特級指定ヴィラン『天与の暴君 禪院甚爾』   作:うたたね。

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クソガキ直哉が分からさせられた頃のパパ黒を見たかった
全盛期術師殺し。


プロローグ
堕天


 

 

 禪院家。

 平安時代より続く日本有数の旧家のひとつであり、近年の個性社会においても黎明期より強力な個性を発現させ、多くのプロヒーローを輩出し、その富と名声を社会に轟かせている。

 

 しかし、そんな歴史ある禪院家であるが、古くから続くというのは何も良い側面ばかりというものではない。

 元々、優秀な人間が多く生まれるということもあってか、家筋以外の人間や女性を見下していた彼らだが、前述した個性社会──その要因となる"個性"と呼ばれる異能が生まれてからは、更にその差別意識を加速させていったのだ。

 

 

 個性を持たずんば禪院家に非らず

 禪院家に非ずんば人に非ず

 

 

 そんな、あまりにも極端な思想を掲げる程に。

 

 禪院家の血筋は特殊であり、生まれてくる人間全てに"個性"が備わって生まれてくる。

 強弱は勿論存在するのだが、しかし個性社会において、"個性"の強弱よりもその有無が特別視されることが多く、"個性"を必ず持って生まれるという特異性は、社会において十分過ぎる影響力を持っていた。

 

 禪院家は表向きこそは人柄の良いヒーローを演出してはいたが、その本性を知る一部の者からは蛇蝎の如く嫌悪されている。

 

 しかし、それでも彼らがこの国の平和の一端を担っていることに間違いはない。

 思想こそ強く、ヒーローとしての在り方はあまりにも醜いものではあったが、その矛先が平和な市民に直接向くことはなく、悪に媚びることはなかったのだから。

 

 

 しかし、ある日を境に禪院家の人間は個性社会からその姿を消す。

 

 

 否──禪院という一族は、一人の暴君の手により、一族郎党皆殺しにされることになる。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 ──あり得ない

 

 

 現禪院家当主である禪院扇は、今現在己が置かれている状況を理解することが出来ずにいた。

 否、理解は出来る。しかし、それを彼の誇りが、意地が、決して認めようとはしなかった。

 

 燃え盛り、朽ちていく歴史ある禪院家の本家、その屋敷。

 当主の間とも呼ばれるそこで扇は倒れ伏していた。

 彼の様相は、あまりにも惨たらしい有様だった。

 

 体中は血に濡れ、顔の半分は原形を留めておらず、四肢は須くあり得ない方向を向き、無様にピクピクと肉体を痙攣させている。

 瀕死。

 たとえ、リカバリーガールがこの場にいたとしても、彼をこの先待つ死の運命から救い出すことは不可能であっただろう。

 それでもなお、扇がこうして意識を保ち続けられているのは、彼がトップヒーローの一人であり、強者と呼ばれる立ち位置にいるからであろう。

 

 しかし、そんな彼も今はもう死を待つのみ。

 ()()()()()()()()()、彼は──禪院家は、為すすべもなく鏖殺されてしまった。

 

("()()"()()()()()()()()()()が──()()()()()()()()()()……!)

 

 

 個性を持たずんば禪院家に非らず

 禪院家に非ずんば人に非ず

 

 

 禪院家に根強く残る思想。

 禪院家に生まれてくる人間に"個性"を持って生まれない人間は存在しない。

 あり得てはならないのだ。

 

 しかし──20年前、その例外があり得てしまった。

 

 みしり、と。

 扇の側の畳が軋みを上げる。

 痛みに堪えながらも、扇は視線だけを何とか上へと持っていく。

 

 そこにいたのは、一人の男。

 

 無造作に切られた黒髪の短髪。

 口端に付けられた切り傷。

 甚平の下から垣間見える鍛え上げられた天賦の肉体。

 

 そして──黒く暗く澱んだ双眸。

 

 禪院家の異端児。

 

 禪院家から生まれたのにも関わらず、個性因子を持って生まれなかった、歴史上唯一の存在。

 

 その名を──

 

 

「──この、猿め……!」

 

 

「……今際の際だってのに、言うに事欠いてそれか」

 

 呆れたように呟いた男は、サッカーボールに足を乗せるかのようなそんな軽やかな動きで扇の頭に足を置き、そして踏み潰した。

 

 パシャリ、と脳髄や血肉が辺りに飛び散る。

 男はたった今、人を一人殺したというのに気にしたそぶりすら見せず、視線を逸らし、踵を返す。

 

 

「じゃあな、ゴミども」

 

 

 襖に手を掛けた男は、最後に一言そう呟き、音もなくその場から消え去った。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 その日、禪院家に不在だったサイドキック部隊"躯倶留隊"21名、ヒーロー部隊"炳"6名が非業の死を遂げる。

 

 現場には指紋は残されていたが、該当者は日本国内には存在せず。

 遺体の傷口には刀跡や打撃跡が多く見られ、増強系の"個性"によるものと判断された。

 

 後日、禪院家に残された記録より、首謀者は生後に戸籍登録をされていなかった者によると警察庁、ヒーロー協会は推測。

 

 禪院家の実態を開示すれば世間に大きな混乱が訪れると判断し、本事件の詳細は世間には公表せず。並びに首謀者においてはその特異性故に、一部のヒーローにのみ情報を開示。

 

 

 禪院(ぜんいん)甚爾(とうじ)

 

 彼の者を禪院家殺害事件の重要容疑者として、

『特級指定(ヴィラン)』に認定する。

 

 

 

 




禪院家の説明云々は適当
続きは未定

【色々説明欄】
・禪院家
直毘人も直哉も甚壱もいない禪院家。原作でも終わってる価値観してるけど、ここの世界線では更に終わってる。一応、ヒーローという名目上は一般人を守ったりもしてる。
でも人質は効かない。人じゃないからね。

・禪院甚爾
我らがパパ黒。この世界線ではパパ黒ではない。
直哉が分からさせられた頃の甚爾のままであり、ふとした思いつきで禪院家を滅ぼした。
"個性"は所持しておらず、代わりにオールマイトに匹敵(少し劣る)肉体と研ぎ澄まされた五感を持つ。
噂を聞きつけた魔王や医者曰く、"個性"という進化とは別の方向性に進化した新人類とのこと。
禪院家を出た後は、裏社会をのらりくらりとしながら、フリーの殺し屋として生きる。相方は義爛。

「どうだ禪院。平和の象徴(オールマイト)の暗殺、一枚噛まないか?」
「オール・フォー・ワンがクライアントってのが胡散臭えが……いいぜ、その依頼受けてやる」


・禪院扇
現禪院家の党首。オールマイトよりもエンデヴァーを敵視している。ちなマキマイは産んでいない。
原作でもネタにされがちだが、ヒーローとしては普通に強い。
エンデヴァーが事件解決数No.1なら、こちらはヴィラン傷害数No.1。
大体体のどこかが欠損してるらしい。

「ヒーローとして、唯一つを除いてエンデヴァーに遅れを取ったことはなかった」
>>余裕でエンデヴァーの方が強いです

なんか書いてほしい話あったら教えてください

  • 原作突入しろや
  • 青龍刀とかの武器を何処で手に入れたかとか
  • オバホとの関わり
  • その他(メッセで)
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