異世壊の荒武者と御珠の狐御巫   作:難燃性揮発ガソリン

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やっと書けたので初投稿です。ブランクとスランプで悩みながら書いて確認は何回かしましたが、こうしたほうがいいんじゃないかというのはどしどし送ってください。


肆丿譚 クシャトリラ・セイヴァー

ニワトリの霊獣がケイと名付けられたその翌日。

ケイについて調べたものをまとめていた。

 

まずは少量ではあるもののを火を吹ける点。色は普通の炎の色をしており、とても攻撃に使える火力ではない。まぁ火打ち石で焚き火や囲炉裏に着火するよりは遥かに楽でその点では助かるが。

 

次に思ったよりも頭がいい。俺やフゥリの言葉を理解している上に指示も聞くという鳥にしてはかなりの知能があることがわかった。フゥリが「どっちの手に小石がはいってるでしょーか!」というのを何回か行った結果ほぼ全て当てたので思わず感心してしまうくらいには。

 

それとフゥリがいろいろ調べてきたのだが、やはりケイに関する情報や資料は一切なかったらしい。仮に炎の鳥の霊獣で調べても今度は該当する項目が多すぎる上に鶏の霊獣自体は珍しいものではないため、これだという同定はできないとのことだ。あんまり期待してなかったがここまでとはな・・・。

 

ついでの話なのだがコイツが封印されていた神社に向かったところ焼け跡を地面に残して跡形もなく消えていた。あの神社が封印そのものだとした場合、完全に解放されたと考えていいだろう。

 

・・・下手したら意図せず俺がこの世界を滅ぼした事になりそうだ。

 

厄介事を抱え込んだと思いつつも太陽はそろそろ頂点に登ろうとしているのを確認する。今日、フゥリは一日修練らしく来ることがない。魚を焼くのをケイに見てもらいつつ俺は小屋の道具を確認することにした。

 

斧、鉈などの作業道具や何に使うかわからん道具を整理(流石に捨てるのはフゥリがキレる)していると錆びついた刀を見つけた。ふむ、フゥリの祖父は刀も使えたのだろうか。最早鈍らをとうに過ぎたそれをフゥリにも見せてやろうと思い片付ける。

次に弦の切れた弓を見つけた。恐らく狩りで使っていたのはこっちなのだろう。そういえばこの手の、遠距離から仕留める武装は使ったことがなかったと思う。もし機会があれば覚えてみるのも面白いかもしれん。

あとは大型の荷車を見つけた。他と比べると手入れされた跡があり、薪を積んで運ぶのに使っていたのだろう・・・そのうち薪を作らねばならんだろう、燃料は無限にあるわけではないのだからな。

 

やはりフゥリ以外の人間、特に経験が豊かな奴から教えを請う必要がある。だがフゥリのいる里に行くのは確実に問題になるのはフゥリから聞いているため、それなりの大きさの集落と関係を持てれば良いのだが余所者がいきなり教えを請うても不審にしか思われないだろう。

 

「コケーーー!!」

 

うるさい声が響き渡る。完全に魚を焼いていたことを忘れるくらいには時間が経っていた。

 

・・・なぜだ、なぜコイツが焼いていたモノはキッチリ焼けているんだ、解せん。

 

 

 

 

 

 

 

それからは少し森を歩く事にした。

食料や興味を持てそうなものを探すことは建前で、いつまでも小屋にいるのは身体が鈍りそうというのが理由だ。妖怪という害を加えてくる奴らにでも会えれば多少はストレス発散にでもなるやもしれん。

ケイも着いてきているが危険を感じない限り騒ぐなと言ってあるのでかなり静かに着いてきている、キサマ本当に鳥なのか?

