倒くせェ、真っ向から叩き潰すぞ」

 

「おお!! カッコイイね!」

 

ビルの最上階。そこにハリボテの核は置いてあった。防衛側のヴィラン役の紅丸と葉隠は、そこで待機していたのだが……。

 

「葉隠……コスチュームだけは透明なのか? 手袋とブーツも透明にすればいいじゃねェか」 

 

「ん?……あ、えっとね!私のコスチュームはこの手袋とブーツだけ。後は全部脱いだの!」

 

「脱いだ?……あァ、変態…いや露出狂ってやつか」

 

「違うよ!?透明人間なんだから見えない方がいいでしょ!?」

 

「まァ、裸の方が涼しいかもな」

 

「そういうことじゃないからね!?……まったく、もう」

 

葉隠は手袋とブーツすら脱ぎ、完全に透明となり戦闘準備を整えた。

 

「………全裸じゃねェか」

 

「だからデリカシーないって! もう知らないよ?!」

 

プンスカ怒りながらそう言う葉隠の姿は完全に消えている。ともあれ、準備は整った……あとは時間になるのを待つだけだ。

 

──『訓練開始』

 

 

 

 

 

 

障子は轟共にビルの中に入り、早速索敵を始める。耳を複製し、細かく情報収集しようとするがヴィラン側に大きな動きはなく、障子も大まかな位置しか掴めなかった。

 

「殆ど動きがない……どうやら屋上で待ち構えているようだ」

 

(強力な炎熱系個性……アイツにだけは、負けられねえ)

 

「……どうする?」

 

「俺に任せろ……」

 

轟の言葉に障子は少し驚いたような顔をした後、「わかった」と言って先を譲るように道を譲った。

 

そして、焦凍はビルの壁に触れて個性を発動した。

 

──ビルが一瞬で凍り付いた……。

 

 

 

その光景に、モニターで見ていた者達も驚きを隠せなかった。

 

「なんて事だ……仲間、核、建物も傷付けずに制圧するとは。これならば敵も弱体化できる!」

「爆豪も大概だったけど! こっちはもっとヤベー!」

「……ッ!!」

「推薦組同士の戦いだから見物だと思ったけど、これじゃ勝負になんねぇんじゃ……」

 

ビルを丸ごと凍らせた。その光景はあまりに衝撃的過ぎて、見ている者達は轟達の勝利を疑わなかった。

 

───オールマイトと一部の生徒を除けば……

 

「皆さん、お忘れですの?……紅丸さんは火の申し子ですわ」

 

 

「……確かにそうだわ」

「じゃあもしかして──」

「そうだ、この氷結地獄からも脱出してるかもしれねェ!」

 

 

 

 

 

 

「おい……葉隠、無事か?」

 

「ごめんね……ちょっと動けないかも」

 

(首元まで氷結された、全力で来たか? まァ、1人でもやることは変わんねェ……)

 

ビル全体を凍結させて一気に終わらせようとした轟だったが、そう上手くはいかなかった。

 

紅丸は即座に自身と周りの氷を熱で溶かしていた……しかし、完全に無事という訳でも無い。葉隠は既に服を脱いでいたので、全裸で凍りつかされていたため全身びしょ濡れで、凍え震えており……戦闘できる状態じゃない。

 

バサリッと、紅丸は葉隠に上着を被せる。寒さに震える彼女を安心させる為に頭を撫でながら、彼は告げる。

 

「……咄嗟に助けれなくて悪ィな、後は任せろ」

 

「えっ……あ、ありがと」

 

その言葉を聞いた葉隠は頬を赤く染めて、礼を言った。それに対して紅丸は無言で頷くと、そのまま立ち上がり階段と繋がる扉を見据える。

 

___ガチャ……

 

「……堂々と待ち構えているなんて、余裕だな」

 

「てめェらこそ、真正面から来るなんて余裕じゃねェか……あァ?」

 

扉を開いて現れたのは、轟&障子の2人。それを見て、ニヤリと笑う紅丸に対して、轟は苛立たしげに表情を歪めていた。

 

そして次の瞬間──

 

『ッ!!!』

 

轟の右側から冷気が漂い始めると同時に、紅丸から火炎が発せられ始めたのだ。そして……火炎と氷結が衝突した。

 

「くっ……!」

 

それを見た障子が、すぐさま複製腕を使って自身の身体をガードする。これにより攻撃は防がれるが……同時に、大量の水蒸気が発生して視界が遮られてしまう。

 

(マズイ!!)

