【完結】聖女勇者見習いたちと追放された魔界最恐王子のハーレム性春記   作:アニッキーブラッザー

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第17話 半堕ち

 セカイくんが登校してきた。

 

「あっ、おっはよーセカイくん!」

「おう」

 

 昨日は私たちとカフェに行くこともなく、アネストちゃんもセカイくんもそのまま帰った。

 セカイくんの姿を見て、先に教室にいたアネストちゃんは少し気まずそうに俯いて、ちょっと目を逸らしちゃった。

 でも、そんなアネストちゃんに構わず、セカイくんはアネストちゃんを見てニンマリと……うわ……なんかスゴイ悪い笑顔浮かべて……

 

「よう、ブルー」

「あっ、セカイくん……その……おはようございます。昨日は……」

 

 声をかけられて無視するわけにもいかず、苦笑い浮かべながら挨拶するアネストちゃん。

 だけど、そんなアネストちゃんの手を突然掴んで…… 

 

 

「なぁ、ブルー。朝早くからワリィが、二人きりで話がしてぇ。俺と一緒に来てくれねぇか?」

 

「え?」

 

「誰にも聞かれたくねえ……秘密の話を……二人っきりでしたいんだ」

 

「……ふぁ?」

 

 

 ほへ!?

 いや、思わずアネストちゃんだけじゃなくて私も声に出しちゃったよ。

 っていうか、既にほとんどのクラスメートたちが登校終えてるから、秘密の話もクソも、もう皆注目しちゃってるよ!?

 空気がドヨッとなってるよ?

 

「え、ねえ、なになに?」

「あの二人って昨日もさ……」

「ええ? まさか……」

 

 そりゃ、男の子が女の子と二人で話がしたいとか、「告白?」なんて思われたりもするだろう。

 

「昨日の話の続きだ」

「あ……あ、ああ……そういう……え、ええ。構いません」

 

 だ、だよね。

 私もディーちゃんも、そしてアネストちゃん本人も「そっち」じゃないだろうっていうのは分かっていた。

 昨日のことだよね。

 でも、思わずドキッとしちゃったよ。

 

「分かりました……では、屋上で……」

「ああ」

 

 アネストちゃんも素直に頷いて、そのまま一緒に出ていっちゃぅった。

 

「……ディーちゃん」

「分かってる」

 

 昨日の話の続き。でも、それだけじゃないことは私もディーちゃんも分かっている。

 アネストちゃんが帰った後、私たちと話をしたセカイくんは、何か思いついたかのようだった。

 冗談かどうか分からないけど……アネストちゃんへの見返りとして……

 

「ねえ、どう思う? 昨日あいつが言ってた……その……え、え、エロスな本をとか……」

「ね~……ほんとう……なのかなぁ?」

 

 ぶっちゃけ、私は会話の内容よりも、セカイくんが本当に例のブツとやらをアネストちゃんに渡すかどうかが気になる。

 昨日は頼もしいセカイくんの様子に言葉を失っちゃったけど、果たしたて……?

私もディーちゃんも昨日と同じようにコッソリと追いかけた。

 

 

「昨日の続きだ。今回の発表会に向けて、このクラスを引っ張ってもらいてぇ。一人でやれとは言わねえ。俺と一緒にやってほしい」

 

「……昨日も申し上げましたが、私には向いていません……男子も女子も私の言うことでやる気を出すなど……」

 

 

 そして、昨日と同じ屋上で、同じように向き合う二人の様子を、私もディーちゃんも昨日と同じように扉の隙間から覗き見る。

 でも、昨日と違って今日のセカイくんは物凄く機嫌よさそう……

 

 

「もちろんタダとは言わねえ」

 

「はい?」

 

「古代時空間魔法ネコーノヨジーゲンポケツ」

 

「ッ!?」

 

 

 なに、魔法!? 空間が何か……歪んで、もやもやが……って、時空間魔法ッ!?

