魔王になりたい魔族と死霊の勇者(完)   作:発狂する雑草

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葬送のフリーレンがつらすぎた。
ヒンメルが好きなんですがアイツしんでんだよぉ!!!!登場するたびに株上げに来るの辞めてくれっ!推したって!ヒンメルはもういないじゃないっ!!!!辛い!辛いよぉ!!

という思いから書いた作品です。
恋愛要素は皆無です。ひたすらわちゃわちゃしてるだけ
続くかは気分次第
文才は皆無
一応原作は読んでますがめちゃくちゃ前半で止まっていますので、読み勧めている方によっては「ん?」というシーンもあるかもしれません。
なお、ヒンメルの口調が若干迷子になっているのと、主人公が魔族なのでヒンメルくんが若干黒いです。
圧倒的光属性、優しさの塊であるヒンメルくんが好きな方は読まないことをおすすめします。

脳みそ空っぽにして読んでください!!!まじで!!!


どうしてトラウマが目の前にいるのでしょうか…?

魔族

それは人間と似た姿を持ちながらも人間とは全く異なる生物である。

大魔法使いフランメは言葉を話す魔物を魔族と定義づけたそうな。

 

魔王

魔族の王

すべての魔族を統べる存在

 

魔王、そして魔族、魔物

それらの存在は森を焼き村を襲い人を食らった。

魔法使いなどを始めとした人類は必死に抵抗したが、魔王を打つことはできず、蹂躙される一方であった。

 

しかし人間はあきらめなかった。

そんな彼らの意思が、決意が希望を生んだのだ。

 

勇者ヒンメル

僧侶ハイター

戦士アイゼン

魔法使いフリーレン

 

彼らは武器を手に魔王に立ち向かい、見事魔王を討伐してみせた。

伝説の勇者、そしてその仲間により長く苦しい人間、そして魔族との戦争は終え、世界に平和が訪れたのだ。

 

 

だが、時間の流れは残酷だ。

生物である限り逃れることの出来ない時間の流れ、それは如何に世界を平和へと導いた勇者一行とて例外ではない。

 

魔王討伐より50年

 

勇者ヒンメル、76歳…永眠

 

彼の死は瞬く間に広まった。

勇者ヒンメルの偉業、そしてその優しさがこの世から失われたことを人間は悲しみ

勇者ヒンメルの強さに恐れ慄いていた魔物は彼の死に手を上げて喜んだ。

 

 

 

……の、だが

 

 

 

「死人は墓に帰ってくださいお願いします!!」

「君が僕を無理やり呼び出したんだろう?お陰で天国で贅沢三昧できなくなったじゃないか」

「え、これ自分が悪いの??」

 

 

勇者ヒンメル

彼は死霊として"全盛期"の姿でこの世に舞い戻った。

彼を呼び戻したのは…いや、呼び戻してしまったのは一体の魔族であった。

 

 

これは、魔王になりたい魔族と死霊となった勇者の物語

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

勇者が死んだらしい。

魔王を討ち取った憎き敵

そいつの訃報を聞くなり、一体の魔族はそれはもう喜んだ。

名はフィール

薄紫の髪に赤い瞳、角を覆い隠す麦わら帽子を被った子供のような見目をした魔族だ。

 

フィールの夢は魔王になることだった。

そのために多くの魔法を覚えた。

全ては悪くて強くてかっこいい魔王になるため

大きくなったら立派な魔王になるぞ…そう意気込んでいた矢先、勇者ヒンメル一行に出くわし腹を切られた。

切られた瞬間フィールは悟った。

 

あ、これ勝てないやつ。逃げよ

 

フィールにプライドという4文字はなかった。

勝てないなら即刻撤退。作戦名命大事にを掲げていたフィールはすぐさま逃げた。

追いかけられた。怖くて泣いた。

 

とまぁ、なんとか逃げ切ったフィールは近くの村に潜り込み、老夫婦の家に転がり込んだ。

当然、フィールは悪い魔族なので、老夫婦への嫌がらせを行った。

 

老夫婦が毎日汗水垂らしてまで真剣にやっていた畑仕事を奪い取り、代わりに耕し、種を植え水をぶっかけてやった。

人間は働かないと落ち着かない生き物だとなにかの本で読んだ気がしたので、その仕事を奪ってやった。

老夫婦は泣いていた。フィールは誇らしい気持ちになった。

 

道端で泣いている子供を見かけた。

痩せ細り、ボロボロと涙を流している。

子供は泣くときうるさいものだがその子供は声を上げる元気もないのかボロボロと涙を流しているだけであった。

 

これは精神を病んでいる!!!

