VとWと掲示板   作:鯱出荷

5 / 9
ここから少しずつオリジナル展開が入ります。


05.VAVA、独断専行を繰り返す

----VAVA Side----

 

ノイズ共が言うに、今後何度も繰り返されるΣの反乱。

その1回目がこの事件らしい。

 

確かにイレギュラーハンターの中でも上位クラスにあたる複数のレプリロイドが抜け、並みのハンターでは収拾がつかないだろう。

 

予言通りなら俺もその反乱側に加わるはずだったのだが、これまで自身の強化に人間を使っていたためか、誘っても無駄と判断されたらしくイレギュラーハンターのままとなっている。

 

「これはこれでハンターとして楽しめると思っていたってのに、まさかこうなるとはな・・・」

 

戦場に出る気だった俺へ下された命令に、ため息をつく。

 

命令を持ってきたゼロも俺の不満を予測できたのか、拒否を許さない強い言葉で伝える。

 

「イレギュラーハンター上層部の命令だ。各地のイレギュラーはXなどに任せ、俺はΣ探し。そしてお前は三日後から本部で待機だから、用事があるなら済ませとけ」

 

「暴れることしか能がない俺がか?」

 

「いつの話をしている。お前は今では最強候補のハンターだ。万が一に備えて人間たちの守りに努めてくれ」

 

心にもないことを言うゼロに、思わず言い返す。

 

「ハンター上層部お守りの間違いだろ」

 

馬鹿でもわかる。

人間の安全確保と言っているがそんなことは建前で、最大戦力の俺を手元に置いておきたい意図がバレバレだ。

 

ゼロがわざわざ来たのも、俺が「命令を見ていない」という言い訳をさせないためだろう。

 

「おい色男。お前の(アイリス)の伝手を使って、レプリフォースへ人間のお守りを代わらせろ」

 

「アイリスとはそんな関係じゃない。・・・レプリフォースへの援軍要請については、ハンター上層部が却下した」

 

ノイズ共の情報からある程度予測していたが、今回の反乱はあくまでハンターの内乱として済ませたいのだろう。

 

「VAVA。言っておくが、援軍賛成派もいたんだぞ。ただ保身に走る輩が多いだけだ」

 

「反対が通った時点でそれが現場にとってはそれが全てさ。・・・まぁ、いい。お前が目をかけているB級ハンター共に期待するさ」

 

X(ロックマン)の才能はこの戦いから開花するはずだ。

俺が戦う場合、Xの仕事を奪い過ぎないよう考えていたが杞憂だったようで、大体は奴に任せてよさそうだ。

 

「待て、VAVA。どこに行くつもりだ?」

 

「心配するな。言われた通り戦場には行かない。命令時刻前に足りない手数を増やしにいくだけだ」

 

これからも予言通りだった場合、俺自身の強化は当然として、周辺強化や関係悪化の布石が必要となる。

 

少なくとも予言から大きく外れるまではノイズ共に付き合ってやるが、俺なりにテコ入れはさせてもらう。

 

 

 

----フクロウル Side----

 

此度の反乱について、あの高名なΣが主犯となったことに驚きはしたものの、イレギュラー化はどのレプリロイドにも起こりえる可能性があるためそれは致し方ない。

 

しかしジェネラル最高司令官から、ハンター共が我々レプリフォースの協力を断り、その理由がイレギュラーハンターの面子のためと聞いたときはハンター共に大きく失望した。

 

それは私だけでなく、出撃するのが当然と思っていたスティングレンやビストレオも大きく肩透かしをする。

 

「此度の事件では残念な結果となったが、有事に備えて臨時訓練を行う」

 

ジェネラル最高司令官からの突発的な命令に、訓練用兵器に切り替えながら気持ちを持ち直す。

 

「訓練内容は、レプリロイドが基地へ侵入した想定で行う。敗北条件は私への接触。または1時間経過。勝利条件は侵入者の確保。作戦開始は5分後だ」

 

敵の規模は不明だが、おそらくΣ軍が我々へ牙をむいたことを想定しての訓練内容だろう。

だが明らかにおかしい点があり、カーネルもそれを口にする。

 

「・・・妙だな。今レプリフォースには大体の士官クラスが集まっている。この戦力相手に演習になるのか?」

 

その疑問について考察しようとする前に、前線部隊から悲鳴のような通信がはいる。

 

『ビストレオ部隊全滅!敵は単騎で、こちらへ進撃しております!!』

 

驚きより先に部隊を動かす必要性を感じ、各兵へ命令を下す。

 

しかし突撃してきたレプリロイドは構えていた兵たちの攻撃を全てかわし、一体残らず訓練用のレーザー銃で迎撃する。

 

「フハハハハ!ハンター司令部から除け者にされて不貞腐れてると思ったが、中々いい練度じゃないか!」

 

「VAVAだと!?カチコミに来やがったのか!!」

 

予想外の相手に、キバトドスが叫ぶ。

 

本当の襲撃かと思いジェネラル最高司令官へ指示を仰ぐが、慌てた様子がないことから奴が今回の襲撃役なのだろう。

 

そうしている間に目ぼしい兵を倒し終えたVAVAは、レプリフォース幹部が揃っている状況を見てもまるで気にしない様子で話しかける。

 

「邪魔するぜ。憂さ晴らしついでに、ちょっとお前らに聞きたいことがあるんでね」

 

「聞きたいことだと。直接乗り込んできて何の用件だ」

 

カーネルが警戒をしつつ、その先の言葉を促す。

 

「なに、ちょっとした疑問だ。・・・お前らなんでハンターの言いなりになって、こんなとこでお遊戯してんだ?」

 

「あぁ!?」

 

VAVAの言いがかりに、私をはじめキバトドス達が殺意を出す。

 