 突如現れた空間の裂け目。そこに手を突っ込むセカイくん。

 うそ……

 

「うそ、あいつ昨日は冗談かと思ったけど……本当に使えるの!?」

 

 私もディーちゃんも目を疑った。

 っていうか、初めて見た。

 そもそもあの魔法は学校レベルで学ぶものじゃなくて、超高位の魔法使いが……いやいやセカイくんアッサリ使ってるけど、何者!?

 

「セ、セカイくん……あなた……そんな魔法を……どうして……」

「ふふふふ……この魔法をお前に伝授してやる」

「……え? え、ええええ!?」

「この魔法さえ覚えれば……エロ本を隠すのに困らねえだろ! 時空間に隠し、必要に応じて取り出せる!」

「えええええ!? ……え? え? いや、えええ!?」

「こういう魔法を使えないやつがエロ本を隠す場所なんてたいてい、ベッドの下とか机の引き出しの二重底とかだろ?」

「な、何で分かっ……ではなくて!? あ、あなたは何を言っているのですか!?」

 

 えええええ!? エッチ本を隠すために時空間魔法を!?

 なんて、贅沢な……って、私もあの魔法を教えて欲しいんだけど!

 しかも、セカイくんはそのままゴソゴソと空間の狭間から何かを取り出して、それをドサっと地面に……

 

「え? これは本……ッッ!!??」

「見ろ、俺のコネで入手した伝説の……『エロニエル夫人の画集』、『新婚裸エプロン大全』、『淫獣女帝エロスヴィッチのススメ』、『ハーレム覇王とヨメーズ』、他にも……」

「ちょ、ちょおおお、こ、これはなんて、なんて体位……じゃなくて、なんてハレンチな、あぁ、ぬっぽりねっぽり……あ、ああああ、こ、こんな集団でなんて、じゃなくて! あ、あ、あなたは学校に何てものを、しかも、女性にこんなものを見せるだなんて―――」

 

 うおおお、アレ、全部エッチ本!? すごいよ! お父さんよりいっぱいあるよ! って、私も見てみたいというか、セカイくんって昨日から今日までの間にあんなに集めたの!? どういうコネ!? 

 

 

「さらにだ、この手のひらサイズのメモリー魔水晶、これに魔力を送り込むと……『ぬわはははは、わらわが孕むまで交尾するのじゃ♡』……ってなメモリーを」

 

 

 水晶から女の人の声が? 水晶に裸の女の人が写ってる!?

 あれがメモリー魔水晶!?

 

 

「メモリー魔水……って、な、え?! 人が!? 声が!? な、何ですかコレは!? 縛られた男が女性に……へ、変態ッ!? こ、これ、男女の営み、だ、ダメです、こんなの見るだなん、何ですかコレは! え、そ、そんなところを……舐め―――」

 

「これが、アダルトメモリー魔水晶だ」

 

「ッッ!?」

 

 

 うわああああ、見たい私も見たい!

 

「な、何アレ……な、何なのよあの変態は!」

 

 ディーちゃんも顔を真っ赤にして内股になってモジモジ……うん、モジモジしちゃうよね……っていうか、うおっほー! 予想以上にとんでもないお宝じゃないのさ! 

 

「さ、さいってー……」

「いやいやディーちゃん、そんなこと言ってるけど興味ない? 私もメッチャ見たいよぉ!」

 

 もったいぶらずにドカンとお宝の山をアネストちゃんの目の前に出したセカイくん。

 もうアネストちゃんは顔が沸騰して、更には目もグルグル回るほど混乱してる。

 そして、そんなアネストちゃんに……

 

 

「なぁ、ブルー。お前がもし俺の頼みを聞いてくれたら、時空間魔法を教えたうえにこのお宝を全てお前にやる……と言ったらどうする?」

 

「ッッ!? ……な、なんですと?」

 

 

 アネストちゃんが釣られたあああァアアアアアアア!? 恐るべし、エロスッ!?

