日々課題に終われ死にかけている雑草です。
アニメ見ました。アウラちゃんの死にざまが最高にかわいかった、へっへっへ。
今回も捏造祭りです。合言葉は”ご都合主義万歳”でお願いします(*´▽`*)
それではどうぞ!
「少し遊んであげるわ」
「結構です」
フィールはとてもいい笑顔でピンク髪の魔族からの誘いを断った。
表情は引き攣り、足が内またになりガタガタと震え、非常に可哀そうなことになっている。
だがそれも仕方がないことかもしれない、目の前には自身より明らかに魔力量の多い美女の皮を被った化け物。後方には首のないやべぇオーラを纏った騎士
死ぬしかないじゃない!と叫び出したくなるような状況にフィールはマジ泣き一歩手前であった。
さて、どうしてこんなことになったのか。
事態は一日前まで遡る。
「ふーっふっふ!この町は俺様の手に落ちたも同然!!はーはっはっは!」
昼間に町を襲撃しに来た魔族をぶっ飛ばし、偶然にも北側諸国グラナト伯爵領に入ることが出来たフィールは早速この町に悪逆の限りを尽くしてやろうと画策する。
考えたなら即行動
フィールは早速町に繰り出す。
大きな町なだけあり、人で溢れかえっている。
これだけ人がいるなら征服すればさぞや快感だろうとフィールはほくそ笑んだフィールは笑顔で悪逆の限りを尽くした。
いつも通り荷物を浮かせ、人を空へふっとばして遊んだ。
後は、そう。新しい嫌がらせとしてただ飯食らいをしてやった。
なんか食事処の店にあったのだ。大量の食事を食べきればタダになるという謎メニューが。
何人もの人々がそれにチャレンジし、その量の多さに平伏していた。
何人もの人々が食べきれず涙をのんだメニューをフィールが完食すればフィールの偉大さに恐れ戦くかもしれない。
更に人間はただ飯食らいが大嫌いらしい。丁度いい嫌がらせにもなるだろう。
あと、単純にお腹が空いた。
魔族という理由もあって人間より胃が丈夫かつ食事を多くとりたがるフィールにとってそのメニューは余裕で完食した。
そのまま金を払わずに店を出てやった。店主が滅茶苦茶悔しそうな顔をしていたし、何かを叫んでカウンターに突っ伏していた。
因みにメニューの前にだらしなくも挫折した人々は小柄なフィールの胃にものすごい勢いで消えていくご飯を見て酷く滑稽な間抜け面を晒していた。
その顔を見たフィールは胃も心も満足した。
まぁそんなことをやりながら、ある程度の人間がフィールの前に平伏したあたりでフィールは宿屋に戻ってきた。
満腹なフィールはベッドに倒れ込み、そのまま爆睡をかまそうかと思ったのだが「あ、そういえば」と上体を起こす。
「ヒンメルヒンメル。魔王城までどれくらいかかんの?」
そう聞けばヒンメルは「まだ結構かかるかな」という。
「僕らは魔王城に行くまで10年はかかったから」
「10年も!?」
「まぁダンジョン攻略とか色々寄り道したからなんだけど。
君も寄り道するタイプだし、最低3年はかかるんじゃないかな」
「…結界持つかな…」
フィールがぼそりと呟いた。
フィールのいう”結界”というのはクヴァールが封印されている村のことだ。
毎年クヴァールの封印が解けないように見に行っていたヒンメル
それに代わってフィールが仕方なく見に行っていたのだが、魔王城を目指すにあたって長期村を離れることになるということでフィールは結界を張っていた。
一年は問題なく機能するが二年目三年目にもなると結界が消滅する可能性があった。
食糧庫兼金ずるがなくなってしまうのはフィールとしても困る。
「…移動魔法作るか」
”覚える”のではなく”作る”という発想になる辺りフィールの思考が如何に普通じゃないかがよく分かるだろう。
だが誰かに指摘されることもなく、フィールは早速魔法開発に勤しむのだった。
・・・・・・・・
「どういうことよ」
広い室内
壁には美術品が飾られている。キラキラとした照明の数々。一見すれば貴族などが暮らす部屋に思えるだろう。
だがその室内には首のない不気味な騎士がずらりと並ぶ異様な空間となっていた。
その部屋の奥。大きな椅子に腰を下ろした一人の女はその端正な顔を歪めて苛立ちを隠すことなく呟いた。
フワフワとしたピンクの髪を三つ編みにし、大きな角を生やしたこの女こそ、魔王直属の幹部、七崩賢の一人。断頭台のアウラだった。
500年以上生きた大魔族である彼女は、最近までこの部屋に隠居していた。
何故か。憎き勇者ヒンメルにその右腕を切り落とされた。
別に右腕を落とされたこと事態は問題がない。なんせ魔族。少し時間がたてば腕は生えてくるのだから。
