【転生者は】多次元式転生掲示板【助け合いでしょ!!】   作:DestinyImpulse

10 / 32
ありふれた日常の為に世界最強・月夜の誓い?

 

 

 あの後、ハジメと妖狐は無事に筆頭錬成士ウォルペンのもとで鍛錬することになった。当然光輝や小悪党組を中心として文句が上がったが、メルドが睨みを利かせ黙らせる。

 

 それでも光輝からの勧誘や白崎からの嫉妬の眼差しなど鬱陶しい事は多くあったが……それでも無視を決め込む事ができた。

 

 

 その理由は掲示板の仲間達とのやり取りは本当に楽しかったからだ。それでも、悪意が消えた訳ではない。明日から実戦訓練の一環とて生徒皆で【オルクス大迷宮】へと遠征に行く事がメルドから皆に告げられた。 

 

 オルクス大迷宮は【七大迷宮】の一つで、全百階層からなると言われている大迷宮であり、階層が深くなるにつれ強力な魔物が出現する。

 

 それなのに冒険者や傭兵・新兵の訓練に非常に人気がある。理由は階層により魔物の強さを測りやすい事に加え、出現する魔物が地上の魔物に比べ遥かに良質の魔石を体内に抱えているからだ。

 

 魔石とは、魔物を魔物たらしめる力の核である。強力な魔物ほど良質で大きな核を備えており、軍事関係・日常生活の両方において必要な大変需要の高い品なのである。

 

 

 妖狐達とメルド団長率いる騎士団員複数名は、オルクス大迷宮へ挑戦する冒険者達のための宿場町「ホルアド」に到着すると、新兵訓練によく利用する王国直営の宿屋に泊まった。

 

 

「ハァ…」

 

 妖狐はハジメと共に割り振られた部屋でため息を吐く。非戦闘職の自分達まで戦闘訓練に参加するのはどうなのかとメルドに問うたが、どうやらイシュタルや国王から生徒は全員参加するように言われたらしい。

 

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

202:対魔忍リバイ

 日の浅い非戦闘員を無理矢理、実戦訓練に連れて行くとは正気の沙汰じゃないな

 

203:屋根裏ジョーカー

 その通りだな、ありふれちゃんを通して俺達も見たが……酷いなクラスの奴ら……………よく原作のハジメ君、見捨てなかったな。

 

204:ありふれた転生者(仮)

 メルドさんも抗議してくれたんですけど聞き入れてもらえなくて、天之河は「俺が守るから」とか臭い台詞をペラペラ五月蝿いし、最悪ですよ。

 

205:鬼斬り抜刀斎

 それってありふれちゃん達を実戦に出すように進言したの勇者(笑)なんじゃ。

 

206:炎の剣士

 あの人、ありふれちゃんをハジメさんから切り離そうとしてますしワンチャンありますよ。

 

207:ありふれた転生者(仮)

 やっぱりマゼンタニキの力で元の世界に帰る事はできませんか?

 

208:マゼンタの旅路

 気持ちは分かるが、そうすればエヒトによってまた召喚されるのがオチだ。やはりエヒトを倒す他あるまい。

 

209:ありふれた転生者(仮)

 …………やっぱりそうですか。今は従うふりをしてチャンスを見計らって7つの“神代魔法”の一つ“魂魄魔法”を手に入れようと思います。

 

210:最高最善のグランドマスター

 そうだな……………エヒトは魂に干渉してくる。それを防ぐ為にも“魂魄魔法”は絶対に手に入れるべきだ。

 

211:神を薙ぐ超古代の光

 クラスの奴らが宛てにならない分遠慮なく言ってくれ。

 

212:ありふれた転生者(仮)

 ありがーー『南雲くん、起きてる? 白崎です。ちょっと、いいかな?』ーー……………今何時だと思ってんのよ!?

 

 

 

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「妖狐……どうしよう」

 

「無視よ、無視。今何時だと思ってんのよ」

 

 掲示板での話がひと段落ついて寝ようとした時にこれだ。深夜にあたる時間帯に訪問する非常識な行動に妖狐は無視と言ったものの、鳴り止まないノック音にハジメは無視することもできず扉を開けようとするので、ため息を吐いて妖狐は扉を開け……

 

 

 純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの香織の姿を見て扉を閉めた。

 

 

 部屋の中で見ていたハジメも「なんでやねん」と呟き、妖狐は更に鍵をかける。「ええっ!?」と白崎の驚いた声が聞こえ、ガチャガチャとドアノブをいじる音が部屋の中に響く。

 

「待って!何で?何で南雲君の部屋に精錬さんが居るの!?」

 

「明日の訓練は私達はペアで行動するからその打ち合わせと道具の点検の為にメルドさんに同室にしてもらったのよ。メルドさんも快く聞き入れてくれたわよ。恋人同士だから抵抗もないし」

 

「っ…!」

 

「それで?白崎さんこそ何?そんな痴女紛いの恰好で?ハジメに夜這いでも仕掛けにきたの?言ったよね私?私とハジメは付き合ってて、これからは“節度”を守れって」

 

