【転生者は】多次元式転生掲示板【助け合いでしょ!!】   作:DestinyImpulse

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仮面ライダーニケワン・君を止められるのは・後半

 

715:最高最善のグランドマスター

 祝え!

 大切な者を取り戻す為に!勝利の女神と共に彼は輝く!!

 その名は仮面ライダーゼロワン・シャイニングアサルトホッパー!!

 正に生誕の瞬間である!!

 

716:炎のヒロアカセイバー

 おお!カッコイイ!!

 

717:赤目の主人公Z

 やっぱイカしたデザインだよなシャイニングアサルトホッパーは。

 

718:極み主任

 ああ、見た目に劣らぬ強さも秘めているあの形態ならば!

 

 

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「し、師匠!?何ですか!その見るからに火力が迸る姿は!?弟子の私に内緒とは酷いです!」

 

「言ってる場合!?てか何よ火力が迸るって?」

 

 シャイニングアサルトホッパーに変身したアルトを見てネオンが目が輝かせる。火力バカの彼女からすれば見るからにパワーアップした姿に興奮するのはある意味で当然なのかもしれない。

 

「アンダーソン副司令がくれた切り札だ。……さぁ、マリアンを取り戻すぞ!」

 

「了解…エンカウンター!!」

 

 準備は整った、後は戦い取り戻すだけ。

 

 ラピが交戦開始の宣言を発した直後、モダニア(マリアン)が乗り込んだ巨大機体から二つの黄色の光線が放たれ、全員が反射的に飛び退き、高熱源なのだろう光線が地面を蒸発させ爆風を立ち上がらせる。

 

「散開して波状攻撃!的を絞らせるな!」

 

【オーソライズバスター!!ガンライズ!】

 

 ゼロワンドライバーから形成された武器【オーソライズバスター】をガンモードにしてカウンターズに命令を飛ばし、それぞれがバラバラとなって移動しつつ巨大機体へ攻撃を始める。

 

 ラピの突撃銃が、アニスのグレネードが、そしてネオンのショットガンの銃弾と擲弾が巨大機体に喰い込み損傷を与えていく。

 

 それを鬱陶しく感じたのか巨大機体の発射砲が開き次々とミサイルが打ち出される。それらを迎撃、あるいは回避してやり過ごすが火力が多すぎてさながらSF映画だ。

 

【バスターオーソライズ!!】

 

【Progrise key confirmed. Ready for buster!】

 

 迫り来るミサイルを回避しながらアルトは【バイティングシャークプログライズキー】をオーソライズバスターにスキャンし装着、引き金を引く。

 

【プログライズバスターダスト!!】

 

 オーソライズバスターから放たれた鮫状のエネルギーは荒々しく空中を泳ぎながら迫り来るミサイルを破壊して右肩のミサイルボートを破壊する。

 

「今よ!火力集中!!」

 

 その隙にラピ達がもう片方のミサイルボートに火力を集中…爆散させる。左右崩壊の爆発で大きくバランスを崩しながら苦し紛れに左腕部の武装をアルトに向けるが……

 

 

「……遅い、ラピ!!」

 

「ラジャー!!」

 

【ゼロワンオーソライズ!】

 

 既にアルトはオーソライズバスターの銃口を向けており……

 

 

【ゼロワンダスト!!】

 

 放たれた黄色のバッタ状のエネルギーが容赦なく巨大機体の左腕を砕き。それに続く様にラピの性格無比の銃撃が頭部を破壊する。

 

「今だ!」

 

 至る所から爆発が起こり、此方への狙いが定まらない今が好機と本体であるモダニア(マリアン)が居るであろう場所に一斉射撃を行い邪魔な装甲を吹き飛ばす。

 

「……新しい姿の仮面ライダーに興味があったので少し遊んでからと思ったのに…ふふ…。正直、これほどだとは思いませんでした」

 

 爆煙が晴れると巨大機体はボロボロだが本体のモダニア(マリアン)はバイザーが半壊しているが余裕の笑みを浮かべていた。

 

「…こんなに被害を受けるとは…」

 

「…そんな綺麗な顔で言う台詞じゃないな」

 

 仮面の下でアルトが自嘲を込めた言葉を返し、オーソライズバスターの銃口を向ける。

 

「世辞が上手いんですね……でもそろそろ始末を……」

 

 第二ラウンドかとアルトやラピ達が身構える。

 