だが死への恐怖を植え付けられてしまってはどうすることもできない。
感情に疎い魔族とはいえ、生き物であることに変わりはない。
生き物である以上逃げられぬ恐怖”死”
ヒンメルが生きている間、彼女はヒンメルを恐れ、好きに動くことが出来なかった。
彼女は大魔族としてのプライドを踏みにじられた屈辱に震えながらもただただ耐えた。
そうしてついにヒンメルがついに死亡する。
その一報を受けた彼女は部下を使い、力を蓄えていた。
アウラの魔法”アゼリューゼ”は自身より魔力の少ない相手を服従させる能力だ。
操られた側が意思の強い者だった場合、少しの間抵抗することが出来る。
その間に反逆されては面倒なので彼女は相手に自決させ、死体にすることで最強の不死身の隊を築いていた。
まぁつまり彼女が魔法を使うには服従させる対象が多くないといけない。
その為、手っ取り早く力を蓄えるために人が多く生息している村や町を襲う様にしている。
今回もそうだ。
北側諸国グラナト伯爵領は大規模な町だ。
だがこの町には結界が張られていてアウラたち魔族は入ることが出来ない。
アウラほどの魔族にもなると結界を破壊することもできなくはないが、それでも時間がかかってしまう。
だからこそ、部下であるリュグナーたちを使い、結界を少しでも脆くするように命令したのだ。
だがしかし、どうも数時間前からリュグナーたちと連絡が取れずにいた。
リュグナーと共に向かったリーニエ、ドラート、そのほかの魔族も同様に誰一人として連絡が取れない。
「…」
まさか裏切ったか、と考えるがすぐにその考えは消える。
人間社会でも強いものに従順になる図はよく見られる。だが一方で所謂下剋上のようなことを行う人間も少なくはない。
だが魔族の世界はもっとシンプルだ。
強い魔族がいれば何があっても逆らわない。下剋上などという自滅行為は絶対にしないのだ。
確かにアウラより強い魔族がいれば話は別だが、500年間を生きてきたアウラより強い魔族などそういない。
いるとしたら七崩賢くらいだろうが、魔族の世界にも一応の報連相は必要だ。流石に何か連絡がある。
それが一切ないということは、何かしらあったと考えていいだろう。
「人間に負けたというの?」
アウラほどではないとはいえ、指折りの魔族が大量にいたというのに、まさか人間ごときに全滅させられてしまったというのか。
ヒンメルという前例がある分、絶対にないとは言い切れない。
或いは、勇者パーティーの誰かがいて対処したのか…。
どちらにしろ、アウラにとって不測の事態が起きている、ということだけは変わりないだろう。
アウラは少し思案した後、艶のある唇がゆるりと上がる。
「いいわ、私自ら行ってあげる」
可愛らしい見た目でありながら妖美な笑みを浮かべた彼女は黄金に光る天秤を手にするのだった。
・・・・・・・・・
昔々あるところに一人の男がいました。
その男には大切な妻と目に入れても痛くないほどに可愛らしい娘がおりました。
或る日、男は花畑へやってきておりました。
その花は”幸福に満ちる”という花言葉を持つ大層美しい花でした。
その花を見たものは幸せになる、という噂を聞いた男は偶々耳にした目撃情報を頼りにここへやってきたのです。
愛する妻と娘への土産にするために。
そうして花を一房取った男は花を枯らさないように用心しながら自身の暮らす村へ戻りました。
村は、燃えていました。
男が留守にしていた間、魔族が村を襲ったのです。
男が戻ったころには魔族はいなくなっていましたが、村は見るも無残な姿に変わりはてていました。
辺りには村人の死骸。その中には愛する妻と娘だったものも混じっていました。
渡そうと思っていた花は男の手から離れ、誰に見られるでもなく火に焼かれ燃え尽きました。
一瞬にしてすべてを失った男はふらふらとした足取りで村の奥へと向かいます。
村の奥には深い森が広がっていて、その奥には滝がありました。
美しい滝。ここは所謂”自殺の名所”というものでした。
きっと物語りならば男はここから立ち上がり、魔族に復讐する、などという選択があったのでしょう。
しかしここは現実であり、男はただの人間
勇者になることもできず、全てを失っただけの哀れな男でしかありませんでした。
そうして彼はあの世へ行ってしまった妻と娘の後を追う様に身を投げようとして
視界の端
木の枝に引っかかり、無表情で残像が見えそうなほどにバタバタと小さな手足をばたつかせる、娘と同じ年くらいの小さな子供を見つけたのでした。
・・・・・・・
「んぁ」
ぱちりと目を覚ますフィール
ぐいぐいと顔をこすりながら顔を上げればそこには本の山