 

 

「・・・?、コケッ!」

 

「ぬ?」

 

するとケイがある物を見つけた。

ボロボロの布に包まれていたであろう茸や木の実、それが潰されて散乱しているものを。

 

「ぬ・・・潰されていること以外は状態がいい」

 

茸も木の実も時間経過による劣化をほぼしておらず、放置されていたというわけでもない。

 

「ケイ、なにかあれば直ぐに知らせろ。何が起こるかわからんぞ」

 

脳を嘗ての侵略行動の時と同じような戦闘思考に切りかえる。辺りの異常はないかを確認するととある方向の草や木立がなぎ倒されていた。恐らく、向こうだ。

 

 

 

 

 

男は走る、後ろからの圧迫感から逃れる為に。

事の始まりは集落で一番の狩人の兄が床に伏せり、どうにか食料を集めようと決意したことか。

ああ、畜生。こんなことなら大人しく畑の世話でもしてりゃ良かったか。

そう後悔するにはあまりにも遅すぎた。いくら兄が病に倒れてても、身の丈に合わないことをするものではないと。

 

後ろから追うモノは普段は見かけることのない巨躯の猪。

兄が普段入らない場所に潜んでいた化物のような獣。

 

どうやら奴の縄張りの餌を男は回収してしまい、それを見られたことで怒りを買ったのだ。

 

猪が更に猛烈な勢いで突撃をしてくる。

男はなんとか横っ飛びでギリギリ躱すものの起き上がり、走り出すまでに反転してきた猪に轢かれる。

 

「グゾッ、ぢぐじょう・・・」

 

それでも諦めずに立ち上がろうとする、こんな森の奥で誰も助けに来るわけがないからだ。

 

しかし、現実は非常である。猪は既に男に向かって走り出していた。もう、間に合わない。

男は叶わないとわかっていても、それでも叫ばずにはいられなかった。

 

「誰か・・・誰か助けてくれぇええええ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オオオオオオオオッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間

 

男の前にいたのは

 

巨大な獣ではなく

 

鬼のような武人であった。

 

 

 

 

「ブギィイイイイ!!」

 

なんとか、間に合ったようだ。

間一髪、獣を殴り飛ばすことができたものの殴った左腕に痛みが軽く走り、手応えも薄い。あの頃であればこれであの程度の獣の頭などありえぬ方向に曲がったのだが。

 

「コケッ!コケッ!」

 

「ひ、ヒィッ、な、なんなんだ・・・アンタ・・・」

 

「動けるのならばサッサと立て、そこの鶏と隠れていろ」

 

「え、あ?」

 

「早くしろ、さもなくばキサマの命の保証はせんぞ?」

 

「は、はィイ!!」

 

やっと邪魔者が消えたので吹き飛ばした獣を見据える。

頬がへこんでいるのを見るに頰骨が砕けており、そうなった元凶の俺を憎々しげに睨みつけてきた。

 

ああ

 

懐かしい感覚だ。

 

こう、殺意を向けられるのは。

 

流石に恐怖に支配された獣ほどではないが、油断はせん。手負いの獲物が非常に厄介なのは不本意ながら知っているからだ。ましてや全力が出せん、本気でやらせてもらうぞ。

 

ヤツが突撃してくる、知性もない突進ではあるがその速さと力はまさに暴力と言ってもいいだろう。

 

 

 

そういえばコイツの肉は食えるのか?食えるのならば綺麗に仕留めるのもありか。

 

軽く避けながら狙いを決める。再び突進してきたところを最小限の動きで躱す。そして斧を片手で振り下ろす、狙いは一太刀で致命傷となる『首』―――!

 

 

「大人しく死ね」

 

 

 

隠れていた男は先程まで自分の命を奪おうとしていた化物のような猪の、頭部が刎ね飛ばされるのを見て確信する。

 

「逆らったら殺される・・・」

 

 

 

 

流石に斧の手入れはしていたとはいえあの頃の切れ味は意外と維持出来るものなのだなと思う。見た限りなかなかの分厚さを持つ毛皮すらも抵抗なく切ることができた。

 

・・・これ危険だな

 

この世界においては明らかにおかしい切れ味をしている事に気づいたので後でなにか刃を覆う物を工面したほうがいいだろう。

 

「おい、出てきていいぞ」

 

「コケッ!コケッ!」

 

「・・・」

 

