【二次小説】航宙軍士官、星を統べる (原作:航宙軍士官、冒険者になる)   作:高坂 源五郎

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帝国倫理委員会は窮地へと陥っていた。彼らの組織名に冠する『帝国』とは、人類銀河帝国という過去の存在。それはアデル政府の直属の組織であり、今のアデル政府は単なる星系政府の地位に堕とされている。帝国倫理委員会が保持していた政治的特権は、その全てを剥奪されたに等しかった。アデル星系以外ではその活動は既に非合法と見做されて、検挙の対象とまでされている。

「…このままでは、委員会は消滅。さて、どうするのですか?」

薄暗い部屋の中で、女がそう問いかける。

「言われるまでもない。然るべき手を打つ。」

問いかけられた男は、相棒に力強くそう宣言してみせた。

「本当に?この新しい世に我々の居場所があると?」

「世は変われど、我らのなすべきことは変わらぬ。我らこそが必要悪なのだからな。」

多様な星系を統治する為には、価値観の均質化こそが不可欠である。その為に人類という種族の定型化を行い、組織を標準化する。人がどうあるべきか、それを定義し人々の価値観を律する存在。それこそが支配者たり得る。つまり帝国倫理委員会こそが、物事のどこに線を引くかを決める。それは即ち、帝国の設計者といえる存在である。帝国倫理委員会とはそのような栄光に満ちた存在だったのだ。そう、かつては。

「現状では皆も不満でしょう。本当に展望はあるのですか?」

「展望か。」

そこで男はしばし考え込む。そしてため息と共に付け加えた。

「伝手を得て、情報を集積した。成果はある。だがな、あの皇帝の政治姿勢がそもそも最悪だ。」

人類スターヴェイク帝国は、傘下の星系に広範な自治を認める。直接支配はせず、だから責任も負わない。万事がAI任せで人任せと言っていい。通常、人と人と組織と組織の関わり合いには軋轢が生じるものだ。そこにこそ、帝国倫理委員会が介在する余地が生じる。しかし人類スターヴェイク帝国の政治体制では、帝国倫理委員会の出番がない。

「やはり、惑星アレスの中に理解者を求めたいものだな。」

帝国倫理委員会に残された最後の大物の一人として、男は思考を巡らせていた。彼はこの新たな世においても公的な地位を保っている。それは皇帝にとって必要とされる航宙軍の将官という表向きの身分が、彼の立場を当面は保護したからである。

「皇帝の下の王政の国ばかりなのでしょう。どこも小粒で難しいわね。」

伝手(ルージ)を経由してかき集めた情報を眺めながら相棒が答える。彼女もまた航宙軍の将官として、公的な地位を保ち生き残っていた。

「いや、良き候補はいる。それはあの皇帝の妻達だ。」

皇帝は妻として認められた存在を、女王の地位につけて独自の王国を与えた。昨今では彼女達に星系を与えるまでに至っている。そして皇帝の妻であれば、数々の特権にも恵まれる。望み得る伝手としては最上ではないか。何より、女同士の戦いは熾烈なものとなりやすい。火種には苦労しないはずである。

「…へぇ。それで、もう誰と手を組むのか検討済みなのでしょう?」

意外そうな声色で女はゆっくりと尋ねた。本当に女王と渡りをつかれれるのか訝しむように。

「女帝本人とは、まず無理だろうな。そもそも我らを必要とはしないだろう。」

女帝クレリアは難しいと男は断じた。そもそも皇帝と共に世界を有しているに等しい立場にいる。クレリアに取引する必要なぞない。全て命じれば済む立場にいるのだ。

「手を組める相手は限られる。まず女帝と並び立ち、とって変わりたいという野心があること。そしてその為の手段を有していなければならないだろう。」

「あら、あてがあるようね?」

「得られた情報から、候補を絞り込んだ。彼女の求めるものは、きっと我々と同じなのではないかな。」

男は自信を見せて、候補となる女王について記された資料を相棒へと差し出した。


外伝4 エヴリンの願い

惑星アレス 首都宮殿

 

「アラン様、いらっしゃいますか。」

 

澄んだ甲高い声が、俺を探していた。声の主には心当たりがある。俺は執務室から出た。内宮の門の前で近衛に押し留められているのは、俺の妻の一人のエヴリンだ。『彼女を通せ』と近衛に合図した。

 

「俺が『誰にも邪魔させるな』と、命じていたんだ。」

 

近衛が悪者にされない様に、エヴリンへはそう伝える。エヴリンはさして気にする様子もなく、『私が通されるのは当然です』という顔で門を通過した。

 

「アラン様、今日はお願いがあって参りました。」

 

明るくそう用件を告げたエヴリンは、二人の侍女を従えている。彼女達の名はロゼットとソフィアナ。いずれもエヴリンの従姉妹である。俺は自分の執務室へとエヴリンを導き入れた。エヴリンの従姉妹達も、『侍女なので当然』という顔のままで付いてくる。