 しかしモダニア(マリアン)は動きを止め……次第に纏っているバイザーを乱暴に外し顔を顰めさせた。

 

「ッ!…ああっ…頭…が…!?」

 

 激痛が走ったのか、彼女が両手で自身の頭を庇うように押さえながら藻掻き苦しむ。

 

 

「アアアアアアアッ!!!」

 

 

 その時、彼女から発せられたのかは……喉が裂けんばかりに響く絶叫、余りの痛々しさにアルトやラピ達は勿論、掲示板の者達も顔を顰める。

 

 やがて落ち着いて来たのか荒い呼吸を何度も繰り返し、肩を上下させるが頭を押さえていたモダニア(マリアン)両手をゆっくりと下ろし…視線がアルトを捉えた途端、彼女の唇が震えた。

 

「──…指揮…官…?」

 

「ッ!?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

751:OCGトマト

 こ、コレって…

 

752:屋根裏ジョーカー

 ……………どう思うよ。

 

753:極み主任

 ……断定はできんが…

 

754:最高最善のグランドマスター

 ………ああ、十中八九…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

()()()()…!?

 

 

「指揮官…指揮官…!私を…助けに来たんですか…!?」

 

 

 ムシケラを見る様な表情から一変、歓喜に震える彼女の表情にアルトのオーソライズバスターを握る手が震える。

 

「す、姿は変わっていますが…指揮官ですよね!顔を…顔を見せてください…!」

 

「その手には乗らないわよ。指揮官、下がってください」

 

 震えを抑える様にアルトの手に手を添えたラピの視線が仮面越しのアルトと交差する。

 

「気を確かに…指揮官」

 

「ラピ……」

 

 そしてモダニア(マリアン)をアルトへ近付かせまいとラピが銃口を向ける

 

「ラピ…?ど、どうしたんですか?わ、私です、覚えていませんか!?い、一回しか会っていないからですか?あの…前、行方不明になった分隊を捜す作戦で…!」

 

「………覚えてるわ」

 

「な、なのに…何故、私に銃口を…?な、何故、こんなことをするのかは分かりませんが…誤解があるなら話し合いで解決させて下さい!ね?指揮官!」

 

「……………」

 

「…し、指揮官も…私のことを…覚えてないんですか…!?こ、これ!これ見えますよね!?」

 

 彼女が縋るような眼差しをアルトへ向けつつ僅かに垣間見える頭部へ巻かれた包帯を指し示す。

 

「指揮官が巻いてくれた包帯です!ケガをしたと心配して巻いてくれたじゃありませんか!本当に覚えて…いませんか…?」

 

(忘れる筈がない…キミのことも、その包帯を巻いたことも、全て覚えている)

 

 仮面の下で顔を顰め心の声を叫びたくなる衝動へ駆られるも、アルトはそれを歯を食いしばり押し込む。

 

「あ、あの!わ、私…一度もこの包帯を外したことがありません!生まれて…初めて受けた好意だったし、初めて受けた…温もりでしたから…包帯が解けそうになっても巻き直しませんでした…指揮官に巻き直して欲しくて…!」

 

「……………アニス、ネオン」

 

 心が痛む……しかしその痛みに膝を負ってはならない。アニスとネオンに遮蔽物から飛び出し銃口を向け包囲する様にそっと指示を出す。

 

「し、指揮官…私の包帯…巻き直して…くれますか…?」

 

 彼女が歩み寄って来る。

 しかしラピの放った銃弾が彼女の足元に着弾し足を止めさせる。

 

「……ヘレティック。それ以上、指揮官に近付くな」

 

 ラピが銃口を逸らさず警告を発した途端、彼女が声を荒らげた。

 

「い、いったいどうしたんですか!?私が何をしたというのですか!?ねぇ!?」

 

「………自分の名前を言いなさい」

 

「私は指揮官だけのニケ!名前なんて意味がありません!」

 

「………ッ!!」

 

 幾ら言おうが変わらず銃口を向けるラピにもう我慢がならないとモダニア(マリアン)は激昂したが……次の瞬間にはアルトへ花の様な笑顔を向ける。

 

「指揮官が付けてくれますか?私の名前を……だから顔を見せて…!」

 

「名前を言え──ッ!?」

 

 

「「…ラピ!?」」

 

 

