私生活忙しすぎて吐きそうな雑草です。
えー、やばいです。アニメから離れていたせいかとうとう”飽き”がきてしまいました。
小ネタなら思いつくんですが、やべぇいいオチが思いつかねぇ。
と、なげいている雑草です。不味い。
一応、一応ね?ぼんやりとしたものはあるんですが、果たして面白いのかどうか…。
始めたからには何とか終わらせたい。
まぁいいや、一先ず本編をどうぞ。毎度の如くご都合主義なのでよろしく☆
「君は他の魔族と関わった経験がないのか?」
ヒンメルがフィールと過ごしてしばらくたったある日のこと。
ヒンメルはフィールにそう尋ねた。
ヒンメルはここ数ヶ月でフィールの性格をなんとなくだが理解していた。
魔族とは思えない魔族
魔族は感情を持っておらず対話の通じない獣
その認識が揺らいでしまうほどにフィールは特殊だった。
だが、だからといって信じるわけにもいかなかった。
魔族は何処まで行っても魔族であり、フィールはやりかたは違えど”人を苦しめる”ということを目的にしているのだから。
何かが変わって本当に人に害を出す可能性だって低くはなかった。
だが、その懸念はヒンメルの何気ない質問で消えることとなる。
「え、あるよ?」
話を振られたフィールはきょとんとした顔で答える。
それにヒンメルは「あるんだ」と少し驚く。
フィールの人間に対する害意の低さは人間と一緒に暮らしていたからだと思っていたのだ。
魔族とまともに交流していないからこそ、色々と偏った知識を持っているのだと
しかしどうやらそうではないらしい。
「人生の多くは人間の町とか村にいたけど…魔族とも、あー…30年か40年くらい?関わってたし。なんなら一緒に住んでたこともあるよ」
「一緒に…」
『うん。でも気が合わなかったんだ』
そういってフィールはうーんと唸る。
「皆ご飯食べないし一緒に寝ないし遊んでくれないんだよ。
すぐどっかいって帰ってきたと思ったらまたすぐどっかいくの。疲れないのかな、あれ』
魔族は基本食事を必要としない。
フィールもそうだが”美味しい”という理由だけで毎日しっかり食事をとっている。
魔族からすればそこの行為は正しく”時間の無駄”なのだろうが。
睡眠などにおいても同じ理由だろう。
「街とか行ってもすぐ別の場所に移動したがるんだ。色々見て回った方が楽しいのに…変だよね」
フィールはつまらなさそうに呟く。
恐らく魔族の世界の常識でいえばフィールのほうが変だといえるだろう。
だがそうなると疑問が湧いてくる。
フィールのこの偏った知識と常識は一体どこから湧いてきているのだろうか。
聞いてみようかと考えたところでフィールが「それにね、知らないんだよ」という。
「知らないって?」
「害意がない生き物殺したら祟られるって」
「…」
「あれ?知らないの?」
きょとんとするフィール。だが次の瞬間得意げな顔になった。
「へぇぇぇぇ知らないのかぁ!そりゃそうだよなぁ
じゃなかったら初対面の時に貴様は俺様の腹を裂いているわけないか!
ふふふ、仕方ない。無知な貴様に教えてやろう!
害意を持たない生き物を殺したら祟られるんだ!
なんか怨念パワーっていう呪いにかかってずっと一人ぼっちになって一人で死ぬんだぞ!」
また偏った知識…というか変わった知識をもっているらしいフィール
本当にどこからその知識が出てきたのか甚だ疑問だが…。
「害意が無ければ、君は人間を殺さないのかい?」
それよりも先に、ヒンメルはこの質問をフィールにする。
フィールはニコっと笑う。
「だって呪われたくないし!一時期だけ一人はいいけどずっと一人はやだ。
あ、でも魔族は人間に嫌がらせするものだってこともしってるから嫌がらせしてるんだ!
