血みどろ無表情のフリーレンに殺されたい転生魔族。   作:たかたけ

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 最終回!(嘘)

 寝るために急いで作ったからちょっと修正とかするかも?


4話

 

 まるまるねんまるがつまるにち 転生してから多分300年くらい

 

 あの日は疲れ過ぎていた為、日記を書く気分じゃなかったのでかなり端折ってしまった。

 

 まあ何とか仲直り(?)出来たので良かったとは思う。

 

 まあ、それはともかくフリーレンに殺される為、これからも彼女のヘイトを稼ぐことが重要だ。──って言ってもどうしたら良いんだ?

 

 あ!!?!??!?

 

 今考えたら、フランメの血を飲んでる姿ってフリーレンのヘイトを相当稼げた……ってちげえええええええ!!!仲直りしたんだったああああ!??!???

 

 うわー!あの時めっちゃチャンスだったジャン!?あの時はフリーレンと話せなくなることに気を取られ過ぎて、かんっっぜんに忘れてたあ!?

 

 やべー『過去に戻ることができる魔法』とか無いのかなあ。

 

 はあああああああ(クソデカため息)。

 

 まあ、良いや…。

 

 あ、ここで計画の日について少し書いておこうと思う。

 

 計画の執行日はフランメが死んでから1ヶ月後だ。

 

 フランメが生きていたら確実にフリーレンと俺の殺し合いを認めない筈だし。1ヶ月後と言うのにも理由がある。

 

 まあ、あの人が死ぬのを俺はまだ想像できないんだが……。

 

……ふ、フランメも人間だ。寿命には勝てない筈。だよね?

 

……………。

 

 し、死ななかったら死ななかったでその時考えよう…。

 

 

 まるまるねんまるがつまるにち。フランメが死んで3週間

 

 そろそろだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

──フリーレンと出会ってから60年。

 

 フランメが死んだ。

 

 もう脈のない体は白いシーツの上に横たわっており、ふとした時スッと目覚めてきそうなほどに穏やかな表情だ。

 炎のような鮮やかな赤の髪はもう既に白に染まり切ってしまっている。老死だ。

 

「……」

「……」

 

 フランメの死体を見てただ静かに涙を流すフリーレン。ナルはそんなフリーレンに何と言う言葉を送れば良いのか分からず黙ったままだ。

 

「…フリーレン」

「…うん。お墓、作ろうか」

「………ああ」

 

──フランメここに眠る。

 

 そう掘った石をフランメを埋めた場所に差し込み、フリーレンが『花畑を出す魔法』を使う。すると、墓の周りには様々な色の花が生えてきた。

 

 ここは、この辺りの森にある崖。一番良い景色が見える場所にフランメのお墓を作った。

 

「…綺麗だな」

「……そうかな。やっぱり、先生には似合わないと思うよ」

「そうか?一応、女の子なんだし花が好きなくらい良いだろ?」

「一応って…そんなこと言ってたら化けて出てきて殴られるよ?」

 

 そう言い放ったフリーレンにナルは少し考えて答えた。

 

「そうだな……それも、良いかもしれないな…」

 

 ナルは近くにあった木に背もたれにして地面に座り込んだ。

 そうすると記憶がゆっくりと蘇ってきた。フランメとフリーレンとの生活はどこか陽だまりの中にいるような安心感があった。だが、それも今日で終わってしまった。

 

 覚悟をしていても、悲しいものは悲しい。

 

 目から涙が滲み出てくる。あーくそ…フリーレンの前じゃ泣きたくなかったのに…。

 

 溢れる涙を無理やり拭ってグッと我慢する。

 

「フリーレン」

「何?」

「俺とお前は寿命が長いから、こんな別れを何度も繰り返すかもしれない」

「…うん。そうだね」

「でも、それ以上に得るものは沢山ある。楽しいこと、面白いこと、くだらないこと、そんな記憶が。フランメとの記憶もそうだ。そして、それを未来に連れて行かないといけないんだ」

「……」

 

 フリーレンは不思議そうな顔でナルを見つめた。そこにはいつものように子供のような表情ではなくどこか、言い聞かせるような大人のような表情だった。

 

「その日が必ずくる。君が、必ず人を知ろうと思う日が」

「……そうなんだ」

「……なーんて。言って見ただけだよ。さーて、フランメからお願いされたこと、色々やらないとな〜明日から結構忙しいぞ〜」

 

 真面目な顔をやめて先に家へ向けて背を向けたナルの背中を、フリーレンはずっと見つめていた。

 

 

 

 それから1ヶ月たったある日。

 

 フリーレンは大きな物音で目が覚めた。

 魔族の襲撃か?と、警戒しながら家の中を確認していく。するとそこには何かが暴れたような痕跡が広がっており、玄関は吹き飛ばされ見るも無惨な姿になってしまっている。

 

……?ナルがいない?