 ラピが尚も彼女へ名乗るよう催促した矢先だ、沈黙したかに思えた巨大機体から伸びた触手がラピを貫かんと一直線に飛び出した。アニスとネオンの悲鳴が木霊する、援護は間に合わない。

 

 

【アックスライズ!】

 

 

 しかし、それは超スピードで飛び出しオーソライズバスターをアックスモードにしたアルトによって一刀両断される。

 

「し、指揮官…」

 

 まさか塞がれるとは思わなかったのだろう、唖然とするモダニア(マリアン)が何かを言うよりも早く……

 

【アサルトチャージ!】

 

「マリアン……君を止める!」

 

 プログライズキーを押し込みエネルギーを開放、大きく飛び上がり…

 

シャイニングストーム

‼︎

 

 

 鮮やかな黄色と水色のエネルギーを纏ったライダーキックを放つ。咄嗟に防御した右腕を突き破り、彼女の土手っ腹に直撃。余りの速度と威力に彼女は悲鳴を上げる暇もなく搭乗していた巨大機体を突き破り地面に叩きつけられた。

 

「指揮官…!」

 

「ラピ、怪我は…」

 

「問題ありません…指揮官のお陰です」

 

 着地したアルトにラピ達が集まりモダニア(マリアン)が叩きつけられた方に銃口を向ける。

 

「嘘でしょ…!まだ動けるの?」

 

 そこにはボロボロの身体を動かして仰向けから起きあがろうとするモダニア(マリアン)の姿があった。見れば損傷箇所が少しずつ再生しようとしている。流石のヘレティックもあの威力をマトモに喰らって無事で済む筈もなく暫くは動けないだろうが……それも時間の問題だ。

 

〈ヘレティックモダニアのエネルギーが著しく低下!!指揮官、この機を逃さないでください!!〉

 

「ああ…行こう。フォローを頼む」

 

「ラジャー…」

 

 シフティーの通信を聴きながらアルトはラピ達と共にモダニア(マリアン)に歩み寄り……取り出した拳銃を彼女に向ける。

 

「…う、撃つのですか?…私を…?」

 

 アルトに突き付けられた銃口をモダニア(マリアン)はやや呆然とした様子で見ていたが、やがて彼女は笑みを浮かべた。

 

「ふ、ふふっ…私は…指揮官を知っています。指揮官は私を撃てません。()()()も撃てなかったじゃありませんか」

 

「……………」

 

 彼女の一言にアルトは初任務(あの時)を思い出す。正しくあの時のやり直しに見えるだろう。

 

「……温かい人だから…優しい人だから……さぁ、銃なんて下ろして…早く私の包帯を巻き直して下さい」

 

甘く優しい言葉を語りかけるモダニア(マリアン)からアルトは目を逸らさない。

 

「…言った筈だマリアン…俺は君を止めると」

 

「……撃つのですか?私を?……その弾丸に撃たれたら私がどうなるか…分かっているのですか?………死ぬかもしれません、私。……私を…殺すのですか?」

 

 アンチェインドは既に装填されている。

 どうなるのかは誰にも分からない……しかし信じるしかない。

 

 アンダーソンを、スノーホワイトを……誰よりもマリアンを…!

 

「………」

 

 だからこそ、アルトの引き金へ乗せられた人差し指に、最後の力が込められた。

 

「指揮官!待っーー」

 

 乾いた銃声が1発、それが荒野へ響き渡り、彼女は頭部を背中へ大きく仰け反らせたまま身動ぎ一つしなかった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

805:仮面ライダーニケワン

 ……………………

 

806:炎のヒロアカセイバー

 …………ニケワンニキ…

 

807:SAOテイマー

 ………………

 

808:最高最善のグランドマスター

 ッ!?

 まだ終わっていない!!

 

809:OCGトマト

  え?

  

810:極み主任

 避けろ、ニケワンニキ!!