 

フィールは思い出す。

人間は涙を無理に止めると精神を病んでしまうほど弱い生き物であると誰かが言っていた。

 

すでに精神を病んでいそうなこの子供にさらなる追い打ちをかけることこそ悪い魔族なのでは?!

 

フィールはこの間収穫したリンゴを持っていたので、それを子供の口に突っ込んだ。

子供は泣き止むと、ものすごい勢いでリンゴを食べた。

子供の涙を無理矢理止めることが成功したフィールは誇らしい気持ちになった。

 

また、フィールは勇者にビクビクしながらも村の外へ出た。

フィールとて魔族、魔族は本来人食いだ。

別に食べなくても生きてはいけるのだが、時折風に乗って流れてくる血の匂いを嗅いでしまうと無性に涎が出てしまう。

なにより立派な魔王は人間をたくさん食べるものだ。

なので食べようと思う。

 

しかし村の人間を襲うのは隠れ蓑にしている分、あまりいいこととは言えない。

勇者の耳にでも入って乗り込まれたら今度こそ死ぬ未来しか見えなかった。

 

なので態々村の外に出たわけだが、ふと血の匂いがした。

そちらへ向かえばそこには血を流した男が倒れていて、その周りには魔物が取り囲んでいた。

 

人間だ!

 

目を輝かせたフィールは周りの邪魔な魔物を蹴り飛ばして倒れている人間に駆け寄る。

そうして早速食べようとして…止まる。

死にかけなのだ。この人間は

フィールは知っている。食べ物は鮮度が大事だということを。

村の人間が言うのだ。鮮度がいい食材は頬が落ちそうなほど美味しいと

 

まず人間は美味しいものを食べると頬が落ちる生き物だということに衝撃を受けたフィールだったが、そんなに変わるなら是非そうしてみたいと考えるのは当然のことであった。

そしてフィールが知る鮮度の高い食べ方は"活造り"という元気な食材を生きたまま食べる方法だ。

正直本で読んだのでよくわからないが、とにかく活かして元気にすればいいらしい、ということだけはわかるので、襲い掛かって来る魔獣を焼き払うと、人間を担いで村に戻った。

 

村で問題を起こし騒ぎになりたく無いから村を出て人間を探したというのに…この時のフィールは思いっきり村を出てきた理由を忘れていたが…まぁそれはご愛嬌である。

 

戻ったあと人間は医者によって治療され元気になった。

人間が恩返しがしたいと言うので、その身をもって恩を返せといった。手始めに肉を食わせろとも。

 

その日、大きな肉を食べた。

人間の肉?と聞けば人間の肉より美味しい肉と言われた。

確かに美味しかった。

 

因みにその日の夜、魔王が死んだという訃報を耳にした。

それ即ち魔族が負けたということ。

だがフィールにとってはある意味チャンスであった。

前魔王がいない今、実力を示せば魔王になれるのでは?

更におそらく強い魔族は粗方勇者に狩られたはず。

 

いける、今ならいける!!!

 

フィールはその日から更に気合を入れて魔法を覚えた。

勿論人間への悪さも怠らなかった。

最近やった悪いことといえば、人間は身勝手を嫌うものらしいので、勝手に荷物を浮かせてやったり壊れた家を好き勝手弄って違う家に作り替えたり

 

そんな悪くて強くてかっこいい魔王への道を華麗に駆け上がるフィールの耳に勇者の訃報

このタイミングで、この情報

これは間違いなく自分に魔王になれというお告げだ。

 

フィールは村を出た。

その際村に最後の嫌がらせとして勝手に結界を張ってやった。

村全体を覆う結界

結界の内容は…覚えてないけど確かに魔を弾く、とか書いてた気がする。

まぁいい、もう立ち寄ることのない村のことなど忘れて魔王になるのだ!