 

「さて、それでお願いというのは?」

 

全員が着席したのを確認して、俺はエヴリンへと問いかけた。

 

「私にも、星を賜りたいのです。」

 

エヴリンは、端的にそう望みを切り出した。

 

「アラン様は女王の皆様に、然るべき星を与えられています。ですから我がデグリート王国にも、どうか星をお授けください。」

 

「エヴリン様は、デグリート王国の皆の期待を背負われています。」

 

「フェアファクス卿も、良き知らせを切望されています。祖国の人々のそのような期待に対して、エヴリン様はどうお返事すればよろしいのでしょうか。」

 

侍女の二人が左右からそれぞれ口を挟む。彼女達の役割は、エヴリンが自分では言い出しにくい事を代弁する点にあるらしい。この要求は、エヴリンの見栄や我儘から生じた訳ではない。彼女は祖国の権益の為に俺に輿入れした立場で、全て海洋大国デグリート王国の為なのだ。

 

「時期は今がよろしいのです。」

 

「アラン様のお子を授かってからでは、エヴリン様が大変でございましょう?」

 

そう話す二人の侍女もまた、祖国の権益を確保する為に育てられた。エヴリン同様、他国の重鎮と婚姻しても祖国に利益を誘導する為の存在。幸い彼女達は見目麗しいだけでなく、その頭脳は優秀でもある。そして祖国に忠実であるのは、国家への奉仕者のあり方として尊敬もできる。だからこうして真綿で首を絞められるような話し方をされていても、不思議と不快とまでは感じない。王族の交渉術とは、万事このようなものだ。俺も今では、すっかり彼女達のこの会話の流れには慣らされていた。

 

「エヴリン様の資質は、他の女王様方にも引けを取りません。」

 

「エヴリン様に、他の女王様方と同じご配慮を。」

 

彼女達の要求は、ルミナスやウルズラやエルナと同じ扱いをせよという点に根差している。同じ妻であり女王としての地位であるのなら、扱いは対等にせよとそういう話だ。ある一面において、それは正しい。何故ならエヴリンは彼女を推戴する者達の為に自らの体面を保つ必要があるからだ。この要求を単なる虚栄心と断じてしまうのは、少し酷な話だ。自分の主君の扱いが他より悪いとなると、デグリート王国の俺への心証は悪化して揉める材料となる。

 

「そうだな。俺としても公平でありたいと考えている。」

 

俺は慎重に口を開いた。綸言汗の如しという。吐いた言葉は取り消せない。約束を口にしてしまえば、それが既成事実にされかねないのだ。だからここで答える内容は、予め内容を慎重に検討をしておいたものだ。

 

「しかし政治の基本として、まずは然るべき功績を上げてからの事だ。」

 

リアに教えを乞うて考え抜いたこの文句から、エヴリンも侍女達もつけ入る隙を見出せなかったらしい。彼女達は暫し沈黙した。

 

「ルミナスやウルズラに先に星を与えたのは、戦いに参加して血と汗を流した者達に報いる為だ。」

 

既に星を得た俺の妻は複数いる。だがルミナスにせよウルズラにせよエルナにせよ、人類スターヴェイク帝国の為に戦ったという明白な事実がある。そして戦いに参加した兵には、例外なく土地を与えるように取り計らった。海洋大国は和睦したとはいえ、元は敵対者だ。軍事での貢献は小さい。このような差は、この場での言論だけでは覆し難い。だからエヴリンと侍女達も今はどう話を進めるべきかを考え込んでいる。

 

「…それでは、我が国にも貢献の機会をお与えください。」

 

ようやく口を開いたのはエヴリンだった。これまで数度はこのようなやり取りを経て、俺には気がついたことがある。エヴリンは侍女に喋らせる事も多いが、実は本人も頭の回転は速い。彼女の従姉妹達もタフな交渉役だが、恐らくエヴリンこそが最も手強い。これなら、エヴリンに考えていたあの役割を任せられるだろうか。今度は俺が暫し沈黙し、考える。

 

「ねえ、アラン様。私はなんだってしますわ。」

 

黙っている俺に小首を傾げたエヴリンがそう付け加える。俺の中の迷いを、彼女はまるで全て見透かしているかのようだった。

 

「私は、国の皆に良い知らせを持ち帰る必要があるのです。それが女王としての私の役割でありましょう。」

 

俺は考えを巡らした。星を要求するのはただ、彼女の背後には海洋大国の貴族と民の期待があるからに過ぎない。彼女が自分の国を背負って俺に嫁いだ以上、俺も彼女の体面を守ってやる必要はある。

 

「新たな戦争を起こす訳にはいかない。その功績を派手に顕彰出来るかは分からないが。」

 