「レプリフォースはイレギュラーハンターが『出撃するな』と言えば、犬のように従うのかって聞いてるんだよ!!」

 

肩部のキャノン砲を放ちながら、VAVAは更に言い放つ。

皆は回避しながらも怒りで言葉を忘れているため、私が反撃しつつ言い返す。

 

「我らの助力を断ったのは貴様共だろうが!軍には規律というものがある。貴様のように好き勝手行動することでは出来ない任務を、我々はこなしているのだ!!」

 

「大層な信念だな!人間を守るために軍があると思っていたが、規律のほうが大事とはな!!」

 

安易に突撃したスティングレンを回避しつつ、VAVAはまだ戯言を続ける。

 

「答えてみせろよ。お前らは自分の任務をこなしたいなら、自分達の判断で動けばいいだろう。なんでハンターの小間使いに収まろうとしときながら、それを指摘されて怒り狂っているんだ?」

 

黙ってVAVAの言葉を聞いていたカーネルが、電撃を飛ばしながらようやく口を開く。

 

「貴殿の目的は何だ?我らレプリフォースとハンター間で軋轢を作りたいのか?」

 

「単純だ。一つ。俺に出動ではなく留守番を命じたハンター司令部への意趣返しだ。だからここに来てレプリフォースと接触したことは隠してないし、誰かが通報しても痛くも痒くもない」

 

ふざけるなと思ったが、以前会話したことがあるカーネルが「こいつならあり得る」と納得の表情を浮かべる。

 

「二つ。俺はハンター一強ではなく対抗組織が必要だと考えている。だから今回の件でレプリフォースが人間共から無能扱いされ、弱体化されるのは困る。レプリフォースがイレギュラーハンターの下位組織になってほしくないし、癒着するような関係性はごめんだ」

 

VAVAは話ながら私が発生させた風を軽く避け、ジェネラル最高司令官(勝利条件)へ銃口を向けようとするが、キバトドスが射線に入りつつ、氷の壁を作り何とか射撃を防ぐ。

 

「もし人間を守ったことで(ハンター共)から何か言われれば、人間達にこう言えば良い。『お前たち人間を守るため、自分の信念でやって来た』ってな」

 

その余裕綽々な態度と言葉に怒りがわき、隙の大きいことがわかっているが大技の竜巻を発生させる。

 

「このような戦いをしながらする話かぁーーー!」

 

「素面でこんな話できるもんかよ!」

 

私の風は容易くかわされ、無防備な体制の私に向かってキャノンが連射されるが、再度キバトドスが投げた氷によって防がれる。

 

「・・・!すまん、キバトドス」

 

「自分よりむきになってる(スティングレン)がいると、どうしても落ち着けるもんだ」

 

指さしたスティングレンを見ると、先ほど外された突撃を懲りずにVAVAへ繰り出しているが、今度は竜巻旋風脚によって返り討ちにされていた。

 

しかしその蹴りによって、VAVAが態勢を崩したことをキバトドスは見逃さなかった。

 

「ようやく捕まえたぜ!ハンターがよぉ!!」

 

両手でVAVAを掴むと、つかさず自分の手ごと凍らせる。

勝利を確信した様子のキバトドスに注意を促す。

 

「油断するな!VAVAは放熱兵器を所持している!!その程度の拘束で・・・」

 

「・・・いいや。今回は演習だ。訓練用の兵器以外を使わざるを得ない状況になった俺の負けだ」

 

先ほどまでの勢いが嘘のように、VAVAは大人しくなる。

その変わりように、思わずぼやく。

 

「VAVA。お前は本当に何しに来たんだ」

 

「さっきも言っただろ。八つ当たりと面倒ごとの押し付けだ」

 

演習が終わっても各自の問題改善指示以外をしないジェネラル最高司令官を見て、今回の意図を推測する。

 

ハンター共への鬱憤解消もありそうだが、恐らく先ほどVAVAが言ったことを、ジェネラル最高司令官も言われたのだろう。

それを我々にも言い放ち、頭を冷やしたうえで本当に軍として必要なことを全体へ問うつもりなのではないだろうか。

 

もっともVAVAとしては、本当にこちらに迷惑をかけに来ただけなのだろう。

 

「・・・ふん。人間や仁義のためなど上辺だけのことを言えばいいものを。お主はどこまでも独善的なのだな」

 

氷から解かされたVAVAだけに聞こえる程度の声で、私なりの答えを告げる。

 

「貴様の考えは微塵も理解できんが、もし人間に被害が出るようなことがあれば、少なくとも私の部隊は動いてやろう。ハンター共ではなく、貴様個人への貸しとしてだ」

 

「勝手にしな。だが俺は受けた恨みは忘れないが、もらった恩は覚えない。期待はするな」

 

最後まで自分勝手なハンターにイラつくが、部下の手前自制心を保つ。

 

だが

 

「それはそれとして、貴様は尋問室へ来い」

 

VAVAの腕に拘束具を付け、連行する。

今回どれほど迷惑だったか、そして規律の重要性をわかるまで話してやろう。

 

結局VAVAは途中から話を聞いてない様子だったが、駄々をこねなかっただけよしとしよう。

以前のVAVAならとっくに出て行っていたはずなので、多少社交性を持った譲歩としてだ。




今回のVAVAの独断について、今後のことを考えてハンターとレプリフォースとの上下関係をなくし、対立したときまでに力を付けさせて自分が楽しめるようにするためで、
人間云々は本気で思っていません。

ただ結局一番の理由は命令が不服だったためで、ハンター以外に人間から支持される行為をさせて、ハンター上層部を非難させようとしてのことです。

またフクロウルからの説教は当然ですがまともに聞いておらず、ずっとノイズ(掲示板)の文章を読んでました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。