それに人間は長く苦しむ方が嫌だって聞いたし。特に精神攻撃が苦手らしい。実際そうみたいだし。うん、とても極悪。流石俺様」
「そうか…因みに少し違うよ」
「ん?」
「害意のないものを殺すんじゃなくて攻撃したら祟られるんだ」
「え」
ヒンメルの言葉にフィールは固まる。
そして、ギギギっとブリキの人形のようになりながらヒンメルの方を見る。
顔色が悪い。ダラダラと汗を流す。
「ど、どうしよ。今まで魔獣を蹴り飛ばしたり、ぶん殴ったりしてた…どうしよ」
「ぎ、ぎりぎりせーふ?魔獣って痛みに鈍いし、いやでも…」と頭を抱えている。
そんなフィールを見て、ヒンメルはもう一つ質問をする。
「もし、祟られるっていう話が嘘だったら…どうする?」
普通に考えて、そんなことあるわけがないと思うのが一般的だろう。
そもそも死ぬときなど、実際にその状況になってみなくては審議はわからない。
大体祟りや呪いなど信じるものはそういないだろう。
尋ねてみればフィールは動きを止める。
「嘘じゃない」
ヒンメルの目を見て、フィールは静かな声ではっきりという。
「嘘じゃない。絶対に」
その声には確信に近い何かがあった。
別に意見なんて長く生きていれば変わることだってあるだろう。
この言葉を聞いたからってフィールが絶対に人間を攻撃しないとは限らない。
だが
「…そうか」
なんとなく、大丈夫だと。そんな気がしたのだ。
ーーーーーーーーー
ふとなんとなく過去の記憶を思い出したヒンメル
彼は門の外から響く悲鳴と戦闘音を聞きながら、目の前の兵士たちを見ていた。
「ど、どういうことだ」
「一人の子供が魔族と……!?」
彼等もまた、門の方で起ってことに目をむいて驚いていた。
「我々も行くぞ!」
「待て!まだっ」
「そんなことよりその前に住民の避難を早くしろっ!!!」
多くの人々の焦りと困惑が響く町内。
濃厚な死の気配がすぐそこまで来ている。不用意に飛び出せば彼らはたちまち死体へと姿を変えてしまうだろう。
その現実に覚悟を決めきれないでいる彼らは、進軍するべきという言葉と口論をしつつも一般市民の避難を行っていた。
慌ただしい人々の群れ。ヒンメルは何処か不安げに門外を見る。
「…アウラに勝てるかどうか。一応信じてはいるが…いや、それ以前に」
彼の勇者としての勘が告げる。
酷く、嫌な予感がする、と。
ーーーーーー
「みんな死ぬしかないじゃ___ぎゃぁぁぁぁ!死ぬ死ぬ!あ”ああああッ」
メーデーメーデーこちらフィール!現在死にそうなので急遽要請を求む!!!
一方門外では門内に負けず劣らずの悲鳴が響き渡っていた。
フィールは今、首のない魔族だか魔獣だかに囲まれ、襲われている。
その奥にはピンク髪の大きな角を持った魔族、断頭台のアウラの姿があった。
彼女は笑みを浮かべながら逃げ惑うフィールを前に笑みを浮かべている。
「ふふふ、逃げ惑うしかないなんて…無様ね」
そう愉快そうにいうアウラ
フィールはというと、アウラの言葉に反応する余裕すらなかった。というか聞いてもいなかった。
大量の首のない死体に追い詰められるフィール
フィールならばこのくらいなんてことはない。
なんせ全部魔法でぶっとばせばいいのだから。
だがしかしフィールはそれが出来ずにいた。死体が破損することを恐れている?いや違う。
(な、なんなのこの”魔族”!!めっちゃいるし不気味なんだけど!容姿もっとどうにかならなかったの!?!?)
フィールはそもそも死体を”魔族”として認識していた。
動くし、微量ながら魔力(アウラが操っているため)を感じる。
これは死体ではなく首のない魔族なのだと誤認していた。
阿保である。本当に阿保である。
フィール自身も死体や死者の魂を扱っているくせに違いに気づけていない。本当に阿保であった。
そして死体には”意思”がない。
意思がないということはそれ即ち”害意”がないということだ。
”害意がない生物”を攻撃することが出来ないフィールからすれば対抗策がないのだ。
軽く風の魔法で押し返す程度のことしかできない。
アホなフィールには相性最悪な相手と言えた。
ぎゃぁわぁ叫びながらフィールは攻撃を躱す。
魔族は痛みに鈍い。とはいえ、すぐに傷が治るわけでもない。
首のない騎士の剣がフィールの体をズタズタにしていく。
血が溢れて地面に零れ落ちる。
どうしようどうしようと悩むフィールは頭を必死に回す。
正直逃げたい。でもアウラが逃がしてくれる様子はない。
アウラの方に攻撃を仕掛けてみるか?
ちらりとみる。悠々と佇む彼女…だが隙らしい隙が見当たらない。
いま仕掛けても騎士が邪魔に入るし何より攻撃できないだろう。
やべぇ詰んだ。
半分絶望しながらフィールは一旦落ち着くためにフィールは一先ず回復するべきか、とポケットを漁る。
回復促進剤。回復魔法が全然使えないフィールにとっての命綱
それを一本取りだして、ごくりと喉に流す。
これで傷が回復して____。
「…ん?」
そこでフィールは「あれ?」と首を傾げる。
促進剤、この魔法瓶に入れてたっけ…?