「構いません。アラン様やクレリア様に働きを認めていただけるなら、私は堂々と星を受け取りましょう。」

 

エヴリンは星を得るという結果があれば、他は構わないらしい。つまり、彼女に任せる仕事は公開し難い性質のものでも良い。他の女王が認める内容なら詳細は公表せずとも不均衡とはないだろう。軍の先頭に立つ性質ではない以上、その方がアリスタやタラやコンスタンスにいずれ星を与える先例となるかもしれなかった。

 

「分かった。考えていた計略がある。そちらで成果を出せれば、エヴリンのこの望みを叶えるようリアと相談して取り計らう。」

 

ロゼットとソフィアナは俺の言葉にとても驚いた顔をしていた。俺はエヴリンの頼みを断る流れだと、その様に考えていたのだろう。後日の再交渉を覚悟していたに違いない。リアと相談の上でとの条件とはいえ、俺が要求を飲むとは考えもしなかったのだ。しかしエヴリンは素直に喜びを表情に浮かべた。

 

「ありがとう、アラン様。それでどんなお仕事ですの?」

 

エヴリンは無邪気に俺に尋ねる。祖国に奉仕する彼女は、この美しく華奢な見た目よりずっとタフだ。流石はフェアファクス卿の娘というべきか、何を言われてもそれをやり抜こうとする強靭な意志がある。だから俺はエヴリンが想定外の無茶をするという行き違いが生じないように、彼女には慎重に説明しなくてはならないだろう。

 

「帝国に仇なす存在を炙り出す事を考えていた。エヴリンには、その手伝いをして貰う事になる。」

 

俺は計略の概要を説明した。人類スターヴェイク帝国の支配を望まない危険人物の詳細を掴んで欲しいのだと。これは、危険の芽を摘む為の行為だ。

 

「全ての星に代官を送り込まれれば、それが一番簡単でよろしいのに。」

 

俺の計略を聞き終えたエヴリンが嘆息と共にそう感想を漏らす。彼女に頼むくらいなら、代官を立てて上から押さえ込む方が良いという視座だ。そう考えるのは彼女の感覚からすると至極当然なのだろう。単に表面的な治安を守るのならば、そういった方法もある。だが俺のやり方ではない。

 

「権力の代行委任は危ういものだ。だからそれぞれの星の住民に、自分達で物事を決めさせるという今の方針は変えない。法も万人に共通する内容を大枠で守らせる。それで充分だ。」

 

個人が全世界の政治を担うなど不可能という点で、俺とエヴリンの見解は一致している。エヴリンの意見は、信任する家臣を代官として統治を部分的に委ねるべきというものだ。それは惑星アレスでの常識的な意見でもある。しかしそのやり方では、任命者も責任を負う。この場合、それはつまり俺だ。不始末はこちらで尻拭いをしなければいけない。瑣末な事でも、雑務が積み重なれば俺は忙殺されてその重荷が帝国を揺るがしかねない。

 

俺の理想は厄介事から解放される事だ。統治者を任命した責任まで、全てを相手へと押し付けたい。そう言った点で、自治はいい。自分のことを自分で決めろと言われて、反対する者はいない。放置して勝手に上手くまとまってくれるなら、それが最善である。実現不可能な事に挑戦して限りある人生を無駄にする気は俺にはなかった。宇宙最高のAIを駆使してすら、今も騒動の種には事欠かないのだ。ここから厄介ごとを増やすなど論外である。減らせる苦労は、減らすに限る。自治に付きまとう諸問題は、AIに任せて可能な限り未然に防がせればいい。俺はエヴリンにそんな話をした。

 

「なるほど。アラン様のお考えは、そのようなものなのですね。」

 

俺の考えにエヴリンは暫しなんと答えるべきか思案しているようだった。代官を置けば権益が増える。エヴリンの身内というべき周囲の人々にいい顔を出来るだろう。一つの国程度ならば、このやり方で概ね円満に統治する事はできるだろう。しかしその下に別の国を置けば歪みがそちらに向かう。そのような相手の顔の見えない支配関係では、支配される側が反発する。だから国と国の関係をその様な歪な形にはできない。全てが必ず独立の動きへと繋がり、血も流れる。ならば最初から公平にしておき、それぞれが自立してもらうのが良いのだ。そんな話を、噛み砕いてエヴリンへと伝えた。

 

「自由を与えれば、独立して群雄割拠の如き状況に至るのではありませんか?」

 

「武力は集約させる。その為の航宙軍だ。自治を許すのは、各星系の中だけだ。一つの王国の中で、都市に自治を許す様なものだ。航宙軍は、騎兵隊を許さない様なものだな。」

 

「アラン様は武人だからその様にお考えなのですね。」

 

「彼らには市場を開かせ、必要なものは売らせる。法を守るなら、好きにさせて構わないさ。人類の敵が現れた時、我々と共に戦うのであればね。」

 