 

「どれもが普通では手に入らないお宝ばかり。これを逃したら一生手に入らない。しかも隠し場所という難関も、時空間魔法を取得すれば何も困らない」

「あ、あぅ、あ……うぅぅ、チラチラ……」

「ビッチなお前にはこれ以上ない報酬だと思うが」

「ビッチではありません! っていうか、私は経験ないと……そ、それに、こんなハレンチなもので私が、私が……つ、釣られるなど……」

 

 釣られてるって! っていうか釣り上げられるって!

 もう、アネストちゃん『半分堕ちてる』よ。

 でも、そこでセカイくんは……

 

 

「だから、頼む。俺に力を貸してくれ……」

 

「……あ……」

 

 

 そのまま押し切るというよりは、普通にセカイくんは改まったようにアネストちゃんにお願いした。

 その様子を見て、アネストちゃんは少し混乱が収まってきたのか、落ち着いた様子で、

 

「……あなたが……ここまでするほど本気だというのは分かりました。でも、現実問題……私の力では皆のやる気を出させることも、引っ張ることも……自信がありません……それに、また皆に嫌われたらと思うと……」

 

 足元に大量のエッチ本がある状況とは思えないシリアスな雰囲気でそう答えるアネストちゃん。

 すると、セカイくんはアネストちゃんの手首をガっと掴んで……

 

 

「うるせえ、別に一人でやれって言ってねぇだろ! 俺が傍にいる!」

 

「え……ッ!?」

 

「それに、何かあったら俺がテメエを守ってやる! 支えてやる! 傍にいてやる! もし、何かあったら一緒に戦ってやる! 俺を頼れ!」

 

「セカイ……くん……」

 

「本当は俺一人でやるべきなんだろうが、クラスの奴らを知らねえ俺がいきなり一人で仕切るのは無理だ。だからテメエに頼ってんだ。俺にはテメエが必要なんだよ!」

 

「……あっ……」

 

「頼む、ブルー!」

 

 

 すごい真剣な顔で、そして熱い言葉を正面からアネストちゃんに……うわ、なんだろう……すごい……聞いてるだけで私もドキドキ……ん?

 

「……セカイくん……ふふ……まったくもう……あなたという人は……もう、降参ですね」

 

 ん~? あれ? なんか、アネストちゃん……ものすごい顔がポーっとして……そしてすごくかわいく笑って……

 

「一つ、よろしいですか?」

「ん?」

「私はブルーではありません……アネストと……名前で呼んでくださらないと、困ります」

 

 おわっ!? ちょっと拗ねたように唇尖らせて……え? なにあれ? かわいい! あんなかわいい仕草のアネストちゃん知らない!

 

 

「お、おお、アネスト……」

 

「よろしいです。まったく……あなたにはまいりましたよ。こんなに熱い方だとは思いませんでした……ですが、女の子をこんなハレンチグッズで釣ろうという考えはどうかと思いますが……」

 

「そ、そうか? じゃぁ、いらねぇか?」

 

「……いらないとは言ってません。ですが……」

 

 

 ああ、もうこれはアレだね……うん……

 私は初めて見た。ディーちゃんも初めてだと思う。

 さっき、私はエッチアイテムを前にディーちゃんは『半分堕ちてる』と思ったけど、もうその表現は正しくない。

 

「ねぇ、……ディーちゃん……どう思う?」

「……完全とまではいかないけど……けっこう……堕ちかけてるわね……」

「だよね~」

「アネストって意外とチョロいのね……」

「まぁ、今まで男の子とあまり関わらなかったり、トラウマあった分、あんな正面から来られたら……ね」

 

 たぶん、『半分以上』はいってると思う。

 

 

「とにかく、やりますよ、セカイくん……いえ、セカイ! 一緒に皆を引っ張り、高みを目指しましょう!」

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