フィールの手元には空の小瓶が一つ。
ピンクの可愛らしいそれ。だが回復促進剤の瓶はもっと細長いものだった。
しかし小瓶に入れた薬品なんて回復促進剤くらいしか…。
”大失敗したぁ…う”…しんどい。クソ薬ぅ”
「…ア”」
瞬間フィールの顔から血の気が引く。
そう。この薬、いつかのトラウマ薬であった。
回復薬ではなく、二日酔いのアンデットみたいになるアレだ。
因みに飲み合わせの都合により、薬の効果が切れるまでは回復促進剤は飲んではいけない。
「あ”あああああああああ、くそぉぉぉぉおおおおおおおおおお」
フィールは発狂した。滅茶苦茶発狂した。
回復するつもりがやべぇ薬を口にしてしまった。おかげで明日はグロッキー確定だし、筋肉痛で悲鳴を上げる羽目になるし、更に回復できないしで踏んだり蹴ったりであった。
更に消費魔力が激しければ激しいほど翌日のグロッキー具合が悲惨になるため、魔力を自動で垂れ流さないようにフィールは全力で腹筋に力を入れ無理やり魔力を押さえつけた。
碌に魔法を使えない状態で大量の首なし死体を相手取りながら魔力を押さえつけて戦う。
なんだこの縛りプレイ。誰得だよこの状況。
そもそも誰だよこんなクソ薬作りやがったの!自分だよ!!捨てろよ馬鹿!使った材料が貴重だし、特殊な薬だから他の薬と合わせたら凄い効果発揮するかもとか思って捨てられなかったんだよ!!!
ついに現実を逃避するように自分と自分で喧嘩をし始める始末
フィールは号泣した。無論誰も助けてくれない。この世は非情である。
「さて、と。そろそろ飽きてきたわ」
そこでアウラがついに動き出す。
アウラとしてはこのままフィールがミンチになるところを鑑賞するのも悪くはないのだが、それでは時間がかかるだろうということくらいは予想がつく。
そんなことより早く町の結界を破壊して人間どもを掌握してしまいたい。
だからこそアウラは自身の天秤をかざす。
「アゼリューゼ」
それはアウラの魔法
相手と自身の魔力を天秤に乗せ、魔力が多い方が魔力の少ない方を従わせることのできるシンプルかつ強力な魔法だ。
勿論アウラ自身にも危険はある。アウラより強い魔力を持っている相手には逆に服従させられてしまうからだ。
だがアウラには絶対に負けない自信があった。
それは500年以上生きた大魔族ゆえの自信
当然約200年程度しか生きていない雑魚魔族に負けるなどありえない。
さっさと服従させて自殺させてしまおう。
アウラは笑みを浮かべて魔法を発動する。
アウラの心臓から黒い魂が天秤に置かれる、そして
「ぎゃわぁぁぁぁ!?え、魂!?魂抜かれた!?」
悲鳴を上げるフィール
フィールの胸からも紫っぽい魂が出てきたのだ。
それをみたフィールは涙目になる。
騒ぐフィールを無視したアウラはフィールのソレを天秤に置いた。
そうして、天秤はより強い魔力へと傾く。
傾いたのは当然アウラの方
「…ぇ?」
…に、なるはず、だった。
アウラは運が悪かった。それ以外言いようがなかった。
配下たちは全員殺され、ただでさえ予定が狂った彼女は渋々自らここへ出向いた。
そうして、フィールと出くわした。
彼女は自身の魔力に絶大なる信頼を置いていた。
それは驕りではなく、真っ当な評価と言えた。
真っ当な評価だからこそ、彼女は油断していた。
フィールをさっさと”アゼリューゼ”で殺してしまえば、彼女の勝ちは決して揺るがなかった。
彼女は運が悪かった。
彼女が敵対した相手は200年程度しか生きていない魔族
それでいて、その200年で様々な魔法や魔法薬を独学で何種類も開発してしまえるほどの”天才”であった。
フィールが開発してしまった薬は"魔力増強剤”ではなく”魔力のリミッターを破壊する”魔法薬
本人の”命”を削ってでも無理やり魔力を”引きずり出す”使用者にも多大なる負荷がかかるやべぇ薬
そういう意味では”増強”といえるのかもしれないが、この薬の真にやばいのはここからだ。
増強剤は言わば掛け算。
本人の魔力に”確定している数字”をかけて魔法を増やす。
一方リミッター破壊、は”限界値がない”
魂を無理くり魔力に変えて放出し続ける。
使用者に負荷がかかり、最悪死んでしまう可能性だってあるこれの方が増強剤よりやばい薬だ。
魔族は自身の魔力や魔法に誇りをもっている。
魔族の常識では魔法薬を使って魔力を増やしたり引き出したりすることはいわば”タブー”だ。
そんな魔族にとっての常識を持っていた彼女はフィールの飲んだそれに対して一切警戒をしていなかった。
フィールは魔力が漏れないように押さえつけていた。
アウラなら抑えた時に起きる魔力の揺れを感知できただろう。
しかし彼女はしっかりとフィールを見ていなかった。
それにより、彼女はフィールに起きた異変に気付くことが出来ず……使ってしまった。
天秤の皿が…紫へと傾いた。
「そ、そんな…そんな、わけ…っ」
500年生きてきた中でたったの一度もなかった現象
アウラはそれに目を見開いて焦りを見せる。
それは紛れもない”隙”だった。
フィールはその隙を好機と受け取り、騎士の間を潜り抜け、アウラの前へと飛び出す。
そうしてアウラを倒すために魔法を放出する準備をする。
その姿を見て、アウラは内心ほくそ笑んだ。
(こいつ、私の魔法の効果に気づいてない…!)