法の大枠を守りさえすれば、後は自らで統治して貰えばいいのだ。文化的な事柄や瑣末な条文には拘らなくていい。君主制だろうと民主主義だろうと既存の政治体制へ干渉する気もない。文化的風習については、自分達の好きにすればいいのだ。人の移動の自由は確保する。それなら仮に悪政を行えば、住民はその地を去るだけの事だろう。

 

彼ら、既存の星系政府からこちらが欲しいものを取引する道筋は既に得ている。代価には困らない。金であれ稀少鉱石であれ提供可能だ。無尽蔵の財布を持つ者には、販売店が自動で品揃えを豊かに売り込んできてくれるくらいがちょうどいい。

 

「それに、全てを代官に任せるのでは君の功績にならないだろう?」

 

「あら、それは確かにそうですわ。」

 

エヴリンが声をあげたのは、星を得る機会を自ら捨てるところだったと気がついた為だろう。それだけ今の感想は俺に内心を吐露していたのだ。

 

彼女としては、星系を得るのは民の為なのだ。自分の為の要求という意識が希薄なのだろう。それは彼女なりに俺の役に立ち、俺の側へ歩み寄ろうとしてくれている気持ちもあるのかもしれない。エヴリンを妻とした俺の欲目かもしれないが、彼女はけして悪い女性ではないのだ。

 

「全てを完璧に支配など、それはそもそも人には不可能な絵空事でしかないさ。」

 

「アラン様であっても?」

 

「俺は俺の責任において多くの者が幸福である様に努める。政府は公正で公平で、民が苦しい時は助けるようにしたいと願う。犯罪に対してはその罪を明らかにし、罰を与える。後は、本人の運と努力次第だな。」

 

統治においては全面的に家臣とAIの力を借りるつもりである。俺単独の力では、これさえ達成不可能な目標だ。だがエヴリンは意外な反応を示した。

 

「普通で、面白みはありませんのね。」

 

そう平凡で面白見は無い。きっとお題目の様に聞こえているからだ。しかしその理想を文字通り体現できれば、非凡になれるかもしれない。全ては実現度にかかっている。

 

「俺は最大多数が幸福になる状態を維持するだけだ。統治とはそういうものだろう?」

 

女神様(ルミナスさま)の教えは、少数の不幸な人々をこそ救う様にと仰せですわ。」

 

ああ、と俺は気が付いた。エヴリンはルミナス卿の敬虔な信徒なのだ。そこには弱者救済の思想がある。

 

「どの様な時代も世に取り残されて不幸になる少数者はいる。弱者の救済には励めばいい。が、その逆もいるんだ。特に権力の座から滑り落ちた強者には警戒が必要だ。俺がエヴリンに頼むのは、その様な少数で危険な相手への対処だな。」

 

女神様(ルミナスさま)の教えもアラン様の希望も、私にはみ出し者の相手をご希望なのですね。」

 

意外にも少し寂しそうな顔だ。本来なら彼女は、女王として並ぶものが無い地位に到達する筈だった。フェアファクス卿が俺を見込む決断をしなければ、婚姻策で俺に嫁いだのは従姉妹のソフィアナかロゼットだったのかもしれないな。…その時、俺の意識が何かをとらえかけた。しかしエヴリンとの会話が俺の思考を遮った。

 

「アラン様は、私が強者を相手にする必要があると申されました。それは危険な任務となりますわ。」

 

エヴリンの言葉で、俺はデグリート王国の軍事評価を思い出していた。イーリスの評価では「並」。ジノヴァッツの評価では「歩くカカシ」と酷評だったと思い出す。あの男は癪なことに優秀で鼻が効いた。イーリスは戦力を額面通りに受け取り易い。そしてエヴリンは、例の親衛隊も未だ用意できていない筈だ。

 

「この計略を実行するにあたり、直接交渉に出向いてもらう事もあるだろう。君達に危険が及ばない様に部下に守らせる。」

 

俺がそう言葉をかけると、エヴリンは自信を漲らせた笑顔を向けた。守ると約束した言葉に、気をよくしたのかもしれない。

 

「私は交渉には自信があります。アラン様のご期待にも、きっと応えてご覧に入れますわ。」

 

 

 

 

 

ソフィアナとロゼットを従えたエヴリンが去っていく。転送門を経由し、デグリート王国の彼女の王宮へと戻るのだ。今は妻達をそれぞれの国元に住まわせている。転送門を使えば、往来は自由だからだ。そしてそれぞれの家臣団は、一ヶ所にまとめない方がいいとも学んだ。俺はエヴリン達を転送門へと送り届け、門を潜り抜けるのを見守った。そして執務室へと戻ると、隣室へと続く扉をノックしてから開く。

 

「もういいよ、リア。」

 

