【完結】聖女勇者見習いたちと追放された魔界最恐王子のハーレム性春記   作:アニッキーブラッザー

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エピローグ

 あのとき、どうしてもあの方の急所を突くことができませんでした。

 

 あの方を背後から突き刺そうとした瞬間、どうしても最後の一押しができませんでした。

 

 新たなる魔界のため。魔族のため。そう掲げるお兄様に従い、私はあの方に近づき、そして……

 

 でも、後悔しない日はありませんでした。

 

 

――よくやった、ラギル。これで魔界は我らのものだ。さて、私も忙しいのでもう行こう。夜にはあの娘たちも可愛がってやらなければならないし、ははは、魔王も忙しいものだ

 

 

 そして、権力を得て醜くなっていくお兄様を見て、私は全てに絶望しました。

 こんなことのために、私は私を心から愛してくれた人を……だから、自分の命を断とうとしました。

 

 でも、どうしてもできなかった。

 

 なぜなら……

 

 

「ばぶ、ば、ばぶぅ、んふ~」

 

「よしよし、マーマはここにいますよ」

 

 

 この子の存在があったから。

 命を断とうとした寸前、私のお腹の中に新たな命が芽生えていることに気づきました。

 私が裏切った、私が殺した、私が愛してしまった人との子供。

 この子まで殺すことは私にはできませんでした。

 そして……

 

――ラギル様! 大変です! クーズオさまが……クーズオさまが!

 

 オークたちと共にお忍びで地上へ行ったお兄様が、生死不明との報告。

 ただ、不思議とあまり悲しみはこみ上げてきませんでした。

 同時に……

 

「生きていたのですね……あなた……」

 

 彼の生存を知りました。

 そして、彼が人間のフリをして魔王軍と魔界を滅ぼそうとしていることも。

 

 

「うわああああああああああああああああ! わたし、なんで? わたし……わああああああ! わたし、なんでよ! わたし、なんで王子くんを裏切って、あんなこと、う、う、うわあああああああああ!!」

 

「おのれえええ、おのれええええ! あのクズめ! クーズオ! わ、私を、私の身を穢すどころか、私に友を裏切らせて……うわああああああ!」

 

「うそよ、こんなの……う、うそだわ……そ、そうよ、か、彼なら分かってくれるわ……そ、そうよ、私たちの絆はこの程度では……そ、そうよね? ねえ?」

 

「センパイ……うぅ、センパイが……私たち以外の……ましてや人間の女なんかと……ごめんなさい、ごめんなさい……」

 

 

 新たな魔王の早々の死。

 さらにはお兄様の手で正気を失っていた彼女たちが正気を取り戻し、魔王城では悲痛な叫びが響く日々。

 発狂し、自傷行為や自殺未遂、そんな声を聞きながら、私はふと地上の様子を覗き見ようとしました。

 そして……

 

 

――セカイくん、今日は私たち三人とだよ? えへへ~、明日は休みだからいっぱい可愛がってね♪ お父さんもお母さんも、大将軍を倒したセカイくんが相手なら文句ないって言ってたから!

 

――体の隅々から穴に至るまで全て洗浄しましたので、私は全ての箇所で今日もあなたを受け入れます!

 

――ね、我慢できなくなっちゃったから、ダーリン、キスして♡ ううん、私からしちゃう、ちゅ♡

 

――はぁ、いいな……私は明日かぁ……ねぇ、ご主人様……え? 人前で言うな? 無理よ、私はもう君の雌豚奴隷なのだから……人前で口調に気を付けるだけで精一杯なんだぶひ♡ あっ、ちが、精一杯なのよ♡

 

――うふふ~、明日は~マーマがた~んと可愛がってあげまちゅね~♡

 

――セカイくん、めんどくさそ~な顔……あ! ひょっとして、まだ私たちがセカイくんを好きってことを疑ってるの?

 

――まったくあなたは……一体何人孕めば信じてくださるのですか?

 

――あのねぇ、私たちはダーリンを裏切った魔族のバカ女たちとは違うんだから!

 

――ご主人様……いえ、セカイくん。確かに私とブレスツがあなたの体を求めたのは媚薬が原因だったけど、今ではとっくに媚薬効果も切れているのに、私はあなたにぞっこんぶひ……じゃなくて、なのよ……

 

――不義は絶対にありえません~

 

 

 そして、勇者の娘たちと性に溺れている彼の光景。

 

 

「「「「うわあああああああああッッッ!!!!????」」」」

 

 

 それを、彼女たちと一緒に目撃し、彼女たちは精神が崩壊しかけるほど余計に発狂しました。

 そして、私たちに見られているとも知らずに容赦なく心を抉るようなことを発する人間の娘たち。

 その一言一言が苦しいものでした。

 

「あなた……」

 

 一方で私も色々と堪えるものがありましたが、全ては自業自得。

 何よりも、子供がいたことが大きく、むしろ彼がどんな形にせよ一人ではなかったことに安心しました。

 ただ……

 

 

――いやいや、そんな……だいたい、アネストとブレスツは大丈夫なのかよ?

 

――はい。まだ大丈夫だとお医者様の許可も頂きました!

 

――うふふふ~♡ はやく生まれて欲しいものですね~♡ ですが~、魔族との混血ですから~、それが許されるよう、もっと手柄をいっぱい~いっぱい~立てませんと~

 

――いいな~、アネストちゃんとブレスツお姉ちゃん。デキたのって、あの初めての日でしょ? よし、今日は最低5回ヤッちゃうもんね♡

 

――私も早くダーリンの子供を身ごもりたいわ。だから早く孕ませてね? そうしないと、手柄の前にパパたちにダーリンの正体言っちゃうかもよ? それに、私たちも戦争に協力しないかも?

 

――そうぶひ。私も早くご主人様の子供を孕ませてほしいぶひ♡ じゃなくて、欲しいわ♡

 

 

 一方で胸が痛むことも。

 勇者の娘の中の二人ほど、既にお腹の中に彼の子供がいる様子。

 それは、今の私にとって命より大事なこの子の腹違いの弟妹にもなる。

 

 そして、あの様子からその子たちは祝福されて生まれるのかもしれません。

 

 彼もまた、情に脆く、愛したもののためならば……この子とは違って……この子は何もしていない……何の罪もないのに……

 

「まーま、まーま、ばぶぅ」

「ええ、マーマですよ」

 

 愛おしいこの子のためにも私は願います。

 

 

「あなた……私を殺して構いません……魔界も魔王軍も滅ぼして構いません……ですが……どうかこの子だけには……どうか……慈悲を……」

 

 

 届くわけのない遠い彼方の彼に向って私はただ願うだけでした。




短い間でしたがありがとうございます。
引き続き別作品でもよろしくお願いします。


本作、完全18禁のエロバージョンは別サイトにて投稿してますので、ご興味ありましたらよろしくお願い致します。

https://novel18.syosetu.com/n2824gr/
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