現在アウラは自身の魔法にかかっている状態だ。
今の彼女にフィールが”自害しろ”と一言いえば彼女は自身の持っている剣で自身の首を切り落としたことだろう。
しかしフィールはそのことに気づいていない。
(それなら、勝ち目はある…!)
アウラはたった数十秒間でフィールの魔力の変動の正体に気づいていた。
500年生きた大魔族の彼女は戦場においても当然頭が回った。
(魔法薬で一時的な強化。なら必ず効果が切れるときがくる。そこを狙えば殺せる)
天秤は未だ紫に傾いている。
だがどこかで必ず天秤が黒へ傾くはずだ。
時間はかかってしまうが仕方がない。
時が来るまで、騎士で攻撃しつつフィールを躱せばいい。
一先ずは、今からくるフィールの攻撃を耐えさえすれば
今のアウラに油断はもうない。
必ずフィールを殺す。
そう決意したアウラは不自由な体で身構える。
アウラは本当に、運が悪かった。
アウラは勘違いしていた。
フィールが”魔法をろくに使えない魔族”だと。
フィールは害意のない相手には弱い魔法しか使わない。
攻撃するのではなく、退かすための魔法
フィールは魔道具を持っていない。
ただしくは腕の中に突っ込んでいるが、魔族の常識でもそんなとち狂ったことをする奴はいない。
そして魔法使いは…魔道具を通さなくては基本強力な魔法を使えない。
フィールの常識をアウラが理解しているわけがない。
フィールの戦闘スタイルをアウラが知っているわけがない。
フィールの非常識さをアウラが知っているわけがない。
故に
「ヒンリヒトゥング」
フィールの手から突如放出された強力な魔法に思考が…止まった。
真っ白な光が目の前で溢れる。
闇を焦がすような光にアウラは目を瞑った。
目を開けば視界が低くなっていた。
視界の端で黒い塵が舞う。
この目線には見覚えがある。地面に倒れているのだ。
どうして倒れている。転んだのか?
一先ず起き上がらなくてはいけない。そうしてこの忌々しい魔族を殺さなくては
だというのに、手をつくことができない。
体に力が入らない。
否、体がない。
黒い塵が視界の端で舞う。
その塵の発生源は己の体。
その体には…首がなかった。
それをみてアウラは「ああ」と察する。
彼女は断頭された。
それに気づいたのは、頭も体も闇に溶けて消える直後であった。
そして
「急いできてみれば、驚いたよ」
歴史上で最も多くの魔族を葬り去った魔法使いが降り立った。
フィール
本格的にやばい魔王になりたい魔族
場合によっては次回いよいよ死ぬかもしれない。
連戦、しかもどちらもラスボス級とか聞いていない。
アウラに勝てたのは奇跡みたいなものなのに、なんでこうなった??と嘆いている。只管可哀そう。
首切られちゃったアウラちゃん
油断していたのよ!!と死に際に叫んでいた、かもしれないアウラちゃん。
可愛いよね、この子。それにしても原作じゃ自害して今作じゃ首切られる。
どちみち首を切られる運命にある。どんまい。
本当に油断さえしなければ絶対に勝てた方
”自分より弱い魔族に首を切られた”という屈辱をもって死んだ。
でも汚名返上は叶わない。なぜって?アウラはもういないもの。
ヒンメル
嫌な予感大当たり☆
フリーレン様
ついに降臨なされた。
次回、恐らく最終回!
どうなるフィール!?お楽しみに~