 ナルが寝ているはずの部屋には何故かその本人がいなかった。

 

「(…ナルが魔族に攫われた?いや、でもどうして?)」

 

 考えついたことを脳内で模索していくが、正解らしい正解があまり感じられない。

 悩んでいても埒があかないと判断したフリーレンはとりあえずナルを探す事にした。

 

「ナルー。ナルーどこー」

 

 フリーレンは草木をかき分けてナルを探す。そして、その本人は意外にも簡単に見つかった。

 フランメの墓。そこに彼はいた。

 

「あ、ナル。無事だったんだ。誰かがうちに侵入したみたいなんだけど、ナルは知らな──」

 

 衝撃。

 ナルへと近寄ったフリーレンは腹に衝撃を受けて吹き飛ばされる。あらかじめ掛けておいた『衝撃から身を守る魔法』である程度は守れたものの、衝撃自体は殺せずに何十メートルもフリーレンは吹き飛ばされ、大きな木に背中をぶつけてようやく止まった。

 

「グギギヒギギ…」

 

 フリーレンは全身に伝わる燃えるような痛みを無視して飛び起きる。正面にいるのは黒い髪の隙間から黄色い角を生やし、短かったはずの黒髪を背中まで伸ばしたとても少年とは言えない大きさの青年がいた。

 

「……ナル?」

 

 フリーレンは直感的にそう呼びかけたものの、その青年の瞳には既に理性が灯っていない。ただ本能のままに動き、殺し、壊す。もはや彼は理性のない獣とへと姿を変えていた。

 

 それを確認したフリーレンの行動は早かった。すぐさま電撃の魔法を使いナルと思われる魔族へと放つ。

 

 消失。

 フリーレンから放たれた電撃は、初めから存在しなかったように打ち消された。そんなこと関係ないとばかりにフリーレンは続けて魔族に魔法を放った。

 

 再度消失。

 それを占めたとばかりに、魔族はフリーレンとの距離を詰めようとする。だが、それをフリーレンも許容するつもりはない。『暴風を生み出す魔法』を使い緊急回避を取ったフリーレンは魔族の後ろに回り込み再度魔法を撃ち放つ。

 

「フリー、レン」

「……!!」

 

 動揺。目の前の魔族からそう名前で呼ばれ一瞬、いつも一緒にいた彼のことを思い出してしまった。

 それは一瞬だった。だが、魔法使いであるフリーレンにはその一瞬は致命的だった。

 

「ギャガ!」

「あ……」

 

 理性を失った獣は獲物の隙だけを窺い、そしてそれを逃さない。

 

 いつのまにかフリーレンの正面に移動した魔族はフリーレンの頭を握りつぶそうと右手を前へと突き出した。

 

 フリーレンは1秒を数十倍に延ばされた景色の中で自身の死を悟った。防御の魔法も、回避の魔法もこれでは間に合わない。

 記憶が流れる。かつての同胞との生活。魔族への恨み。フランメとの出会い。約束。そして心優しい、いつのまにか魔族嫌いの自分を絆してしまった、異端の魔族の少年との記憶だった。

 それはどこか、暖かくてゆったりとしたありふれた時間。

 

 「(私って、今も昔も…何も出来ないんだな……)」

 

 同胞を魔族に殺された時も、フランメが死んだ時も、そして今も、全部後悔だらけだ。

 

 魔族の手が目の前まで迫る。

 

 ああ、死──、

 

 

 

──バキ

 

 骨がひしゃげる音。

 

 それは、フリーレンの頭蓋骨の音ではない。こちらへと伸ばされ、今もフリーレンの頭を鷲掴もうとした魔族の右腕の音だった。

 

 その右腕は怪力で握られてひしゃげている。それをしたものの正体は…その魔族の左腕であった。

 

「…ァ、フリー、レン。ご…めん。意識…飛んでたわ……」

 

 理性のこもった瞳で少年のように苦く笑う彼は姿形は違うものの、いつも一緒に暮らしていた彼の姿だ。

 