「キサマに聞きたいことがある、コイツは食えるのか?」

 

「はえ!?えっ、と。あ、あぁ。しっかり血抜きすれば良い馳走になるけどよ・・・」

 

「キサマはコイツをバラせるのか?」

 

「お、俺には無理だあんちゃん。どうしてもっつうなら集落まで持ってかにゃ・・・」

 

「ならば血抜きとやらは出来るか」

 

「・・・ま、まってくれ」

 

「なんだ」

 

「す、すまねぇ。差し出がましい話なのはわかってる。けど頼む!コイツのいくらかを俺にゆずってくれねぇか!?」

 

ふむ、綺麗な解体が出来るのならばくれてや・・・しまった、よくよく考えれば生肉だと保存がきかんな・・・。ケイもなんとなく察したのか俺の顔を覗き込んでくる。

 

「・・・ぬ、そういえば。忘れてたな」

 

「・・・?」

 

「いいだろう。ただし、コイツの解体を請け負ってくれるならばな。必要であれば皮もくれてやる」

 

「な!?は!?い、いいのか!?」

 

「コケッ!コケッ!」

 

「やってくれるか無理かだけで答えろ」

 

「あ、あぁ!頼む!」

 

 

 

 

 

話を請け負った男は手慣れてるわけではないが堅実に血抜きを行い、今は沢で血を洗い流していた。

最初は意気揚々とやってくれていたが、途中から俺のことをチラチラと少し怯えるような目で見てくる。

 

やはりあの獣の首を一太刀はやはり異常のようだ。対応はしてくれるものの、恐怖で若干挙動不審だ。

最初は肉が貰えるということで喜びに舞い上がってたがどうやら冷静になると俺が怖くなったらしい。

 

恐れられるのは慣れてはいる、戦いにおいては手加減するつもりは無い。

 

かといってそれがこの世界では良くないのも事実だ、力だけで全てを解決できない。ああいう沢に浸されてる獣や化物が相手でない限りは。

しかし結構沢が血で赤くなるものだな・・・。

 

今度からは水はもう少し源流の方で汲むとしよう、上流でこれをやられていたのでは目も当てられん。

とにかく会話からしてみるか

 

「集落はここから近いのか」

 

「え、あ、そうだな。そっちに森を抜ければ、ある」

 

「・・・俺に、恐怖を覚えるか」

 

「・・・は?」

 

わかってはいる、わかってはいるのだ。少なくともヴィサス=スタフロストとほぼ同じ顔をしているとはいえ、俺は常に怒りを滲ませた顔をしていたことなどとうに理解しているつもりだ。むしろフゥリが普通に話しかけてくる事自体がおかしいのだとな。やはりアイツ、なにかズレている気がするぞ。

ともかく、既にそういう存在なのだと俺は認識しているから今更性格など直せるわけもなく、直すつもりなどない。

 

・・・存在を定義されたとしても、生来の性根や過去が変わるわけではないのだ。たとえその因果から切り離されたとしても。

 

「・・・すまねぇ、あんちゃんが命の恩人なのはわかっているし感謝してもしきれねぇくらいなんだ。だけどあの大きさの猪の首をちょん切れると思うと、あんちゃんが怖いと思っちまうんだ・・・」

 

「それは、正しいことだ。当たり前の話だ」

 

「本当に、すまねぇ・・・」

 

「強いて、言うならば」

 

「え?」

 

「お前が妙な真似さえしなければ俺は何もしない。それだけは、約束する」

 

こうなった以上、言葉では信用しきれぬだろう。ならばこれからの行動でなんとかするほか無い。

それが、俺がこの世界で他者と関わりながら生きるために必要なことだから。

 

「あんちゃんが、悪い奴じゃないのはわかっているつもりだよ」

 

「ぬ?」

 

「本当に悪い奴だったら集落の場所がわかった瞬間、オレの首を飛ばすだろうさ」

 

「・・・これからするやもしれんぞ?」

 

「・・・そう言う時点で、そんな気はないだろ。あんちゃん」

 