手始めに何をしようかと悩みに悩み、魔王とは従者を侍らせるものだということを思い出した。

 

なので従者を探すことにしたのだが

人間はすぐに死ぬので長く使えさせるのには向かないし、魔物は意思疎通が少々面倒くさい。

なら魔族は?アイツラは魔王になる可能性のある存在、要するにライバルなのでなし。寝首をかかれたらたまったものではない。

 

そうして考えに考え、ふとフィールは思い出す。

そういえばフィールは死霊を操る魔法を持っていた、と。

諸事情により死者と会おうと考えたフィールが過去に必死になって探し、幾多の文献を読み漁り……最後は面倒くさくなって自分で作り出した魔法であった。

 

まぁ、その魔法は死霊を呼べたには呼べたのだが意思がなく会話ができなかったので没になってしまったのだが

命令をすれば大人しく従う。きっと戦力にもなるはずだ。

 

死霊を従者にしよう。

 

そう考えたフィールは適当な街に行き、死霊となれる魂を探した。

どうせ従者にするなら強い従者がいい。

強い魂を求め、墓や街を歩き回り

 

勇者ヒンメルの死から1ヵ月

ついにフィールは強い霊を検知することに成功した。

場所は中央諸国の王都だ。

もし時間逆行の魔法があればフィールは全力でこの魔法を覚え、この時の自分を止めただろう。

 

 

そうしてフィールは魔法の呪文を唱えた。

 

 

風が巻き起こり、草原を揺らして空に舞う。

そうして光があたりを満たし視界が白に埋め尽くされる。

そうしたふわりとした布が目の前で揺れた。

 

そこにいたのは空を落としたようなどこまでも澄んだ青

 

間違えるはずもない、コイツは

 

「ゆ、勇者キャンベル!!」

「ヒンメルね」

「勇者ヒンメル!!!」

 

片時も忘れたことなどない。

フィールの腹を割いた憎き人間、勇者ヒンメルがそこにいた。

そんな彼をフィールは睨みつけ、そして魔族の誇りを持って叫んだ。

 

「死人は墓に帰ってくださいお願いします!!」

 

フィールにプライドという4文字は存在しない。

 

「君が僕を無理やり呼び出したんだろう?お陰で天国で贅沢三昧できなくなったじゃないか」

 

ヒンメルは死んだあと、いつか仲間たちと話した通り天国で贅沢三昧できるかもしれない…なんて気楽に思いながらその一生に幕を閉じた。

だというのになにかに引っ張られるような感覚がして目を開いたらなんか目の前に以前自分たちから逃げ出した魔族がいたのだから驚きだろう。

しかも帰れと言われている。無理やり自分を呼び出しておいてこの言い草は文句を言っても許されるだろう。

はっきりいってヒンメルの主張はなんら間違っていない…のだが

 

「え、これ自分が悪いの??」

 

フィールとしても本意ではなかった。

 

「も、もしかして…ここに死体あるの…?」

「ここに埋まってるよ」

 

ケロリとした様子で言うヒンメル。フィールは顔を真っ青にした。

それはつまり、フィールの魔法によって呼ばれたということだ。

フィールは勘違いしていた。

フィールの魔法で呼ばれた死者は"喋らない”というかそもそも自我も意思も”持ち合わせて”いない。

だから、勇者の不思議パワーで亡霊として化けて出できたのだと思い込んでいたのだ。

だが真実を知ってしまい、フィールは膝から崩れ落ちる。

 

「なんでっ!なんでここなの?!

中央諸国の王都から旅立ち、最後は”愛した人”と共に静かな土地にて骨を埋めるっていうのが勇者の定番だって聞いたのに!!!嘘つき!!」

「理想はそうなんだろうけど…理想はあくまで理想だからね。そもそも僕はここに住んでいるし、独り身だし」

「ひとりみ?!」

「残念なことにね。僕こんなにイケメンなのになぁ」

 

やれやれとため息を吐くヒンメル

ストレスから今にも吐血しそうなフィール

時刻は夜で人が見ていないから良かったもののはたから見ればかなり異様な光景に映るだろう。

 

「うぅ…行く先々にあるフィンリルの像を見るだけでもストレスがすごいのに」

「ヒンメルだよ」

「実物に会うなんて…そもそもなんであんな銅像があるんだよぉ、おかしいじゃん。普通一つだけ置いてるもんじゃないの…?各町に一個おいてるよぉおかしいよぉ」

「ほら、僕イケメンだから目の保養にね、まぁ実物には遠く及ばないけど…それに、あの像を見た人々に安心してほしいんだ」

「魔族は不安しか煽られないし目に毒だよぉ、見るたび悪夢にうなされるぅ…!」

 