クレリアが隣室から姿を現す。隣は女帝の執務室で、双方の会話はイーリスの意思で筒抜けに出来る。防音設備と同時に、高性能な収音装置の用意がある。こちらの音は針の落ちる音から息づかいまで鮮明に聞こえていた筈だ。これはエヴリンも全て承知している。クレリアの侍女として、エヴリンもまた女帝の執務室で過ごした事は何度もあるからだ。

 

「ねえ、アラン。私も精霊を介して密談がしたいわ。」

 

最初にリアが俺にそうねだる。航宙軍の所属でない者が、ナノムを利用するのには制限がある。現在、人類スターヴェイク帝国と航宙軍の平和理に統合を進めている。その措置が終われば、リアにナノムのインターフェースを作成できる様になる筈だった。

 

「もう少しだけ辛抱してくれ。カルラとイーリスが協力して航宙軍と帝国との統合を進めている。こちらの指揮系統に正式に組み込めば、それが可能になる。」

 

俺はリアを抱き寄せてキスをする。リアは嬉しそうに俺にされるがままでいた。そして俺はリアを抱きしめたままで彼女に尋ねた。

 

「エヴリンへの返答、あれで良かったのかな?」

 

「ええ、問題なかったわ。あの子は、あれで素直な子よ。」

 

俺はリアの返答におかしさを感じてしまう。

 

「おいおい、リアの方が年下じゃないか。それなのにエヴリンを“あの子”呼ばわりするのかい?」

 

俺が率直にそう言うと、俺の腕の中でリアは笑った。

 

「私の侍女をしていたのよ。“あの子”の性格は、もうすっかり飲み込んでいるわ。」

 

「自分の侍女にしていた、ただそれだけで?」

 

「身の回りに置くということは、相手がどう動いて立ち回るか観察する機会を得ることなの。相手の人となりを知っていれば、離れていても何となく相手がどう考えて反応するが想像できるでしょう?」

 

「なるほどな、そんなものか。」

 

確かに相手をダルシムやヴァルターに置き換えると分かりやすい。彼らと離れていても、軍の作戦指示にどう反応しようとするかは理解できる。少なくともこちらに忠実に動く場合の選択肢は、かなり絞り込めるものだ。

 

「エヴリンはやはり正面から堂々と要求してきたわね。あの子には何も後ろ暗さがないからでしょう。私としてはかなり好印象だわ。」

 

「それは俺も同感だ。」

 

エヴリンは常に正面から堂々と俺を相手取る。だから俺が政務をしている時間に、こうやって正面から堂々と陳情に来る。今日も近衛に無理を通して会いに来た。陳情したという事実を残す為には、多少近衛相手に無理通したくらいが丁度いいと考えている節もある。その様な行為に及べば、クレリアや他の女王に伝わる事も計算している。

 

俺の妻であるのだから、もっとこっそりと意を伝える方法はいくらでもある。だからリアも同じことを考えたらしい。

 

「エヴリンの立場であれば、アランと二人きりで夜を過ごす時もあるわ。その時、満足させたアランの耳元にこっそりと望みを囁く事も出来たのではないかしら。」

 

リアが俺を軽く睨みながらいう。『側妃の一人や二人で嫉妬はしない』と常日頃から豪語しているが、なんとなくその光景を思い浮かべるとダメらしい。こうして俺に対してだけは軽い嫉妬の炎をチラつかせてくる。

 

エヴリンとも夫婦である以上、俺が彼女の寝室に泊まる日もある。そんな形でエヴリンと時間を過ごしていても、「星をください」と俺に頼み込むという訳ではない。彼女とて、夫婦生活を自ら危地に投げ込む様なことは望んではいないのだろう。日常は穏やかに過ごしてくれている。子供も宿さぬ内に忌避されるのは悪手とも知っているのだろう。

 

「ともあれ、エヴリンは少し危険に晒すことになるかもしれない。だから君の近衛を少し借りてもいいだろうか。」

 

「構わないわ、必要ならエルナやラヴィニアにこちらへと来てもらうし。でもアラン、貴方の直属部隊もいるのではなくて?」

 

「彼らは無骨な荒くれ者だからな。エヴリンの護衛役としては、作法や品位というものがだいぶ不足しているんじゃないかな。」

 

 

 

 

 

惑星アレス 航宙軍本部

 

航宙軍では人類スターヴェイク帝国との適切な関係性が協議されている。皇帝の率いる人類スターヴェイク帝国がアデル政府を打倒して置き換わる迄には複雑なプロセスを経ている。それを可能にしたのは、バグスと対峙する人類の救済者という立場である。

 

皇帝アランが宣言したバグス絶滅を航宙軍が事実認定すれば、人類の頂点に彼が座しても大半の者は文句を言いはしない。むしろ熱烈に歓迎するだろう。バグスとはそれほどの脅威であり、人類の天敵だったからだ。人々がアランを皇帝として推戴する。それは航宙軍にとっても、正式に皇帝の権力下に組み込まれる事を意味した。