「確かにな」

 

それから軽く日が山に沈みかけた頃、俺たちは集落にたどり着いた。

 

 

 

 

陸之助が朝に山に向かい、既に空が赤く染まる刻になろうとも帰って来る気配がないことに集落は落ち着きがなくなってしまっていた。

少なくとも兄のように腕っぷしも度胸もそれほどない陸之助が山に行くのはともかく、妖怪や気性の荒い獣に鉢合わせればひとたまりもない。探しに行こうにも直ぐに夜の闇に覆われる為、行けない状況であった。

 

「ハァ・・・ハァ・・・陸之助が戻って来ないのは俺が長い間、床に、伏せてるか、らだ。俺が見つけ、てくる」

 

「駄目に決まっているじゃないか!アンタまで、私の・・・親の前からいなくなっちまうのかい!?」

 

「信五、本当にすいません。やはり私達で止めていればよかった・・・」

 

母親の静止をも振り切って陸之助が向かうと決意しなければならないほどに集落の状態はよろしくない。今まではなんとか維持できていたのだが、前に妖怪が集落に入り込み備蓄していた食料をあらかた喰らってしまっていたのだ。

次代の御珠の御巫候補生の父親。東奔西走しながら妖怪を祓う退魔師が退治してくれ、少しだけではあるが支援をしてくれた。

しかし御珠の宗家に目をつけられ、支援の差し止めを受けてしまった。退魔師は憔悴した顔でこれ以上の支援は出来ない、本当に申しわけない。と自分より位の低い我らに土下座を行ったのだ。

 

「源治、あのの退魔師様を恨めないよ。むしろ感謝してもしたりないくらいだよ」

 

しかし畑の実りまではまだ少し早く、どうにか信五や釣師の働きでなんとか食いつないでいた。

そしてとうとう過労により信五は病に倒れ、釣師も近くの大きい河川から多くの魚が移動してしまい、不漁となることが日常となっていた。

 

「このままでは私たちは良いですが子供たちが飢えてしまいます。しかし陸之助も集落の一員、無事を祈りましょう・・・」

 

「陸之助、アンタだけでもいいから帰ってきておくれよ・・・」

 

 

その瞬間、外がやけに騒がしくなる。ちょっとした悲鳴すらも聞こえてくる始末だ。

 

そしてかろうじて聞き取れた声が。

 

「なんだこりゃああああ!!?」

 

「陸之助!?なんだいそのデカいのと顔がいい男は!?」

 

「この鶏うるせぇ!!」

 

 

どうやら神様は陸之助を見放していなかったらしい。彼の母親も、彼を信頼している長も、最も罪悪感を覚えていた兄すらも。その声が聞こえた瞬間外に飛び出した。

 

「あ〜・・・その、遅くなって本当にすまない、これには深い訳がな・・・」

 

「この馬鹿息子!!だからあれほど行くなと言ったじゃないかい!!」

 

「陸之助!無事に戻ってこれたのですね!」

 

「はは・・・本当によかった・・・」

 

「悪かった!悪かったから説教は勘弁してくれ〜!!」

 

 

 

その様子を見ていた赤い武人は思う。

 

「・・・そうか、これが。俺には無かったものか」

 

朱い空に輝いた一番星、それを見上げながら武人は羨望した。

 

 

 

 

「話は大体わかりました、ライズハート殿。陸之助が迷惑かけて本当に申しわけない。そして命を救ってもらい本当にありがとうございます」

 

「たまたまソイツの運が良かっただけだ、気にするな。もともとはケイ・・・この鶏が見つけたのだからな」

 

今までのことを話し、アイツ・・・陸之助の事情も把握できた今。俺は陸之助と陸之助の母親、そしてこの集落のまとめ役の男、『源治』と対談していた。

 

「しかしライズハート殿、貴方はいったい何処からやってきたんです?この辺りでは見ない意匠の鎧ですし、あの猪を無駄な傷をつけること無く仕留め、なおかつ鶏の姿の霊獣をつれているとは・・・」

 