「…ナル……」

「う…ん。フリーレン…めっちゃ、傷だらけ、じゃん…血みど、ろだし…」

「……」

「は、はは。怒ら、ないでよ…。フリー、レンもう、持ちそうに、ないや…最後……君の、手で、殺して欲しい。今俺……が理、性を保て…てる間、に…」

 

 弱々しくニヘラと笑うナルに、フリーレンは初めて会った時のような、敵意や増悪に満ちた水晶のように綺麗な瞳を向ける。

 

 フランメから言われ、十分の一以下にしていた魔力を漲らせ、杖へと魔力を溜め込む。

 溢れる魔力が可視化できるほどの粒子となり、舞い上がる。先ほどまで曇天に隠れていた月が姿を現す。

 

──ああ、綺麗だな。

 

 フリーレンと初めてあってから見たかったものを見ることができてナルは内心喜んだ。そして、その喜びの感情は一瞬にして潰える。

 

──パタ……パタ……

 

 フリーレンは泣いていた。大粒の涙を大きな瞳に溜め込んで、頬に沿って流れ出す涙が地面へと静かに落ちていく。よく見ると彼女の持つ杖は酷く震えており、とても魔法を打てる状態じゃない。

 

「──いや、だよぉ…」

 

 フリーレンから溢れ出す本音。それはか細く、とても震えている。

 まるでわがままを言う、子供のような言葉。

 

 フリーレンの精神は未だ発達しきれていない。ただ、歳だけをとり、知識と経験だけは積まれた彼女は、大切な人を自分で殺すと言うことはできなかった。たとえ、それが魔族であっても。

 

 もし、ナルが理性を失ったままなら、フリーレンはただ魔族を殺す魔法使いでいれた。しかし、フリーレンのためなら自身が死ぬことすら許容すると言う魔族を…否、ナルを、もう魔族として見ることは不可能になっていた。

 

「ふりー、れん…」

 

 一方、ナルの方も心境は複雑だった。ナルは別にフリーレンを泣かせるつもりはなかった。だから毎日嫌われるための行動を起こしてきたし、実際、彼女からは嫌われていると思っていた。

 

 だが、違った。そのことにナルは今初めて気がついた。

 

 そして、後悔した。彼女に酷な選択を迫ってしまったことを。自身のことを優先して彼女の気持ちを考え、理解できていなかったことを。

 

「──血」

「……え?」

「前、こんなふうに、なった時…血を飲んだら、治った…と、思う」

 

 そして何よりも、今、目の前に泣いている女の子がいる。男の心を曲げる理由には十分すぎるものだった。

 フリーレンは自身の涙を拭う。そして、懐に入れておいたナイフで自分の首筋を浅く切った。たらり…と血が流れてくる。

 

「…早く、飲んで」

 

 それを見て起こる爆発的な衝動を抑えながら、ナルはゆっくりとフリーレンの首筋に口を添えた。今も流れる血を飲むと抑えきれなくなる衝動。

 ナルは思わずフリーレンの首筋に噛みついた。

 

「──んっ…」

 

 フリーレンの口から喘ぎ声が漏れる。

 

 魔族の本能が甘美な血液に喜びの声を上げる。それを無理やり押さえつけてフリーレンの首筋から鋭利な牙を抜いた。

 ついでに、先ほどフリーレンが切った傷から血が流れ続けていたので、『万象を拒絶する魔法』を使い、フリーレンが“負った傷を全て拒絶”した。

 

 フッと崩れ落ちるフリーレン。ナルはそれを素早く受け止める。どうやら、完全に気を失っているようだ。

 

 ナルは計画が破綻してしまったことは、今はどうでも良くなっていた。いや、それよりも優先したいことができてしまったのだ。

 

 エルフの寿命は長い。1000年生きてまだ若いと言われるほどの長寿だ。

 

 全てが自分で計画するのではなく、全てが自然に揃った時に、フリーレンに殺されよう。それまでは、少しフリーレンと一緒に過ごして見たい。そう思ったのだ。

 

 

ナル「やっぱり軽いな〜。って言うか、明日謝らないとな…ぶん殴っちゃったし…」

フリ「むにゃ…ワカメ…?」

ナル「なわけないだろ」

フリ「むぐむぐ……まずい……」

ナル「まあ、いっか……(ベトベトだけど)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 後日譚(?)はテスト終わってからで良いっすかねえ…?
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