 

「主要な星系は全て会盟(アライアンス)に加盟した。統治の正統性の根拠が示された以上、皇帝に迎合して航宙軍を存続させる。それこそが我々の既定の方針だ。」

 

「どの道、バグスを殲滅した相手との力の差は歴然としている。覆るはずがない。それに人類同士なら、対話も通じる。ならば話し合いで以後は解決するべきと判断されたというだけだろう。それよりも航宙軍がどう扱われるか、だよ。」

 

既定の方針に沿うべきと主張する者、どの道勝てないからこそ交渉に重点を置くべきと戯けた仕草を見せる者。彼らはそれぞれ諜報と兵站の専門家であった。艦隊指揮官としての経歴は欠くが、航宙軍の重要な構成員であり貴重な生存者でもある。

 

「ふむ。全ては皇帝の統合案の妥当性次第となるな。」

 

「航宙軍の全AIに勝る演算性能を誇るAI人格を宰相としているのだ。手抜かりはまずないだろうよ。つまりは数字だ。案自体は真っ当で、こちらに提示する予算次第で相手の腹を判断できるというところだな。」

 

統合前の現在の航宙軍は皇帝権力からは一定の独立を果たしている。建前はともかく実態はどうか。対バグス戦争を戦う為に指揮権はカルラ・アイローラ提督に集約された。勝利を成し遂げた今は航宙軍の将兵の絶大な支持を皇帝は受けている。艦隊本部が推進しようとする完全統合が一時的にでも停止しているのは、艦隊本部が慎重に議論を積み重ねているからだ。航宙軍の情報本部と兵站本部が一致団結して、細部の確認を求めているからに過ぎない。つまりは時間稼ぎの産物である。言い換えると、円満な合意形成の為に慎重に条件闘争をしているのだ。

 

「何はともあれ、正面からは戦えぬ。」

 

「ああ。勢いでも軍事技術でも負けているな。ついでに人気でも、な。ここは条件闘争に徹する他はないだろう。」

 

艦隊再建の為、そして数世代に渡る戦時国債の償還の為。人類スターヴェイク帝国への要求は天井知らずである。兵の給与と退役の報奨金まで含めるなると、戦争終結の好景気までも吹き飛ばしかねないと危惧するほどだ。しかしこれは要求せねばならない。両者が統合されれば航宙軍の問題は帝国全体の問題である。航宙軍を平和裡に組み込む意思があるなら、平和の代償としてクレジットを満額支払う様に吹っかける他に道はないのだから。

 

「しかし、今の条件を呑めると思うかね?」

 

「普通ならばまず、難しいだろうな。何せ新造艦の数が多すぎて従来の予算水準以上だ。艦隊の規模の縮小と軍人の給与のカットというところだろうな。」

 

平和な時代の軍隊は縮小される運命にある。スターファイター配備など技術的ブレイクスルーを果たした今だからこそ、最適な艦隊の再編が行える好機の筈なのだ。だが予算の制約から、軍事最適化を果たせない可能性は高い。

 

「正面から無理ならば政治力を使うべきだろう。実は、皇帝に陳情する計画がある。」

 

情報本部の将官がそう持ち掛ける。

 

「皇帝への陳情では効果が薄いぞ。そもそも取次はアイローラ提督に集約されている。」

 

兵站本部の将官が難色を示す。

 

「そこだよ。アイローラ提督は役に立ってくれている。個人的に皇帝に嫁いでまで、我々と帝国との架け橋となってくれたのだからな。しかし彼女も単身で何もかも行うのではきつかろう。支援を送りたいと、そういう話だ。」

 

「支援だと?予算のキックバックを現金でもばら撒くというのか。無駄に使える予算などないのに。或いは女好きの皇帝に女性士官の一群を『どうぞお好きに』とおくりこめとでも?」

 

「効果があるならそれもいいだろう。おっと、試すなよ。女性を送り込むのは厳禁だぞ。アイローラ提督と競合するからな。」

 

「違いないな。」

 

冗談で軽く笑いあってから、両者は真面目な顔になる。

 

「策としては、皇帝の妻を狙う。実は伝手(ルージ)がある。」

 

「ふむ。同じ女を使う策でも、新たに送り込むのではなく既に地位が得た女王と交渉するのか。」

 

兵站本部の顔役が考え込む。情報本部の専門家、つまり謀略の大家らしい発想だ。しかし今必要なのは航宙軍の総力である。兵站本部も、表に出せない取引の経験は数多い。

 

「候補は二人選抜した。それぞれこちらと組む動機がある。簡単な方をそちらに譲りたい。どうかね?」

 

「余りあからさまでは、艦隊本部のアイローラ提督を刺激するのではないか?」

 

