イオリと先生   作:じーYA

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捏造です。本編から匂わされてすらいない過去を捏造しています。
捏造です。イオリ(幼女)と先生(仮)が出てきます。
捏造です。合わない方はブラウザバック推奨です。
何もかも許せる人向け


イオリ(幼)とプール帰り

『あと五分で午前の開放時間は終了です。中の生徒はプールサイドまで上がってください。くりかえします。あと五分で午前の開放時間は——』

 

 そう機械音声が告げる。ご丁寧にも水中にもスピーカーが設置されているようで、潜水して聞こえないフリをすることが出来ない。

 

 十秒ほど息を頑張ったが、限界を感じて水面へと浮かび上がる。

 

 ざぶざぶと水面をかき分けて梯子に手をかけるとプールサイドに腰掛ける。窮屈そうなプールキャップを剥ぎ取れば濡れた銀髪が地面に投げ出された。一息ついた彼女は適当なところで髪を括り、プールから出ていく。

 

 冷たいシャワーを浴びた後にタオルを羽織ると夏だというのにタオルの熱が心地いい。体の水滴をタオルに吸わせて、肌に張り付く水着に指をかけると一気に脱ぎおきバッグにしまう。体と髪の水分をいくらか取って普段着に着替える。

 

 更衣室から外に出るとカッと太陽の光が褐色の肌に突き刺さった。褐色の肌は生まれつきのもので日に焼けたというわけではない。なんなら肌は弱いほうなのでプールなんて行った帰りにはケアをしてあげないと大変なことになるのだが、彼女はまだそれを知る年齢ではなかった。

 

 暗い更衣室から出たすぐで目を細めていたイオリは、視線の端っこで見覚えのある人影がこちらに手を振っているのに気がついた。夏だというのに長袖のワイシャツに黒のパンツ。晴れだというのに手には黒い傘をさして、校門に設置されたベンチに座っている。あのベンチは呪われてるなんて噂のせいで誰も座らないのに、その人影は気にしないと言わんばかりにどっしりと腰を落ち着かせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっちぃ…」

 

 来る途中で買ったアイスコーヒーを啜ると水っぽくて味が薄い。軽く振るとしゃばしゃばと水音だけがする。ちくしょう、こんな事なら魔法瓶にでも入れて持ってくればよかったか。

 

 そうぼやいていると目当てのお姫様が出てきたところが見えたので、片手のコーヒーを一気に飲み干してベンチに投げ出していた手を振る。

 

「イオリー。こっちこっち」

 

 気づいた彼女が少し不審がっているのが見えるが、やがてこちらに向かって駆け出した。近づく小さい黒点がやがて目の前で影を作るほどに近づく。

 

「おじさんこんにちわ」

 

「はいこんにちわ。いやーこんなに暑くても小学生は元気だね…。あとお兄さんね。まだ学生よ俺」

 

「はーい。で、お兄さんなんでこんなとこいるの?傘なんかさして。今日晴れてるよ」

 

 彼女はこの炎天下を然程気にしないらしい。だからこそ母親がこれでもかというくらい気にかけるのだろうが。椅子から立ち上がり日傘の影にイオリを入れてからしゃがみ込む。

 

「イオリのお母さんに頼まれてね。お昼だから迎えに行ってあげてって。この傘は日焼け対策の日傘。イオリにってお母さんから持たされたやつだよ。はい」

 

「ふーん」

 

 イオリに日傘を渡すが、晴れの日に傘をさすことに未だ疑問符を掲げる彼女は傘を閉じてしまう。

 

「それと、多分夏休み中のお迎えは俺が来ることになりそうだよ。お母さんに頼まれた」

 

 「纏まった休日が作れるまで頼まれてくれないか』という彼女の母に頼み込まれて、話半分に了承した。大学は長期休みは小中高よりもずっと長い上に、課題という課題もほぼ無い。

 

 特に意味もなく自堕落に過ごしてしまうくらいなら小学生のライフスタイルに合わせたほうが健康的なのは言うまでもない。

 

 朝起きて、夜に寝る。だいたい毎日外に出て運動して。あとは課題やったり自習したり。

 

 面倒を見てくれたお礼、ということで銀鏡家でたまに飯もご馳走してくれるのでまさにwin win 。なかなか悪くない生活である。小学生の無尽蔵な活力に振り回されてしんどいときもあるが、逆にそのおかげで下手な夜更かしが出来ないのでぐっすりと眠れる。

 

「!…それってつまり」

 

 そんな彼の考えなんてまるで知らないイオリは目を輝かせてこちらを見上げている。

 

「ん?ああ」

 

 何を期待しているのかは手に取るように分かる。それを勿体つけて、あえて言葉を選ぶ。

 

「そう、”そういう“こと」

 

 にこりと悪そうな笑顔を作って口元に人差し指を当てがうと、彼女は大層喜んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ早くー!早くいこ!」

 

「慌てないの。いつもの“約束”は覚えてるよね」

 

「もちろん!」

 

「本当に?じゃあ俺が今からいう約束を一つづつ答えられるかな?」

 

 これは会うたびに毎回繰り返す、いわゆる“お約束”でもあり、半ばじゃれあいのような受け答えだがこれはこれで必要なものだ。

 

