父いわく、全身の肌に密着した
たしかに、全身に装甲を
──その威力は
周囲を見回してみる。
兜の内側は視野に一切の干渉がなく、顔が仮面で覆われていることを忘れそうだ。
それでいて、さきほどの水面に映った自分自身の姿のように、不明瞭な映像も拡大したり補正したりを自動でやってくれる。
こういった機能が、額の
その視界が、前方から近付くもう一体の人型魔物を捉える。
人型としては腕が異様に長い。のけ反るような姿勢で、身長は2メートルほどか。
周辺に這いつくばっていた例の少女は見当たらない。上手く逃げてくれたならいいが。
そう言えば、先に逃げていた子供たちは……? ちらりと後方を確認すると、離れた場所からこちらをじっと見ている。
拡大された映像の中、私に向けられるいたいけな瞳たちは、完全に怯えの色に染まっていた。
──まあ、
そして私のすぐ背後。守るべき小さな男の子のそばに、いつの間にか例の少女が屈みこみ、彼の魔瘴に侵された右足をさすっていた。
おそらくは
しかも、優しく撫でさするその手のひらは仄かに白い光を
「えっ……」
魔瘴の浄化儀式は、教団の上級神官クラスしかできないはずだ。
なぜこの、村娘然とした簡素な服装の少女にそれができているのか。
そして何より、もしや幼い命は助かるのか。
「あなたは──」
いや、ちょっと待って。
そもそも私は彼女の二つ結びにした栗色の髪や、万人から好かれるであろう素朴で愛らしい顔立ちに、どことなく見覚えがあった。
それはエリシャではなく、衿沙のほうの記憶だ。
「──誰なの?」
私の漠然とした問いに、彼女は目線を子供にあわせたまま、淀みなく明瞭に応える。
「わたしはただの村娘です。そんなことより
はっとして前方に戻した私の視界いっぱいに、目前まで迫っていた
「っ! このッ!」
反射的に顔面に放ったパンチは、上半身をぐにゃりと後ろにねじ曲げる動きで回避されてしまう。
しかもその体勢のまま
背後に二人をかばう私は、避けることができない。
だが鋭い爪は脇腹の
ギギゲゲギゲゲ
それでも
私の脇腹には鈍痛が拡がっていた。
爪を弾いた素体の表面が微かに、赤黒く変色している。
──物理的なダメージはない。しかし、魔鎧が魔力を凝縮し形成したものである以上、魔瘴による侵蝕の影響はゼロではないらしい。
空振った
ならばと前に踏み出して、最初に
自分でも驚くほどに、私は戦えていた。
特撮で食い入るように見てきた、いわゆる
一向に上達はしなかったけど、体には刻まれている殺陣教室で学んだ日々。
それらを、
「もう歩けそうね」
「うん、ありがとう
背後から声が聞こえた。
続いて二つの足音が遠ざかっていくのがわかる。
男の子の元気な声に私は安堵した。これで心置きなく、全力で戦える。
同時に私は、少女が
マリカ──それは、この