「今だからこそだよ。アイローラ提督への支援という名目が立つじゃないか。それに全ての交渉をアイローラ提督に依存し続けるのは危ういだろう。得意不得意の領域はある筈だ。」

 

航宙軍の帝国へ方が窓口としては、アイローラ提督がいる。結婚してみせた以上は、皇帝も彼女を無碍にはすまい。だが艦隊本部しか陳情ルートがないのは少し問題がある。何事も代替手段は用意する必要があるのだ。

 

「表向きだけでも、艦隊本部とは事を構えない形としてくれ。その条件なら、我らも乗ろうじゃないか。」

 

兵站本部の顔役が決断する。流石に兵站本部と艦隊本部の正面対決は、同僚達が難色を示す。

 

「いいだろう。伝手(ルージ)を通じ、女王側からそちらへの接触をアイローラ提督に仲介依頼する形を取る。それで良いな?」

 

「おい、そんな事が可能なのか。」

 

驚嘆する兵站本部の顔役を、情報本部の顔役は愉快そうに眺めた。

 

「そう話がいくように取り計らう。共同歩調といこうじゃないか。いずれにせよ、これは他ならぬ人類スターヴェイク帝国への働きかけなのだ。融和を目的としての事なら、大きな問題は生じないだろうよ。」

 

「…よかろう。」

 

万事うまく行った。情報本部のハインリヒ・ヴァイス中将は兵站本部も道連れにした事に満足した。これで彼ら帝国倫理委員会の陰謀は露見しにくくなる。表向きは航宙軍の予算を認めてもらう為の陳情、裏としては艦隊本部に邪魔されない陳情ルートの確保だ。これで『帝国倫理委員会としての同盟者確保』という真の目的は覆い隠せるだろう。

 

 

 

 

惑星アレス 航宙軍情報本部

 

伝手(ルージ)は期待通りの成果を上げた。連絡を取り合って日程調整する。そして、遂に指名した女王がお忍びという形で情報本部まで足を運ぶ流れとなったのだから。

 

伝手(ルージ)には色々と要求されたが、報酬を支払った甲斐はある。)

 

情報本部のハインリヒ・ヴァイス中将は心中でそう独白し、満足した。そして到着した相手に恭しくこうべを垂れる。

 

「ようこそおいで下さいました、陛下。」

 

情報本部の将官が建物の入り口で二人揃って頭を下げる。残りの一名は旧バグスの星系の最終偵察任務に従事している。彼の役目は『本当にバグスの生き残りがもう存在していないか』の最終確認である。

 

「あら、貴方達が本日のお相手でしたのね。皆似た様な服装で、誰が相手かと戸惑っていましたの。」

 

二人の侍女を左右に引き連れ、背後には近衛騎士達を従えたエヴリン女王がようやくその姿に気が付いたとばかりに視線を向けた。確かに軍服は見分けがつきにくいだろう。そして女王は言葉を付け加える。

 

「互いの作法も違いましょう。そう畏まらずとも大丈夫です。」

 

応接室では、当然の様に侍女が上座へと女王を誘う。迎える航宙軍側とて異存はない。

 

「歓迎の為、当惑星の最高級の品をご用意しました。」

 

戦略AI・解析局のイザベラ・クローデル中将がそう告げると、エヴリンは大机に積み上げられた菓子や果物を冷たい視線で一瞥した。そしてクローデル中将には直に応じず、ただ近衛へと命じた。

 

「皆、せっかくの歓迎です。寛いで構いません。貴方達が、遠慮なく頂きなさい。」

 

若干の戸惑いを見せながらも、近衛はエヴリン女王の奇妙な指示には慣れているらしい。臆せず大机につくと、無造作に菓子や果物を食べ始める。エヴリンはどこか満足そうにその様子を眺めている。侍女の片方が紅茶をカップに注いで主人の前に配する。しかしエヴリンが手をつける気配が無いのは明白だった。

 

(どういう事?)

 

クローデル中将はヴァイス中将にナノム経由で話しかける。

 

(こちらの歓迎がお気に召さなかったようだが、理由までは分からんな。)

 

「…どうしました、お話を続けましょう?」

 

エヴリンに先制攻撃を喰らった形だが、情報本部側は理由がわからない。その謎を解明したのは、侍女の片方である。

 

「エヴリン様が口にされるもの、それは全てデグリート王国産の品と決められているのです。」

 

「デグリート王国の品はいずれも最高品質です。であればこそ、王者の食卓に相応しい品ばかりです。エヴリン様は、それを自ら示されています。」

 