この各地に置かれた銅像に関してはとても深い事情があるのだが当然フィールが知っているわけもなくグズグズと唸る。

 

だがそこでフィールはハッとする。

 

自分は後々魔王となる魔族

勇者とはいえ相手は死霊、色々取り乱しはしたものの霊に変わりはなく基本的に使役者の意志に背くことは出来ないわけで

 

そうだ。何故か意思持ってるし、すごいベラベラ喋ってるけどコイツは死霊!!

自分には逆らえないし、攻撃なんて絶対にできない!

事実、前は目があった瞬間切りかかってきたけど今は悠長に会話できているのがその証拠!!!

今こそ最凶の魔王になる魔族として勇者を従えるんだフィール!!!

修行積んでいる、経験は十分…残るは覚悟!それだけだ!!

 

フィールはブンっと勢いよく顔を上げ、厳格たっぷりの表情でヒンメルを見る。

 

「俺様は最凶の魔王になる魔族だ!魔族を従わせついでに人間も支配する!さぁついてこい従ぼっ、ぐッ!!!」

 

次の瞬間ヒンメルの手刀が思いっきり脳天に炸裂した。

人間卒業テストを満点で通過したヒンメルの手刀はとんでもない威力を持ってフィールを地面に沈める結果となった。

 

台詞は一応最後まで言えたには言えた。

だが代償はデカかった。

 

地面に埋まったフィールは無様にウゴウゴと手足をばたつかせる。

そうしてようやくスポッと顔を出す。

泥と体液という体液を顔の穴から垂れ流し絵面がすごいことになっている。

人様には到底見せられないほど悲惨であった。厳格もクソもない。

 

「い"だい"ッ」

「…なんかごめんね」

 

勇者ヒンメル

過去の経験から魔族を攻撃することに対して躊躇をしなくなった彼だったがここに来て初めて魔族に謝罪した。

後にも先にも勇者に謝罪されるという偉業(クソイベント)を成し遂げた魔族はきっとフィールだけだろう。

フィールは誇って良い。




フィール
とても悪い魔族。性別は不明。子供のような見た目をしている。
おつむが非常に弱く、記憶力が壊滅してる。
代わりに魔法に関しては天才的で「死霊の魔法調べるのもう面倒くさいし自分で作っちゃうか!」というノリで作れるくらいには天才
ただ使用回数が少ないことと頭が弱いことが理由で
どうしてヒンメルに自我が宿っているのか
どうしてヒンメルを操作できないのか
そもそもヒンメルが何故"死んだときの姿"ではなく"全盛期の姿"で現れたのか全然わかっていない。
不思議勇者パワー…?!というふわふわ解釈して深く考えていない阿呆
ある意味宝の持ち腐れ
なお、死体の使役(物に触れる)と死霊の使役(物に触れない)を同じものとして考えているフシがあるため死霊を従者にしようとか考えてるけどそもそも無理
仕方ない。元はおしゃべりするために作った魔法だから。
そこに気づいていたらヒンメルと出くわさなくてすんだ。

勇者御一行と目があった瞬間、アイゼンに足場崩されて、ヒンメルにお腹を割かれ、逃げ出すもフリーレンに真顔で追いかけ回された為、ハイター以外の3人に対して恐怖を抱いている。
魔族は生まれながらに天涯孤独なものだが、この子は生まれた時点で天涯孤独じゃなかったのでこんな性格になったらしい。


ヒンメル
僅かな心残りはあれど、仲間たちに託したいものは託したし平和も訪れたしで割りと満足して死んだら若返った姿でこの世に舞い戻ってきていた。
足が消えてるけどそこまで気にしてない。
この度、変な魔族と出くわした。
あくまで死霊なので使役者には攻撃できないと思ってたらなんか出来た。
人間の勇者であって魔族の勇者ではないのでフィールにはちょっと対応が辛め。でも絆されたら優しくしてくれるかもしれない。
偶にフィールの何気ない言葉に心を地味にえぐられているらしい。


とあるエルフ
まだ人間を知るたびに出たばかり。
フィールの旅の命運を握っている…らしい。
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