移動魔法を調べているうちに寝落ちしてしまったらしい。ふわぁとあくびをしながら固まった体をバキバキとほぐす。
「ん…?」
ふとそこで窓の外へ目を向ける。どうやらかなり寝ていたらしい。もう夜になっていた。
夜は基本静かなものだ。なのになにやら表が騒がしい。
ぐるりと室内に目を向ければそこにはヒンメルもいて、彼は険しい表情で窓の外を見ていた。
どうやら彼には何が起こっているのかわかるらしい。
と、そこでヒンメルがフィールを見る。
「ああ、いいタイミングで起きたね」
「え、なにが。てかみんなどうしたの?」
欠伸交じりに聞けばヒンメルは険しい顔のまま言う。
「どうやら魔族が出たらしい」
「魔族が…」
「僕もあまりわかってはいないけど、門の外に強い魔族が出た見たいでね。念のためにと避難をしているらいし」
「ほー…」
「そりゃ大変だ」なんて言いながら大して思ってもいないフィールは魔法開発に戻ろうとする。
そんなフィールの肩をヒンメルが掴む。
振り返る。とてもいい笑顔がそこにはあった。
「気になるだろう?見に行こう」
「え、やだ」
肩を掴む力が強くなった。ついでに笑顔の圧が凄い。
フィールは「ひぇ」という悲鳴を漏らす。
数年一緒にいる分幾分かマシになったとはいえ、トラウマはトラウマ
ヒンメルには見えていないだろうが、フィールの脚がガタガタと震える。
「気になるだろう?」
「あの、気には…」
「ん?」
「ア、気になりマス」
壊れたブリキ人形のようにガクンガクンと首を縦に振る。
てかここで振らなきゃ殺される気がする。
だってヒンメル、もう片方の手が剣の柄に置かれてるんだもの。
勇者のくせに堂々と魔族を脅すとか勇者の風上にも置けないとフィールは全力で抗議したかった。
まぁしようものならその左手の剣が日の目を浴びることになると思うので決して言わないが。
「それに強い魔族だ。魔王候補かもしれないだろう?」
「よしいこう」
半泣き状態だったフィールの表情がころりと一転し、元気よく立ち上がる。
別にその魔族と対立する気はないが将来のライバルとして敵情視察は大事だ。
情報は何処の世界でも重要なものといえる。
頭の悪いフィールがそれを覚えていられるかどうかは置いておいて。
避難誘導により避難所へ走っていく住民をかき分けフィールは門の方へ進む。
確かに強い魔族の気配がする。魔力も相当のものだということがわかる。
魔族にしては魔力量の多いフィールの約3,4倍
はっきり言って化け物級だ。魔族は自身より多い魔力量を持つ対象に従順になる傾向がある。
魔族であるフィールは足を止め逃げようという思考が過る。
だがそこは異端の魔族。恐怖より好奇心が上回ってしまったフィールは結局門まで向かう。
その途中、人間の騎士が集まっている場所があった。
これから魔族に立ち向かうのだろうか、と思っていればどうやら「戦うべき」という意見と「被害を出さぬために表に出ない方がいい」という意見で揉めているらしい。
確かにこのレベルの結界ならばそう簡単に破られない。
死者を減らすなら表に出ない方が賢明だ。
だがこの結界を、彼らの”子孫が生きる世代”まで長持ちさせたい”これから生まれる子の平和を願うのならば死を覚悟に戦った方がいいだろう。
それをわかっているからこそ、彼らは揉めているのだ。
今の自分たちの未来か、今後の人々の未来か。
そんな彼等を無視してフィールは門を少し開けて外を見る、が
「あれ?」
誰も居なかった。
気づけばあの膨大な魔力も消えている。
どこかに行ってしまったのだろうか、と首を傾げたフィールは不用意にも外に出てしまう、そして
「あら、魔族じゃない」
「あ”」
滅茶苦茶目の前にいた。
彼女、断頭台のアウラはやってきたフィールを見て笑みを浮かべる。
彼女は先程まで気配と魔力を断ち、確認に来た人間たちをおびき寄せようと企んでいたのだが、出てきたのは魔法使いだったため、思わず姿を見せてしまったのだ。
しかも魔法使いは魔法使いでも同じ魔族
結界の張られた町から出てきたということはこの魔族は結界を無効化する方法を知っている可能性が高くアウラは”手間が省けたわ”と内心喜ぶ。
一方フィールは
”え、逃げたい”
滅茶苦茶泣きそうになっていた。
好奇心で来てしまったが、ぶっちゃけアウラが怖くて仕方ない。真面目に。
背中にビシビシと突き刺さるヒンメルの視線さえなければフィールは3歳児もびっくりな駄々こねで泣き叫んでいたことだろう。
どうしようどうしよう。
前には化け物がいるし、後ろにも化け物がいる。誰か助けて