「・・・遠くから旅をしていてとある縁のもと、近くの山に居着いている者だ。コイツは、何故か気に入られたようでな」

 

若干の嘘を混ぜつつ話す。本当のことを話しても普通信じてもらえるわけがない。

恐らく俺のことを見極めているのだろう。ここの集団の長として、力についてはあの死体でバレてしまっているからな。

 

「・・・安心してください、貴方が何を考えているかはなんとなくわかります。その気なら既にこんなところなぞ既に血で赤く染まっていることでしょう」

 

「ハァ・・・俺の口から言うのもあれだが、そんなつもりは一切ない。俺はただアイツから肉を少し貰えればいいだけだ。大部分の肉や皮、骨なぞくれてやる」

 

最初はこれだけ肉があれば持つだろうと踏んでいたのだが、よくよく考えずとも保存手段が無いことに血抜きをしているときに気づいた。

あそこで陸之助が交渉してこなければフゥリから借りている小屋が地獄と化していただろうな。流石にそれは不味いどころか見捨てられても文句は言えん。

冷蔵・冷凍なぞ望めるものではないし、乾燥や燻製においてもそのノウハウを持っていないからだ。

なれば腐らせるよりかは誰かの胃に収めた方が良いと判断した。

皮や骨は単純に活かすための知識もないため押し付けたとも言えるが。

 

「ありがたい限りですが・・・なるほど、わかりましたこちらで多少の保存が効くようにしておきます。それならばライズハート殿にも都合が良いのでは?」

 

「ぬ、出来るのか?」

 

「はい、と言いましても乾燥することになるので時間がかかりますが・・・」

 

「確実に貰えるのならばそれで良い」

 

なんとか肉については纏まりそうだ。ある程度保存できるようになりそうな点に関しては良い想定外と言ったところか。

だが・・・御珠の宗家が支援の差し押さえだと?御珠はフゥリの居るところだったが・・・軽く話を聞いてるだけでも妙な胡散臭さを感じる。

 

「ところで・・・御珠の家というのはどういうところなのだ?」

 

「そうですね・・・先代までは良かったのですが、今代に変わってから評判は落ちましたね」

 

「そうだねぇ、最近また御鏡のところに突っかかっていたらしいよ。御鏡が外の国から文化を取り入れるのは・・・まぁ元々あった文化も尊重してるし別にいいと思うけどねぇ」

 

「おっかぁ、あんまり下手に口に出さない方がいいぜ?どこに間者がいるかおっかねぇんだよ」

 

「陸之助・・・そうだね、どこで聞き耳たてられてるかわかりゃしないよ」

 

案の定評判はよろしくないようだ。これは確かにフゥリが俺を御珠の集落に呼びたくないと言うわけだ。

 

「ですが御珠には今代で最も力のある御巫の候補生がいますからな、その子には期待しているんですよ」

 

「そうだねぇ、あの子はきっと神降ろしを成功させてくれるよ!」

 

なるほど、世間のフゥリに対する評判は悪くない。むしろ期待されているのだな。

強いて言うのならば、その期待をしている奴らがこの国の人間のほとんどであることか。その中にはフゥリの名前くらいしか知らない奴もいるのだろう。

 

 

 

俺はその後受け取りの日にちを決め、軽く話をしたあと、住処に戻ることにした。

ケイは話をしている間ずっと大人しく鳴かずにもいた、キサマ本当に鳥か?鳥なのか??集落で飼われてた鶏の声のほうが響いてたぞ?

 

そしてなんとなく思っていたフゥリに対するとある仮説が多少補強されてしまった。出来れば、俺の勘違い。あるいは思い過ごしであればとらしくもなく思う。

 

 

 

あれは

恐らく御珠の家で作り上げられた、

 

 

偶像、あるいは人形。

 

 

悪く言うのならば

 

 

 

 

 

 

 

『都合の良い道具』であると―――――

 

 

 

 

 

俺はそんな考えをヤツの前で言うわけにもいかんので、心のそこに深く、悟られないように沈めておくことにした。

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