 

811:仮面ライダーニケワン

 !?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ガッ!?」

 

「指揮官ッ!?」

 

 掲示板からの忠告と腹部への衝撃は同時だった。突如としてモダニア(マリアン)の腹部から飛び出した触手が自分の腹に叩き込まれる。変身しているお陰で突き刺さる事はなかったが無防備に喰らったせいか骨が砕ける感触を感じアルトは吹き飛ばされた。

 

 薄れる意識でモダニア(マリアン)を見れば口元には……鈍く光る弾頭があるではないか。

 

「……嘘だろ」

 

 誰もが言葉を失った、現実離れにも程がある。

 そんなアルト達の心情など知らぬと彼女の真紅の瞳が吊り上がり、吹き飛ばされたアルトを見据えながら銜えた弾頭を吐き捨て怒りを露わに叫んだ。

 

「う、撃ちましたね…!私を撃ちましたね…!私にこんなことをするなんて…指揮官ー!!」

 

「ああっ!お前ェェェェ!!」

 

「ダメェェェェ!!」

 

 アニスとネオンの悲鳴混じりの絶叫と共に銃声が響く。グレネードやショットガンの直撃を受けても尚、彼女は止まらない。

 

「もういらない…貴女達も、指揮官も」

 

「クソがぁ!」

 

 まるで悪夢だとアニスは吐き捨てる。ライダーキックの直撃を受けてボロボロの筈なのに決めきれない。彼女の再生能力が此方の攻撃を上回りつつある。

 

 

「コード解放。サブジェネレーターを一時的に稼働」

 

 

 そんな戦場にラピの声が響く。あまりにも聞き慣れない単語に両陣営の動きが止まる。

 

「……シークレットボディ、アクティブ」

 

 

 小さく、覚悟を決める様に息を吐き最後の言葉を言い放つラピは……己の中に眠る()()を解き放つ。

 

 

 

【認識終了】

【コードネーム レッドフード。アクティブ】

 

 

「!?」

 

「ラピ?貴女…!?」

 

 

 誰もが唖然とする先ではラピが燃え上がるかの如く赤く染まった髪を靡かせモダニア(マリアン)を睨む。

 

「え…?」

 

 次の瞬間、モダニア(マリアン)の視界をラピの拳が埋め尽くしていた。

 

 ありえない…!?

 

 ヘレティックは戦闘スペックだけならピルグリムをも上回る。そんな自分が反応すらできない……先程のシャイニングアサルトホッパーすら上回る速度を“ただのニケ”が出せるなど…!

 

 

「ハァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

 しかし幾ら否定しようが現実は変わらない。音速すらも超えたラピの拳がモダニア(マリアン)の顔面に突き刺さりその勢いのまま彼女を地面に叩きつける。

 

 

「が、ぁぁ…!」

 

 叩きつけられた地面に幾つもの亀裂が入り砂煙を巻き上げモダニア(マリアン)は漏れ出す様な黒い光を放ちピクピクと痙攣するか様にして沈黙した。

 

 

「ハァ…!ハァ…!」

 

 燃え上がる様な赤が消え元に戻り大きく息を吐きラピはそっとモダニア(マリアン)から距離を取る。

 

「…指…揮…官…?」

 

「……マリアン…!」

 

 まだ止まらないのかとラピは苦痛で顔を歪ませる。

もうコレ以上は…!!

 

 

「……ッ!?」

 

 しかし彼女の視界に辛うじて変身解除されずアニスやネオンに介抱されるアルト(ゼロワン)の姿が映る時、彼女の顔が驚愕のそれへ染まり、唇を震わせ……

 

「し、指揮官!だ、大丈夫ですか!?しっかりして下さい!!」

 

 あの時の……輸送機が墜落し死の境を彷徨っていた自分を必死で助けようと奮闘する表情を見せる。

 

 

 

「……ま、マリ…アン…?」

 

 呂律が回らず、腹部の痛みを感じながらアルトは彼女に声をかける。すると彼女は勢い良く顔を上げた。真紅の瞳へ涙を一杯に溜めた彼女が何度も頷きを返す。

 

「は、はい!私です!()()()()です!私の声が聞こえますか!?姿は少し違いますが…やっぱり指揮官なんですね!?」

 

 

 

 今はシャイニングアサルトホッパー(強化形態)だが、初任務の時はライジングホッパー(初期形態)しか変身できず彼女のフォローを受けていたあの頃を思い出し途端に懐かしさが溢れた。

 

「…戻った…の?」

 

 アルトを介抱していたアニスが呆然とした様子で呟く声が遠く聞こえる中、アルトは歯を食い縛っていた口角を緩める。

 

「……おか…えり……」

 

「し、喋らないでください。変身して分かりづらいですが、重症なんですよね!ラピ、アニス!お、応急処置をするから早く手伝って下さい!!」

 

「………ええ、そうね」

 