 

視界不良の中で攻撃される可能性を危惧した障子は、すぐにその場から飛び退こうとするが……遅かった。

 

『居合手刀 伍ノ型 “仄日”』

 

瞬時に距離を詰めた紅丸による、袈裟斬りのように腕を振り下ろす一撃は、障子を傷つけることなく意識だけを刈り取った。

 

「なっ!? クソッ、速えな……!」

(個性を使い慣れてやがる!)

 

 

目の前で起きた出来事に動揺を隠せない轟だが、そんな彼に容赦なく炎が襲いかかる。

 

『居合手刀 壱ノ型 “火月”』

 

横薙ぎの鋭い一撃と纏う火炎……咄嵯に回避するが、避けきれなかった部分は焼け焦げてしまっていた。

 

それでも怯むことなく反撃に出る轟だったが、紅丸は手を交差させ眩い光を放つ。

 

『居合手刀 弐ノ型 “月光”』

 

(ッ!! 視界を奪われた!)

 

「悪くねェが、まだまだだ……出直しな」

 

視界を奪われた轟は思わず、一瞬立ちどまる……その隙を逃さず、瞬時に背後に回った紅丸の手刀が首に決まる。そして、轟はそのまま気絶してしまった。

 

その様子を見ていた観客たちは驚愕していた。まさかここまで一方的な戦いになるとは思ってもいなかった。

 

紅丸は終始、核に火がいかないように気を回しながら戦い圧倒した。その結果、轟と障子は倒れ伏し、勝者である紅丸は完全無傷で立っていたがその表情は決して満足している様子ではなかった。

 

「チッ……」

(女をびしょ濡れにしちまった……情ねェ)

 

小さく舌打ちをした彼は、そのまま踵を返し葉隠の元へ歩み寄っていた。そんな彼の姿を見た観客たちは、静かに呟いた。

 

 

 

「さすが、新門……漢だぜ!」

「ケロ、相性以前の差があったわね」

「えぇー、才能マンにも程があんだろ」

「……ッ! こんなに、差があんのかよ……クソがっ!!」

 

「やはり……強いね、新門少年」

 

誰もが認める強さだった。圧倒的なまでの力の差を見せつけられた彼らはただ、そう呟くことしかできなかった。

 

 

そんな中、八百万だけは違った反応を見せていた。まるで蕩けたような表情をして、うっとりと彼を見つめていたのだ。

 

(一族相伝の居合手刀。纏い、舞う、火炎……やっぱり、美しいですわ)

 

そんな八百万の様子に気づいた芦戸は彼女の肩を揺さぶりながら声を掛けた。

 

「ヤオモモ大丈夫!? 顔真っ赤だよ!」

 

「へぁっ!?」

 

突然のことに変な声を上げてしまった彼女は慌てて口元に手を当てると顔を真っ赤に染め上げていた。そんな様子を見た女子陣がニヤニヤと笑いながら彼女に問いかける。

 

「あれれ~、もしかしてヤオモモってば!」

 

「そういえば昨日も2人1緒に帰ってたような……」

 

「ち、違いますわっ!! これはそういうのではなくてですね!」

 

必死に否定しようとする八百万だったが、それが逆に怪しく見えてしまい余計に彼女たちを囃し立てる結果となってしまった。

 

 

(た、助けてくださいまし!! 紅丸さん!)

 

 

 

 

 

 






葉隠ちゃんは、ヒロインでは無いんですが……、俺の中の紅ちゃんが勝手に……ヤオモモ一筋!!

次回『委員長』──“穏やかな日常……予兆”
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