「うけてたつ!」

 

「それじゃあ一つ目、お菓子は?」

 

「二つまでで、合計百五十クレジットまで!」

 

 右手を元気よく空に掲げて答える。

 

「よし。二つ目、お昼ご飯前に行くときは?」

 

「おなかいっぱいにしないこと!」

 

 ぐたりとしていた尻尾がピンと伸びて、嬉しそうに跳ねている。

 

「それじゃあ最後三つ目、午後からは?」

 

「…夏休みの宿題を一ページ終わらせること」

 

 自分の顔を見上げていた目が横へと逸れていく。先ほどまでの元気は何処に行ったのか。

 

「なんて言ったか聞こえないな〜」

 

「に、にぺ」

 

「サバ読まないの」

 

「…三ページ頑張る」

 

「よろしい」

 

「じゃあ…!」

 

「うん、帰りにいつもの駄菓子屋に寄っていこうか。あんまり遅くなるとお母さんに怪しまれるから、何買うか今から決めておくんだよ」

 

「はーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば来る時に見たけど”かき氷“とか出てたよ。もう季節だねぇ」

 

「えっじゃあ私それがいい!いちごのやつ!」

 

「残念かき氷は二百クレジットで〜す。百五十超えちゃいま〜す」

 

「え〜〜〜。けち〜〜〜」 

 

「コラ前髪掴まないで!……んー、じゃあ家に帰ってお昼食べ終わったあと、お母さんのお手伝いするって約束できるならおまけしてあげる。どう?」

 

「うー…」

 

「あれヤなの?」

 

「イヤじゃないけど、机ふいたり食べ終わったあとの片付けはいつもやってるし…」

 

「そういえばそうね。そっか普段からやってることか。それじゃあ…」

 

「うー…」

 

 頭頂部にずしりと重みが乗っかる。顎が頭の変なところに当たってちょっと痛い。

 

「…じゃあ今回はそんなえらいイオリにご褒美として、夏休みの間は二百クレジットまでにしてあげよう!」

 

「ほんと!?」

 

「ほんと。夏休みの限定特別仕様」

 

「やったぁ!お兄さん大好き!」

 

「現金だなー....あ、まって肩の上でそんな動かないで!あとちゃんと傘さして持って危ないからー!」

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 この後買い食いをしたことが親御さんにバレてしまい、お昼ご飯の後に共々軽くお説教をくらったのはまた別の話である。

 

 しかし何故バレたのか。カップの紙ゴミは銀鏡家に着く前に処理したし、お昼ご飯の焼きそばもちゃんと完食していた。何ならイオリは2回もおかわりした。よく食べるのはいいことだ。

 

 強いていえば、イオリは当初食べたがっていたイチゴをやめてブルーハワイにしたくらいなのに。いったい何故だろうか?






◆ ◆ ◆

水着イオリの絆ストーリーにてイオリは泳ぐのが苦手だということが分かりますが、小さいころは風紀委員会もやってないし授業あるだろうしで「ある程度遊べるくらいには泳げていた」と考えるほうが楽しいのでそうしました。そもそも普段着の絆ストーリーでも卒アルなど過去を匂わせる発言をしているんので火のないところに煙は立たぬというか、妄想の余地を与える公式が悪いので私は悪くない。いやどう考えても勝手に妄想して捏造する私が悪いです。ごめんなさい。でも公式さんもっと銀鏡イオリの過去とか掘り下げてもいいのよ。アビドス過去編で風紀委員会(ヒナ2年生の時)とか出せそうじゃないですか。そのころから既にイオリはあのポジションにいたのか、それともメカクレモブだったのか。使用武器は?なんで年上かつ上長のアコの事を”ちゃん“付けで呼ぶのか?何かあったんですよね!?ええ、そうですよね分かりますとも。ただ出すタイミングがないだけなんですよね。じゃあ風紀委員会でコミカライズしよう!となっても競合が強すぎる。ヒナは言わずもがなアコ、チナツとスーパーウルトラどストレートにドスケベな風紀乱し委員がすぐ側にいてはイオリの影なんて足舐めを強調することくらいになってしまう。それはあまりに勿体無い。イオリの魅力、もとい話題性は足にかなり集中してしまいがちですがアニメでも分かるように戦闘面はバチクソ強い上に煽りスキルもある。煽られたら簡単に乗りそうなところがまた可愛い。あのカヨコに「策なしじゃ…」って言わせる時点で個の戦闘力はヒナに匹敵すると言ってもいいんじゃないか。私はそう思う。ただ目の前しか見えなくなって搦手にすーぐ引っかかって戦闘不能になるだけで。これも過去からの積み重ねでこういう性格と矜持を獲得したと思うとどんな小中生活だったのか考えるだけで楽しいです。落とし物届けて「ありがとう」って言われたその一言が無意識の原動力になってるとか。いいですよね小さい頃に感じた思いを心の支柱にしてそれだけで前に進む子。

そう考えながら過去に思いを馳せると、そもそも銀鏡イオリの過去、その場に先生(自分)がいないのがもう悔しくてたまらない。
なので存在しない記憶を書き上げました。

Chu!気持ち悪くててごめん!
だが私は謝らない。
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