 発泡したそれを歯で受け止めたのだ。噛み締められたアンチェインドの破片が体内に侵入し効力を発揮したのか、或いはラピの一撃を頭部に喰らった衝撃によるものか、不安は拭えないが……ラピには今の彼女が嘘をついている様に見えなかった。

 

「指揮官、私が周囲を警戒……っ!?」

 

 とりあえずアルトの応急処置が優先だ。致命傷には至ってないが腹部が骨折したのだろう、迅速な対応が必要故、変身解除を進言しようとして何かに気づく。

 

 

 付近のラプチャーはアブソルートやシュガーが掃討している為、有象無象のラプチャーが此処に辿り着ける筈もない。

 

 

 しかし“有象無象”でなければ?

 

「クぉォおぉぉぉ!!!!」

 

 

 ラピが視線を向けた先にはスノーホワイトと交戦していた筈のトーカティブがボロボロとなった上体のみを残した格好で上空から落下して来ているのだ。

 

 狙いはマリアンだ。

 

「くぅ!!」

 

 咄嗟にラピが銃弾を浴びせるが完全破壊するには時間も火力も足りない。

 

 

「お前達には…何…ひとつ…!!!!」

 

 

「……っ!」

 

 怨嗟の声を唸らせながら迫るトーカティブの狙いが自分だと気づいたマリアンの行動は早かった。ボロボロのこの身体では足手纏いであり、このままでは近くに居るラピまで巻き添えだ。

 

「…ラピ…指揮官をお願いします」

 

「ッ!?……マリアン!?」

 

 故にマリアンはラピをトーカティブの射線から出るように突き飛ばした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 トーカティブがマリアンとラピに迫る。側に居るアニスとネオンも迎撃しようとするが奴は止まらない。

 

「ぐぅ…!」

 

 オーソライズバスターを構えようとするが腹部の痛みで意識が飛びかけた……その時、声が聞こえた。

 

 

「指揮官!!」

 

 ラピでもアニスでもネオンでもマリアンでもシフティーでもない、初めて聞く少女の声…

 

 夢か幻か…顔を上げれば見た事ない水色のツインテールをした二人の少女が自分と視線を合わせていた、双子だろうがその顔は瓜二つだ

 

「◾️◾️◾️◾️と◾️◾️◾️◾️◾️は指揮官に立ち上がってほしい!!◾️◾️◾️◾️◾️を止められるのは指揮官だけだから!!」

 

 双子の内の片方が青い瞳に涙を溜めて叫んでいる。

 視線を移せば、周りには四人のニケが倒れ伏していた。

 

 お嬢様の様な鮮やかなドレスを纏ったニケ。

 

 黒い侍の姿に赤い刀を握るニケ。

 

 聖女の様な服装をしたニケ。

 

 どこかスノーホワイトを連想する少女のニケ。

 

 彼女達を倒した存在は直ぐに分かった。

 上空に佇み“ガラスの姫”の様に美しい少女がモダニア(マリアン)すら霞む程の火力で周囲を破壊し尽くしていた。

 

「このままじゃ◾️◾️◾️◾️◾️と◾️◾️◾️も殺されちゃう!!」

 

 そんな彼女と相対するは“人魚姫”の様に美しく煌びやかな少女と真っ赤な赤い髪と首に巻いた赤いフードを靡かせる“赤い英雄”

 

 人魚姫は涙を流し必死にガラスの姫に叫びながら周囲に浮かぶ泡の様な物を巧みに使って攻撃をやり過ごす。

 

 人魚姫の側には茶髪で白衣を纏った女性が亡くなった右腕を庇いながら必死にガラスの姫に叫んでいた。

 

 そんな二人に狙いを絞らせない様に赤い英雄は縦横無尽に駆け回り手に持つ大型ライフルを構えガラスの姫に叩き込む。

 

 

「◾️◾️◾️◾️と◾️◾️◾️◾️◾️には分かる!◾️◾️◾️◾️◾️が泣いてる事を!だって◾️◾️◾️◾️◾️は誰よりも勝利の女神に憧れて!誰よりも努力して!誰よりも美しいのだから!!」

 

 それを聞いてアルトは悟る。あのガラスの姫はマリアンと同じヘレティックにされてしまった被害者で彼女達は自分達の様に取り戻す為に戦っているのだと。

 

「それなのに…!こんな結末…!あんまりよ…!」

 

 黙っていた双子のもう片割れが涙を流す。それを見たアルトが動かない拳を握ろうと力を込める。

 

 

「だから◾️◾️◾️◾️と◾️◾️◾️◾️◾️は指揮官にお願いするわ…!もう一度立ち上がって!」

 

 痛みなど関係ない…それは諦める理由にはならないのだから!!