「違う!私は南雲君と話を!」

 

 ヒートアップする両者。ただでさえ深夜の時間帯で騒がれては周りに迷惑が掛かる。このままではいけないとハジメが仲裁に入った。

 

「落ち着いて妖狐。白崎さんも、今の時間を考えて」

 

「「…………………」」

 

 ハジメの仲裁でひとまず落ち着きを取り戻した両者。流石のハジメもこの状況で香織に穏便に帰ってもらうのは不可能と考え取り敢えず彼女を招き入れた。

 

 香織の恰好は目に毒なのでなるべく視界に入れないようにするハジメと警戒心を露わにする妖狐。暫くすると香織は思いつめたような表情になり、興奮したのか身を乗り出してこう言った。

 

「明日の迷宮だけど、南雲君だけは町で待っていて欲しいの。教官達やクラスの皆は私が必ず説得するから!お願い!」

 

 あまりにも突然な言葉にハジメも困惑する。一方の妖狐は香織を睨みつける。文句を言おうとしたが先程言い合いになりかけた事もあり、取り敢えず言い分を聞く事にした。

 

「それは……僕が足手纏いだから?」

 

「違うの!南雲君が足手纏いとかそういうことじゃないの!」

 

 香織は慌てて弁明すると、手を胸に当てて深呼吸し落ち着きを取り戻すと、静かに話し出した。

 

「あのね、なんだか凄く嫌な予感がするの。さっき少し眠ったんだけど、夢を見て…。南雲君と精錬さんが居たんだけど……急に精錬さんが南雲君を連れて暗闇に向かって走りだして……南雲君に待ってって叫んでも全然気がついてくれなくて……最後には消えてしまうの…」

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

223:OCGトマト

 どういう事だってばね?

 

224:SAOテイマー

 どういう事だってばよ?

 

225:対魔忍リバイ

 どういう事だってばさ?

 

226:極み主任

気持ちは分かるがうずまき一族になるな。

 

227:最高最善のグランドマスター

 というか来てたのかテイマーニキ。

 

228:SAOテイマー

 >>227

 はい。WCDについてねぷネキと赤目ニキと話してて終わったんで此処に来ました。

 

229:神を薙ぐ超古代の光

>>228

 それで二人は?

 

230:SAOテイマー

>>229

 お二人はWCDの調査に行きました。

 

231:マゼンタの旅路

 それなら報告待ちか……

 

232:炎の剣士

 それでありふれちゃんの方ですけど……。どういうことです?

 

233:屋根裏ジョーカー

 いや、これただありふれちゃんとハジメが付き合ってる事を受け入れられなくて悪夢を見ただけだろ?

 

234:極み主任

 別に彼女には予知とかそういう能力はなかった筈だが。

 

235:最高最善のグランドマスター

 女神だの聖女だの呼ばれているが、所詮は高校のガキだからな。ジャンヌみたいに啓示スキルもないだろ?

 

236:鬼斬り抜刀斎

 ありふれちゃんも呆れてるな。ハジメ君もちょっと引いてるぞ。まぁ、それでもフォローしてる辺り心優しい少年だな。

 

237:炎の剣士

 なんか白崎さんが語り出しましたね。

 

238:屋根裏ジョーカー

 ハジメ君が土下座して助けた奴か……

 

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「強い人が暴力で解決するのは簡単だよね。光輝くんとかよくトラブルに飛び込んでいって相手の人を倒してるし……でも、弱くても立ち向かえる人や他人のために頭を下げられる人はそんなにいないと思う。……実際、あの時、私は怖くて……自分は雫ちゃん達みたいに強くないからって言い訳して、誰か助けてあげてって思うばかりで何もしなかった。だから、私の中で一番強い人は南雲君なんだ。高校に入って南雲君を見つけた時は嬉しかった。だからかな、不安になったのかも。迷宮でも南雲君が何か無茶するんじゃないかって。不良に立ち向かった時みたいに…。でも、うん、私が南雲君を守るよ!」

 

 

 そう香織が決意の言葉を発する。言いたい事は伝えたことで気を良くした香織はそのまま笑顔で二人の部屋を後にした。

 

 

「何が守るよ……アンタらのせいで迷惑してるのに……。ハジメもさ、気づいてるんでしょ?白崎がハジメにどんな感情を持ってるのか?」

 

「まぁね……。ごめんね、本当は僕がキッパリ言わなきゃいけないのに妖狐に任せちゃって」

 

「気にしないで。下手に言って白崎を泣かせたら周りが五月蝿いし、今日はもう休みましょう。明日に響くと困るしね」

 

 恋仲だと言っても接し方を変えようとしない白崎に苛立ちつつもハジメに笑みを浮かべる妖狐。白崎のせいで就寝時間を大きく過ぎてしまった為、特に話す事もなく二人も眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが二人は気づかなかった。妖狐とハジメの部屋に出入りした香織の姿をとある人物が酷く歪んだ表情で見つめていたことに……

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。