脳みそがパニックになっていたフィールは
「ち…」
「ち?」
「痴女みたいな格好デスネ」
とんでもねぇ発言をぶっ放した。
後ろで聞いていたヒンメルは派手に咽た。
何をどう考えたらその発言に行き着くのか、謎の極みだが仕方ない。
なんせフィールは出くわした時から”布の面積すくないな、寒くないのかな”と思っていたので。
行ってしまえば考えていたことが口からでたようなものである。
基本魔族は”服が体にくっついている”ような状態だ。
服も体の一部なのだ。脱ごうと思えば脱げるし、やろうと思えば服を変えることもできるので、まぁ今着ている服は本人が”良い”と思って着ているものにすぎない。
ただ基本魔族は服の勉強なんてしないので、人間が着ていた服やたまたま本などで見掛けたものを取り合えずとして着ていることが多い。
かくいうフィールの服もそうだ。
たまたま見掛けた人間が着ていた服を想像したに過ぎない。
別にフィールがこういう服が好きという訳ではないが、まぁ服に頓着がないのでこれでいいかとずっと着ている。
他の魔族だってだいたいそうだろう。
前置きが長くなったが、何が言いたいのかというと、アウラのようなあまり人が着ない服を着ている場合は”好み”が反映されている場合が多いのだ。
要するにアウラは露出多めの服を好んで自作し着ている、ということになる。
さて、問題です。
アウラはフィールのように積極的に人間に関わることはないとはいえ、人間の知識などには触れている。500年も。
そんな彼女が”痴女”という言葉を知らないと思いますか?
「ふ、ふふ…面白いことを言うじゃない」
アウラは僅かに肩を震わせる。
アウラとて魔族とはいえ乙女だ。
自分が今まで良いと思って着ていた服を、こんな末端の雑魚魔族に痴女呼ばわりされる。
500年生きてきたアウラにとってそれは未知の体験であり、同時に屈辱ともいえるものだった。
通常の彼女ならばここまで気を荒立てることはないだろう。
だが部下がいなくなってただでさえ、少々不機嫌だというのにこの発言
タイミングが悪すぎるとしか言いようがなかった。
彼女は笑みを浮かべて顔を上げる。
「少し遊んであげるわ」
美しい笑みだというのに非常に恐ろしい圧を感じたフィールは「ひぇ」と本日二度目の情けない悲鳴を上げ
「結構です」
全力でお断りした。
まぁ勿論アウラは逃がす気などないのだが。
この世は非情である……自業自得だが。
・・・・・・・
「…やっぱり噂はデマかな…」
暗い夜道を一人で歩く銀髪の少女がいた。
その少女は人間ではなく、エルフの少女であった。
美しい銀髪が月光に照らされてキラキラと光る。
彼女は落胆した様子で溜息を吐くと、来た道を戻ろうとして
「ん……?」
ふと、強い魔力を遠くに感じ取った。
距離があることからはっきりとした魔力探知が出来ない、だが
「…魔族」
魔族が嫌いな彼女はすぅっと目を細める。
この距離感でこの魔力量。明らかに強い魔族だということを一瞬で理解した彼女は身を翻す。
「行くか」
フィール
今回はあんまり出番がなかった気がする。
どんまい。次回はいっぱい頑張ってもらうからね☆
ちゃくちゃくと死亡フラグが迫っている。やばい。
作者の気分次第ではマジで死ぬから頑張ってくれ。
ゾクゾクとやって来る死亡フラグを回避して無事魔王になることはできるのか!?
頑張れフィール負けるなフィール!
ヒンメル
フィール以上に出番がない。仕方ないんだ。出せる場面が少ないから!ごめんな!
フィールをうまいこと誘導させて現状を把握した。
とはいえ、相手がアウラだとは流石に思っていなくてフィールが死ぬんじゃないかと割と本気で心配したが、そのあとのフィールの痴女発言に”うん、死んだら自業自得ってことでいいや”と早々に手のひらをひっくりかえした。どんまいフィール
次回はもうちょい出番があるよ!やったね!
痴女娘アウラ様
魔族が消滅すると服も一緒に消えてることを見て”アウラ様って露出狂……?”ということでこういう感じになった。ごめんなアウラ様
他の魔族に比べてアウラは感情が割と豊かそうという偏見からちょっとフィールに弄られてもらった。
イラっとしたのでフィールを殺すまでは行かずとも痛い目に合わせて服従させ情報を履かせて殺してやろうと画策してる。結局殺すらしい。どんまいフィール
どこぞの銀髪エルフ
アウラがいなければ大人しく帰ってくれたけどアウラの魔力を察知して現在こちらに真っ直ぐ向かってきている特大の死亡フラグ。どんまいフィール
?
フィールの話によく出てくる”誰かが言っていた”の”誰か”に該当する人…かもしれない。