情報本部側は呆気に取られた。しかし国と国の、それも王族を招いての外交の場と考えれば道理ではある。相手もただの国ではない。デグリート王国は会盟(アライアンス)諸国に食糧を供給している。しかもその大半は高級志向品の類だった。外交交渉の場と見做せば、一品くらいはゲスト国の品を用意しておくべきである。こちらの言い方もまずかった。相手の国を下調べしていないと吐露したも同然である。それこそホスト国の配慮ではなかったか。しかもこちらは相手に陳情する立場だ。外交は情報本部の専門ではないとはいえ、手落ちではあった。

 

「これはこれは、直ぐに貴国の品のご用意を。」

 

「今日は顔合わせ、必要ありません。お話を進めましょう。」

 

エヴリンは笑みを向ける。今となっては華奢な外見にそぐわぬ凄みを感じる。

 

「用向きはルージ殿下より聞いています。航宙軍の予算確保の為の請願と、それに相違ありませんね?」

 

「「はい。」」

 

情報本部の将官は同時に頷く伝手(ルージ)を通じて打診したのは、確かにその名目である。利用し利用され、関係を深めて徐々に真の目的に近づけばいい。

 

「助力すると約束を与えましょう。しかし、アラン様にお願いするのは私とて簡単な事ではありません。気軽に聞き届けられる事柄でないと示す為にも、条件があります。」

 

(クレリア女帝の名前は出ない、やはり軍事はアラン・コリント個人の先決事項らしいな)

 

(ええ。後は対価をふっかけられないかね。)

 

「何か、御身に我々航宙軍がお役に立てる事がございましょうか。」

 

「そうですね。」

 

エヴリンは暫し考える素振りを見せてから、真意を告げる。

 

「私は女神様(ルミナスさま)の教えを広めることを、個人的な使命と心得ています。もし私の力を借りたくば、航宙軍に女神様(ルミナスさま)の教えを広めなさい。」

 

それは情報部をして想定外の回答だった。

 

「宗教の自由は認められているのでは?それとも皇帝陛下はルミナス教を帝国全域に広められるおつもりなのですか?」

 

クローデル中将のその反応は、自分達は安全圏にいると考えていたのにも関わらず突如異教へ帰依を命じられた気色悪さの発露である。迂闊な事だったが、相手は織り込み済みなのだろう。平然と答える。

 

「これは私個人の考えであり使命です。しかし、布教についてはアラン様の許しを得ています。無理強いでなければ、方法は自由なのです。情報本部であれば、それこそお得意なのでは無いかしら。」

 

「ふむ。」

 

宗教の自由を標榜する以上、宗旨替えは強制というわけではないのだろう。しかし組織には圧をかけられる。情報本部は帝国倫理委員会に近しい。その為、航宙軍の主な宗教勢力である帝国新教会とはイデオロギー的には対立軸にある。

 

「我ら航宙軍でも建前では、信教の自由は保障されております。」

 

「…では、私との取引は断ると?」

 

二人揃っての拒否の構えと受け取り、エヴリンの声色が冷える。

 

「いえ、お受けします。航宙軍の他の部署では難しかったでしょう。しかし我ら情報本部であれば、ご指摘の様に陛下のお役に立てます。」

 

ヴァイス中将は自信を漲らせた。帝国新教会を牽制して、昇龍の勢いの人類スターヴェイク帝国の宗教を航宙軍内に広める。物事をその様に単純化すれば、これは不可能ではない。恐らくは100%の達成でなくて良いのだ、あの皇帝の意図としては。航宙軍内の宗教的な均衡策といったところか。そうであるならば見事な手である。関与して、損はないと見極めた。

 

(大丈夫なの?)

 

(いや、このような話なら我らも活躍できる。互いに利用し合えるはずだ。特に、皇帝の了解を得ているという条件がデカい。)

 

多少おかしな動きをしても、エヴリン女王に協力しての活動といえば通る下地である。腹を探られて出てくるのがこの案件なら、活動の幅が広がる。

 

「それでは、まず予算についてアラン様に働きかけます。女神様(ルミナスさま)の教えを広める件、成果を楽しみにしていますよ。」

 

情報本部とエヴリン女王はこの日、密約を取り交わした。それはエヴリンは航宙軍の莫大な予算を通すように尽力し、情報本部はルミナス教徒を航宙軍内に増やす事を約束する内容だった。




お待たせしました。後編として近日中にエルナのパートを公開します。本来はエルナとエヴリンのどちらを書くか悩んだ結果、両方とも書くことになりました。最初は合体した内容でしたが、分離した経緯です。

今回はこれまで本編で深く触れずに先延ばししてきた

航宙軍の帰属問題
人類スターヴェイク帝国の統治
帝国倫理委員会
帝国新教会
エヴリンとデグリート海洋大国

という要素を改めて方向性づけしました。名実ともに溜め込んだ宿題を片付けた気分です。ですので話の方向性が見えるまでは時間を要しました。

当初想定していた話は全く違うテイストでした。そちらは性格は同じでも受ける印象がまるで異なりますので、軌道修正して良かったと感じています。
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