 

「◾️◾️◾️◾️◾️を助けて…!!」

 

 

 心を燃やせ!魂から吼えろ!!

 

 

 

『『仮面ライダー!!』』

 

 

 

 己は仮面ライダーゼロワンなのだから!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 意識の外からの行動にラピは反応できずに突き飛ばされながらマリアンに手を伸ばすしかできない。

 

 それを見て滑稽と笑うトーカティブはもはや頭部だけとなった己の事など…どうでも良い。

 

 アルト達が得るモノなど…取り戻すモノなど…何一つとてない。

 

 その結果だけを求めてトーカティブは動けないマリアンにその牙を向けて喰いかかる。

 

 

「……… シャインシステム…起動!」

 

 その時だ、アルトがボソリと呟く様に何かの起動コードを言うとシャイニングアサルトホッパーの胸部のオービタルユナイトが眩い光を放ち、青いエネルギー波動弾【シャインクリスタ】が幾つも展開され……

 

「いけぇぇぇぇ!!!」

 

 今まさにマリアンに襲い掛かろうとするトーカティブに一斉攻撃を仕掛け頭部だけのトーカティブに容赦なく突き刺さり串刺しにする。

 

「悪いなトーカティブ……返して貰うぞ!」

 

「クソォォォォォ!仮面…ライダぁぁぁぁ!!!」

 

 

 串刺しになったトーカティブはマリアンに落ちる事なく何もない大地にひしゃげた音を立てて激突する。

 

 最後のエネルギーが尽きたのだろう変身が解除されたアルトは最後の悪足掻きすら阻まれたトーカティブを見て嘲笑う様に笑みを浮かべる。

 

 

「ふざけるな!ふざけるな!!お前達に…渡して…!たまるかぁぁぁぁあ!!!」

 

 敗者は誰が見ても明らか…故に怨嗟の雄叫びを上げる…ボロクズ同然の頭部だけで叫ぶトーカティブは………

 

 

「ーー!」

 

 

「終わりだ…化け物」

 

 

 あまりにも醜く呆気ない最後を遂げた。

 追いついてきたスノーホワイトの容赦ない一撃が残ったトーカティブの頭部を木っ端微塵に消し飛ばした。

 

 

「すまない、逃してしまった」

 

「気にするな…ナイスタイミングだった」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

832:仮面ライダーニケワン

 お、終わった……。

 

833:炎のヒロアカセイバー

 お疲れ様ですニケワンニキ…!

 

834:赤目の主人公Z

 付近のラプチャーも撤退を始めているそうだ…

 

835:OCGトマト

 それってつまり!

 

836:神を薙ぐ超古代の光

 ああ、人類の…ニケワンニキの勝利だ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「応急処置が完了しました。指揮官、大丈夫ですか?」

 

「ああ……問題ないよ。ありがとうラピ」

 

 掲示板から称賛を受けながらラピによる適切な応急処置を施されたアルトは肩の荷が降りたと言わんばかりに体の力を抜く。

 

 スノーホワイトはトーカティブの死体確認を済ませた後に何処かへ姿を消し、アニスとネオンはマリアンに質問攻めをしていた。

 

「輸送機は手配済みです。暫くお休みください……指揮官?」

 

 そんな三人を見つつ状況報告をしていたラピはアルトが眠っている事に気づく。これだけの大規模な作戦の中心として活動したのだ、疲労で眠るのも当然だろう。

 

 そんなアルトを支える様に隣に座りアルトの頭を自分の肩に乗る様にそっと動かしたラピは静かな寝息を立てるアルトに笑みを浮かべ…

 

 

「お疲れ様です……指揮官」

 

 

 この作戦の終わりを告げる様に…静かにそう呟いた。

 

 

 





 今回でマリアン奪還戦は終了です。

 原作とは違う展開になったり、謎の回想だったり色々とありませんが、それはまた別の機会で出せればいいと思います。

 次回は本編の轟編を終えた後に、世界観を修正した極み主任になるかもしれません。

 それまでは一話の短編で繋ぐかもしれません。


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