彼女は苦悩していた。
なぜこんなにも自分の薬は出来が悪いのか。
彼女は恨んでいた。
なぜ自分は薬しか作れないのか。
彼女は思い返した。
なぜ両親は私を捨てたのか。
そして彼女は結論をだした。
「私に特別な力があれば」
しかし、そんな力があるわけもなく今日も今日とて薬草探し。
彼女は悟った、自分はもうすぐのたれ死ぬだろうと。
しかし、彼女はそれを見つけてしまった。
それは、きれいな色をした種だった。
「……おいしそうな種」
おもむろに彼女はそれを口にした。
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私は、薬屋を経営している。なんでもその腕はピカイチらしく、曰く、私は帝国一の薬師らしい。そのせいか貴族や文官すらやってくる始末。いや、うれしいんだけどもエシラ・アルルーナの薬は世界一とか言うのやめてほしい。はずかしいから。
そんなこと考えてたら、店のドアがひらいた。
「お、いらしゃい」
私は、眠い瞼をこすりながらお客さんに挨拶をする。
昨日徹夜しちゃったんだよね。眠い。
「どんな薬がほしいのかな。私眠いから手短にね」
「失礼な店ね。私を誰だと思ってるの」
「これはこれは、拷問が趣味の貴族のアリア様じゃありませんか」
私は、おちゃらけてやった。たしかこの子、この前家畜のくせに髪がサラサラだうんたらかんたら言ってたような。機嫌悪いのかな。
「まったく、あなたはそうやっていつもふざけた態度とるのね」
「まあ、そういう性格なもんでね。で、今日はどんな劇薬が欲しいのかな」
そういうと彼女はにやりと悪い顔をし、
「そうね、なんかこう発狂しちゃうやつない」
なんて言ってくるのだ。
そうだなー、発狂レベルの薬かあ。
「あ、これなんかどう。ギンピ薬。この薬を口に入れるとあら不思議、約二年間は自殺したくなるような激痛が襲いかかるのだー。被験者が言うにまるで酸を飲まれたようだってさ。どうよ、すごいでしょう」
「あ、あなたも大概よね。拷問している私が言えたことじゃないけど」
とか言いつつも興味はもってくれた様子。
結局彼女はギンピ薬を買って帰って行った。まあ、あれくらいならいつでも作れるし。
ちなみに、今日はほかに客が来なかった。
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閉店後、私は店の地下室に向かった。
実は、薬はこの地下室で研究している。どっちかというとこっちのほうが本業でったりする。
地下室の扉を開けるとすでに先客がいた。
「あっ、エシラ様おまちしてましたぁー!」
と元気な声で声をかけてくれる。ただし、火だるま状態でだ。
彼女の名前はトリカ。何かと私を慕ってくれる可愛い妹分。そして、私の実験の被験者でもある。
「トリカちゃん。他はどうだった」
「はい、水中では半日の潜水、無酸素状態でも10時間は呼吸なしで生活、さらに今見ての通り炎の中でも火傷ひとつしませんよ!すごすぎです、エシラ様の帝具!」
そう、私はトリカの言ったとおり帝具を持っている。その名も帝具「傀儡開花アルラウネ」。この帝具には二つの能力がある。一つは私が望む効力を持った花をつくる能力。そしてもう一つは花を人間に寄生させる能力。
一つ目は私が薬屋として働いていく上で必要不可欠な能力だ。なんたってこの能力で作った花を粉末状にするだけで薬になってしまうのだ。チート商法も甚だしいね。どうでもいいけど。
二つ目はトリカのような強化人間ならぬ寄生人間を作る研究の元だ。ただこっちは、帝具みたいに適合者しか力を得られないみたいなんだ。ほとんどが死んじゃうんだよね。そんな中、唯一の適合者のトリカちゃんマジ優秀。しかも適合者には、特殊能力を得られるみたいなんだ。
トリカちゃんの能力は「適応変化」。その効果は、まあさっきトリカちゃんが言ってた通りだね。
「了解。じゃあもう出ていいよ」
「ラジャー!」
そう言って炎の中から出てきた。うわほんとに火傷ひとつないよ。すげーな。
そんなこと思ってたら、後ろから声をかけられた。
「おいエシラ、連れてきたぞ。帝都内で今にも死にそうなやつだったから持ってきた問題ないな」
そんなことを言ってきた彼はファーレ。私の下で働いてくれる人攫い。腕もよくて何人も連れてきてもらってるけど一度も話題になったことがない。とにかくすごいやつなんだ。
その彼が連れてきた男に目をやる。確かに衰弱しているけどまだ大丈夫そうだしいけるね。
私は、懐から種を取り出し男の口に入れた。
「~~~~~~ッッ!!」
結果、死んじゃったよ。
「失敗か。まあ、予想通りだな」
「エシラ様、大丈夫です!また次がありますよ」
「うん、成功率は低いみたいだし。じゃあ、そいつ花の苗床にしといて、私は新薬の作ってるから」
「「了解」」
二人が死体を運んでいく、それを眺めながら私は思う。なんて充実した生活んだろうと。
そんなことを思っている間にアリアが死んだらしいがまあ、どうでもいいことだね。
やっちまった感はある。後悔はしていない。